介護業界は慢性的な人手不足のため、即戦力となる人材を常に求めています。
本記事では、介護職で正社員になるにあたっての資格の必要性について解説。
前半では『介護職で有利な資格』について、後半では『無資格でも正社員になる方法』をご紹介しています。
介護業界で働きながら、安定した収入を得たい方は必見です。
また、「介護士に必要な資格」について知りたい方は、こちらで解説を行っていますのでぜひ確認してみてくださいね。
介護職で正社員になるには?
介護職の求人広告を見ていると、未経験から応募できるものが多数あります。
実際に他の業界では中途採用に苦労する世代であっても、介護業界なら正社員になるチャンスは多いようです。
そこで本項では、介護業界で正社員になる主な方法を3つピックアップしてご紹介します。
学校や養成施設を卒業して就職する
ご紹介する3つのルートのうち、最も確実性が高く王道とも言えるのが学校や養成施設を卒業して就職するルートです。
介護業界で働くための知識や技術、資格を習得できるため、就活を有利に進められるのは言うまでもありません。
ただし、就職までに相応の時間と費用が必要になるので、すでに社会人として生活している方には不向きです。
パート・アルバイトから正社員になる
2つ目にご紹介するのは、最初はパート・アルバイトとして働いてみて、就職したいと思えたら正社員登用制度を利用するルートです。
「介護職がどんな仕事が知りたい」という方におすすめですが、事業所によっては正社員登用を行っていないケースがあるので気をつけましょう。
時間に融通がきく働き方なので、経験を積みつつ資格を取得することも可能です。
未経験・無資格の求人に応募する
慢性的な人手不足や離職率の高さが重要な課題となっている介護業界では、資格や経験がなくても応募可能な求人が存在します。
ただし、有資格者と比べて給与が低くなるだけでなく、業務範囲がかなり限られることから介護スキルを身につけることも難しくなるでしょう。
一般的な介護士の仕事には“身体介助”と“生活援助”がありますが、施設で働く場合に限り、有資格者の支持のもと身体介助のみ行えます。
正社員になるのに有利な資格
未経験・無資格でも正社員になれるとはいえ、就職活動においては有資格者の方が圧倒的に有利です。
これは即戦力として期待できること、責任のあるポストに就いてもらえること、そして事業所側としても有資格者の存在が必要不可欠といった事情が背景にあります。
本項では、介護業界で正社員になるのに有利な資格を3つご紹介します。
介護職員初任者研修
介護士の入門資格とも言えるのが、“介護職員初任者研修”です。
130時間のカリキュラムで介護の基礎知識とスキルを学ぶことができ、修了試験に合格すれば晴れて資格取得となります。
受講するにあたっての条件が一切ないことから、未経験で介護業界に入った方が最初に取得を目指す資格と言えるでしょう。
介護福祉士実務者研修
幅広い利用者に対する基本的な介護提供能力の提供を目的とした資格で、内容は2年以上の養成課程を持つ介護福祉士養成校の到達目標と同等の水準です。
研修は450時間・6ヶ月と長期に渡りますが、介護職員初任者研修を修了していれば“読み替え”という形で130時間が免除されます。
介護福祉士を受験するにあたっての必須資格となっており、修了すればサービス提供責任者として働けるようになります。
介護福祉士
介護職唯一の国家資格であり、取得するためには以下の3つのルートが選択できます。
- 福祉系高校を卒業して国家試験を受験する
- 介護業界で実務経験を積んで国家試験を受験する
- 介護福祉士養成施設を卒業して国家試験を受験する
介護福祉士は通常の介護業務を行いながら、介護の専門知識や技術を伝え指導することも求められるため、有資格者は現場のリーダー的存在として重宝されます。
正社員以外の雇用形態
介護業界に限らず、正社員以外にも契約社員やパート・アルバイトといった様々な雇用形態があります。
それぞれの働き方にメリット・デメリットがありますので、一つずつ確認してみましょう。
パート・アルバイト
勤務日数や勤務時間を調整できるため、生活スタイルに合わせた働き方が可能です。
また、他の雇用形態と比べて未経験・無資格歓迎の求人が多く、介護職に興味があるならまずは応募してみるのもいいでしょう。
正社員よりも収入は低くなりますが、育児や自分の両親の介護に時間をとりたい場合にもおすすめです。
派遣社員
派遣会社に登録して仕事を紹介してもらうため、雇用期間や働き方は派遣会社のルールに従う必要があります。
パート・アルバイトと同じ時給制ですが賃金は高めに設定されており、契約期間満了時には次の仕事を紹介してもらえるのがメリットです。
ただし、正社員と比べて安定性に欠ける、交通費が支給されないケースが多いといったデメリットがあります。
契約社員
派遣社員と似ていますが、派遣会社ではなく就業先と直接契約を結んでいるため、働き方は正社員に近いです。
スキル習得や実戦経験を積むことができ、それでいて残業が少ないというのも大きなメリットでしょう。
一方で、契約期間満了後は次の仕事を自分で探さなくてはならないといったデメリットがあります。
正社員のメリット・デメリット
