「実務者研修って、無資格者には難しいの?」
「実務者研修で落ちたといっている人の原因は?」
実務者研修は、介護職員初任者研修を修了したのちに受けるものという認識をしている方が多いですよね。
そこで今回は介護福祉士実務者研修の難易度や、それぞれが落ちた原因などを解説します。
◆本記事の内容
- 介護福祉士実務者研修とは
- 介護福祉士実務者研修に落ちた理由とは?
- 実務者研修と介護職員初任者研修の違いとは
- 介護実務者研修は無資格でも受けられる?
- 無資格で介護経験がない人のスクール選びポイント
- 無資格で介護経験がある人のスクール選びポイント
実務者研修の難易度がどれくらいなのか把握し、ぜひ資格取得に役立ててみてください。
介護福祉士実務者研修とは
介護福祉士実務者研修とは、介護福祉士を受けるための条件に入っているもの。
一般的に介護職員初任者研修を受けた後に、介護福祉士実務者研修を受ける人が多いです。
介護福祉士実務者研修の内容はとても充実しており、スクーリングで勉強するカリキュラムは以下のようになっています。
科目 | 時間 |
---|---|
人間の尊厳と自立 | 5 |
社会の理解I | 5 |
社会の理解II | 30 |
介護の基本I | 10 |
介護の基本II | 20 |
コミュニケーション技術 | 20 |
生活支援技術I | 20 |
生活支援技術II | 30 |
介護過程I | 20 |
介護過程II | 25 |
発達と老化の理解I | 10 |
発達と老化の理解II | 20 |
認知症の理解I | 10 |
認知症の理解II | 20 |
障害の理解I | 10 |
障害の理解II | 20 |
こころとからだのしくみI | 20 |
こころとからだのしくみII | 60 |
医療的ケア・通信 | 50 |
介護過程III | 45 |
医療的ケア・演習 | 規定回数 |
介護実務者研修は無資格でも受けられる?
結論、介護福祉士実務者研修は「無資格」でも受けられます。
年代や年齢など問わず、誰でも挑戦できる資格なので、介護業界で働きたい方が資格取得にチャレンジしてみても良いでしょう。
合格率はほぼ100%といっていい
介護福祉士実務者研修は「難しくありません」。なぜなら、介護福祉士実務者研修には修了時のテストがないからです。
一般的には通学などをしてカリキュラムをこなしたあと、資格の取得試験があります。
しかし介護福祉士実務者研修はこの認定試験の実施がスクールによって異なるため、ないところも多いのです。
つまり指定のカリキュラムを修了することが合格基準であり、介護福祉士実務者研修はほぼ100%の確率で取得できます。
実務試験はある?
介護福祉士実務者研修に、実務試験はありません。
しかしカリキュラム修了時に試験がないことから、スクールによっては実務試験を設けている場所もあります。
理解度を図るためのものなので、しっかりと技術を身につけたい方は試験があるスクーリングに通いましょう。
介護福祉士実務者研修に落ちた理由とは?
