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訪問介護(ホームヘルパー)に必要な資格とは?仕事内容も紹介

訪問介護(ホームヘルパー)

訪問介護(ホームヘルパー)に必要な資格を知っていますか?

この記事では「訪問介護(ホームヘルパー)に必要な資格」について解説していきます。

結論、訪問介護(ホームヘルパー)では、介護職員初任者研修以上の研修を受けておくことが必要です。

その他にも「訪問介護(ホームヘルパー)」について説明していきたいと思いますので、ぜひこの記事を読んで訪問介護(ホームヘルパー)になっていただければ幸いです。

訪問介護(ホームヘルパー)に必要な介護職員初任者研修とは?

訪問介護(ホームヘルパー)に必要な介護職員初任者研修とは?

現在は介護経験があれば無資格でも訪問介護(ホームヘルパー)で働けるよう、厚生労働省が定める規定が改正されました。

しかし改正前の2019年頃までは、訪問介護(ホームヘルパー)の仕事をするには「介護職員初任者研修」を修了する必要があったのです。

厚生労働省の定義では「在宅・施設を問わず、介護に従事する者が行う業務全般に必要となる基本的な知識・技術の習得」とされています。

かつては「ヘルパー2級」と呼ばれていた資格であり、今でも業界用語として、施設などでは昔のように「ヘルパー2級」と呼ぶことも少なくありません。

ヘルパー2級の正式名称は「ホームヘルパー2級」で、2013年4月1日に介護保険法施行規則の改正によって「介護職員初任者研修」に変わりました。

同時に「認知症の理解」が新たに加わり、ヘルパー2級時代に実施されていた30時間の実習が廃止となったのです。

代わりに、最低89.5時間以上のスクーリングがカリキュラムとして組まれ、「自宅での学習とスクーリング」が主なスケジュールとなっています。

そして、合計130時間の研修を終えたら選択式の筆記試験(1時間)があり、合格すれば資格を取得できます。ちなみに合格率はほぼ100%に近く、難易度はさほど高くありません。

そうして取得した資格は、訪問介護(ホームヘルパー)介護だけでなく、利用者が日帰りで機能訓練やレクリエーション等を行うデイサービス、また特別養護老人ホームのような、施設での介護業務の現場で活かすことができます。

この資格でできることは、食事介助や清拭・入浴介助、排せつ介助やおむつ交換、服薬の介助(見守り)などです。

また、介護職員初任者研修の取得方法についてはこちらで詳しく紹介しています。

訪問介護(ホームヘルパー)になれる資格

訪問介護(ホームヘルパー)になれる資格

介護職員初任者研修以外にも、以下の2つの資格を持っている場合は訪問介護が可能です。

  • 介護職員実務者研修
  • 介護福祉士実務者研修

ここでは、それに該当する「介護職員実務者研修」と「介護福祉士実務者研修」の2つについて詳しく解説していきます。

介護職員実務者研修

かつては「ホームヘルパー1級」と呼ばれていた資格がありました。講習内容によってホームヘルパーは3級・2級・1級に分かれていましたが、現在は3級が廃止され、2級が「介護職員初任者研修」へと代わり、さらに1級が廃止される代わりに「介護職員実務者研修」というものに変わったのです。

ホームヘルパー1級に相当する「介護職員実務者研修」を取得するには、合計450時間を修了する必要があります。

また、既にホームヘルパー1級を取得済みであれば、「医療的ケア」と「介護過程Ⅲ」を追加講習年て受講すれば取得可能です。

介護福祉士実務者研修

訪問介護(ホームヘルパー)から介護福祉士になるには、受験資格を満たした上で、国家試験に合格する必要があります。

介護福祉士の国家試験には、国籍や性別、年齢や学歴といった制限はありませんが、「訪問介護(ホームヘルパー)としての実務経験が3年以上」かつ「介護福祉士実務者研修」を終了していなければなりません。

近年の介護ニーズの高まりから、より質の良い介護能力や人材が求められるようになりました。

そこで2017年より「実務者研修の受講・修了」が、介護福祉士の国家試験受験資格として義務付けられるようになったのです。

修了までには合計450時間のカリキュラムが必要であり、スクールによっては修了試験を行う場合もあります。

なお、受講前に介護資格を持っていると、一部受講時間が免除されるので確認しておきましょう。

訪問介護(ホームヘルパー)にあったら役に立つ資格

訪問介護(ホームヘルパー)にあったら役に立つ資格

訪問介護(ホームヘルパー)と併せて、持っておくと役に立つ資格があります。ここでは、「生活援助従事者研修」「福祉住環境コーディネーター」「準サービス介助士」「レクリエーション介護士」について見ていきましょう。

