介護資格の取り方

介護資格の取り方とは?介護に必要な資格も紹介

介護資格 取り方

介護資格の取り方にはさまざまなものがあることを知っていますか?

この記事では「介護資格の取り方」について解説していきます。

結論、介護の資格と言っても民間のものから国家資格まで様々で独学で取得できるものから養成校への通学が必要なものなど様々です。

その他にも「介護の資格」について説明していきたいと思いますので、ぜひこの記事を読んで介護の資格を取っていただければ幸いです。

主な介護資格の取り方

主な介護資格の取り方

主な介護資格には、以下のようなものがあります。

  • 介護職員初任者研修
  • 介護福祉士実務者研修
  • 介護福祉士
  • ケアマネージャー
  • 介護事務
  • 認知症介助士
  • 介護予防運動指導員

すべて介護に関わる資格ですが、資格要件や学習時間、取得方法が違うので注意が必要です。

そこで、ここでは主な介護資格の取り方について詳しく紹介します。

介護職員初任者研修

介護職員初任者研修

介護職員初任者研修は、「在宅・施設を問わず、介護職として働く上で基本となる知識・技術を習得する研修」です。

介護の基礎知識とスキルを証明するための入門資格であり、介護の資格の中でも3カ月程度で取得できるため、比較的簡単に取りやすい資格として知られています。

介護職としてのキャリアをスタートしたい人は、ぜひ取得を検討するといいでしょう。

なお、2013年4月の制度変更までは「ホームヘルパー2級」と呼ばれており、いまでも「ヘルパー2級」と呼ばれるケースもあります。

また、介護職員初任者研修を無料で取得する方法はこちらで紹介しています。

資格要件

介護職員初任者研修は、受講する際に年齢や学歴、必要資格、実務経験などの条件はありません。

カリキュラムを修了し、修了試験に合格すれば取得できます。

資格要件のハードルが低いことは、簡単に取りやすい資格と言われる理由です。

学習時間

介護職員初任者研修の勉強時間は、スクール以外ではそこまで必要ありません。

スクールでは130時間のカリキュラムが準備されています。

通学や通信で学んだことをしっかりできるようにしておけば試験は合格できる難易度なので、復習を心掛けましょう。

取得方法

介護職員初任者研修を取得するには、初任者研修講座を開講しているスクールに通い、130時間(10項目)のカリキュラムを修了したら、筆記の修了試験で合格が必要です。

なお、通信による学習も可能ですが、上限が40.5時間と決められているので、通信学習のみでの取得はできません。

以前のヘルパー2級では、介護施設で約5日間の実習が必要でした。しかし、介護職員初任者研修となってから、実習は廃止されています。ただ、介護の現場を体験できる実習は大切な機会なので、スクールによっては任意で実施しているようです。

介護福祉士実務者研修

介護福祉士実務者研修

介護福祉士実務者研修は、基本的な介護提供能力の習得を目標としている研修で、「介護過程の展開」、「医療的ケア」などの実践的な介護技術を身に付けられる資格です。

研修では介護職員初任者研修と共通する内容だけでなく、痰の吸引や経管栄養などの医療ケアも学びます。

2013年4月の制度改正前までは、「ホームヘルパー1級」と呼ばれており、今でもその名前で呼ぶ人もいますが、現在は変更されているので混同しないようにしましょう。

資格要件

介護福祉士実務者研修は、とくに資格要件はありません。

働きながら資格取得している人もいます。

学習時間

介護福祉士実務者研修を取得するには、20科目450時間のカリキュラムが必要です。

ただし、介護職員初任者研修を修了している場合は、130時間分が免除され320時間で取得できます。

それ以外に勉強をしなくても、試験合格をできる難易度なので復習をしっかり行いましょう。

取得方法

介護福祉士実務者研修の資格取得をするには、スクールに通い20科目450時間のカリキュラムを修了しなければなりません。

スクールによっては修了試験が設けられているところや、介護職員初任者研修を修了していないと受講できないケースもあるので、事前に確認するといいでしょう。

介護福祉士

介護福祉士

介護福祉士は、介護資格の中で唯一の国家資格です。

専門知識とスキルを活かし、対象者の身体上・精神上のケア、現場の介護スタッフに対する教育・指導などの役割を担います。

なお介護福祉士は、別名ケアワーカーとも呼ばれ、資格取得者は、現場でもリーダーとして期待される存在です。

資格要件

介護資格の資格要件は、3種類あります。

1つ目は、指定された養成施設などを卒業者です。2年以上、養成施設で学習しなければなりません。

2つ目は、福祉系高校卒業者です。定められた科目・単位を取得し卒業できれば、介護資格国家試験の受験資格を得られます。ただし、この条件は2009年度以降の入学者と限定されるので注意しましょう。

