「ホームヘルパーの資格はなにができるの?」
「ホームヘルパー2級とは?」
という疑問をお持ちではありませんか?
この記事では「ホームヘルパーの資格」について詳しく解説。
ホームヘルパーの資格は3級、2級、1級の3種類があります。
さっそく結論を言ってしまいますが、現在ホームヘルパー3級、2級、1級は廃止されてしまいました。
この記事ではホームヘルパーの資格内容や廃止の理由など詳しく解説していきます。
資格をお持ちの方やそうでない方も参考にしてみてくださいね。
その他にもホームヘルパーに変わる資格の「介護職員初任者研修」の説明や、「介護福祉士」「実務者研修」について説明していきます。
ぜひこの記事を読んで介護職についての知見を広げましょう。
また「無資格未経験の介護職」について知りたい方は、こちらで解説を行っていますのでぜひ確認してみてくださいね。
ホームヘルパーの資格はどんなものがあるの?
ホームヘルパーの資格には3級、2級、1級と3種類の資格があります。
ここではホームヘルパーの各資格について詳しく解説していきます。
ホームヘルパー3級
ホームヘルパー3級は2013年に廃止されてしまいました。
それ以前に資格を取得していた人は今も変わらず資格を使用して働くことが出来ます。
ホームヘルパー3級は介護職のスタート資格として知られていました。
誰でも受けられる、年齢、学歴など制限のない資格です。
ホームヘルパー3級は利用者の身体に直接触れて生活支援を行える資格ではありません。
そのため2009年に介護報酬算定外となり、2013年の介護資格改定で廃止されました。
ヘルパー3級の代わりとなる資格は現在、存在しません。
ホームヘルパー2級
ホームヘルパー2級は2013年に廃止されています。
現在ヘルパー2級の代わりになるとされている資格は「介護職員初任者研修」です。
旧ヘルパー2級の正式名称は「訪問介護養成研修2級過程」です。
もともとは訪問介護職員を養成するための資格として知られていました。
現在もホームヘルパー2級をお持ちの方は、介護職員初任者研修の資格取得者と同じように働くことが可能。
ホームヘルパー2級の受講内容は介護職員初任者研修と同じ130時間です。
ですがホームヘルパー2級と介護職員初任者研修の講習内容には違いがあります。
ホームヘルパー2級の取得には30時間の施設実習があります。
また実際に介護施設での仕事体験も。
しかし現在の介護職員初任者研修では介護現場での研修は行われなくなりました。
その代わりに実技講習の時間が追加されました。
旧ホームヘルパー2級では130時間の中に30時間の施設実習が行われています。
施設十種が廃止されてから介護職員初任者研修では、実技の通学時間が42時間から90時間に追加。
ホームヘルパー2級とは違い介護職員初任者研修には全ての講習を終えたあとに、筆記による修了試験があります。
介護職員初任者研修の修了試験の難易度は低めです。
もし合格できなかった場合も追加補修や再チャレンジを行っているスクールが多いので安心してくださいね。
ホームヘルパー1級
ホームヘルパー1級とはホームヘルパー2級の資格を取得した人を対象としています。
より高い技術と知識を得てキャリアアップすることができる資格でした。
ホームヘルパー1級の受講資格取得にあたりホームヘルパー2級の取得と実務経験が必要でした。
現在ホームヘルパー1級の代わりとなる資格は「実務者研修」です。
それぞれの資格の勉強内容には差があり実務者研修では以下の内容が追加されています。
・医療的ケア
・介護過程Ⅲ
また現在実務者研修には介護福祉士の受験資格を得ることが可能です。
しかし、ヘルパー1級の取得だけでは介護福祉士の受験資格は得られません。
ホームヘルパーが廃止になった理由
ホームヘルパーの資格は2012年厚生労働省より発表され、2013年4月1日に廃止されました。
廃止前までに存在していた資格は以下のものになります。
・ホームヘルパー1級
・ホームヘルパー2級
・ホームヘルパー3級
・介護福祉士
・介護基礎研修
