「介護職員初任者研修の難易度は?」
「介護職員初任者研修の合格率が知りたい」
この記事では介護職員初任者研修について紹介し、難易度や合格率の不安を解消します。
▼この記事の要約
- 介護職員初任者研修とは
- 試験の難易度
- 試験の合格方法
- 試験のコツ
- 介護職員初任者研修を持っているメリット
この記事を読んで介護職員初任者研修受講を自身を持って始めていただければうれしいです。
また「介護職員初任者研修にかかる費用」について知りたい方はこちらで解説していますのでぜひ確認してみてくださいね。
介護職員初任者研修とは
介護職員初任者研修は、介護職のスタート資格と言われます。
どのような資格なのか見ていきましょう。
目的
介護職員初任者研修は、介護に携わる者が、業務を遂行する上で最低限の知識・技術とそれを実践する際の考え方のプロセスを身につけ、基本的な介護業務を行うことができるようにすることを目的として行われるものである。
つまり介護職員初任者研修は、介護の仕事を行う際に身につけておきたい最低限の知識と技術を身につける研修と言えます。
カリキュラム内容
介護職員初任者研修は130時間の学習時間が決められています。
学習時間の振り分けと科目
# | 科目 | 時間数 |
---|---|---|
1 | 職務の理解 | 6時間 |
2 | 介護における尊厳の保持・自立支援 | 9時間 |
3 | 介護の基本 | 6時間 |
4 | 介護・福祉サービスの理解と医療との連携 | 9時間 |
5 | 介護におけるコミュニケーション技術 | 6時間 |
6 | 老化の理解 | 6時間 |
7 | 認知症の理解 | 6時間 |
8 | 障害の理解 | 3時間 |
9 | こころとからだのしくみと生活支援技術 | 75時間 |
10 | 振り返り | 4時間 |
合計 | 130時間 |
40.5時間までは通信教育が可能ですが、それ以外はスクールに通い講義や実習を行います。
介護職員初任者研修の試験もこれらの履修科目の中から出題されます。
介護職員初任者研修の取得方法
介護職員初任者研修の取得方法は2つあります。
スクール
130時間の学習時間を全てスクールで学びます。
スクールに通う回数は増えますが、自宅での学習だとだらけてしまうという人には効率的に学習を進められる方法です。
通信+スクール
130時間のうち40.5時間までは通信学習が可能なので、これを利用して自宅でできるだけ学習を進める方法です。
介護職員初任者研修は実習の授業もあり、スクールに通うのは主に実習のためになります。
試験の難易度は低め
介護職員初任者研修は、さまざまな年代の人が受講します。
中には
「勉強なんてしばらくしていないから、最後まで受講できるか不安」
「仕事しながら両立できるか不安」
などの不安を感じている人もいるでしょう。
まずは介護職員初任者研修の試験について見ていきましょう。
試験はスクールごとに違う
介護職員初任者研修の試験問題は、各スクールが作成します。
各都道府県が基準を設けており、この基準に沿って作られますのでスクールごとに大きな差はありません。
真面目に受講していればわかる問題
介護職員初任者研修の試験問題は、講義をしっかり聞いていれば解ける問題です。
講義中に先生が強調したり「重要」と言ったりした箇所は試験に出やすいといえます。
また、修了試験前になると独自のプリントなどで試験勉強ができるスクールもあるようです。
合格率はほぼ100%?
介護職員初任者研修の試験はふるい落とす試験ではありません。
基準に達していることを確認する試験です。
初任者研修事業者は必要に応じて補講等を行い、到達目標に達するよう努めるものとする。
このように基準に達していない場合には補講などを行い基準に達するための努力をするように、となっています。
各スクールは、介護職員初任者研修の合格率を公表していません。
苦手だった科目を再学習してやり直すことができるので、結果的に合格率は100%に近くなるのではないでしょうか。
再試験を受験せずに時間が経つと、研修そのものを再受講しなくてはならなくなります。
もし試験に不合格だったとしても、早々に再試験を受けて合格まで進めましょう。
介護職員初任者研修は再試験がある
確認した全てのスクールで再試験が実施されています。
ただし、有料のスクールと無料のスクールがありますので、スクールを選ぶ際にあらかじめ確認しておくと良いでしょう。
▼スクールの再試験情報
スクール | 再試験 | 費用 |
---|---|---|
ニチイ | 再試験用の補講を受講し、再受験することができます(有料)。再試験で合格すれば「修了証明書」を発行します。 | 有料 |
三幸福祉カレッジ | 万が一不合格だった場合も無料で再試験を受けることができますので安心して臨んでください。 | 無料 |
未来ケアカレッジ | 合格できなかった場合は何度でも試験を受けることができます。 | 無料 |
ベネッセスタイルケア | もし不合格になった場合は、他コースで再試験を受けていただきます。再試験は無料です。 | 無料 |
介護職員初任者研修試験の合格方法
介護職員初任者研修の修了試験の合格方法を紹介します。
講義をしっかり聞く
前述しましたが、試験問題はスクールが作成しています。
講義に出席し学習することで、試験問題のヒントが得られるはずです。
試験に出るところは強調して伝えてくれたり、試験に向けての情報も得ながら学習を進めることができます。
もちろん試験に出る部分は介護職員初任者研修で理解すべき内容ですので、
【試験で良い点数が取れる】 = 【学習内容を理解している】
と自身を持ってOKです。
課題をきっちり提出する
スクールでは課題提出がいくつかありますので、きっちり提出しましょう。
修了証は、「9.こころとからだのしくみと生活支援技術」の中で、介護技術の習得が講師により評価され、かつ修了評価の結果が所定の水準を超えるものであることが確認された受講者に対して発行するものとする。