生活援助従事者研修

生活援助従事者研修の資格を持っていると、訪問介護(ホームヘルパー)の業務のうちの「生活援助の支援」ができます。

具体例を挙げると、以下の通りです。

  • 家の掃除
  • 料理
  • 洗濯
  • 生活用品の買い物(指定地区内)
  • 薬の受け取り(代理で)
  • リネン交換

介護職員初任者研修と同科目ですが、時間はその半分(59時間のカリキュラム)で取得でき、家事が得意な主婦の強みを生かせることでも人気です。

福祉住環境コーディネーター

高齢者や障がい者が住みやすい住宅環境の提案をするアドバイザーです。

3級から1級まであり、受験資格は特に設けられておらず誰でも取得できます。

おおよその仕事内容は以下の通りです。

  • 住宅改善へのアドバイス
  • 福祉用具・介助用具選定の際のアドバイス
  • 住宅改修費支給申請の理由書作成(2級以上のみ)

准サービス介助士

高齢者や障がい者など、身体の不自由な人に対する正しい介助知識と技術を習得した人材を指します。

具体的な仕事内容の一例は、以下の通りです。

  • 空港や駅における乗車・移動の介助
  • スーパーや飲食店などでの介助
  • 介護・福祉現場での身体介助

ユーキャンなどのテキストとDVDで学習でき、受験も自宅で可能です。また、実技講習はありません。

レクリエーション介護士

レクリエーション介護士とは、介護の知識とレクリエーションの知識を併せ持ち、介護現場にてレクの企画・提案および実施までを担当する仕事です。

高齢者とのコミュニケーション能力、レクリエーション実行スキルも求められます。

2014年9月に設立された「レクリエーション介護士2級」よりスクールへの通学または通信教育にて受講が可能で、終了試験に合格すれば取得できる資格です。

2級を取得後にさらにステップアップとして、「レクリエーション介護1級」を目指す人もいます。

無資格でも訪問介護(ホームヘルパー)はできる?

無資格でも訪問介護(ホームヘルパー)はできる?

結論から言えば、無資格でも本門介護(ホームヘルパー)の仕事はできます。

介護業界全体に言えることですが、慢性的な人手不足です。

そのため、訪問介護(ホームヘルパー)は無資格者でもサービスが可能になりました。

そういった流れになった経緯としては2020年4月27日より、厚生労働省が訪問介護(ホームヘルパー)サービスにおける規定を、以下のように改正したことが挙げられます。

【訪問介護(ホームヘルパー)サービス規定の改正内容】

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、介護員の人材を充分に確保できない場合、ホームヘルパーの資格(介護職員初任者研修修了)を取得していない職員でもサービスの提供を可能としました。

ただし、介護経験者であることが条件となります。しかし3月時点ではまだ、「通所介護(デイサービス)が機能しなくなった場合に訪問介護サービスのニーズが拡大した場合」や「有資格者のホームヘルパーが体調不良などで休まざるを得ない場合」などの例示がありました。

ところが近年では、「コロナ禍での影響によってヘルパーを確保できない状況であれば、それを幅広く認める」といった方向へと移行していったのです。

厚生労働省のこういった判断の背景には、コロナウイルスの感染拡大以前からの、慢性的な人手不足が影響していると考えられます。

さまざまな職種の介護職が人手不足という現状にある中、訪問介護(ホームヘルパー)では、特にそれが深刻です。

では、人手不足となる原因は何なのでしょうか?

まず離職率を見てみましょう。

介護労働安定センター発表が発表した「介護労働実態調査」によると、平成30年10月1日から令和元年9月30日までは、採用率18.2%(昨年18.7%)、離職率は15.4%(昨年15.4%)です。

昨対比で見れば、離職率の数字自体は横ばいの状況と言えるでしょう。

しかし正規職員、非正規職員ともに、離職者の多くが3年以内の勤務だったことが分かっています。

離職の理由として挙げられることは

  • 仕事場の人間関係の悩み
  • 職場の理念や方針と合わない
  • 結婚や出産などで、ライフスタイルが変化したこと
  • 社内での自分の評価が適切ではない
  • 将来性が不透明