ここからは介護福祉士実務者研修に落ちてしまった人に、どのような原因が考えられるか聞いてみました。
すると多かった意見が、以下の4つ。
- 勉強をしていなかった
- 課題を提出しなかった
- 研修やスクーリングの単位を落としている
- 途中でやめてしまった
なぜ落ちてしまったのか、その理由を1つずつ解説します。
勉強をしていなかった
介護福祉士実務者研修に落ちてしまった理由、1つ目は「勉強をしていなかった」から。
そこまで介護福祉士実務者研修の取得に意欲がない場合、いくら簡単とはいっても勉強するのは苦痛ですよね。
単純に勉強量が足りていなかったことで、不合格になってしまったそうです。
課題を提出しなかった
介護福祉士実務者研修に落ちてしまった理由、2つ目は「課題を提出しなかった」から。
修了後の確認テストがない介護福祉士実務者研修では、スクーリングによって定期的に課題の提出を求められることもあります。
その際、必要な書類などを提出できないと、理解度が低いと認定されて落とされてしまうでしょう。
研修やスクーリングの単位を落としている
介護福祉士実務者研修に落ちてしまった理由、3つ目は「研修やスクーリングの単位を落としている」から。
テストがない分、カリキュラムは落とさずに受講する必要があります。
すっかり受けているものと認識して出席できていなかったということが、介護福祉士実務者研修を落としてしまう理由になりました。
途中でやめてしまった
介護福祉士実務者研修に落ちてしまった理由、4つ目は「途中でやめてしまった」から。
資格取得試験がない介護福祉実務者研修は、簡単に取れると有名です。
なにか手に職をと考えた人が、軽い気持ちでスクールに通ってやめてしまうといったこともあるそう。
合格率がほぼ100%といえる介護福祉実務者研修のため、この理由で落ちてしまう方が多いです。
実務者研修と介護職員初任者研修の違いとは
ここからは「介護福祉士実務者研修」と「介護職員初任者研修」の違いについて、詳しく解説します。
主に異なるポイントは、以下の4点。
- 学ぶ内容が違う
- 学習期間が違う
- 実務者研修は介護福祉士の受験資格
- 実務者研修を修了すると「サービス提供責任者」になれる
1つずつ、見ていきましょう。
学ぶ内容が違う
実務者研修と介護福祉士実務者研修の違い、1つ目は「学ぶ内容が違う」こと。
介護職員初任者研修の上位資格として位置づけられているのが実務者研修のため、カリキュラムもさらに深い内容となります。
介護職員初任者研修と介護福祉士実務者研修の共通カリキュラム9科目
実務者研修 | 初任者研修 |
---|---|
人間の尊厳と自立 | 職務の理解 |
社会の理解I | 介護における尊厳の保持・自立支援 |
社会の理解II | 介護の基本 |
介護の基本I | 介護・福祉サービスの理解と医療の連携 |
介護の基本II | 介護におけるコミュニケーション技術 |
コミュニケーション技術 | 老化の理解 |
生活支援技術I | 認知症の理解 |
生活支援技術II | 障害の理解 |
介護過程I | こころとからだのしくみと生活支援 |
介護過程II | 講義の振り返り |
発達と老化の理解I | ─ |
発達と老化の理解II | ─ |
認知症の理解I | ─ |
認知症の理解II | ─ |
障害の理解I | ─ |
障害の理解II | ─ |
こころとからだのしくみI | ─ |
こころとからだのしくみII | ─ |
医療的ケア・通信 | ─ |
介護過程III | ─ |
医療的ケア・演習 | ─ |
一気に介護福祉士まで駆け上がりたい方に、介護福祉士実務者研修のほうが少し授業内容が難しくなっていると考えておきましょう。
学習期間が違う
実務者研修と介護福祉士実務者研修の違い、2つ目は「学習期間が違う」こと。
未経験・無資格者が資格取得に臨んだとき、実務者研修は「約450時間」、初任者研修は「約130時間」かかります。
しかし介護資格を持つ人が実務者研修を受ける場合、受講時間は削減できるため、さらに要する時間は減るでしょう。
実務者研修は介護福祉士の受験資格
実務者研修と介護福祉士実務者研修の違い、3つ目は「実務者研修は介護福祉士の受験資格」ということ。
介護職員初任者研修は修了しても、介護福祉士の受験資格にはなりません。
つまり介護福祉士を見据えているのであれば、実務者研修を取得するほうが良いといえます。
実務者研修を修了するとサービス提供責任者になれる
実務者研修と介護福祉士実務者研修の違い、4つ目は「修了するとサービス提供責任者になれる」ということ。
