「サービス提供責任者」と聞くとどんな仕事をイメージするでしょうか?
サービス提供責任者は介護現場で介護の指揮をとる仕事です。
この記事では、サービス提供責任者の仕事内容や必要な資格を紹介していきます。
また、おすすめの転職サービスなどを解説していきます。
サービス提供責任者の仕事を知って介護業界への理解を深めていきましょう!
サービス提供責任者は介護サービスの専門家!
サービス提供責任者は介護サービスの専門家のこと。
主に、ケアマネージャーが作成したケアプランに基づいて、サービスを計画を立てたりヘルパーや他の介護員に指示を出します。
介護現場の総指揮官ともいえる仕事でしょう。
サービス提供責任者(サ責)とは
サービス提供責任者は介護現場においてサービスの責任者となる仕事です。
単に「サ責」と略されることもあります。
介護現場において具体的な介護訪問プランを立てたり、他のヘルパーに指示を出すことなどが役割です。
サービス提供責任者の業務
- 訪問介護計画の作成
- 利用申し込みの調整
- 利用者の健康状態の把握やサービスの実施状況の把握
- 他事業者との連携
- ヘルパーへの指示および情報伝達・教育等
- ヘルパーの業務内容の把握
サービス提供責任者の配置義務
介護サービスの利用者が適切な介護サービスを受けられるように、厚生労働者によって「サービス提供責任者の配置義務」が課せられています。
訪問介護の配置義務
厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12301000-Roukenkyoku-Soumuka/0000106770.pdf
訪問介護の現場では、原則40人の利用者につき1名以上のサービス提供責任者の配置が義務付けられています。
例えば、200人の利用者がいる訪問介護事業者は5人のサービス提供責任者を配置しなければなりません。
但し、以下のように一定の要件を満たしていると認められた場合は50人の利用者につき1名と条件が緩和されます。
- 常勤のサービス提供責任者を3名以上配置
- サービス提供責任者を主な業務に従事している者を1名以上配置
- サービス提供責任者の業務が効率的に行われている場合
サービス提供責任者の仕事内容
サービス提供責任者の定義を確認していきました。
ここからは、サービス提供責任者が具体的にどんな仕事をしているかを解説していきます。
サービス提供責任者は専門知識が必要であり、やりがいのある仕事です。
仕事内容を見ていきながらサービス提供責任者の仕事への理解を深めてください!
介護サービスのコーディネーター
サービス提供責任者の主な仕事は介護サービスをコーディネートすることです。
具体的には、ケアマネジャーが作成したケアプランに基づいて、訪問介護計画を立案してどのようなサービスを提供するかプランニングを行います。
サービス利用者に対して適切な介護サービスを行き届けられるように計画し、人員配置などをする仕事です。
また、適材適所で人員が活躍できるように指示を出すのもサービス提供責任者の役割です。
ケアマネージャーとの連携
サービス提供責任者の仕事を進めるうえではケアマネジャーとの連携が必要不可欠です。
ケアマネジャーは介護に関するケアプランを作成する仕事です。
サービス提供責任者においてはケアプランを忠実に実施し、ケアマネジャーと適切にコミュニケーションをとることで円滑なサービスを実現します。
ケアマネジャーとの業務領域をしっかり確認し、必要なところでは情報の交換を行うことでサービスのスムーズな実施に役立てます。
ヘルパーとの連携
介護サービスを行うヘルパーとの連携が必要です。
必要な人員を適切に配置できるよう、ヘルパーのスケジュールなどを管理します。
また、必要に応じて適切な指示や指導ができるようにすることもサービス提供責任者の務めです。
適切な指示が出せるかどうかはサービス提供責任者にとって腕の見せどころ。
知識や経験を活用して適切に指揮をとっていくことがサービス提供責任者に求められます。
サービス利用者との面談
介護サービスを実際に受けるお客様とも面談をします。
サービス利用者(お客様)とコミュニケーションを取ることが必要です。
面談をすることで、適切なサービスを行うための人員などを考慮します。
また、どんなサービスが必要であるか、どういう考慮をすればいいかも考えながらサービスをマネジメントしなければなりません。
サービス提供責任者に必要な資格は?