介護職員初任者研修の修了証は、筆記試験の結果と介護技術の習得の2つの条件を満たしている必要があります。
介護技術の習得についての講師の評価は実技試験の場合もありますが、課題提出も大切です。
介護職員初任者研修の試験のコツ
それでは筆記試験のコツを紹介します。
まず全ての問題に目を通す
全体を把握するために、まずは全ての問題にざっと目を通します。
ここで自分にとって難しい問題、パッと解答できる問題が判断できるはずです。
解答できる問題からやる
試験は1時間程度と決められています。
スクールにより試験時間が多少異なるかもしれませんが、ここでは1時間と考えます。
得点を取ろうと思うと、1時間のうちにたくさんの問題を解く必要があります。
おすすめの時間の使い順はこちらです。
- できる問題を解く
- 時間がかかる問題・難しい問題を解く
まずはできる問題を取りこぼさないようにきっちり解答しましょう。
次に、自分にとって時間のかかりそうな問題に取り掛かりましょう。
空欄を作らない
解答を書かないという事態は避けましょう。
とにかく何か解答することで、得点できるかもしれません。
できる限り見直しする
全てを解答し終わったら、時間のある限り見直しをしましょう。
解答し終わると、試験時間内でも達成感を覚えてしまい、残りの時間はただ過ぎるのを待つだけ、なんてことはないでしょうか。
これはとても勿体無いです。
もう1回見直しておけば気がついたミスなどが隠れているかもしれません。
試験時間がまだ残っているなら、ぜひ見直しをしてくださいね。
介護職員初任者研修に合格するメリット
介護職員初任者研修に合格すると、さまざまなメリットがあります。
- 訪問介護ができる
- 資格手当が支給される
- 介護福祉士実務者研修で免除がある
1つずつ見ていきましょう。
訪問介護ができる
訪問介護は基本的に1人で利用者の自宅に訪問して介護サービスを行います。
食事介助や排泄介助、入浴介助などを1人で対応し、問題が起きた場合にも対応できる必要があるため資格保持者のみが行うことが許されています。
介護職員初任者研修を修了すると、資格保持者として訪問介護を行うことができます。
コロナ感染症対策で特例あり
コロナ感染症の影響で、資格を有している訪問介護員が確保できない事態が考えられるため、2020年4月から特例が設けられました。
基本的には、介護支援専門員が調整のうえ、有資格者を派遣する事のできる訪問介護事業所からサービス提供されることが望ましいが、①別添1(7)で示しているとおり、指定等基準を満たすことが出来なくなった場合であっても、それが一時的なものであり、かつ利用者の処遇に配慮したものであれば、柔軟な対応をして差し支えないものであり、その際、訪問介護員の資格のない者であっても、他の事業所等で高齢者へのサービス提供に従事した事がある者であり、利用者へのサービス提供に支障がないと認められる者であれば、訪問介護員として従事することとして差し支えない。
経験者に限り、無資格でも訪問介護を行うことが許されています。
この特例はいつまで続くのか不明ですし、提供する側も介護職員初任者研修の知識を学んでいることで自信を持ってサービスできることから、訪問介護に興味がある人は介護職員初任者研修を受講することをおすすめします。
身体介護は有資格者のみが行える
身体介護を行えるのは有資格者のみです。
▼身体介護とは
- 利用者のからだに直接触れて行うもの
- 利用者のADLや意欲の向上を目的として、利用者と一緒に行うもの
- 専門的な知識や技術を必要とするもの
引用:ジョブメドレーHP
具体的には、食事介助、排泄介助、入浴介助、体位の変更、歩行の介助、服薬介助、たんの吸引などがあります。
施設での介護の場合は、無資格者であっても有資格者の指示のもとで身体介護を行うことが許されています。
訪問介護は1人でサービス提供を行うことと、身体介護は必ず必要になることから有資格者のみが行うことが許されています。
資格手当が支給される
職場により金額などは異なりますが、介護職員初任者研修を修了していると資格手当が支給される場合が多いです。
資格手当は3,000円〜5,000円が多いようです。
資格手当の無い職場もありますので、これから就職先を探すなら資格手当が支給されるかどうかあらかじめ確認するとよいでしょう。
介護福祉士実務者研修で一部免除がある
介護職員初任者研修の次のステップは、介護福祉士実務者研修です。
介護福祉士実務者研修では450時間の学習時間が決められていますが、介護職員初任者研修の修了者はその中の130時間が免除されます。
免除がある分、受講料も少しお得に設定されているスクールがほとんどです。
ちなみに、介護職員初任者研修を受講せずに介護福祉士実務者研修を受講するという方法もあります。
どちらも受講条件はありません。
ただ比較的短期間で取得できる介護職員初任者研修と比べ介護福祉士実務者研修は半年程みっちり学習が必要なので、必ず修了する覚悟を決めて受講しましょう。
介護職員初任者研修は講義や実習をきっちり受講して望めば合格できる
この記事では、介護職員初任者研修についての難易度や合格率の不安を解決すべく紹介しました。
介護職員初任者研修は振り落とす試験ではなく、再試験など合格のサポートがあります。
勉強するのが久しぶりという人も、試験となると自信がないという人も、ぜひ挑戦してくださいね。
▼この記事の要約
- 介護職員初任者研修は、介護職のスタート資格
- 介護職員初任者研修の試験の難易度は高くない
- 介護職員初任者研修に合格するには、講義と実習をしっかり受講する
- 筆記試験のコツ
- 介護職員初任者研修の修了者はいくつかメリットがある
介護職員初任者研修にかかる費用について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてくださいね。