生活支援員の資格についてご存知でしょうか?
この記事では「生活支援員になる方法」を解説します。
結論、生活支援員になるには、資格も経験も必要ありません。
しかし、持っていると有利な資格はあるため、いくつかの資格取得を検討した方が良いでしょう。
その他にも、関連資格を取得できるおすすめ講座も紹介するので、参考にしてください。
ぜひこの記事を読んで、生活支援員を目指しましょう。
また「社会福祉士の資格」について知りたい方は、こちらで解説を行っていますのでぜひ確認してみてくださいね。
生活支援員の仕事
生活支援員の仕事は、高齢者や障がい者の生活を観察しながら、日常生活の支援をする職種です。
名前の通り、生活を支援するので、身体機能や生活能力の向上に向けた創作や生産活動も行います。
勤務形態は就職先によって異なりますが、基本的には朝8時~9時に出勤し、夕方まで。
施設により、夜勤に就くこともありますが、多くはありません。
生活支援員になるために資格は必要なく、無資格でも生活支援員として働くことは可能です。
ただし、知識があるにこしたことはありません。
高齢者や障がい者の身体や介護についての知識や理解がなければ、続けていくことは難しいでしょう。
生活支援員の主な職場
生活支援員の主な職場は、以下の通りです。
施設によって、仕事内容は多少異なります。
施設 | 主な仕事内容 |
高齢者施設・老人ホーム | 利用者の衣服の着脱や食事、入浴などの介助 農耕・園芸などの各種作業の指導 利用者の相談 家族との連絡 施設内での計画・調整・打ち合わせ、福祉施設や医療機関との連携業務 |
障がい者支援施設 | 利用者の健康管理 身の回りのサポート |
就労移行支援事業所 | 一般企業への就労を目標とした生活上の習慣や技能を身につけるための支援 生活上の不安や悩みごとについての相談 |
就労継続支援(A型)事業所 | 企業等に就労することが困難な障がい者に対して、雇用契約に基づく生産活動の機会の提供 知識および能力の向上のために必要な訓練 |
就労継続支援(B型)事業所 | 企業等に就労することが困難な障害があり、雇用契約を結んで働くのも難しい方に対しての生産活動の機会の提供 就労に必要な知識や能力の向上のための訓練のサポート |
高齢者施設・老人ホームの場合は、主に介護がメインになる場合もあります。
その他の就職先でも、一定の介護の知識は必要になるでしょう。
生活支援員になるまでの道
生活支援員になるには、資格は必要ありません。
決まった資格条件がないため、未経験からでも転職や就職は可能です。
しかし、多くの場合、社会福祉士を経て生活支援員になることがあります。
生活支援員になるまでの主な流れは、以下の2通りです。
- 一般大学→教員免許等取得→社会福祉士→生活支援員
- 福祉系大学→社会福祉主事任用資格取得→社会福祉士→生活支援員
ある程度の介護や福祉に対する知識や技術が必要なため、上記の流れが一般的な流れとされています。
生活支援員に資格は必要ない
生活支援員になるのに、資格は必要ありません。
無資格でも、生活支援員として働くことは可能です。
ただし、専門的な知識があるにこしたことはありません。
福祉や介護系の資格を持っていると就職に有利になるでしょう。
また、送迎サービスも行うので、自動車免許を必須としている事業所もあります。
多くの資格を有していなければならないということはありませんが、最低限普通自動車免許は取得しておいた方が良いかもしれません。
資格や経験があると有利
生活支援員として転職、就職するのであれば、資格や経験があるにこしたことはありません。
生活支援員の勤務先は多岐にわたるため、介護の知識や技術は求められます。
経験者の場合であれば、ある程度の介護の技術が身についているかもしれませんが、未経験の場合は知識も技術もないため、即戦力にはなりません。
そのため、採用されにくい可能性もあります。
生活支援員として転職や就職を有利に進めるなら、いくつかの資格を取得しておくと良いでしょう。
生活支援員が持っていると有利な資格
生活支援員が持っていると有利な資格として、いくつかの資格があります。
医療介護求人サイト「ジョブメドレー」では、生活支援員の求人を調査したところ、以下のような資格・要件を求められている傾向があります。
- 自動車運転免許
- 高校卒業
- 短大・専門学校卒以上
- 福祉職場の経験6ヶ月以上
- 社会福祉士
- 介護福祉士
- 精神保健福祉士
- 初任者研修以上
無資格、無経験でも可能な求人もあれば、資格必須の求人もありました。
ただし、比率としては、無資格・無経験の求人が多いです。
以下では、生活支援員が持っていると有利になる資格それぞれを解説します。
社会福祉士
社会福祉士は、身体や精神の障がいのある方の日常生活をサポートする専門職で、国家資格になります。
国家資格であるため、資格取得は簡単ではなく、資格試験は年1回。
受験するためには全12通りのルートがありますが、大きく分けると、以下3つのルートになります。
- 福祉系大学・短大ルート
- 短期養成施設ルート
- 一般養成施設ルート
学歴や実務経験により、受験資格を得るまでの期間が異なります。
精神保健福祉士
精神保健福祉士は、精神的な障がいがある方の生活問題や社会問題の解決や援助、社会参加に向けて支援を行う仕事で、国家資格が必要です。
精神保健福祉士の資格取得ルートは全で11通りありますが、大きく分けると、以下の6通りになります。
- 福祉系大学卒業ルート
- 福祉系短大卒業ルート
- 一般大学卒業ルート
- 一般短大卒業ルート
- 社会福祉資格保有ルート
- 相談援助実務経験ルート
国家資格であるため、資格取得は決して簡単ではありません。
社会福祉主事任用資格
社会福祉主事とは、各都道府県や市町村の福祉事務所に勤務し、社会福祉のサポートを行う職員です。
社会福祉主事になるために「社会福祉主事任用資格」が必要になります。
ただし、任用資格は取得するだけでは効果を発揮しません。
任用資格を取得し、地方公務員試験に合格、福祉事務所に勤務して、はじめて「社会福祉主事」となります。
社会福祉主事任用資格取得のルートは、全5通り。
- 大学・短期大学卒業ルート
- 通信教育課程ルート
- 養成機関ルート
- 講習会ルート
- 国家資格取得ルート
社会福祉主事になることは難しいですが、資格を取得すること自体は、通信講座でも可能です。
介護福祉士
介護福祉士は、障がいのある日よや高齢者の介護、支援を行う仕事で、国家資格が必要です。
また、本人やその介護者に対して、指導を行うこともあります。
介護福祉士の資格取得ルートは4つ。
- 養成施設ルート
- 実務経験ルート
- 福祉系高校ルート
- EPAルート
ほとんどの場合、実務経験が必要になるため、取得難易度は高いといえるでしょう
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、介護の仕事の入門的な資格とされています。
介護の基本的な知識や技術が身につく資格と考えて良いでしょう。
元々はヘルパー2級と言われる資格でしたが、制度改正により「介護職員初任者研修」となりました。
介護職員初任者研修になってからは、試験に合格しなければいけなくなりましたが、試験難易度は高くなく、合格率は90%以上です。
ただし、実習が必要な資格のため、通信講座だけでは資格を取得できません。
介護職員実務研修
介護職員実務研修は、元々あったホームヘルパー養成研修1級から3級を一本化したもので、幅広い利用者に対する介護提供能力の取得ができる研修です。
「介護職員初任者研修」と同様、誰でも受講することが可能で、介護職員実務研修を受けると、訪問介護事業者で「サービス提供責任者」になることが可能。
特殊なルートはありませんが、保有資格によって受講費用が異なります。
- 無資格……約15万円~22万円
- 初任者研修……約10万円~20万円
- 基礎研修……約4万円~6万円
決して難しい研修ではないため、合格率はほぼ100%といわれています。
生活支援員は未経験からでも可能?
