「介護職ですが転職を考えています。」
「介護士の転職で気を付けることは?」
ここでは、介護士が転職を考えた時にまずすべきことを紹介します。
転職をするなら今よりも良い環境で今よりも良い収入を望むのは当然です。
この記事を読んで、納得できる転職活動の参考にしていただけたら幸いです。
介護職の転職は売り手市場
介護職は最も需要のある職業の1つです。
介護職は無資格未経験でも就職できますが、専門性の高い仕事であることは間違いありません。
知識と経験のある介護士は即戦力になるので介護職の中でもさらに需要が高いといえます。
介護職員は不足している
福祉人材センター・バンクが調査した令和3年4〜6月の福祉分野の有効求人倍率は4.05倍でした。
福祉分野の中の職種別で見てみると、
職種 | 有効求人倍率 |
---|---|
介護職(ヘルパー以外) | 4.61倍 |
介護職(介護補助) | 0.37倍 |
相談・支援・指導員 | 1.72倍 |
介護支援専門員 | 2.80倍 |
ホームヘルパー | 5.05倍 |
介護職の有効求人倍率は4.61倍でした。
このことから介護職は人材がまだまだ不足しているといえます。
資格や経験があると優遇される
介護職の求人倍率が高いことからも、現場では即戦力が優遇されます。
採用面で優遇される
ジョブメドレーの介護職/ヘルパーの求人(非会員で検索できる情報)の件数を確認しました。
無資格の求人数:19,173件
未経験の求人数:35,235件
経験者の求人数:78,609件
経験者の求人数は圧倒的に多くなります。
採用面でも経験者が有利であるといえます。
給与面で優遇される
下記は求人の一例ですが、
未経験者(有資格)の場合:時給1,350円~
経験者(無資格)の場合:時給1,400円~
経験者(有資格)の場合:時給1,450円~
介護福祉士の場合:時給1,500円~
このように、有資格で経験もあると給与で優遇を受けられる職場も多くあります。
介護士が転職を考えた時にまずすべき5つのこと
介護職の需要が高いことを説明してきましたが、ここからは介護士が転職を考えた時にまずすべきことを紹介します。
- これからのキャリアプランを見直す
- いまの職場で取得しておくべき資格はないか確認する
- 転職の成功談・失敗談を知る
- 転職サイトや転職エージェントに登録する
- 転職希望の施設があるなら見学に行く
それぞれ見ていきましょう。
1.これからのキャリアプランを見直す
自身のキャリアプランを見直しましょう。
キャリアプランを考えたことが無い場合には、これを機に今後のキャリアプランを立ててみましょう。
条件や待遇が良い職場に転職するのはもちろんですが、目的を持って仕事をするのと無目的で仕事をするのとでは仕事の楽しさが変わります。
また、描くキャリアプランによって転職先の選定や今後取得すべき資格が変わってくるかもしれません。
具体的なキャリアプランを描くヒントを3つ紹介します。
自分の現在地を確認する
自分が介護職のどの段階にいるのかを、こちらの記事を参考に確認しましょう。 常に人手不足状態である介護士は安定して長く働ける仕事。それゆえ他業界から介護士への転職を検討する人が増えています。 しかしながら、介護関連の資格がたくさんあるため、「転職した後のキャリアアップについて ...
【介護士へ転職した人のキャリアアッププラン】おすすめ5職種を紹介
需要のあるスキルからキャリアアップを考える
介護職の中でも需要の高い資格でキャリアアップをするのも1つの方法です。 さまざまな介護の資格があるなかで、どの資格を取得するべきか悩んでいませんか? この記事では「おすすめの介護資格」を解説します。 結論、介護の資格は目的に合わせて取得すると良いです。 どんな目的の場合ど ...
こちらの記事を参考に需要のある資格から考えてみましょう。
【目的別】おすすめの介護資格紹介|需要のある資格や人気ランキングも!
目指す姿からキャリアプランを考える
介護福祉士やケアマネジャーなど、既に目指す姿がある人もいらっしゃるでしょう。 介護職のスキルアップに悩んでいませんか? この記事では「介護職のスキルアップにおすすめの資格」を解説します。 結論、資格を取得する際は、今後のことも考えて検討した方が良いです。 スキルアップをしてどう ...