前項で正社員以外について解説しましたが、本項では正社員のメリットとデメリットについて見ていきましょう。
生活スタイルによっては正社員の働き方が合わないとケースもあるので、メリットよりもデメリットの方をしっかり覚えておくと良いかもしれません。
なお、公益財団法人介護労働安定センターが行っている令和2年度『 介護労働実態調査』によると、介護職の平均月給は240,878円、平均日給は10,092円、平均時給は1,207円となっています。
メリットその①福利厚生がしっかりしている
収入が他の雇用形態と比べて高いだけでなく、福利厚生がしっかりしているのが正社員最大のメリットと言えます。
ボーナス(賞与)が出る事業所も多く、各種手当や支給されたり健康診断が会社負担で受けられるのも正社員ならではですね。
休日出勤や残業が発生することもありますが、安定性は抜群に優れています。
メリットその②昇給・昇進がある
正社員は会社の教育・研修制度を利用できるだけでなく、キャリアアップが目指せます。
キャリアアップには資格の取得が必須で、最終的には国家資格である介護福祉士の取得を目指しましょう。
シフトが不規則になりがちですから、仕事と資格の勉強の両立がなかなか難しいですが、やる気と粘り強さがあれば主任や施設長といった役職に就くことも可能です。
デメリット:夜勤がある
正社員最大のデメリットと言えるのが、事業所によっては夜勤があることです。
夜勤は日勤に比べて人数が少ない上に拘束時間が長いので、心身への負担が大きく大変だと感じる人が多いでしょう。
夜勤手当が支給されますが、それでも夜勤をやりたくないという場合には、デイケアやデイサービスなど夜勤なしの事業所を選ぶ必要があります。
夜勤なしの働き方①デイケア
デイケアは主治医の指示のもと、身体機能や認知機能の回復・改善を目指してリハビリを行う施設です。
通所系介護サービスの一つであり、別名“通所リハビリテーション”とも呼ばれています。
医師が常駐しているのが特徴で、リハビリだけでなく利用者に楽しく過ごしてもらうためのレクリエーションを行うこともあります。
夜勤なしの働き方②デイサービス
デイサービスは利用者が自立した日常生活を送れるように支援する施設で、その名の通り日中に限定して生活介助やレクリエーションを行っています。
利用者は他の施設や事業所と比べて要介護度の低い方が多く、会話や交流といった利用者同士で触れ合う時間が多いのも特徴です。
基本的には朝から夕方までの介護サービスですが、事業所によってはショートステイを提供しているところもあり、その場合は夜勤の可能性があるので事前にしっかり確認しましょう。
夜勤なしの働き方③訪問介護
通称“ホームヘルパー”とも呼ばれ、利用者の自宅に直接訪問して介護サービスを提供します。
訪問介護を行うには介護職員初任者研修の修了が必須で、さらに原則として利用者とマンツーマンで接するのである程度のコミュニケーション能力も必要です。
事業所によっては夜勤がありますが、一般的には日中のみの仕事でライフスタイルに合わせやすい働き方といえます。
無資格でも正社員になる方法
ここまで介護職の正社員とその他の雇用形態について触れてきましたが、人手不足が深刻とは言え無資格で正社員になるのは難しいのが現状です。
しかし、可能性が完全にゼロというわけではないので、本項では無資格でも正社員になる方法を解説します。
有効な方法を3つご紹介するので、介護業界への就職を考えている方はご自身に合った方法を選択しましょう。
“未経験可”の求人に応募する
まず一つめの方法は、未経験・無資格歓迎という求人に応募することです。
人材の長期育成という観点から年齢制限がつくケースがありますが、こうした事業所は最終的には介護資格の取得まで見据えています。
同時に有資格者からの応募があればそちらを優先するものの、求人を見つけたらとにかく応募してみるのが就職への近道です。
パート・アルバイトからのステップアップ
未経験・無資格からの最も確実な方法は、正社員登用制度のある事業所でパート・アルバイトとして働き始めることです。
時間に融通がきく状況でしっかり勉強し、知識とスキル、そして資格を取得して正社員にステップアップしましょう。
反対にパート・アルバイトとして働いてみて「自分には合っていないな」と思えば、そこまで責任がないので辞めやすいのもメリットの一つです。
介護ドライバーとして働く
未経験・無資格では有資格者との競争でどうしても不利になるため、まずは普通車免許があればなれる介護ドライバーの求人に応募するのも一つの方法です。
介護ドライバーの仕事は朝と夕方に集中しており、拘束時間は1日4~6時間ほどしかありません。
空いた時間は資格取得の勉強などに充てられますし、見方によってはパート・アルバイトからのステップアップなので、事業所側も採用しやすいといったメリットがあります。
介護職員初任者研修が取得できるスクール3選
ここからは介護職員初任者研修を受講するにあたって、おすすめのスクールを3つご紹介します。
学び環境、費用、拠点数で選んでいますので、気になるスクールがあったらぜひチェックしてみてくださいね。
ニチイ
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