上記の介護に関する様々な資格は、その資格1つを取得しても次に他の資格を取得する時にまた同じ学習内容の勉強をしなくてはいけないことが問題とされていました。
ホームヘルパーの資格はこうした学習範囲の重複や遠回りをなくし、介護福祉士を目指すために必要な受験資格をわかりやすくするため廃止に。
ホームヘルパーの資格廃止に伴いできた資格は以下の2つです。
・介護職員初任者研修
・実務者研修
介護職における資格、養成体系が整理されて多様化していく介護業界。
そのニーズに長く対応する資格体制が作られ、同時に介護業界で長く働きキャリアアップできる体制も整い働きやすい環境が整いました。
ホームヘルパーの仕事内容
ここでは旧ホームヘルパーの仕事内容を詳しく解説していきます。
ホームヘルパー3級の仕事内容
ホームヘルパー3級の仕事内容は以下のものがあります。
・食事介助
・生活支援
・排泄介助
・入浴介助
・身体整容
ホームヘルパー3級のできる仕事内容は無資格の人と出来る業務の差はほとんどありませんでした。
しかし無資格の人より資格の取得によって得た知識は多くあり任される業務量には差があります。
またホームヘルパー3級の資格取得は、無資格の人より介護に関する知識が多いとされ採用されやすいです。
ホームヘルパー2級の仕事内容
ホームヘルパー2級の仕事内容は以下のものがあります。
・食事介助
・生活支援
・排泄介助
・入浴介助
・身体整容
・トランスファー等
トランスファーとは?
トランスファーとは介護業界でよく使われる「移乗・乗り換え」という意味の言葉です。
介護業界では略して「トランス」と呼ばれています。
ベットから車椅子などへの移乗行為のことを指します。
高齢になるにつれて足腰は弱ってきます。
ベットから降りて車椅子に乗ったり、食堂に行って椅子に乗り換えたりする際にはトランスを使用して利用者の移乗を安全にサポートしましょう。
ホームヘルパー2級の仕事内容は3級に比べて身体介助が増え、利用者との距離も近くなります。
責任ある仕事を任されることが多くなりますよ。
ホームヘルパー1級の仕事内容
ホームヘルパー1級の仕事内容には以下のものがあります。
・食事介助
・生活支援
・排泄介助
・入浴介助
・身体整容
・服薬介助
・トランスファー
・リーダー業務
ホームヘルパー1級は、2級と3級に比べてリーダー業務が増えます。
1級を取得していた人はその介護現場でのリーダーの役割が与えられることも。
責任が重くなるとともに、他の職員への指導も行います。
旧ホームヘルパー2級と介護職員初任者研修の違い
ホームヘルパー2級の資格が廃止され、その代わりに誕生した介護職員初任者研修の資格。
ここでは2つの資格の仕事内容や給料の違いについて解説していきます。
仕事内容の違い
2つの資格に大きな仕事内容の差はありません。
ホームヘルパーの資格は「訪問介護」を行うための知識、技術を身につけるための研修でした。
介護職員初任者研修の資格は「施設介護」にも活かすことができる資格です。
介護職員初任者研修、資格取得時の勉強内容には「認知症の理解」が追加されています。
高齢者の人口が増え認知症のかたも多くなってきたことから、介護の現場で認知症についての理解の重要性は年々高くなっています。
そのため施設での仕事にも対応しやすく、これから介護職を始める方はまず介護職員初任者研修の資格を取得しておくことがおすすめです。
お給料の違い
2つの資格手当てによる給料の違いはありません。
旧ホームヘルパー2級の資格を取得しているかたは現在の介護職員初任者研修の資格と同じ資格手当がもらえることがほとんどです。
今後実務者研修の資格を取得すると資格手当の額もあがりますのでぜひ検討してみてくださいね。
旧ホームヘルパー1級と実務者研修の違い
ここではホームヘルパー1級と実務者研修の仕事内容の違いとお給料違いについて解説していきます。
仕事内容の違い
ホームヘルパー1級と実務者研修は大きく同じ資格とされていますが学習内容に差があります。
実務者研修では医療的ケアを学びます。
そのためホームヘルパー1級では医療行為として行うことが不可能だった以下の仕事内容が出来るようになりました。