介護職でスキルアップをしていくなら、こちらの記事が参考になります。
【目的別】介護職のスキルアップにおすすめの資格|資格取得方法も解説
2.いまの職場で取得しておくべき資格はないか確認する
介護職へ転職するのであれば資格を取得している方がよりよい条件で採用してもらえます。
転職する前に取得できる資格があれば、取得してしまいましょう。
現在スクールで学んでいるなら修了する
介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修をスクール受講している場合、あとどのくらいで修了予定か確認しましょう。
修了すると現在の職場の待遇が変わる場合があるので予め確認しておくとよいでしょう。
福利厚生で資格取得支援などが手厚い場合は、転職するよりも現在の職場で資格取得までしておいた方が自分の経済的負担が少ないかもしれません。
介護福祉士に受験できる条件が揃っているなら先に受験する
介護福祉士の資格があると、転職先の選択肢も広がりますし好条件の求人も多くなります。
次回の介護福祉士試験にチャレンジできる条件が揃っているならば、資格を取得することを優先に動いても良いでしょう。
3.転職の成功談・失敗談を知る
転職が必ずしも成功するとは限りません。
前の職場の方がよかったと後悔する場合もあるかもしれません。
転職の成功談と失敗談を知って、よりよい転職活動に役立てましょう。
転職の成功談
訪問介護の常勤ヘルパーからデイサービスの常勤介護職員に転職して働くようになってから、たくさんのご利用者様と触れ合う時間が増えて充実しています。
また子供の頃から企画や制作をすることが好きだったので、レクリエーションやイベントの企画を考えたり壁面を季節ごとに飾り付けたりするのが楽しく利用者様や他のスタッフにも喜ばれることが多いことも嬉しいです!!
訪問介護は時間に限りがあるので利用者さんとの会話も充分な会話ができないままサービスが終わってしまうことも多くあったけど、デイサービスでは週1回だけのご利用者様でも充分お話することができるので私自身も楽しく、また焦らずに業務ができていると感じています。
引用:介護求人ネット
2年前に介護スタッフとして特別養護老人ホームで働いてましたが、キャリアアップをしたいと思い入職中にコツコツと転職活動をしていました。
自分はどんな人間かどんな施設が合うかしっかりと分析し、掘り下げていくと介護付き有料老人ホームがあっていることに気が付きました。
そして、気になる施設をいくつかピックアップしWebサイトで情報を得て、休日に見学や体験入職ができる施設へ行き、雰囲気を見てきました。
施設で働いているスタッフからも話を聞いたりと隅々まで細かくじっくり調べました。
そして、一番自分の雰囲気に合っている場所に入職が決まり、退職後すぐに入職できたので金銭面の不安もなく転職活動をすることができました。
介護福祉士の資格も取り、今ではスタッフリーダーという責任感のある仕事を任されていますが楽しく働いています。
引用:介護ワーカー
転職に成功している人は転職活動に特徴があるようです。
- 働きながら転職先探し
- 事前の情報収集
- 見学に行く
事前の情報収集は、求人情報やホームページに加え転職エージェントを利用して情報を集めるなど入念に行ないます。
また、見学に行って雰囲気を肌で感じることで、就職してからのギャップを少なくする工夫もしていました。
転職の失敗談
今は貯金を切り崩しながら転職活動をしています。
引用:ケアキャリ
入社初日から違和感を感じていました。当然仕事にもやりがいを感じず、人も足りない状況なので、激務だしサービス残業も多い、相談できる人もいなくて毎日が辛くて苦痛です。
何のための転職だったのかと凄く後悔しています。
引用:ケアキャリ
転職の失敗の原因はさまざまありますが、
思い立ったらすぐに行動してしまうと余裕を持った転職活動が難しくなり、条件よりも就職することを優先しがちになってしまいます。
転職の理由もさまざまあるので一概には言えませんが、できるだけ働きながらの転職活動をおすすめします。
4.転職サイト・エージェントに登録する
転職サイトや転職エージェントは多くが無料で求人情報を閲覧できます。