サービス提供責任者は介護サービスを実施するうえで重要な役割を担い、相応の知識や経験が求められます。
サービス提供責任者には「介護職員実務者研修」という資格が必要です。
関連する資格の情報などを見ていきましょう。
サービス提供責任者という資格はない
サービス提供責任者というのは役職の名称であり、実はサービス提供責任者という資格はないのです。
しかし、サービス提供責任者を名乗るためには一定の資格を有しているという条件をクリアしなければなりません。
サービス提供責任者に必要な資格
サービス提供責任者は誰もが名乗れるわけでなく、一定の資格を有していることが条件です。
一般的な介護事業所の場合、以下のいずれかが要件となります。
- 介護職員実務者研修を修了している
- 介護福祉士を持っている
介護職員実務者研修が必須!
サービス提供責任者になるには「介護職員実務者研修」の資格が必須です。
介護職員実務者研修は介護サービスに必要な実践的な知識やスキルについて研修をついて学ぶ資格であり、この資格を持っていれば介護サービスに必要なスキルを持っていると証明できます。
資格を持っているとキャリアアップや転職活動に役立てることもできるため、介護従事者としてレベルアップするために積極的に取得を目指しましょう。
介護職員実務者研修とは
介護職員実務者研修とは介護に関する実務を必要とする介護資格です。
450時間のカリキュラムを修了する必要があるため、働きながら資格を取得するには時間管理が必要となります。
一般的に、6か月ほどで修了するという方が多いようです。
なお、介護職員実務者研修は旧名を「ホームヘルパー1級」といい、2013年から現在の名称になっています。
介護職員実務者研修がどんな資格なのか、どういう準備が必要であるかは以下の記事も合わせてご確認ください。
介護職員実務者研修の難易度
介護職員実務者研修の資格をとるには、指定の資格スクールで研修を完了すれば取得できるものとなっています。
難しい試験で受験者を落とすような内容ではなく、しっかりと課題をこなしていれば基本的には合格できる内容です。
真面目に最後までカリキュラムを修了すればしっかり資格をとることができるでしょう。
介護職員実務者研修の受験資格
介護職員実務者研修を受験するのに受験資格は特にありません。
介護実務について経験がなくても受験できるため、介護業について未経験という方も挑戦できます。
なお、介護職員実務者研修よりも入門的な資格として「介護職員初任者研修(旧名:ホームヘルパー2級)」というものがあります。
こちらについては、より入門者向けの内容となっており、介護についての知識について学ぶことが可能です。
初任者研修と実務者研修は一部カリキュラムが重なっているため、初任者研修を合格している実務者研修のカリキュラムを一部免除できます。
関連する資格
サービス提供責任者には介護に関する様々な知識が必要です。
そのため、介護に関する資格を持っていれば様々な業務に活かすことができます。
また、資格を持っていれば更にレベルの高い業務にステップアップ可能。
介護福祉士
介護福祉士は介護業界の中で唯一の国家資格です。
介護福祉士という名の通り介護サービスのプロフェッショナルであり、介護に関する専門的な知識を活用して介護サービスを展開していきます。
介護福祉士の詳細については、以下の記事も合わせてご確認ください。
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社会福祉士の資格概要
続きを見る
介護支援専門員(ケアマネジャー)
介護支援専門員(ケアマネジャー)は介護サービスの総合的なプランニングを行う仕事です。
資格を得るためには5年以上の実務試験が必要で、サービス提供責任者と比べても広い範囲の介護知識が必要とされます。
介護支援専門員の仕事内容や資格の取り方については、以下の記事も合わせてご確認ください。
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社会福祉士の資格取得方法は?資格要件や難易度も紹介
社会福祉士の資格は学歴や経歴によって取得方法が異なることを知っていますか? この記事では「社会福祉士の資格」について解説していきます。 結論、社会福祉士の資格取得はさまざまな方法があるので自分に合った ...