・痰吸引
・経管栄養の処置
2012年の法改正により一定の研修を修了したひとであれば上記の医療的ケアが行えるように。
お給料の違い
2つの資格の資格手当やお給料などに違いはありません。
施設によって手当には差がありますがホームヘルパー1級を取得している方は、実務者研修の資格と同じように資格手当を受け取ることができます。
またリーダー業務等を行っていると責任者手当が加算される介護の職場も多くあります。
責任感のあるホームヘルパー1級の仕事ですがしっかりお給料に反映されるのは嬉しいポイントですよね。
ホームヘルパーの資格の活かし方
2013年に廃止されてしまったホームヘルパーの資格。
ですが新たに資格取得を行う時や介護の職場ではまだまだ活かすことが可能です。
ここではホームヘルパーの資格の活かし方を詳しくご紹介します。
介護現場での活用
ホームヘルパー3級、2級、1級の資格を取得している方は介護の現場で使用することが可能。
資格を取得していて、これから面接を行う方や転職活動中のかたは履歴書の資格保有欄に記載することが出来ます。
面接を有利に働かせることが可能ですよ。
ホームヘルパー2級は介護職員初任者研修に、ホームヘルパー1級は実務者研修修了者と同様の資格として扱われます。
資格手当を受け取ることが出来るので資格手当でお給料も高くなることが多いです。
新たな資格取得時の活用
ホームヘルパーの資格を取得している方が新たに実務者研修の資格を取得する場合は、スクール講習の免除が受けられます。
ホームヘルパー3級保持の場合
ホームヘルパー3級をお持ちの方が新たに実務者研修に挑戦される場合は以下の講習が免除になります。
・人間の尊厳と自立
・社会の理解Ⅰ
・生活支援技術Ⅰ
30時間の講習が免除可能。
420時間の講習で実務者研修の資格を取得できます。
ホームヘルパー2級保持の場合
ホームヘルパー2級を取得している方が実務者研修の資格を取得する場合は、上記の3級の免除内容に加えて以下の講習が免除になります。
・介護の基本Ⅰ
・介護の基本Ⅱ
・生活支援技術Ⅱ〜Ⅲ
・介護過程Ⅰ
・こころとからだのしくみⅠ
130時間の講習を免除。
320時間の講習で実務者研修の資格を取得できます。
ホームヘルパー1級保持の場合
ホームヘルパー1級を取得している方が実務者研修の資格を取得する場合は上記の2級、3級の免除項目に加え以下の講習が免除になります。
・社会の理解Ⅲ
・コミュニケーション技術
・介護過程Ⅱ
・発達と老化の理Ⅰ〜Ⅱ
・認知症の理解Ⅰ〜Ⅱ
・障害の理解Ⅰ〜Ⅱ
・こころとからだのしくみⅡ
355時間の講習を免除。
95時間の講習で実務者研修の資格を取得できます。
またホームヘルパーの資格保持者は、実務者研修や介護職員初任者研修の資格取得の際にほとんどのスクールが割引制度を設けています。
ホームヘルパーの資格があると新たな資格にチャレンジしやすいです。
ぜひ気になるスクールを比較して問い合わせてみてくださいね。
ホームヘルパーは国家資格なの?
介護に関する資格の中で国家資格は「介護福祉士」の資格だけです。
ホームヘルパーは介護の資格のなかでもよく知られた資格でしたが国家資格ではありませんでした。
ホームヘルパーの代わりとして作られた介護職員初任者研修や実務者研修の資格も国家資格ではありません。
国家資格を目指したい方の近道は実務者研修を取得し介護の現場経験を3年積み、介護福祉士の試験にチャレンジしましょう。
まとめ ホームヘルパーの資格はまだまだ活躍できる!
今回はホームヘルパーの資格について知りたいという方へ向けた記事になっています。
2013年に廃止されてしまったホームヘルパー1級、2級、3級の資格内容と新たに誕生した介護職員初任者研修と実務者研修について解説しました。
ホームヘルパーの資格は今でも介護現場で活躍することのできる資格です。
今の職場やこれからの職場でホームヘルパーの資格を使用してたくさんの利用者様を笑顔にしていきましょう。
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