しかし実は会員のみが閲覧できる非公開求人の方に、より好条件の求人情報を持っている場合があるのでぜひ会員登録して利用しましょう。
転職サイトとエージェントの違い
転職サイトとは
インターネットで求人を紹介しているサービスです。
希望の求人が見つかったら、自身で応募ややりとりを行います。
転職エージェントとは
キャリアアドバイザーが転職希望者と企業との間のやりとりを行い転職活動を進めます。
キャリアアドバイザーはただ応募の仲介をするだけでなく、転職希望者の希望に合った求人を探して紹介したり、企業に出向いて職場の雰囲気や人間関係などさまざまな情報を取得して伝えてくれたりします。
おすすめ転職サイト
介護求人ナビ
引用:介護求人ナビ
掲載求人数は約4万件の介護・福祉・医療の求人・転職サイトです。
ノウハウ系のコンテンツが充実しており、求職者に必要な情報を網羅しています。サイトに掲載されている求人情報はすべて直接応募・問い合わせができます。
ジョブメドレー
引用:ジョブメドレー
医療介護職ではトップの約33万件の求人数を誇る求人サイトです。
求人が見つからない場合はキャリアサポート担当者が求人探しのお手伝いを無料で行ってくれます。また企業からのスカウトの仕組みもあるため会員になりプロフィールを登録しておきましょう。
コメディカルドットコム
引用:コメディカルドットコム
医療介護分野で国内最大規模の転職サイトで、全国で13,000法人、約80,000件の求人情報を掲載しています。
スカウト機能、マッチング機能など便利な機能が用意されており、エージェントを介さない分転職マニュアルなど細かく用意されています。
おすすめ転職エージェント
介護ワーカー
引用:介護ワーカー
サイトに掲載されていない非公開求人を含む数万件の求人情報から、介護求人を紹介から応募までサポートしてくれます。
応募書類の添削から給料や入職時期の交渉などサポートしてくれます。
ケアジョブ
引用:ケアジョブ
地域専任のキャリアアドバイザーが希望に合った求人が見つかるまでサポートしてくれます。非公開求人数が全体の70%と言われる介護業界なので、地域に精通して採用担当と密に連絡を取り合っているキャリアアドバイザーの存在は心強いです。
おすすめ派遣会社
きらケア
引用:きらケア
きらケアは高時給の案件が多いことで有名な派遣会社です。
事前の職場見学ができたり、職場の情報をネガティブなことも教えてくれます。
対応地域は首都圏、関西圏、愛知、福岡が主ですが、その他の都道府県へも徐々に広げているようです。住まいが対応地域なら登録しておきたい派遣会社です。
かいご畑
引用:かいご畑
かいご畑の対応地域は全国です。
特徴は、働きながら0円で資格が取得できる点、給与は週払いにできる点、介護資格を持つコーディネーターがサポートしてくれるのも安心です。
5.転職希望の施設があるなら見学に行く
転職先で気になる施設があれば、まずは見学に行くことをおすすめします。
見学で見るべきポイント
- 見学に対応してくれたスタッフの対応は丁寧か
- 施設の利用者は清潔にしているか(髪や服装など)
- 施設は清潔にしてあるか
- 感染症対策はしっかりしているか
- 職員は連携して仕事をしているか
- 職員は楽しそうに仕事をしているか
利用者が清潔にしているか、施設が清潔かどうかは重要なポイントです。
疑問に感じるようであれば、清潔に保てるだけの人員がいないと考えられます。
職員が楽しそうに連携して仕事をしているようであれば職員同士の人間関係は悪くないと考えられます。
職員それぞれが個々に仕事をしていると感じる場合は人間関係について不安が残ります。
施設を見学すると、求人情報だけではわからないことがわかります。
施設は複数見学に行くと、比較ができるのでおすすめです。
まとめ|介護士の転職は準備をしっかり
介護士が転職を考えた時には、この記事で紹介した5つのことを実行してみてください。
- これからのキャリアプランを見直す
- いまの職場で取得しておくべき資格はないか確認する
- 転職の成功談・失敗談を知る
- 転職サイトや転職エージェントに登録する
- 転職希望の施設があるなら見学に行く
転職したい理由はさまざまあるとは思いますが、転職するなら今よりも好条件でキャリアアップできる職場を選んでくださいね。