3つ目は、3年以上の実務経験があり、「実務者研修」を修了した人です。

学習時間

介護資格の学習時間も、資格要件ごとに違います。

養成施設の場合は、2年以上(1,850時間以上)のカリキュラムを勉強しなければなりません。

福祉系高校の場合は、高校に3年間通い、指定のカリキュラムを学びます。

そして実務経験をもとに介護資格を取得する場合、450時間の実務研修がなければ国家試験の受験資格を得られません。

カリキュラム以外に人にも、平均して受験の3カ月前から1日1~2時間を勉強に充てる方が多いため、日々の積み重ねが必要です。

取得方法

介護福祉士の資格を取得するには、「養成施設の卒業」、「福祉系高校の卒業」または「3年以上の実務経験と450時間の介護職員実務者研修の受講」のあと、国家試験に合格しなければなりません。

ケアマネージャー

ケアマネージャー

ケアマネジャーの正式名称は「介護支援専門員」といい、主な仕事は介護を必要とする人が、その人らしい生活を送れるようにサポートすることです。

サポートといっても、介護職のように身体介護や生活介助を行うわけではありません。

対象者やその家族と相談し、どんな介護を必要としているかを見極め、最適なケアプランを作成し、自治体や業者との調整をおこないます。

資格要件

ケアマネージャーになるためには、生活相談員や支援相談員、相談支援員、主任相談支援、いずれかでの実務を5年間経験しなければなりません。

実務経験が無ければ、試験の受験資格を得られないからです。

学習時間

試験勉強には、最低でも200時間確保しましょう。

勉強期間は約3〜6ヶ月ほど見ておけば余裕ができます。

取得方法

ケアマネージャーになるには、介護支援専門員実務研修受講試験に合格しなければなりません。

試験に合格後、「介護支援専門員実務研修」(87時間の研修)を全日程受講修了後、資格取得となります。

介護事務

介護事務

介護事務は、介護サービスを提供する事業所などで事務をする仕事です。

介護保険の知識が必要な介護給付費明細書の作成や、介護施設の受付、ケアマネージャーのサポートを行います。

電話や来客対応も行うので、コミュニケーションスキルもあるといいでしょう。

資格要件

介護事務として働く上で、とくに資格は必要ありません。

ただし、介護保険の知識や基本的なPC操作、経理業務のスキル、コミュニケーションスキルを求められます。

資格を必要とせず、人物重視の採用が多いと聞きますが、資格取得者の方が有利です。

「介護事務管理士」や「介護保険事務士」など、運営団体ごとに試験が設けられており、採用率をアップさせたい人は受験を検討するといいでしょう。

学習時間

介護事務資格を取得するには、資格の種類によって勉強時間が変わります。

たとえば「ケアクラーク資格」ならば、勉強時間は通信講座を利用した場合、最短で1.5ヶ月のコースもあり、そこまで時間を掛けずに取得可能です。

一方で、「介護保険事務士」の場合は、カリキュラム履修コースもあり、3〜4ヶ月ほどかかると見ておくといいでしょう。通信による資格取得も可能ですが、3ヶ月+試験が必要です。

取得方法

介護事務の資格を取得する場合、資格の種類によって取得方法が変わります。

「介護事務管理士」や「ケアクラーク」は、試験を受けて合格しなければなりません。試験は年6回行われるので、自分のタイミングで受験するといいでしょう。

「介護報酬請求事務技能検定」の受験資格は、日本医療事務協会が認定する介護事務講座の修了者、受験申請のあった学校などに限られるため、注意が必要です。

認知症介助士

認知症介助士

認知症介護士は、2014年に公益財団法人日本ケアフィット共育機構が内閣府から認証を受けて発足した資格です。

認知症の人と接するときの心構えやコミュニケーションの取り方など、認知症の人への正しい応対方法を身につけられる資格となっており、高齢者や障害のある人々が生活しやすい街づくりに役立っています。

