介護士の仕事は安定している上に採用試験に受かりやすいというメリットがあります。それゆえ他業界から介護士への転職を目指す人が大勢います。
今後において待遇改善が見込まれる業界でもあるので、転職希望者にとっては手を出しやすいのではないでしょうか。
とはいえ、転職活動においてはそれなりの準備が必要。特に転職サイト選びと履歴書の書き方は結果を大きく左右します。
そこでこの記事では、介護士への転職を目指す人のために、おすすめの転職サイトや登録方法、履歴書の書き方などをご紹介していきます。
また「介護福祉士になるための方法」について詳しく知りたい方は、こちらで解説を行っていますのでぜひ確認してみてくださいね。
介護士への転職はサイト選びが重要
介護業界用の転職サイトはいくつもありますが、その中身はサイトごとに異なります。そのため介護士への転職ではどの転職サイトに登録するかが重要。
とくに他業界から介護士を目指す人は、以下の3点を重視すべきです。
- 掲載求人数の多さ
- 応募先の情報量
- フォローの質
掲載求人数の多さ
転職サイトの優劣を決めるもっとも重要な要素は掲載求人数の多さです。いくら登録しやすい転職サイトであっても、掲載求人数が少なければ思うような転職活動はできません。
また、就職先に対してこだわりの条件がある場合、掲載求人数が少ないと応募できる事業所がほとんどないということも。
これでは給料などの待遇面で比較検討できませんから、できるだけ掲載求人数の多い転職サイトを選ぶようにしてください。
応募先の情報量
どの業界であれ、事業所が異なれば職場の雰囲気や福利厚生、育成方針などに違いがでます。大まかなところは事業所のホームページで確認できるとしても、それだけでは分からないことも。
内容によっては面接で聞きにくいこともあり、入社してから「思っていたのとは違う」と感じられることが多々あります。
そのような事態を避ける意味で転職サイトには内部情報の多さが求められるのです。
フォローの質
単に求人を掲載するだけの転職サイトがある一方で、面接対策やキャリアアップの仕方、人生設計などについてアドバイスしてくれるところもあります。
介護業界未経験の人にとってはこうしたフォローはとても重要なはず。
入社してから戸惑うことのないように、受けられるフォローは最大限に活用していきましょう。
おすすめの介護業界転職サイト3選
介護業界に限ったことではありませんが、転職サイトを利用するときは複数に登録するのがコツ。どのサイトも一長一短があるので、複数に登録してそれぞれの短所を補い合うようにします。
その意味でおすすめなのが以下の3つです。
<おすすめの転職サイト>
- マイナビ介護
- 介護レポ
- きらケア
マイナビ介護:株式会社マイナビ
掲載求人数の多さで評判なのがマイナビ介護です。ご紹介した通り、求人数は転職サイトにおける最重要項目。まずはマイナビ介護に登録して様々な求人に目を通し、給料や福利厚生の相場をつかみましょう。
また、マイナビ介護では専門のキャリアアドバイザーが就職後のこと(給与アップ、キャリアプラン、産休など)について相談にのってくれます。
介護業界は給料のベースアップが少ないので、事前にしっかり相談して自分なりのキャリアアッププランを持ってください。
*引用元:https://kaigoshoku.mynavi.jp/
介護レポ:株式会社repo
応募先の情報量が多いのは介護レポです。各企業の教育体制や資格取得支援制度、職場環境など、面接時に質問しにくいことでも介護レポなら事前に把握することができます。
そのため、マイナビ介護と求人が被っていれば介護レポで情報を補完するという使い方もできます。
入社後に「しまった」と後悔することのないように、介護レポでしっかり情報収集しておくようにしましょう。
*引用元:https://www.repo.co.jp/kaigolp/
きらケア:レバレジーズメディカルケア株式会
きらケアはフォローの面でとても優れているのが特徴。まず、各事業所ごとの面接対策を行ってくれます。想定される質問や面接の雰囲気が分かるので、本番で必要以上に緊張することはないでしょう。