といったことなどです。

さらに、厚生労働省が発表している訪問介護(ホームヘルパー)の勤務形態の割合を見ると、以下のようになります。

  • 正社員:全体の2割
  • 常勤非正規職員:全体の1割
  • 登録型:全体の7割 

この中で最も割合の多い登録型の職員のうち、約60%が50代以上、約40%近くが60代というのが訪問介護(ホームヘルパー)業界の現状です。

したがって、当業界で働く本門介護(ホームヘルパー)職員の大半が中高年ということになり、年齢による限界を感じて多くの人が離職すれば、ますます人手不足が加速するのでは?と懸念されています。

加えて次の問題点としては、訪問介護(ホームヘルパー)職員の採用が困難だという点も大きな課題にもなっています。

採用が困難な理由として挙げられることは

  • 介護報酬(賃金)が低い
  • 仕事がきつく肉体的・精神的負担が大きい
  • 社会的評価の低さ

などです。規定の改正により、働き盛りの人たちがより介護業界へ参入しやすくなることも併せて注目・期待されています。

訪問介護(ホームヘルパー)の仕事内容とは?

訪問介護(ホームヘルパー)の仕事内容とは?

ここでは、無資格でもできる訪問介護(ホームヘルパー)の仕事を「身体介護」「生活援助」「通院介助」の3つに分けて詳しく解説していきます。

身体介護

無資格の場合、身体介護を行うことはできません(介護職員初任者研修以上の資格が必要)。

身体外語とは利用者の身体に直接触れて行うサービスであり、ADL(日常生活動作)の向上を目指すものです。

仕事の具体例を挙げると、以下の通りです。

  • 食事介助
  • 排泄介助(トイレへの移動やおむつ交換など)
  • 入浴介助(全身浴、清拭など)
  • 身だしなみのケア(歯磨きや着替えの介助など)
  • 体位変換

生活援助

生活援助は、無資格でできる仕事です。

食事作りや掃除・洗濯、日用品等の買い物などが挙げられます。

通院介助

通院介助も、無資格で行える仕事です。

利用者が病院などへ通院している場合、「運転手として」医療機関へ送迎することを指します。

なお、通院に対するケアとなるため、院内の待合室や診察室への付き添いはできません。

訪問介護(ホームヘルパー)に向いている人とは?

訪問介護(ホームヘルパー)に向いている人とは?

ここでは、訪問介護(ホームヘルパー)に向いている人の特性を紹介します。

もし自身で「どれにも該当しない」と感じても、実務経験の中で培われるものがあるので大丈夫です。

責任感のある人

訪問介護(ホームヘルパー)は、基本的に1人で利用者に対応するため、責任感が強くなければなりません。

同じルーティンのように見えても、高齢者の場合はイレギュラーの連続です。

その場の状況を冷静に判断し、臨機応変に適切なサービスを提供する必要があります。

細部にまで気を使える人

訪問介護(ホームヘルパー)は、普段からよく利用者を観察し、細部までに気を使えることがより大切です。

利用者が普段とは違った行動を見せる、ちょっとした異変や違和感に気が付くといったことで、時には重大な事態を免れることさえあります。

また、利用者だけでなくその家族にも、思いやりのある言葉かけができるようになると、更に信頼されるようになり、お互いにプラスとなるでしょう。

コミュニケーション能力に長けている人

利用者との距離が近い訪問介護(ホームヘルパー)の仕事では、コミュニケーションがとても大切です。

お互いの信頼関係を築くことで、医療者も悩みや不安、自身の希望などを担当に伝えやすくなります。

そうすることで利用者の情報をより多く把握することができ、本人にとって最適なサービスを提供することへもつながるでしょう。

ただ、コミュニケーションが下手だからといって、訪問介護(ホームヘルパー)に向いていないわけではありません。

大切なのは「人が好き」という気持ちと、利用者を思いやる心です。

訪問介護(ホームヘルパー)の資格をとって訪問介護(ホームヘルパー)になろう

訪問介護(ホームヘルパー)の資格をとって訪問介護(ホームヘルパー)になろう

訪問介護(ホームヘルパー)の仕事は、無資格でも行うことが可能です。

しかしその場合、肝心な身体介護ができないので、もしそのような仕事を希望する場合はもどかしい思いをするかも知れません(当然、給与にも差が出てきます)。

それでも、深刻な人手不足の業界では、あなたの力が求められています。

無資格からのスタートで実務経験を積み、試験合格を目指してぜひ、訪問介護(ホームヘルパー)の資格をとって訪問介護(ホームヘルパー)になってください。

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