生活支援員として働くのは、未経験でも問題ありません。
未経験の場合は、就職後に先輩スタッフと実務を経験しながら仕事を覚えていきます。
実際に求人の応募要件を確認しても「未経験可」としているところは多いです。
ただし、高齢者や障がいのある方に対して知識や理解を深めながら実務を経験することは、決して簡単ではありません。
未経験でも就職や転職をすることは可能ですが、なにかしらの関連した資格をもっておくにこしたことはないでしょう。
生活支援員養成研修例
各自治体で生活支援員養成研修が行われています。
いくつかの養成研修例を紹介するので、参考にしてください。
京都市社会福祉協議会では、認知症や物忘れのある高齢者、知的障害者、精神障害者などの方が地域で生活される上で、必要な福祉サービスの利用援助や日常的金銭管理を行う日常生活自立支援事業(地域福祉権利擁護事業)を実施しており、利用者への具体的な支援活動を担う「生活支援員」を養成するための研修を開催します。
介護認定要支援1、要支援2、事業対象者を対象に身体介護を除く日常支援を提供する資格を取得できる研修です。研修終了後には、廿日市市が指定する事業所で生活支援員として従事することができます。
それぞれの研修は、定期的に決まった日時に開催されているわけではないので、都度情報を確認してください。
生活支援員に有利な資格を取得できる講座
生活支援員に資格は必要ありませんが、歓迎資格としてはいくつかの資格があります。
生活支援員への転職や就職をする場合や、現在生活支援員として働きながらスキルアップを目指す場合は、資格取得を検討してみましょう。
そこで、生活支援員として有利な資格を取得できる講座を2つ紹介します。
それぞれの講座の特徴や、資格可能な取得を解説します。
日福アカデミー|国家資格におすすめ!
日福アカデミーは、国家試験に特化した講座です。
資格取得はもちろん、福祉業界のノウハウを得ることができます。
運営は日本福祉教育専門学校で、福祉のプロフェッショナルを育てる伝統校です。
日福アカデミーで取得できる、生活支援員に有利な資格は以下の通り。
- 社会福祉士
- 精神保育福祉士
どちらも資格取得が難しいものですが、日福アカデミーでは社会福祉士の合格率93.8%、精神保健福祉士の合格率86.7%を記録。
プランは全4つで、お好きなプランを選べます。
- 受験対策コース(前期)
- 受験対策コース(後期)
- 直前対策講座
- 国試対策模試
資格取得やソーシャルワーカーとしての成長をするなら、国家資格に特化した日福アカデミーで学んでみましょう。
ユーキャン|通信講座のみで学べる
通学せず、通信だけで学びたい方には、ユーキャンがおすすめです。
「通信講座ならユーキャン」でお馴染みなので、名前を聞いたことがある方は多いでしょう。
ユーキャンで取得できる介護系資格は、10種類以上。
そのなかで、生活支援員に有利な資格は以下の2つです。
資格 | 費用 | 期間 | 内容 |
社会福祉士講座 | 一括払い:59,000円 分割払い:4,980円×12回 |
約7ヶ月 | メインテキスト5冊 副教材:チェック&ドリル2冊・社会福祉士国家試験問題集・ガイドブック・その他 添削:6回 質問:1日3回 |
介護福祉士講座 | 一括払い:49,800円 分割払い:3,900円×13回 |
約6ヶ月 | メインテキスト6冊 副教材:実力アップ問題集・過去問題集・ガイドブック・添削関連書類など 添削:7回 質問:1日3回 |
ただし、ユーキャンは通信講座のみしか受け付けていないため「介護職員初任者研修」や「介護職員実務研修」のような、スクーリングが必須な講座は行っていません。
通信だけで取得できる講座を受けるなら、ユーキャンで受けましょう。
生活支援員に資格を活かそう
生活支援員になるには資格は必要ありませんが、資格を取得していた方が優遇されます。
もちろん待遇面も良くなりますが、単純に知識や技術として、仕事に役立つでしょう。
未経験からのスタートで不安がある場合は、関連資格の取得を検討してください。
また、今回紹介した講座では「介護職員初任者研修」や「介護職員実務研修」のようなスクーリングが必要な資格が取得できないので、介護・医療の資格スクールを豊富に取り扱っている「シカトル」から資料請求することもおすすめします。