介護業界では資格を取得することでキャリアアップできます。無論、資格はたくさんあるのですがあらゆる資格のベースとなるのが介護職員初任者研修です。
そのため、「介護職員初任者研修を最短で取得したい」と考える人は多いことでしょう。そこでこの記事では、介護職員初任者研修を最短で取得する方法についてご紹介します。
また「介護関連の資格における種類や難易度、費用」について知りたい方は、こちらで解説を行っていますのでぜひ確認してみてくださいね。
介護職員初任者研修とは
介護職員初任者研修とは優秀な介護職員をより多く育成することを目的としたものであり、以前のヘルパー2級から名称変更となった資格です。
名称変更に伴いヘルパー2級時代にはなかった修了試験などが追加されたものの、年齢や学歴、必要資格、実務経験などの要件がないという点では以前と同じ。
介護業界で働く人の大半が取得を目指すことになりますから、すでに進路を介護業界に定めているのであれば学生のうちから取得しておいても良いでしょう。
介護職員初任者研修はキャリアアップに必須
介護業界で働く人の大半は現場で介護を行う介護職員です。そのため、当面の目標を介護職員としてのキャリアアップ(昇格)に置く人も多いはず。そして、介護職員のキャリアアップルートは以下の順に統一されています。
<介護職員のキャリアアップルート>
- 介護職員初任者研修
- 実務者研修
- 介護福祉士
- 認定介護福祉士
認定介護福祉士は比較的新しい資格なので、事業所によっては重視していないところもあります。しかし、介護福祉士はどの事業所でも重宝されており是非とも取得したいところ。
介護職員初任者研修は介護福祉士に向けた第一歩ですから、キャリアアップしたい介護職員にとっては必須の資格といえます。
介護職員初任者研修の受講科目
介護職員初任者研修を取得するには定められたカリキュラムを受講し、最後に行われる修了試験で合格しなければなりません。
その受講科目と必要時間は以下の通りです。
受講科目 | 必要時間数 |
---|---|
職務の理解 | 6 |
介護における尊厳の保持・自立支援 | 9 |
介護の基本 | 6 |
介護・福祉サービスの理解と医療の連携 | 9 |
介護におけるコミュニケーション技術 | 6 |
老化の理解 | 6 |
認知症の理解 | 6 |
障害の理解 | 3 |
こころとからだのしくみと生活支援 | 75 |
講義の振り返り | 4 |
合計 |
130 |
全カリキュラムを受講するのに必要な時間は130時間。何らかの資格を取得した人ならお分かりでしょうが、130時間というのは大した量ではありません。
修了試験の難易度
介護職員初任者研修の修了試験は100点満点中70点以上(1時間で32問)で合格。講義の内容が理解できていれば特に戸惑うことはないはずです。また、万が一不合格でも無料で再試験が受けられます。
つまり難易度はとても低く、むしろカリキュラムをスケジュール通りに受講する方が難しいくらい。再試験も不合格になるというケースは全国でも極めて稀です。
とはいえ、本来の目的は「優秀な介護職員になるため」ですから、合格したからといって満足せず、試験で間違ったところはしっかり復習して理解を深めてください。
介護職員初任者研修を取得するメリット
ご紹介した通り、介護職員初任者研修は介護職員にとってベースとなる資格です。
決してレアな資格ではありませんが、それでもあるのとないのとでは大きな違いがあります。
<介護職員初任者研修を取得するメリット>
- 採用選考時に有利
- 給料が上がる
- 出世が早くなる
採用選考時に有利
介護職員初任者研修を取得していると事業所の採用選考時にかなり優遇されます。
これは介護職員として基本的なことを理解している上に、無資格の人より離職の可能性が低いと考えられるから。
採用担当者としては介護職員初任者研修の取得者を断わる理由がなく、競争倍率の高い事業所であっても高確率で採用されるのです。
給料が上がる
介護職員初任者研修の取得者は無資格の介護職員と比べて月給が20,000円ほど高くなります。
仮に就職前に取得していれば年間で240,000円の差。