また、面接に同行してくれるというサービスもあります。通常、面接はアウェーな雰囲気となりますから、そこに同行してくれるのはとても心強いはず。
こうした実践的なサービスが充実しているので、他の転職サイトと求人が被っている場合はきらケアから応募した方がお得です。
転職サイトへの登録方法
転職希望者のなかには「これが初めて」という人もいることでしょう。
そこで介護業界用転職サイトへの登録方法について、大手であるマイナビ介護を例にとってご紹介していきます。
なお、入力する順番は転職サイトごとに異なりますが、内容はどこもほぼ同じです。
まずは新規会員登録
登録する転職サイトが決まったらまずは新規会員登録を行います。マイナビ介護の場合は最初に「介護資格の有無」と「普通自動車免許の有無」について回答。
転職サイトによっては最初にメールアドレスとパスワードを設定することもあります。
その後は指示に従って住所、氏名、生年月日など、自身に関する基本的な情報を入力していきます。
ほとんどの項目は通販サイトでよくある会員登録と同じなので、特に戸惑うところはないでしょう。
経験や資格を入力
自身の基本情報を入力し終えたら資格やスキルを入力します。
介護士は現場で実務をこなすことがメインですから、介護系の資格以外はさほどプラス材料になりません。逆にいえば資格がなくても特に問題ないということ。
持っていない資格やスキルをごまかしても意味がないので、無いなら無いでそこは素直に記載しておきましょう。
希望条件を入力
希望条件は出来るだけ幅広くとった方が有利。絶対にNGなことだけを省いて、それ以外のことはいったんすべてOK(希望する)にしておくのがコツです。
希望年収は介護業界の相場から外れていないことが大事。介護福祉士の資格を保有しているベテラン介護士でも年収は400万円ほどなので、それを踏まえた上で記載してください。
なお、希望条件はどの転職サイトも後で修正できるようになっています。
*引用元:https://kaigoshoku.mynavi.jp/
転職サイトでの良い履歴書の書き方
基本情報や希望条件は合否にそれほど影響しませんが、履歴書の中身は書類試験の結果を大きく左右します。
なかでも重要なのが次の3点です。
- 職務経歴
- 志望動機
- 自己PR
面接でも聞かれることなので、転職サイトに記載する段階からしっかり洗練されたものを用意しましょう。
職務経歴
職務経歴は歴代の就職先を書く欄ですが、単に社名だけを連ねても大したアピールになりません。それよりはどんなに小さくても肩書きや携わったプロジェクトなどを細かく書くべき。
これによりスキルや経験を具体的にイメージさせることができます。
職務経歴の例
職務経歴の書き方は次の通りです。
<良い例>
2000年4月:○○株式会社入社 △△部に配属
2003年6月:同社 ××プロジェクトメンバーに選出(以降、7カ月連続目標達成)
2004年1月:同プロジェクト終了
2004年7月:同社 △△部課長代理に昇進(直属の部下3名)
2005年3月:同社を退社
<悪い例>
2000年4月:○○株式会社入社
2004年7月:同社 △△部課長代理に昇進
2005年3月:同社を退社
役職がついたことを書くのは当然ですが、プロジェクトや企画に参加したことも書いておいた方が有利。これがあるだけで経験豊富でスキルの高い人材に見えます。
また、目標達成や部下の人数といった具体的な数値をカッコ書きで記載しておくとより効果的です。
志望動機
志望動機は300字程度で納めるのが無難です。その中に書くべきは
- 入社してかなえたいこと
- なぜこの事業所なのか
- 何に貢献できるのか
という3点です。
また、書き出しの一文で結論を明確にし、末文でもう一度念押しするのが定番です。
志望動機の例文
<志望動機の良い例1>
私は前職の営業経験を通じて、お客様に満足してもらうことにやりがいを見出しました。そしてより強くやりがいを感じられる仕事をしたいと考えるようになり、介護業界への転職を決心しました。
