「サービス提供責任者になるための資格は?」
「サービス提供責任者の、仕事の流れを知りたい…!」
「仕事の魅力ポイントやサービス提供責任者に向いている人を知りたい…!」
サービス提供責任者になりたいと考えたとき、最初に考えるのは資格が必要なのかということですよね。
そこで今回は、サービス提供責任者の資格や仕事内容、1日の流れから魅力的な部分までしっかりと解説します。
ぜひ最後まで読んで、サービス提供責任者への知識を深めてみてください。
サービス提供責任者とは
サービス提供責任者とは、訪問介護サービス提供において「ヘルパーやケアマネとの連携、調整」を行う仕事。
基本的には上記のようなコーディネート業務を行いますが、他にも書類作成や雑務なども担います。
またサービス提供責任者は役職名であり、資格自体は存在しないので注意しましょう。
サービス提供責任者の給与は
今回は、公益財団法人介護労働安定センター『平成29年度介護労働実態調査 介護労働者調査の統計表』を参照します。
データによると正職員のサービス提供責任者の所定内賃金の平均額は221,800円。非正規職員の給与の平均額が168,500円のため、働きかたによって大きく金額は変わります。
介護職員の月収平均
サービス提供責任者 | 215,200円 | 正規職員 | 221,800円 |
非正規職員 | 168,500円 | ||
介護職員 | 175,500円 | 正規職員 | 199,900円 |
非正規職員 | 119,200円 |
出典:公益財団法人介護労働安定センター『平成29年度介護労働実態調査 介護労働者調査の統計表』
サービス提供責任者の1日のスケジュール
サービス提供責任者の仕事はかなり幅広いため、1日のスケジュールも細かく設定されます。
以下はとあるサービス提供責任者の1日の流れです。
09:00 出勤、朝礼
10:00 事務処理対応、利用者さんとの相談業務
11:00 相談内容の確認、訪問介護計画書を制作
12:00 昼休憩、仮眠
13:00 ヘルパーの介護をサポートする
14:00 利用者宅への訪問介護
15:00 事務処理対応
16:00 ヘルパー業務報告や面談、ケアマネとの連絡
17:00 会議、事務処理対応
18:00 退勤、申し送り
サービス提供責任者の仕事内容
サービス提供責任者の主な仕事は、以下の4つに分けられます。
- ヘルパーと利用者の調整
- 利用者のアセスメント
- 「訪問介護計画書」の作成
- ケアマネジャーとの連携
1つずつ、解説します。
ヘルパーと利用者の調整
サービス提供責任者の仕事内容、1つ目は「ヘルパーと利用者の調整」。
どのような介護サービスを利用する人なのかで、担当するヘルパーを指名したり調整したりします。
利用者のアセスメント
サービス提供責任者の仕事内容、2つ目は「利用者へのアセスメント」。
どのような内容なのかサービスの計画が決定したら、その詳細を利用者やご家族に説明していきます。
その際、実際に自宅訪問して計画に問題ないか確認。疑問や要望に関してもその場でヒアリングし、もし合わない部分があるときは調整していきます。
「訪問介護計画書」の作成
サービス提供責任者の仕事内容、3つ目は「訪問介護計画書の作成」。
訪問介護計画書とは、どのような内容でサービス提供をしていくかという綿密な計画について記載される書類です。
もちろん計画立案後も利用者へのヒアリングによって随時内容を更新し、介護サービスを受ける方の目標や課題について徹底的にサポートするための時間を記します。
ケアマネジャーとの連携
サービス提供責任者の仕事内容、4つ目は「ケアマネジャーとの連携」。
計画が上手く進行できているかのモニタリングし、もし進行度に問題があったり利用者の状況が良くなかったりする場合はケアマネージャーとプランを調整します。
またケアマネージャーとの連携の他にも、外部スタッフとのやりとりが発生するのもサービス提供責任者の仕事です。
サービス提供責任者に向いている人
ここからはサービス提供責任者に向いている人について、解説します。それが以下の3つです。
- 介護業界でのキャリアアップを検討している
- 人の役に立つことが好き
- マネジメント業務に抵抗がない
1つずつ、解説します。
介護業界でのキャリアアップを検討している
サービス提供責任者に向いている人の特徴、1つ目は「介護業界でのキャリアアップを検討している」。
たとえば介護福祉士として現場で働いている人が、管理したりマネジメントしたりしたい場合は、サービス提供責任者に向いています。
給与としても、介護福祉士よりサービス提供責任者のほうが高い傾向にあります。
人の役に立つことが好き
サービス提供責任者に向いている人の特徴、2つ目は「人の役に立つことが好き」。
サービス提供責任者はあらゆる業務を行うため、利用者だけではなくスタッフからも感謝されます。
人の役に立つことが好きな方であれば、サービス提供責任者が向いているでしょう。
マネジメント業務に抵抗がない
サービス提供責任者に向いている人の特徴、3つ目は「マネジメント業務に抵抗がない」。
サービス提供責任者は、ヘルパーや利用者、ケアマネとのパイプ役になって意見や要望を調整します。
つまりこういたマネジメント業務に抵抗がない人が、サービス提供責任者に向いているといえるでしょう。
サービス提供責任者は兼務できる?
