介護福祉士実務者研修を受講しようと思って調べてみると、スクールによって費用が大きく異ることに気づくはず。
本記事では、費用が大きく異る理由と安い費用で受講できるスクールをご紹介します。
前半では『介護福祉士実務者研修について』、後半では『受講にかかる費用』や『おすすめのスクール』、『利用可能な補助金・助成金』について解説。
介護業界に興味がある方はもちろん、初任者研修からのステップアップを考えている方の参考になれば幸いです。
また「介護職員初任者研修の費用」について知りたい方は、こちらで解説を行っていますのでぜひ確認してみてくださいね。
介護福祉士実務者研修とは?
介護福祉士実務者研修は、より質の高い介護サービスの提供を目指して設けられました。
実践的な知識と技術の習得を目的としており、介護職員として働く上で必要な介護過程の展開やたん吸引、認知症等について学べます。
従来のホームヘルパー1級と介護職員基礎研修を一本化した資格という位置づけながら、到達目標は介護福祉士養成校と同等の高水準です。
介護福祉士を受験するための必須資格
介護職員として働くからには、介護福祉士の資格を取りたいと考えている方は少なくないでしょう。
介護福祉士実務者研修は介護福祉士国家試験を受験するための必須資格となっており、取得すればサービス提供責任者になることも可能となります。
介護職員初任者研修を取得していれば受講時間が一部免除されるので、すでに取得している方は積極的に取得しましょう。
介護福祉士を取得する2つのルート
介護福祉士実務者研修を取得するルートは以下の2つです。
- スクールに直接通う
- 通信学習で学ぶ
無資格でも取得可能なため、その時の状況によって最適なルートを選びましょう。
スクールに直接通う
自宅学習に集中できない、時間にある程度余裕がある、スクールが自宅や職場の近くにあるという方は直接通うといいでしょう。
わからないところや不明点があればその場で質問して解決できますし、集中できる環境で学べるのも大きなメリットです。
ただし、スクールが自宅や職場から遠いと、余計な時間とお金を費やすことになります。
通信学習で学ぶ
スクールに通う時間がなかなか作り出せない場合には、テキストとインターネットを利用した通信学習がおすすめです。
通信学習と言っても全て自宅で完結するわけではなく、科目によってはスクールに通学する必要があります。
ライフスタイルに合わせて学習を進められるというメリットがある一方で、不明点があっても回答に時間がかかるなどのデメリットがあるので覚えておきましょう。
介護職員初任者研修より専門的
介護福祉士実務者研修の内容は、介護職員初任者研修よりも一歩踏み込んだより専門的なものとなっています。
受講科目では11科目、受講時間数で言えば320時間もの違いがあり、コミュニケーション技術や医療的ケアといった項目も含まれます。
ともに国家資格ではない上に9科目が共通しているものの、資格取得のための大変さは比ではないと考えていいでしょう。
介護福祉士実務者研修の費用
インターネットや広告で介護福祉士実務者研修の費用を調べていくと、受講料に結構な違いがあることに気づくと思います。
3万円台のスクールがあったと思えば一方で20万円超のスクールがあったりと、同じ資格であるはずなのになぜこれほどに差が開いているのでしょうか?
これにはきちんと理由があって、取得している介護資格によって受講期間が変わり、比例して費用も変化するということになります。
取得資格によって期間が異なる
介護福祉士実務者研修を受講するための資格は必要ありませんが、すでに習得していることを重複する必要もありません。
つまり、他の介護資格を取得する課程で共通する科目を学んでいる場合は、その分だけ受講時間が免除されるというシステムです。
一般的には無資格から実務者研修を受講するケースと、初任者研修を修了してから実務者研修を受講するケースが多いですが、本項ではもう一つ介護職員基礎研修を修了してから受講するケースについて解説します。
無資格者の場合
取得している介護資格がない、または介護業界での実務経験がないという場合は、450時間・6ヶ月という研修時間が定められています。
福祉系高校や養成施設があることを考えると、介護を一から学ぶと思えば短いくらいですが、そう簡単に取れる資格ではないことがわかるはず。
年齢制限がなく学歴および経験も問わないものの、介護福祉士を受験するための必須資格なので、国家試験を受けようと考えている年度の12月までに取得するようにしましょう。
介護職員初任者研修修了者の場合
すでに介護職員初任者研修を修了している場合は、受講時間が450時間から320時間まで減少します。
これは共通する9科目130時間分が免除となるためですが、それでも修了するまでに2ヶ月以上はかかるようです。
未経験から短期間で多くの内容を学ぶのは苦しいため、初任者研修4ヶ月+実務者研修2ヶ月と分けて習得することをおすすめします。
介護職員基礎研修修了者の場合
実務者研修は介護職員基礎研修とホームヘルパー一級を一本化した資格のため、介護職員基礎研修はいわば元になった資格と言えます。
そのため、基礎研修修了者は医療的ケア50時間のみの受講が定められており、最短での取得が可能です。
また、もう一つの元になった資格であるホームへルパー一級を取得している場合には、介護過程Ⅲ45時間と医療的ケアを合わせた95時間で取得できます。
介護福祉士実務者券研修は費用も異なる
実務者研修に限ったことではありませんが、受講期間が異なれば費用が異なってきます。
しかし、実務者研修の費用が受講者によって大きく異なるのは、資格の有無だけでなく以下のような要因も絡んでくるようです。
- スクールの立地
- スクールやテキストの質
- 振替制度の充実度
本項では、費用が異なるその他の3つの要因について解説します。
費用が異なる要因①スクールの立地
資格取得にあたってスクールに通うルートを選択した場合に限りますが、スクールの位置が自宅が職場から離れるほど余分なコストが発生します。