御社を志望したのはホームページを拝見して「お客様の立場にたった介護サービスを提供できる土壌がある」と感じたからです。
介護サービスを通じてできるだけ多くの方の生活レベルを高め、御社の評判と売上の向上に貢献してまいります。
<志望動機の良い例2>
2年前に身内が要介護になったことで介護の大変さを痛感しました。
同じ経験をしている人が大勢いるなかで、「仕事を通してそれらの人を助けたい」という思いが強くなり介護士になることを決意しました。数ある事業所の中でも御社は利用者からの評価が高く第一志望とさせて頂いております。
身内の介護で培ったものを活かして利用者に満足していただけるサービスを提供し、御社の発展に貢献したいと考えています。
志望動機に説得力を持たせるには、何かしらの経験に基づく文章にするのが一番。その点、例文1では前職での経験、例文2では身内に対する介護の経験を語っています。
また、「決心」「決意」などの言葉を用いて介護業界への転職にかける強い想いを表現するのもコツ。
介護業界は離職率の高い業界なので、「簡単には辞めそうもない人」が好まれるのです。
自己PR
自己PRは本来自分の長所を書く欄。ただし、介護業界への転職に絞って活動する場合は、以下のような点をアピールした方が有利です。
- コミュニケーション力
- 相手の気持ちを理解できる
- 忍耐力
- 素直さ
「コミュニケーション力」「相手の気持ちを理解できる」「忍耐力」はいずれも介護の現場でとくに必要とされる能力です。また、素直さは業界をとわず上司から好まれる特徴。(部下として扱いやすいため)
したがって、上記のいずれかまたは複数が伝わるような文章に仕上げてください。
自己PRの例文
<良い自己PRの例1>
前職はクレーム対応のコールセンタースタッフでした。そこで学んだのはどんなに罵倒されてもしっかりと受け止めて丁寧に対応する忍耐力です。また、マニュアルが頻繫に更新されるので、それを柔軟かつ素直に吸収して実践することも心掛けていました。
その結果、お客様の満足度をはかるアンケートで40人中1位を獲得。クレーム対応はとてもストレスのたまる仕事ですが、対応次第ではお客様に喜んでいただけることが分かり大変よい経験となりました。
介護もストレスのたまる仕事だと聞いておりますが、前職で身につけた忍耐力、柔軟性、素直さをもとに、常に前向きに取り組んでまいります。
<良い自己PRの例2>
介護の仕事は利用者との円滑なコミュニケーションが大事だと考えています。効率良くテキパキと仕事をこなすのはもちろんですが、利用者の意思を尊重し、細かい点に気を配ることも重要だと思っています。
私は前職で管理職を5年務め、部下達とのコミュニケーションを大事にしてきました。彼らが何に対して不満を持ち、どのようなモチベーションなのか。どうすればやりがいを感じてくれるのかなどを、ある時は個人面談でまたある時はいわゆる飲みにケーションで把握してきました。
その結果、他部署が多くの退職者を出しているなか、私の部署では5年間で一人も退職者出さずに済みました。御社に採用していただければ、このコミュニケーション力を生かして利用者が本当に喜ぶ介護サービスを提供してまいります。
例文1は最初に前職の経験・実績を述べ、中盤以降でそれを介護士としてどう生かすかについて説明しています。逆に例文2では介護士に必要だと思われる能力について述べ、前職を通してそれが身についていることをアピールしています。
どちらの形式でも構いませんが、外せないのは具体的な実績値を記載すること。「○○人中1位」「△△の目標を連続達成」など、客観的に判断しやすい形で記載してください。
まとめ
この記事では、介護士への転職を目指す人のために、おすすめの転職サイトや登録方法、履歴書の書き方などをご紹介しました。
転職サイトは「マイナビ介護」「介護レポ」「きらケア」の3つに登録しておけばまず間違いありません。各サイトとも登録方法は簡単なのであっさり登録完了となります。
あとはサイト内にある履歴書の項目を仕上げるだけ。職務経歴、志望動機、自己PRの3点を洗練された文章できっちり埋めることができれば、希望する事業者への転職に大きく近づきますよ。