「介護職は単発でも勤務できる?できるならどうやって求人を探したらいいの?」と考えている人は多いです。
実は介護業界は派遣の単発・スポット勤務を禁止しています。
しかし、一定の要件を満たしている場合は単発・スポット勤務も可能です。
介護業界においての単発・スポット求人について
通常、介護士が派遣社員として勤務する場合、3ヶ月~6ヶ月ごとに契約を更新します。
しかし、単発・スポットの場合は、1日~数週間の労働契約を結びます。
単発・スポット派遣に該当するのは、30日以内、週20時間未満の勤務です。
単発・スポット求人のほとんどが派遣社員としての求人
単発・スポットとして募集されている、ほとんどの介護求人は派遣社員です。
企業は急遽人材が不足したら、自社で募集をかけずに派遣会社で求人を募集します。
そのため、アルバイトやパートで単発・スポット求人を探すのは難しいでしょう。
単発派遣は原則禁止されている
2012年に労働派遣法の改正があり、単発・スポット派遣など、短期間の労働契約が原則禁止となっています。
そのため、介護業界でも30日以内の単発・スポット勤務として働けません。
ただし、条件を満たしている場合のみ、30日以内の単発・スポット派遣が認められています。
単発派遣で働くには条件を満たしている必要がある
すでに述べているように、労働派遣法により短期間の労働契約を交わせません。
一定の条件を満たしている場合のみ、30日以内の短期労働契約が交わせます。
一定の条件は、以下の通りです。
- 60歳以上の人
- 雇用保険の適用を受けていない学生
- 本業の年収が500万以上の人
- 主たる生計者でなく、世帯年収が500万以上の人
31日以上の労働契約であれば誰でも派遣で介護職に就ける
労働派遣法では、30日以内の労働契約のみが禁止されています。
そのため、31日以上の契約であれば、誰でも働くことが可能です。
数日だけ働きたいという場合は、31日以上の短期派遣契約をかわし、契約期間内で1日〜数日出勤する形になります。
介護士が派遣社員として単発勤務するメリット
介護士が派遣社員として単発勤務をする場合、高時給でプライベートを優先しやすいことがメリットとしてあげられます。
介護士が派遣社員として単発勤務を行うほかのメリットは以下の通りです。
- 時給の高い求人が多い
- 自分の好きなタイミングで勤務できる
- 人間関係の煩わしさに悩む必要がない
- いろいろな経験を積める
- ほかの仕事と掛け持ちできる
- プライベートを優先できる
時給の高い求人が多い
単発で派遣社員を募集している企業は、緊急で人手が足りなくなり、単発で仕事を請け負ってくれる人材を探しています。
緊急度合いが高いため、時給も高く設定していることが多いです。
また、法改正により単発で利用できる派遣会社が減っていることも、単発介護派遣の時給が高い理由にあげられます。
自分の好きなタイミングで勤務できる
単発の派遣介護は、自分の好きな日にち、時間を選んで働けます。
自分の好きなタイミングで柔軟に仕事をしたいという人には、大きなメリットです。
シフトも固定ではないため、自分の予定を優先してシフトを組めます。
人間関係の煩わしさに悩む必要がない
同じ施設でずっと働き続けることがないため、人間関係に悩む必要がありません。
人間関係のトラブルに巻き込まれずにすむため、仕事のみに打ち込めます。
施設内の人間関係が面倒だという人におすすめです。
いろいろな経験を積める
派遣社員としてたくさんの施設で働けるため、いろいろな経験を積めます。
また、契約社員として働いた日数は、資格試験を受けるときの実務経験としてカウントされるため、上位資格を目指せることもメリットです。
上位資格を取得してキャリアアップしたいという人にもおすすめできます。
ほかの仕事と掛け持ちできる
単発の派遣介護は、平日の本業などと掛け持ちして働けます。
本業などの休憩時間に派遣の仕事をいれることで、収入アップできるため、介護の仕事をしながら高収入を目指したい人におすすめ。
休日のあいた時間を有効活用できます。
プライベートを優先できる
自分の好きなタイミングで働けるので、プライベートを大切にしたい人にもおすすめです。
ライフスタイルに合わせて仕事をできるので、プライベートを優先しながら介護の仕事を続けられます。