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サービス提供責任者とケアマネジャーとの違いは?
サービス提供責任者とケアマネジャーは共に介護サービスのプランニングを行う役割ですが、サービス提供責任者の方が介護現場に即したマネジメントを行います。
ケアマネジャーはケアプランの作成を行いますが、サービス提供責任者は介護現場の指揮をとることが役割。
介護現場に近い場所で、現場の人間とパートナーシップを築いていくのがサービス提供責任者の仕事です。
資格取得におすすめのサービス
介護資格の取得におすすめなのは介護資格に特化した資格サービスの利用がおすすめ!
資格取得にはスクール選びが重要になりますが、限られた情報でスクールを選ぶのは大変です。
資格サービスを使うことで、自分に合った資格スクールを見つけることができます。
シカトル
「シカトル」は介護業界に特化した資格サービス。
複数のスクールから自分に合ったサービスを選ぶことができます。
サービス提供責任者に必要な資格の学べるスクールを比較検討できます。
サービス提供責任者の給料
サービス提供責任者の給料・年収は一般的な水準と比べても高いものとなっています。
責任感のある仕事だけに給料も高く、それだけやりがいのある仕事といえます。
サービス提供責任者は給料が高い!
厚生労働省:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/19/dl/30kekka.pdf
厚生労働省の調べによると、訪問介護事業所におけるサービス提供責任者の平均給与は30.6万円(月額)。
サービス提供責任者でない者は26.9万円であり、比べると約4万円の月収の違いがあります。
年収に換算すると50万円~100万円ほどの開きがあり、サービス提供責任者の仕事は給料が高い仕事になっているのです。
サービス提供責任者に関する平均給与
- サービス提供責任者の平均給与:30.6万円
- サービス提供責任者でない者の平均給与:26.9万円
サービス提供責任者になるには?
サービス提供責任者になるには介護専門の転職サービスを利用することをおすすめします。
転職活動を進める場合、1人で進めるのは得策ではありません。
求人情報に限らず、転職活動に役立つ情報の入手できる転職サービスを活用して効率的に転職活動を進めていきましょう!
介護専門の転職サービスを活用する
介護の転職は介護専門の転職サービスの利用をおすすめ!
介護業界に特化した転職サービスを利用することで、業界特有の悩みなどについて相談できます。
求人数も豊富であるため、スムーズに転職活動を進めていけるでしょう。
きらケア
「きらケア」は介護業界に特化した転職サービス。
「未経験OK」「無資格OK」など様々な状況に応じた求人を確認できます。
サポート体制も充実しており、転職活動で分からないことがあれば気軽に相談していきながら転職活動を進めていくことができます。
マイナビ介護
「マイナビ介護」は人材業界大手のマイナビが運営する介護業界の転職サービス。
業界大手ならではの豊富な求人数と充実したサポートサービスが魅力です。
転職に関するサポートはすべて無料で受けることができるため、安心して利用できます。
登録企業者数は5万社以上、実績豊富なマイナビ介護の転職サービスを活用していきましょう。
サービス提供責任者で介護のプロになろう!
サービス提供責任者の仕事内容や転職事情について見ていきました。
サービス提供責任者は介護サービスの責任者であり、難しくやりがいのある仕事です。
サービス提供責任者になるには介護職員実務者研修の資格が必要など、一定の介護知識や経験が必要です。
介護業界で転職活動をするには介護専門の転職サービスを利用することをおすすめ!
サービス提供責任者に関する魅力的な求人が多数あるので、ご希望の条件に沿った求人を見つけられるでしょう。
介護現場での仕事内容を理解して、介護サービスの発展に貢献していきましょう!