資格要件

認知症介助士の資格を得る場合、とくに資格要件は必要ありません。

学習時間

認知症介助士試験に合格するために必要な勉強時間は、だいたい90時間といわれています。

これは独学で行った場合なので、勉強スケジュールを自分で組むことも可能です。

もし3ヶ月とスケジュールするならば、1ヶ月あたり30時間目安なので、1日1時間程度の勉強でも十分でしょう。

取得方法

認知症介助士の資格を取得するには、2つの方法があります。

1つ目は、検定試験(40分間)を受けて合格するケースです。

この場合、自宅学習のみで受験できます。

2つ目は、認知症介助セミナーを受講し、​​同日に検定試験を受ける方法です。

認知症介助セミナーは、講師による講義やディスカッションなどを通して学び、検定試験対策の講義もあります。

介護予防運動指導員

介護予防運動指導員

介護予防運動指導員は、高齢者のための筋力向上トレーニングなど、介護予防プログラムの作成や運動指導を行う専門家です。

高齢者が自立した生活を送れるように適切なサポートする仕事なので、高齢化社会を迎えるこれから先も必要とされる職業といえるでしょう。

資格要件

介護予防運動指導員になるためには、以下の資格のどれかを持っていなければなりません。

  • 介護職員初任者研修修了者で実務経験2年以上
  • 介護福祉士実務者研修修了者
  • 介護支援専門員
  • 健康運動指導士等
  • 介護職員基礎研修課程修了者
  • 医療、福祉、介護系の国家資格保有者

国家資格の養成校を卒業見込み、かつ資格取得見込みの場合でも可能です。

誰もがなれるわけではないので、注意しましょう。

学習時間

介護予防運動職員になるための学習時間は、養成講座の内容を復習する時間を確保すれば問題なく試験に合格するでしょう。

養成講座の内容をしっかりできるようにしておくことが重要です。

取得方法

介護予防運動指導員になるには、養成講座(31.5時間)を受講し修了試験に合格しなければなりません。

働きながら介護資格を取る時に気をつけること

働きながら介護資格を取る時に気をつけること

介護資格を働きながら取得したいと考える人もいるでしょう。

働きながら介護資格を取ることは可能です。

しかし、気をつける点が3つあります。

  • スクーリングでないと取得できない資格がある
  • 実務案件がある資格がある
  • ハローワークの支援制度を使える場合がある

それぞれの注意点を見てみましょう。

スクーリングでないと取得できない資格がある

資格の中には、スクーリングをしないと受験資格を得られないものがあります。

働きながらの通学は、身体的にも大変です。もし仕事が忙しく余裕がない場合は、通信講座だけで得られる介護資格の方がいいでしょう。

ただし、スクールの中には夜間コースや土日のみのスクーリングもありますので、どうしてもその資格を取りたい場合は、養成校を調べてください。

実務要件がある資格がある

資格の中には、実務要件がなければ受験できないものもあります。

実務経験を積むには時間が必要なので、働きながらで資格要件を満たすことが難しい場合もあるでしょう。

どうしても資格を欲しい場合は、医療や高齢者施設で働いてみるの1つの手法です。

仕事として実務経験を積んで、試験に臨むといいでしょう。

ハローワークの支援制度を使える場合がある

介護職員初任者研修ならば、ハローワークで求職者支援訓練を受けられます。

無料でスキルを身につけられ、就職にも有利になるので求職者は利用を検討するといいでしょう。

ただし、以下の要件が揃っていないと支援制度を使えません。

  • ハローワークに求職申し込みをしている
  • 雇用保険被保険者や雇用保険受給資格者ではない
  • 労働の意思と能力がある
  • 職業訓練などの支援を行う必要があるとハローワークが認めた

条件に合致していることを確認し、申し込むといいでしょう。

高卒の人が介護福祉士の資格を取るには?

高卒の人が介護福祉士の資格を取るには?

介護福祉士になるために学歴は関係ありませんので、高卒でも資格を取得できます。

しっかりと受験勉強さえすれば、最終学歴が高卒でも問題なく取れるので諦めないでください。

しかし、いきなり国家試験に挑戦するのは難しいため、おすすめは実務経験ルートです。

介護職員初任者研修など入門資格を取得したら、就職して実務経験を3年以上積みつつ、その間に実務者研修を受講して試験に備えるといいでしょう。

介護の資格を取って手に職を持とう

介護の資格を取って手に職を持とう

介護資格の取り方について解説しました。

さまざまな介護資格がありますが、中にはスクーリングや実務経験を必要とするものもあるため注意が必要です。

難易度も資格によって変わるため、自分の立場や勉強に充てられる時間を考慮して選ぶといいでしょう。

介護の資格を持っていると就職に有利です。ぜひ介護の資格を取って、手に職を持ってはいかがでしょうか。

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