社会福祉士の資格は学歴や経歴によって取得方法が異なることを知っていますか?
この記事では「社会福祉士の資格」について解説していきます。
結論、社会福祉士の資格取得はさまざまな方法があるので自分に合ったものを選ぶことが重要です。
その他にも「社会福祉士の難易度」や、「社会福祉士の資格概要」について説明していきたいと思いますので、ぜひこの記事を読んで社会福祉士の資格を手に入れていただければ幸いです。
社会福祉士の資格概要
「社会福祉士ってよく聞くけど、どんな資格なの?」という人たちを対象に、まずは社会福祉士がどういったものなのかご説明します。
この資格が気になっている人や、これから資格取得を考えているという人は、ぜひ以下の項目をチェックしておきましょう。
国家資格である
社会福祉士の資格は国に指定された国家資格となります。
この資格を持っているだけで、幅広い社会福祉の業務に携われるだけでなく、責任者として活躍することも可能です。
たとえば介護現場で働いたり、医療現場での活躍、さらには福祉の現場でも求められている資格であるため、はたらき方の幅を広げられるのも魅力。
民間資格などハードルの低いものに比べると難易度や条件の多い資格となりますが、取得するメリットはかなり大きいと言えます。
資格取得要件がある
社会福祉士になるためには「社会福祉士国家試験」に合格しなければなりません。
この国家試験は毎年1回2月ごろに試験が実施されています。
また、試験を受験するためには要件が設けられており、大学や短大、養成施設などで専門的に学習していることが必須です。
資格合格後には登録が必要
社会福祉士国家試験に合格できれば、晴れて社会福祉士として働くスタート地点に立つことができます。
このとき、ひとつ注意点があり、ただ単に合格しても、資格登録を行わなければ社会福祉士として認めてもらうことができません。
合格通知を受け取ったら「社会福祉振興・試験センター」で公開されている登録手続きを参考に、必要書類を準備しすぐに登録しておきましょう。
詳しくは、こちらに必要提出書類等が提示されていますので、事前に確認しておくといいでしょう。
社会福祉士の資格取得難易度とは?
「社会福祉士に興味があるけど、合格率を知ってから勉強したい」
結論から言うと、社会福祉士国家試験の合格率は約3割程度です。
もし100人が試験を受けたのなら、30人のみ合格できる難易度であり、民間資格に比べると難易度は高いのですが、国家資格という枠組みで見ていけば比較的取得しやすい資格だと言えます。
ただ、毎年7割の方が不合格となっていますし、不合格になると受験料15,440円を損してしまいますので、しっかり勉強したうえで受験するように心がけておきましょう。
問題は、社会福祉の一般常識から保証や障害などの専門知識まで幅広く出題され、テストでは150問が出題されることになっています。
全体の60%程度(約90問)を正解できれば、試験合格となりますので、ぜひチャレンジしてみてください。
社会福祉士は受験テキストなども豊富に販売されていますので、受験前には書籍を利用して要点をおさえた勉強しておくといいかもしれません。
社会福祉士の資格取得方法
社会福祉士という国家試験を受験するためには、資格要件が設定されており特定の大学での学習や養成校での学習が必要になります。
ただ、要件の満たし方は個人によって異なるのも特徴です。
そこでここでは、通う学校におけるパターンの要件をご紹介していきます。
大卒資格をお持ちでない方の対応策もご紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。
4年生福祉系大学を卒業の場合
学生として勉強をしていくのなら、4年生福祉系大学を卒業するのが最も効率よく社会福祉士の資格を取得する方法だと知っておきましょう。
このとき、指定科目を履修する道すじと、基礎科目を履修する道すじの2タイプがありますので、どちらが自分に合っているのかを検討してみてください。
指定科目を取得する
公益財団法人「社会福祉振興・試験センター」にて公開されている指定18科目を履修することにより、卒業後そのまま社会福祉士国家試験を受験できるようになります。
指定科目には、「現代社会と福祉」などの一般知識から「社会保障」などの専門知識、さらには「相談援助演習」など実務的な授業などが幅広く設定されているのが特徴です。