現在は別の仕事をしているけど、介護職の経験も生かしたいと考えている人にも最適です。
介護士が派遣社員として単発勤務するデメリット
介護士が派遣社員として単発勤務をする場合、介護士としての経験や知識を求められることがデメリットとしてあげられます。
介護士が派遣社員として単発勤務を行うほかのデメリットは以下の通りです。
- 介護士としての経験や知識が求められる
- ほかの就業形態と比べて求人数が少ない
- やりがいを感じられない
- 1度就業日が決まったら休みを取りづらい
- 職場の人間関係を構築しづらい
- 即戦力として迎え入れられるため負担が大きい場合もある
介護士としての経験や知識が求められる
人手不足の施設に派遣されるため、介護士としての経験や知識が求められます。
そのため、介護職の経験がない人や、実績が少ないひとは経験を積んでから派遣として働いた方がいいでしょう。
また、仕事の量も通常とは異なるため、体力に心配な人は1度の勤務で疲れ果ててしまうかもしれません。
ほかの就業形態と比べて求人数が少ない
通常の派遣やアルバイト、パート求人と比較すると、単発派遣は求人が圧倒的に少ないです。
そのため、求人を見つけるのが難しく、見つけられたとしても条件が合わない可能性もあります。
単発派遣の求人を探すときは、派遣求人保有数の高い派遣会社に登録しましょう。
やりがいを感じられない
通常、介護職は利用者さんとコミュニケーションをとりながら関係を築いていきます。
その過程でやりがいを感じる人が多いですが、単発派遣の場合は関係を構築する前に次の施設に移動しなくてはいけません。
そのため、介護職ならではのやりがいを感じづらいという人が多いようです。
1度就業日が決まったら休みを取りづらい
前述のと折り、人手不足の施設に介護士として派遣されるため、1度勤務日が決まったら簡単に休みをとれません。
そのため、勤務日数が少ないからといって、職場の環境はきちんと確認しておくことが大切です。
また、プライベートの予定もしっかり管理しておきましょう。
職場の人間関係を構築しづらい
メリットとして、「人間関係の煩わしさに悩む必要がない」と紹介しましたが、反対に人間関係が構築しづらいこともデメリットにあげられます。
すぐに次の施設での仕事になってしまうため、職場で人間関係を充実させたいという人には、派遣でのは働き方をおすすめできません。
即戦力として迎え入れられるため負担が大きい場合もある
人手不足の施設に派遣されるため、教育や育成といった期間は設けられません。
入所後すぐ即戦力として働かなくてはいけないため、経験の少ない介護士にとっては負担が大きいでしょう。
また、仕事量が多い傾向もあるため、介護職経験者でも負担に感じる場合があります。
介護派遣の給与相場
介護派遣の給与相場は、時給1,000円~1,700円です。
パートの給与相場が800円~1,000円なので、200円~700円程度、派遣社員の方が給与が高い傾向にあります。
パートで働くよりも効率よく稼げるため、高時給の求人を探している人におすすめです。
派遣介護職がおすすめな人
派遣介護職は、介護士としての経験や知識が豊富で、臨機応変な対応がとれる人におすすめです。
条件にあてはまる人は、好条件で介護しとして働けます。
- 介護士としての経験・知識が豊富な人
- 好条件で働きたい人
- 臨機応変な対応がとれる人
介護士としての経験・知識が豊富な人
派遣される施設は、どこも人手が足りず教育にさける人材や期間が限られるため、即戦力を求められています。
そのため、介護士としての経験や知識が豊富な人は、派遣先に困らないでしょう。
逆に、未経験で無資格の人は、日中常勤として働いてから、派遣登録することをおすすめします。
好条件で働きたい人
派遣社員は、パートやバイトに比べて給料が高く、福利厚生など、手厚いサポートを保証されていることが多いです。
また、施設に派遣される前後も担当者によるサポートが受けられるので、求人を探す手間を省けます。
そのため、介護士として好条件で働きたいと考えている人におすすめです。
臨機応変な対応がとれる人
派遣先の施設によって、職務内容はさまざまです。