手取り額の少ない就職当初において年収が240,000円も多いというのはとても助かります。
出世が早くなる
介護職員初任者研修から先の資格に挑戦し続けた場合、最短で3年以内には介護福祉士へとキャリアアップできます。介護福祉士はより上級の資格を目指す上での登竜門であり、上級の資格が取れれば管理職の座がぐっと近くなります。
つまり、無資格の同僚よりいち早く管理職にリーチできるわけで、出世に有利なのは間違いなし。
管理職のポストは決して多くはないので、事業所内での出世を目指している人は最短ルートで資格を取得していきましょう。
介護職員初任者研修を最短で取得するには
すでにご紹介した通り、介護職員初任者研修を取得するなら早いにこしたことはありません。なかには就職活動を目前にして「今から最短で取得したい」と考えている人もいることでしょう。
では介護職員初任者研修は取得までにどれくらいの期間が必要なのでしょうか?その答えは最短1ヶ月です。(平均で3~4ヶ月)
この場合、スクールで「通学+通信の短期コース」を選択することになります。(通信講座は上限が40.5時間までと決められており、それだけで初任者研修講座を修了することはできません)
通学について
介護職員初任者研修を最短の1ヶ月で取得するには、スクールで短期コースを選択し15日間ほど通うことになります。
しかも1日に7~8時間は受講する必要があり、少なくとも仕事をしながらでは最短取得は達成できないでしょう。
なお、大抵のスクールには「土日限定コース」や「平日夜間限定コース」などが用意されていますから、「最短でなくても3~4ヶ月ほどで取得できればいい」という人はこれらのコースを選択しましょう。
通信について
通信で学べるのは全130時間のカリキュラムのうちの40.5時間分のみです。とはいえ、時間を問わず勉強できる通信は最短取得に欠かせません。
与えられた教材を使って基礎を学びながら課題を解いていくのが通信の基本的なスタイル。
その解いた課題を決められたタイミングで提出することで受講済みとみなされます。(都道府県により自宅学習課題の提出回数は異なります)
費用について
介護職員初任者研修の取得費用はスクールによってかなり違います。最も安いところでは2万円台ですが、8~9万円というところも珍しくはありません。
また、スクールごとに様々なサービスが設けられています。
例えば、
- スクール側が紹介する事業者に就職すれば受講費用をキャッシュバック
- 受講期間の延長が無料
- 無料でおさらい授業を受けられる
- 実務者研修とのセット受講で割引がある
などです。
場合によってはこれらのサービスを重視した方が安上がりなこともありますから、単に金額だけで比較しないようにしましょう。
最短1ヶ月が可能なスクールの例
介護職員初任者研修を最短1ヶ月で取得できるスクールの例として三幸福祉カレッジをご紹介しておきます。(スクールによっては1ヶ月で取得できるコースがないところもあります)
三幸福祉カレッジは「株式会社日本教育クリエイト」が運営する介護福祉系のスクール。全国に拠点(教室)があるのでご存知の方も多いことでしょう。
<最短1ヶ月で取得できるコース>
- コース名:短期集中クラス
- 費用:87,780円(税込み)
- 必須通学日数:15日間(7~8時間 / 1日)
費用は高めですが資格取得まで万全の体制で教えてくれるのが三幸福祉カレッジの良いところです。
引用元:https://www.sanko-fukushi.com/
介護職員初任者研修を取得する際の注意点
介護職員初任者研修の取得を目指す際は、以下の点に注意してください。
- まずは業界研究をやること
- 資格取得のための勉強にしないこと
- ゴールを定めておくこと
- 学習のための時間をしっかり確保しておくこと
まずは業界研究をやること
介護職員初任者研修の資格取得を目指す人のほとんどは介護業界への就職を目指しているはず。介護業界は採用試験のハードルが低く安定しているため、志望する人が多いのは当然のことです。
しかしがら、実際に働いてみると現場での作業は予想以上に重労働。また、給料を時給に換算すると世の平均を下回ります。