一般常識だけでなく、専門知識も必要となる科目が多いため、勉強に重きを置いた大学生活が必要となることを理解しておきましょう。
基礎科目の取得と短期養成施設
上記の指定科目同様、公益財団法人「社会福祉振興・試験センター」にて公開されている12の基礎科目を履修することで、受験資格を手に入れることが可能です。
ただし、大学卒業後に6か月間の短期養成施設で社会経験をしなければ、受験資格を獲得できませんので、指定科目よりも時間がかかってしまう取得方法だと言えます。
3年生福祉系短大を卒業の場合
福祉系の学校は短大も数多くあり、そちらで3年間勉学に励むことで資格取得できる道すじもあります。
まずは3年福祉短大に通った場合の取得の道すじからご紹介していきます。
指定科目の取得と1年以上の相談援助実務
上記で登場した指定18科目を履修すること、そして卒業後したあと1年以上相談援助の実務を経験することによって、社会福祉士の受験資格を獲得できます。
実務分野は児童分野、高齢者分野、障がい者分野、その他の分野、現在廃止事業の分野の5つが設けられていますので、自分の目指す分野で実務を重ねていきましょう。
基礎科目の取得と1年以上の相談援助実務と短期養成施設
3年生福祉系短大にはもうひとつ資格取得の道すじがあり、そちらでは、基礎12科目の履修、2年以上の相談援助実務、そして短期養成施設に6か月通うという3段階のアクションが必要となります。
段階が多い分、忙しい取得方法ですが、いろんな経験を得たうえで試験に臨むことができるため、合格率が高くなる動き方だと言えるでしょう。
2年生福祉系短大を卒業の場合
3年生福祉系短大卒業の道すじと似た形で、2年生福祉系短大を卒業して社会福祉士の資格を取得する道すじがあります。
こちらも2つの道すじ用意されていますので、検討のひとつに加えてみてください。
指定科目の取得と2年以上の相談援助実務
まずは指定18科目の履修を行い、相談援助実務を2年以上行う道すじで、短大での勉強2年、実務2年とバランスの取れた取得準備ができます。
指定科目を履修して資格取得を目指す場合は、トータル4年間の勉強+実務が必要になるため、自分に合ったバランスの受験準備を行ってみてはどうでしょうか。
指定科目の取得と2年以上の相談援助実務と短期養成施設
もうひとつは基礎12科目を履修し、2年以上の相談援助実務で経験を積み、その後短期養成施設に6か月通う道すじとなります。
こちらも年数の違いが出てくるため、期間を中心に検討してみてはどうでしょうか。
4年生一般大学を卒業の場合
社会福祉士は4年生の一般大学を卒業して(通って)いても受験できる資格であるため、幅広い人たちに人気の資格となります。
ただし、4年生一般大学を卒業後、1年以上の一般養成施設で経験を重ねなければ受験資格を手に入れられませんので、一般養成施設でしっかりで勉強して受験に臨みましょう。
3年生一般短大を卒業の場合
3年生の一般短大を卒業した方でしたら、相談援助での実務を1年以上、一般養成施設での勉強を1年以上、トータル2年間の経験を得られれば社会福祉士の受験資格を獲得できます。
2年間の一般養成施設は長いように感じますが、4年生一般大学と比べてみても、トータル期間は同じとなるため、他より不利になるということはありません。
2年生一般短大を卒業の場合
3年生の一般短大と同じように、2年生の一般短大卒業の方も、相談援助と一般養成施設で経験を積むことにより、受験資格を獲得できます。
ただし、他一般大学、短大と同様にトータル期間が同じであり、相談援助は実務2年以上、一般養成施設はい年以上と、学校以外で別途活動が必要となります。
大卒資格がない場合
「大学や短大を卒業していないので社会福祉士になれない」そう諦めてしまうのは少し待ってください。
社会福祉士は卒業資格を持っていなくとも、しっかりと経験を積めば受験資格を手に入れることができます。
必要なことは相談援助を実務4年以上、一般養成施設での経験1年以上という期間であり、トータル期間は大学や短大卒業の方と変わりません。
大学に通っていない(通っていなかった)から諦めようとしている人がいらっしゃるなら、まだまだ受験のチャンスはたくさんあることを理解しておきましょう。
相談援助実務とは?