そのため、臨機応変な対応ができる人でないと、派遣介護の仕事は難しいかもしれません。
また、対応力を求められる場面も多々見受けられます。
介護士として高収入を目指すなら夜勤従事もおすすめ
介護士として高収入を目指して介護派遣を検討している人には、夜勤従事もおすすめです。
夜勤従事は24時間型施設で、9時~6時の間で勤務を行います。
1度の勤務で2万円の給与を受け取れる施設もあるようです。
夜勤従事のメリット・デメリット
「夜勤の場合、通常よりも25%高い給与と、夜勤手当を支払わなくてはいけない」と法律でさだめられています。
ただし、日勤よりもさらに人手不足のため、より即戦力の介護士がもとめられています。
体力に自身があり、しっかりと経験を積んでいる人におすすめです。
メリット | デメリット |
求人件数が多い | 夜勤従事のスタッフが少ない |
夜勤手当がある | 即戦力を求められる |
ほかの仕事を掛け持ちしやすい | 家族がいる人は働きにくい |
求人件数が多い | 体力的が必要 |
夜勤従事については、以下でくわしく解説しています。
気になる人は、こちらも参考にしてみてください。
介護派遣の夜勤従事は大変?メリット・デメリット・業務内容を解説
介護の単発派遣を探す方法
介護の単発派遣を探す方法は2種類あります。
- 介護職の求人に強い転職サイトを利用する
- 介護派遣の求人サイトを利用する
効率よく求人をさがすためには、どちらか一方ではなく、両方利用するのがおすすめです。
それぞれの特徴について紹介していきます。
介護職の求人に強い転職サイトを利用する
転職サイトごとに、特徴や得意としている業界が異なります。
そのため、介護業界に得意な転職サイトを利用することが、派遣求人を見つけるポイントです。
転職サイトでは派遣だけでなく、正社員の求人も紹介してもらえます。
介護派遣の求人サイトを利用する
派遣求人のみを探している場合は、介護派遣求人サイトを利用するのもポイントです。
介護派遣求人サイトは、派遣会社が保有している派遣求人を一括で検索できます。
また、担当制度とっていることが多く、一人ひとりにあった派遣求人を紹介してもらうことも可能です。
派遣会社を選ぶポイント
派遣会社によって保有している求人が異なるため、派遣会社を選ぶことも大切です。
派遣会社を選ぶポイントは、以下の通り。
- 求人数が多い
- サポーターが派遣業界にくわしい
- サポート体制が充実している
- 就業条件が整っている
それぞれのポイントについて、くわしく解説していきます。
求人数が多い
派遣会社によって、保有している求人数は異なります。
自分が希望する地域の求人数をチェックしておきましょう。
また、介護に特化した派遣会社を選ぶこともポイントです。
サポーターが派遣業界にくわしい
介護業界に特化している派遣会社は、サポーターが施設への派遣を斡旋してくれます。
サポーターが派遣業界にくわしいと、希望条件に合致する施設を紹介してもらえるためおすすめです。
また、専門的な質問にも答えてもらえるでしょう。
サポート体制が充実している
派遣会社によって、サポート内容や時給、福利厚生はさまざまです。
社会保険や厚生年金は加入できるか、就職前後のサポートはあるのか確認しておきましょう。
また、資格取得支援や、研修を行ってくれる派遣会社もあるため、スキルアップしたい人は要チェックです。
派遣会社については、以下の記事でよりくわしく解説しています。
おすすめの派遣会社が知りたい人は、こちらもあわせて参考にしてみてください。
おすすめの介護派遣の求人サイト7選を紹介!派遣介護の魅力とは?
こんな派遣会社は注意が必要
社会保険に加入できないという派遣会社は、法律を遵守していない可能性があります。
ほかにもサービス残業がある、給与の支払いが遅れるという場合は、その派遣会社の利用を控えましょう。
- 法律を遵守していない
- サポーターが希望の施設を紹介してくれない
- フォロー体制が整っていない
ライフスタイルにあった働き方を目指そう
近年介護業界でも、さまざまな働き方ができるようになってきました。
その1つにふくまれるのが、派遣として単発・スポットで施設に入所すること。
単発・スポットの派遣で、自分のライフスタイルにあった働き方を目指しましょう。