こうした現実に嫌気がさして離職する人が多いので、まずはしっかり業界研究を行い、せっかく取得した資格が無駄にならないようにしましょう。(アルバイトとして実務を経験するのがもっとも有効な業界研究になります)
資格取得のための勉強にしないこと
介護職員初任者研修の資格はあくまでも実務に役立てるものですから、単に試験に合格するためだけの勉強になってはいけません。
とくに最短取得を目指す人は試験に必要な情報だけを詰め込みがち。
それでは介護職員初任者研修の本来の意図とズレてしまうので、現場での作業をイメージしつつ学んだことの一つ一つをしっかり身につけていってください。
ゴールを定めておく
介護職員初任者研修を取得した後、自分はどうしたいのかという点は事前にしっかり決めておくべきです。
というのも、その後の目標次第では他の資格とセットで受講した方が良いから。費用と時間の面で効率が良くなりますし、ゴール到達までの期間も短くなります。
学習のための時間をしっかり確保しておく
介護職員初任者研修は最短1ヶ月でとれる資格ですが、そうなるとスケジュールはかなりタイトです。したがって受講期間は学習のための時間をしっかり確保する必要があります。
働きながらであったり他の習い事と同時進行させたりでは時間が足りないはず。
頑張りすぎて体調を壊す可能性もありますから、最短での取得を目指すならその期間は介護職員初任者研修に集中しましょう。
介護職員初任者研修を生かせるおすすめの転職サイト
介護職員初任者研修の取得も大事ですが、条件の良い事業所に就職することも大事です。なぜなら、介護業界は事業所によって労働条件が大きく異なるから。
できれば資格取得の支援制度が充実しており、なおかつ労働時間の取り決めがしっかりしている事業所を選びたいところです。
そこで有効なのが転職サイトを使うこと。なかでも以下の3つは大変おすすめなのでぜひ登録してみてください。
<おすすめの転職サイト>
- マイナビ介護
- 介護レポ
- きらケア
マイナビ介護:株式会社マイナビ
介護業界での就職活動において王道といえるのがマイナビ介護です。掲載求人数が圧倒的に多いので、様々な条件を比較しつつ自分にあった事業所を見つけることができます。
さらに専門のキャリアアドバイザーに相談すれば、就職後のこと(給与アップ、キャリアプラン、産休など)について教えてくれます。
介護業界のベテランから新卒者まで幅広く対応しており、マイナビ介護を軸にして活動するのが基本的なスタイルといえます。
*引用元:https://kaigoshoku.mynavi.jp/
介護レポ:株式会社repo
マイナビ介護と並んで好評なのが介護レポです。掲載求人数ではマイナビ介護に劣りますが、内部情報の豊富さは介護レポの方が上。
教育体制や資格取得支援制度、職場環境などについて詳しく教えてくれるので、働きながら資格取得を目指す人にとっては間違いのない事業所選びができます。
情報不足のまま就職して後悔する人もいるので、介護レポで可能な限りの情報を入手するようにした方が良いでしょう。
*引用元:https://www.repo.co.jp/kaigolp/
きらケア:レバレジーズメディカルケア株式会
サポート力の高さで有名なのがきらケアです。規模の面ではマイナビ介護や介護レポにかないませんが、応募者へのサポートという面では群を抜いています。
なかでも嬉しいのが面接対策をしてくれること。「どのようなことを質問されるのか」「何がNGなのか」等、事業所ごとの攻略法を伝授してくれます。
就職活動に不慣れで何かと心細い人はサポートの手厚いきらケアに登録すると良いでしょう。
介護職員初任者研修は早期かつ最短での取得がおすすめ
この記事では介護職員初任者研修を最短で取得する方法についてご紹介しました。介護職員初任者研修は介護職員にとってイロハのイとなる資格。先々のことを考えばできるだけ早期に取得しておきたいところです。
そんな介護職員初任者研修を最短で取得する方法は、スクールで「通学+通信コース」を選択すること。
しっかり時間を確保して挑めば最短1ヶ月で取得することができますよ。