重度訪問介護従業者についてご存知でしょうか?
この記事では「重度訪問介護従業者の資格取得方法」について解説します。
結論、重度訪問介護従業者の資格は、早い段階で取得しておいた方が良いです。
重度訪問介護従業者は、近年注目されている資格なので、今後重宝される存在になるでしょう。
その他にも「重度訪問介護従業者の業務内容」「重度訪問介護従業者からのキャリアアップ」についても解説します。
ぜひこの記事を参考に、重度訪問介護従業者を目指してください。
また「ホームヘルパーに必要な資格」について知りたい方は、こちらで解説を行っていますのでぜひ確認してみてくださいね。
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重度訪問介護従業者とは
重度訪問介護事業者とは、介護サービスを提供できる資格の1つです。
障害程度区分4〜6(要介護3〜5)に該当する重度の肢体不自由者、または知的障害や精神障害により、常時介護を必要とする方を、日常的に手厚くサポートできます。
各都道府県知事が指定する重度訪問介護事業者の養成研修修了で、資格取得可能です。
重度訪問介護従業者は重度の障害者に特化した専門的なケアが可能なため、近年需要が高まってきています。
重度訪問介護従業者の業務内容
重度訪問介護従業者は、障害程度区分4以上で2肢以上の麻痺がある方で、障害程度区分の認定調査項目の以下4項目すべてが「支援不要」以外の認定を受けている方に対して介護サービスを行えます。
- 歩行
- 移乗
- 排尿
- 排便
また、障害支援区分の認定調査項目で、行動関連項目等(12項目)の合計点数が10点以上になる方も利用対象者です。
利用者の居宅を訪問し、主に以下の日常生活支援を行います。
- 食事
- 着替え
- 入浴
- 排泄
- 調理
- 洗濯
- 掃除
日常生活における全般的な支援が業務内容となります。
ホームヘルパーとの違い
介護保険制度で正式には訪問介護員と称するホームヘルパー。
要介護認定されている高齢者をサポートできる専門職で、身体介護や生活援助に移動支援と、業務内容は大まかに似ていますが、重度訪問介護従業者はより総合的なサービスを提供できます。
訪問介護員は、重度の障害をもつ方をサポートするにあたって、特化した知識や技術を得ているわけではありません。
要介護度の維持や軽減を目指し、自立支援の手助けをするのが訪問介護員です。
保有する能力も異なり、より重度の障害のある方達の訪問介護をするためには、重度訪問介護従業者の資格を取得する必要があります。
重度訪問介護従業者の資格課程
重度訪問介護従業者は、養成研修を受講すれば、資格取得可能です。
養成研修は、以下4つの課程に分けられます。
- 基礎課程
- 追加課程
- 総合過程
- 行動障害支援課程
どの課程を修了しているかでできる内容が異なってくるので、自身の希望する職場や目標に合わせて課程を選択しましょう。
以下で、各課程の受講内容について説明していきます。
基礎課程
基礎課程では、基本的な介護技術や職業倫理について学びます。
基礎課程を修了すれば、障害程度区分4〜5に該当する利用者へのサービスを提供が可能。
受講要件はとくに制定されておらず、誰でも受講できます。
受講内容は以下の通りです。
講義 |
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実習 |
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追加課程
追加課程では、基礎課程より専門的な技能や知識を習得でき、研修終了後は障害程度区分6に該当する利用者へのサービ提供を行えます。
名称からわかるように、追加課程の受講条件は基礎課程の修了です。
受講内容は以下の通り。
講義 |
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実習 | 重度の肢体不自由者の介護サービス提供現場での支援 |
統合課程
総合過程は、基礎課程と追加課程の研修に相当し、さらに喀痰吸引(かくたんきゅういん)に関する講義と演習が加わります。
2012年の法改正以前までは、痰の吸引や経管栄養の医療ケアは医師や看護師しか行えませんでした。
しかし現在では、喀痰吸引研修を修了していれば、介護職員でも医師や看護師の監督のもとで行えるようになったのです。
総合課程を設けていない事業所あスクールがあるので、受講されたい方は、申し込み時に研修先が設けている課程を確認しておきましょう。
行動障害支援課程
行動障害支援課程は、2014年に施行された障害者総合支援法に伴い新設された課程です。
それまでは、重度の身体障害者しか利用できなかった重度訪問介護でしたが、知的障害者と精神障害者も対象になりました。
行動障害支援課程の修了は、強度行動障害支援者養成研修の受講に相当します。
受講内容は以下の通りです。
講義 |
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実習 |
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重度訪問介護従業者養成研修の資格取得までにかかる期間
資格を取得するにあたり、養成研修にかかる時間数や期間を課程別に紹介していきます。
研修にかかる時間数の最低ラインは厚生労働省で制定。
各都道府県が最低ラインに基づきそれぞれの基準で定めており、期間を含め、研修実施先で異なります。
基礎課程 | 講義に3時間、実習に7時間割り当てられます。期間の目安としては、通学なら約2日、 通信制の場合は約14日ほどです。 |
追加課程 | 講義に7時間、実習で3時間の割り当てとなります。研修期間の目安は基礎課程と同様。 |
総合課程 | 講義に11時間、実習に8.5時間かかる他、喀痰吸引に関する演習に1時間が割り当てられています。通学で2日ほどが研修期間の目安です。 |