隣駅で往復ワンコイン以下で通えるのと、少し離れていて往復1,000円ほどかけて通うのでは、トータルで見ると結構な違いです。
近場にスクールがない場合は、早い段階で諦めて通信学習の選択をおすすめします。
費用が異なる要因②テキストの質
スクールまでの距離がさほど変わらないのに費用が異なる大きな要因としては、テキストの質の違いがあげられます。
着地点は“介護福祉士実務者研修の修了”で同じですが、必要以上に凝っていたり、反対に最低限のことしか記載されていないケースがあるようです。
また、スクールが本業でなかったり就職サポートが充実しているケースも費用に大きく反映され、内容が充実しているほど費用が高くなる傾向にあります。
費用が異なる要因③振替制度の充実度
働きながら資格取得に向けて学んでいると、仕事の都合でどうしてもスクールを休まなければならない日というものが出てきます。
そんなとき、振替授業の制度があったり通いやすい時間に変更できたりと、融通がきくスクールは受講料が高い印象です。
それから働きながらでも通いやすい夕方以降の時間帯に開講しているスクールも、受講料が高い傾向にあります、
費用を抑えたい方におすすめのスクール3選
実務者講習を修了するにあたって、できるだけ費用を抑えたい方におすすめのスクール3校をご紹介します。
価格がリーズナブルなスクールは、通信学習メインでスクーリングが数日間あるというスタイルが多く仕事と両立しやすいのも特徴です。
どのスクールも全国に開講拠点があるので、どこにしようか悩んでいる方はぜひ参考にしてくださいね。
ニチイ
介護講座(ホームヘルパー2級)で100万人以上の修了生を排出した実績があり、学習内容を仕事で活かせる“質の高い学び”を提供しています。
ニチイの介護職員初任者研修を修了していれば、通常価格193,814円が45%OFFとなる106,598円(キャリアアップ割引)で受講可能です。
ただし、無資格者の場合は220,000円(税込)と決して安くはないので、教育訓練給付制度を利用するなどして自己負担を少しでも減らすようにしましょう。
資格の大原
確実な合格を目指すため、受験対策までセットになっていながら無資格でも最安83,100円(税込/関西地方の方)で受講できます。
ホームヘルパー2給もしくは介護職員初任者研修修了者であれば、最安69,800円(税込/関西地方の方)ととにかく安いです。
自宅学習とスクーリングを組み合わせたカリキュラムとなりますが、通うのは週1日で最短6日と短く仕事と両立しやすい設定になっています。
しかくの学校ホットライン
全都道府県に2校以上を構える『しかくの学校』は、自宅学習とスクーリング8日間(無資格者は在籍期間6ヶ月が必要)で実務者研修を修了できます。
エリアや教室によって費用が若干変わりますが、無資格でも約9万円ほどと全国でも屈指のリーズナブルな料金体系です。
教育給付金制度(専門実践教育訓練)対象で受講費用の分割払いにも対応しており、土日開講・就職支援制度ありと安くても充実したサポート体制を備えています。
費用を抑える方法
近所にあるスクールの費用が高い、そもそも近くにスクールがなくて通学に余計な費用がかかるとお悩みの方に朗報です。
実は費用が安いスクールに通う以外にも、受講費用を抑える方法が存在します。
それはどんな方法かというと、費用の一部を国や自治体に負担してもらうのです。
補助金や助成金を利用しよう
国や自治体に負担してもらうといっても、もちろん何もせずに負担してくれるわけではありません。
補助金や助成金制度を適切に利用することで、受講費用の一部が還ってきたり、無料でスキルや知識の習得が可能になるのです。
本項では、利用できる3つの制度をご紹介します。
教育訓練給付金制度
取りたい資格の専門学校等の一部を最大10万円まで補助してくれるという国の制度で、一定期間雇用保険に加入していた方が利用可能です。
知名度こそ低いですが、申請するだけで最大10万円を補助してくれるのでとてもお得な制度と言えます。
ただし、現在雇用保険に加入していない場合、退職から受講開始まで1年以内(延長して2年以内)でないと利用できなくなるので注意しましょう。
職業訓練制度
キャリアアップのために必要な知識やスキルを習得するための公的な支援制度です。
多種多様なコースが用意されていて、3ヶ月~6ヶ月間のコースが一般的ですが、中には1年以上の長期コースも存在します。
正式には“公的職業訓練(ハロートレーニング)”といって費用は無料。
失業保険を受給できない求職者を対象とした“求職者支援訓練”もあります。
各自治体の助成金制度
前述の国が行っている給付金とは別に、市区町村で独自の助成金制度を設けている場合があります。
金額や条件は自治体ごとにことなりますが、もしも受講費の一部を負担してくれるなら利用しない手はありません。
居住している自治体の助成金制度の有無については、市役所やハローワークの窓口に問い合わせるか、インターネットで調べることができます。
補助金・助成金を利用する際の留意点
補助金や助成金制度を利用するにあたって、必ず避けたいのが“不正受給”に該当してしまうケースです。
給付金等は種類によって給付要件が異なっており、きちんと満たしているかどうかを確認する必要があります。
もしも給付要件を満たしていない状況で知らずに申請して受理されてしまったら、支給されたお金には一切手を付けず、速やかに窓口や相談センターに相談しましょう。
キャリアップを考えているなら受講しよう!
未経験から介護業界に入る方や、ゆくゆくは介護福祉士の資格を取ろうと感がえている方は介護福祉士実務者研修の受講をおすすめします。
実務者研修を修了すればサービス提供責任者になれるようになりますし、どの職場でも即戦力として活躍できるため転職する際にも非常に有利です。
取得にはそれなりの時間と費用がかかりますが、それ以上のメリットがあるのでまずはお近くのスクールを検索してみてはいかがでしょうか。