受験資格獲得の道すじをたくさん紹介しましたが、その中では「相談援助実務」というワードが数多く出てきました。
ではいったい、相談援助とはどういったものでしょうか。
こちらを簡単に表すなら、相談所や福祉施設等で実務(仕事)をこなしていくというものであり、働ける場所は子どもを対象とした児童分野、高齢者を対象とした高齢者分野、障がい者を対象とした障がい者分野、その他の分野、現在廃止事業の分野の5つが設けられています。
仕事内容は場所によって違いますが、社会福祉関係とかなり近い場所で働けたり、社会福祉士の助手として動くこともできますので、実務の中で役立つ知識や技術を習得していきましょう。
どの分野を選べばいいかお悩みの方がいらっしゃるのなら、まずは気になる分野や興味がある分野の実務を始めてみるといいかもしれません。
短期養成施設・一般養成施設とは?
道すじの説明でもうひとつ登場したワードに「短期養成施設・一般養成施設」があります。
こちらは、実務を重ねるというよりは、養成施設ということもあって勉強を中心に経験を積んでいく場所となります。
公益財団法人「社会福祉振興・試験センター」にて、日本にある養成施設の一覧の連絡先を掲載してありますので、通えそうな範囲に養成施設がないか確認するため、こちらからチェックしてみましょう。
社会福祉士の受験資格の有効期限は?
国家資格と言えば、日本に認められた優位な資格であるため、定期的な更新が必要だと考えている人も多いのではないでしょうか。
たしかに、頻繁に更新が必要となる国家資格はたくさんあります。
ただ、ご紹介している社会福祉士については、一度取得してしまえば一生更新する必要がない資格なのでかなり管理が楽な資格です。
このとき、社会福祉士の資格を社会福祉登録簿に登録しなければ、社会福祉士という名称を使用できませんので、資格を取得したらすぐに登録申請を行っていきましょう。
社会福祉士の資格は通信でも取得可能?
社会福祉士の受験資格を得るために養成施設へ通いたい。
でも、時間を確保できないため通信として養成施設の勉強を受けられないかとお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
公益財団法人「社会福祉振興・試験センター」の養成施設のページを見ると、短期養成施設・一般養成施設ともに通信課程に対応した施設が数多く運営されています。
日本にある福祉の養成施設には限りがあり、その中でも通信課程の施設はさらに場所が絞られてしまいますが、施設の半分以上は通信課程となっていますので、お住まいの地域に養成施設がないかチェックしてみてはどうでしょうか。
また、社会福祉士の資格を完全にオンラインで取得するのは不可能で、福祉系の大学の場合はオンラインで卒業できるところもありますが、スクーリングなどの実務を学ぶための通学が必要になります。
そのため、完全にオンラインで社会福祉士の資格を取得するのは難しいでしょう。
ただ、一般大学を卒業している場合などの通信教育を実施している養成校に通うことでオンラインで取得することもできます。
社会福祉士の資格を取得して社会福祉士として働こう
以上、社会福祉士の概要と、社会福祉士国家試験を受験するためのいろんな道すじ・要件をご紹介しました。
社会福祉士の資格を取得できれば、福祉関係の現場から重宝される引っ張りだこな人間になれます。
もちろん社会福祉士の資格を取得するためには、いろんな勉強や社会経験(実務)が必要となりますが、これからの日本は少子高齢化が進み、コミュニケーション部分で多くのトラブルが発生すると予想されます。
介護、医療、福祉関係のお仕事は世界情勢に影響される反動が少なく、安定した収入を得ることもに繋がっていきますので、みなさんも取得・登録を検討してみてはどうでしょうか。