訪問介護のサービス提供責任者(介護施設に必ず配置する職種)として働きたいなら、実務者研修から取得してしまいましょう。
サービス提供責任者は、介護サービスを行ううえでかなり重要な存在となります。
介護福祉士実務者研修を取得する方法
ここからは、介護福祉士実務者研修を取得する方法や流れについて解説します。
流れは、以下の2つ。
- 在宅勉強と併用しながらスクールに通う
- 介護福祉士実務者研修のカリキュラムを修了する
非常に簡単なので、ぜひ参考にしてみてください。
スクールに通う(在宅と併用)
まずは、介護福祉士実務者研修について勉強できるスクールを探します。
通信講座などの資料請求から始めることが一般的ですが、既に介護業界で働いている場合は施設からおすすめされたスクールでも良いでしょう。
通信講座とスクーリングが一般的
基本的には通信講座で勉強し、定められたカリキュラムの分だけスクールに通うことが一般的です。
自力での勉強が難しく離脱してしまうことも考えられるので、なるべく同じ志を持った方と複数人で受講することをおすすめします。
無資格者の通学は6日程度
無資格者の場合、介護福祉士実務者研修のために必要な通学期間は6日程度。
介護資格を持っている場合、通学時間を削減することもできます。
介護福祉士実務者研修のカリキュラムを修了する
介護福祉士実務者研修の取得試験はありません。
カリキュラムを修了することで介護福祉士実務者研修が取れるため、最後まであきらめずにスクールに通いましょう。
無資格で介護経験がない人のスクール選びポイント
さて、ここまで読んでみて介護福祉士実務者研修を受けてみようと考える人も多いはず。
そこで無資格者で介護経験もない人がどのようなスクールを選べばいいのか、そのポイントについて解説します。
- サポート制度が充実しているか
- 未経験にも優しいスクールか
以上、2点について説明します。
サポート制度が充実しているか
無資格で介護経験がない人のスクール選びポイント、1つ目は「サポート制度が充実しているか」です。
介護業界が未経験の場合、よく使われている言葉ですら理解が難しいと感じることはよくあります。
1つずつ丁寧に対応したり、未経験者のための別講座を開いてくれたりするようなスクールを選びましょう。
未経験にも優しいスクールか
無資格で介護経験がない人のスクール選びポイント、2つ目は「未経験にも優しいスクールか」です。
介護業界で働いている人と、これから挑戦したいと考えている人の間で実力の差が開いてしまうのは当然のこと。
そんなとき未経験者を置いていかないような講義をしてくれるスクールを選ぶと、負担が少なく資格取得に集中できます。
無資格で介護経験がある人のスクール選びポイント
では無資格者ではあるものの、介護経験がある人のスクール選びで重要なポイントはなんでしょうか?
以下、2点を解説します。
- 介護福祉士試験を見据えたスクールか
- セット講座などの対応があるか
一緒に確認していきましょう。
介護福祉士試験を見据えたスクールか
無資格で介護経験がある人のスクール選びポイント、1つ目は「介護福祉士試験を見据えたスクールか」です。
介護福祉士実務者研修は、介護福祉士の受験資格になるということは先ほどお伝えしました。
しかし未経験者にとって優しいスクールを目指すがあまり、介護福祉士試験を見据えていないスクールもいくつかあるようです。
スクールに通っているときに介護福祉士試験のヒントが出ることもあるため、なるべく介護福祉士試験を見据えているスクールを選びましょう。
セット講座などの対応があるか
無資格で介護経験がある人のスクール選びポイント、2つ目は「セット講座などの対応があるか」です。
たとえば同じスクールで介護福祉士実務者研修を受講したのち、介護福祉士試験を受ける場合に価格が安くなるなど。
こういった対応があるスクールなら、少なくとも1つ目に挙げた「介護福祉士試験を見据えている」という点にも当てはまるといえるでしょう。
セット講座で時間短縮したり、価格を抑えたりなどメリットのあるスクールを選んでみてくださいね。
まとめ
今回は介護実務者研修の難易度や、落ちた原因などをまとめてみました。
結論、介護実務者研修は難易度が低いといえる資格です。
さらに介護職員初任者研修を修了していなければ受けられない資格ではなく、介護業界自体が未経験でも受験資格はあります。
しかし、きちんと勉強していなければ合格できないものなので「サービス管理責任者になりたい」「介護の知識を深めたい」など、目的をもって受けるのがおすすめです。
当サイトでは他にも介護についての記事を更新しているので、ぜひ参考にしてみてください