行動支援障害課程 | 講義に6時間、実習に6時間の計12時間。 |
重度訪問介護従業者養成研修の資格取得までにかかる費用
各都道府県が研修実施事業所を指定しており、費用に関しては統一されていません。
研修先によって異なりますが、大まかな相場としては基礎課程と追加課程でそれぞれ15,000円〜20,000円。
総合課程は30,000円程度です。
研修修了後に研修実施事業所で働くと、費用の割引を受けられるケースもあるので、確認しておきましょう。
介護福祉士の方や、居宅介護従業者養成研修を修了されている方は、いくつかの講義科目が免除されます。
一般的には免除された場合、費用が安くなるので事前に確認しておくと良いでしょう。
重度訪問介護従業者からのキャリアアップ
重度訪問介護従業者の多くは、次のステップアップとして訪問介護サービスで配置される職種「サービス提供責任者」を目指します。
関係機関と連携をとったり、サービスの利用計画の作成や職員に対しての情報伝達などの業務管理、ヘルパーの指導や研修など、事業所をマネージメントする職種です。
ただし、重度訪問介護従業者養成研修の修了とは別に、下記いずれかの要件を満たしていなければいけません。
- 介護福祉士
- 実務研修修了者
- 旧介護職員基礎研修修了者
- 旧1級課程修了者
- 3年以上介護などの業務に従事した介護職員初任者研修課程修了者
それぞれの要件について、以下で解説します。
介護福祉士
「サービス提供責任者」になるために必要な要件の1つは、介護職の国家資格である介護福祉士です。
福祉系大学出身者だけではなく、福祉系高校の出身者や、3年以上の実務経験がある方も受験資格を得られます。
公益財団法人社会福祉振興・試験センターで受験資格取得ルートを確認できるので、ご自身がどのルートから受験できるのか確認してみましょう。
毎年5〜8万人の合格者を出し、合格率も60〜70%と、国家資格の中でも合格率が高い試験です。
自身のキャリアアップにつながったり、仕事の幅が広がるので、受験資格を満たしている方はチャレンジしておいて損はないでしょう。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、介護のキャリアの第一歩とも言える資格です。
「在宅・施設を問わず介護職として働く上で基本となる知識・技術を習得する研修」で、約130時間の研修受講と、全過程修了後の修了試験合格で取得できます。
以前のホームヘルパー2級に相当する資格で、2017年度まではこれだけでサービス提供責任者の要件を満たしていました。
現在はサービス提供責任者の任用は厳格化され、介護職員初任者研修修了者は3年以上業務に従事していなければいけません。
実務者研修
初任者研修を介護の基本的な資格とすると、実務者研修は、より幅広い介護提供能力を獲得するための資格です。
かつてのホームヘルパー1級に相当し、介護福祉士の受験資格を得られます。
介護福祉士でなくても、実務者研修を修了していればサービス提供責任者の要件は満たせるので、介護福祉士をこれから目指すのが難しいという方は、実務者研修の資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。
高い介護技術と知識を身につけられる分、研修時間は450時間と長時間です。
認知症や喀痰吸引の知識についても学べるので、より良い介護サービスを目標とする方におすすめです。
重度訪問介護従業者資格を取得する2つのメリット
まだ認知度は低いものの、重度訪問介護従業者は、今後需要が高まってくると期待されています。
厚生労働省は、2005年に介護に関わる資格を介護福祉士に一本化する方針を打ち出したものの、需要に供給が追いついていません。
重度の障害者に対し、専門性の高い介護サービスを提供できる重度訪問介護従業者資格を取得しておくことは、大いにメリットがあります。
主なメリットは以下の2つです。
- 仕事の幅が広がる
- 就職・転職に有利になる
なぜこれらのメリットが発生するのか、以下で解説します。
仕事の幅が広がる
重度訪問介護従業者の資格を取得しておけば、確実に仕事の幅は広がるでしょう。
重度訪問介護従業者は、総合課程を修了していれば、痰の吸引や経管栄養の医療的ケアを行える強みがあります(※喀痰吸引は単体で資格取得も可能)。
基礎課程の修了のみでも需要は高いかもしれませんが、余裕のある方や、より活躍の場を広げたい方は、総合過程や行動障害支援課程の上級課程の受講をオススメします。
応用技術や専門性の高い介護を可能とする重度訪問介護従業者は、今後活躍できる場は多くなるでしょう。
就職・転職に有利になる
一般的な認知度は低くとも、重度訪問介護従業者は履歴書に記載できる資格です。
介護分野に進む方は、必ず就職や転職で有利になるでしょう。
介護のエキスパートは現場でまだまだ不足している状態で、人材要件は介護報酬の加算対象でもあるため、多くの事業所が重度訪問介護従業者を必要としています。
実際に重度訪問介護の事業所では、常勤ヘルパーの条件として「居宅介護での勤務の可能な介護福祉士や介護職員初任者研修の資格所有者」、または「重度訪問介護従業者の資格保有者」をあげており、就職や転職で有利になることは間違いありません。
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今後に期待できる重度訪問介護従業者
重度訪問介護従業者は、今後に期待できる介護資格です。
資格を取得しておけば、介護業界で重宝され、長期的に働けるでしょう。
また、近年需要の高まっている資格であるため、今のうちに資格取得しておくと良いです。
ぜひ今回の記事を参考に、重度訪問介護従業者の資格取得を目指してみてください。
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