結論、サービス提供責任者は「管理者との兼務が可能」です。
訪問介護事業所にはヘルパー、サービス提供責任者、管理者の配置が義務付けらているため、人的コストを減らしたい場合は積極的に兼務させます。
しかしヘルパーとの兼務はできないので、きちんと理解しておきましょう。
サービス提供責任者になるための資格は?
結論からいうと、サービス提供責任者になるための資格はありません。
しかしサービス提供責任者になるためには、以下のような要件を満たしている必要があります。
- 介護福祉士資格
- 介護福祉士実務者研修
- 介護職員基礎研修(旧資格)
- ホームヘルパー1級(旧資格)
- 3年以上介護などの業務に従事した介護職員初任者研修課程修了者
旧資格もあるため、1つずつ解説します。
介護福祉士資格
サービス提供責任者になるための資格・要件、1つ目は「介護福祉士資格」です。
介護福祉士は国家資格であり、福祉系大学や専門学校、短大などを卒業することで受験資格を得られます。
介護福祉士実務者研修
サービス提供責任者になるための資格・要件、2つ目は「介護福祉士実務者研修」です。
介護福祉士実務者研修は、通常、試験が必要ない資格。
スクールで定められたカリキュラムをこなすだけなので、働きながらでも取得しやすい資格となっています。
介護職員基礎研修(旧資格)
サービス提供責任者になるための資格・要件、3つ目は「介護職員基礎研修(旧資格)」です。
すでに介護職員基礎研修という資格はなくなっていますが、取得済みの方はサービス提供責任者になるための要項を満たしています。
ホームヘルパー1級(旧資格)
サービス提供責任者になるための資格・要件、4つ目は「ホームヘルパー1級(旧資格)」です。
介護職員基礎研修と同じくホームヘルパー1級もすでに廃止されている資格ですが、取得済みの方はサービス提供責任者になるための要項を満たしています。
3年以上介護などの業務に従事した介護職員初任者研修課程修了者
サービス提供責任者になるための資格・要件、5つ目は「3年以上介護などの業務に従事した介護職員初任者研修課程修了者」であることです。
一定期間、実務経験がある人は介護福祉士実務者研修を受けることで、サービス提供責任者になるための要項を満たせます。
サービス提供責任者になるメリット
ここからは、サービス提供責任者になるメリットや魅力について紹介します。
- 事業所への配置が義務付けられている
- 介護サービスに関わる多くの人に出会える
1つずつ、詳しく解説します。
事業所への配置が義務付けられている
サービス提供責任者になるメリット、1つ目は「事業所への配置が義務付けられている」こと。
基準 | |
ヘルパー | 常勤換算方法で2.5以上 |
サービス提供責任者 | 介護福祉士、実務者研修修了者、旧介護職員基礎研修修了者、旧1級課程修了者、3年以上介護等の業務に従事した介護職員初任者研修課程修了者・訪問介護員等のうち、利用者の数40人に対して1人以上 (原則として常勤専従の者であるが一部常勤職員でも可。) ・以下の要件を全て満たす場合には、利用者50人につき1人 ・常勤のサービス提供責任者を3人以上配置 ・サービス提供責任者の業務に主として従事する者を1人以上配置 ・サービス提供責任者が行う業務が効率的に行われている場合 |
管理者 | 常勤で専ら管理業務に従事するもの |
訪問介護サービス事業所にかならず配置するということは、業界自体がなくならない限り、転職先がなくなることはありません。
もし働いている事業所に何らかのトラブルが発生しても、安定した求職活動ができるでしょう。
介護サービスに関わる多くの人に出会える
サービス提供責任者になるメリット、2つ目は「介護サービスに関わる多くの人に出会える」こと。
介護に関して魅力を感じている人にとっては、あらゆる事業所の方たちと情報交換できるのは貴重な経験ではないでしょうか?
自分の働いている事業所にはない情報を共有し実践することで、介護業界全体の流れが変わることになるでしょう。
サービス提供責任者になるための流れ
つづいて、サービス提供責任者になるための流れについて解説します。今回は、以下の2点から紹介します。
- 介護事業所(訪問介護・重度訪問介護)にてサービス提供責任者になるための条件
- 介護事業所(同行援護・行動援護)にてサービス提供責任者になるための条件
詳しく見ていきましょう。
介護事業所(訪問介護・重度訪問介護)にてサービス提供責任者になるための条件
介護事業所(訪問介護・重度訪問介護)の場合、サービス提供責任者になるためには以下のいずれかを満たしている必要があります。
- 介護福祉士資格を持っている
- 実務者研修を修了
- 初任者研修を修了して実務経験が3年(540日)以上ある
上記に当てはまらない方で、初任者研修とヘルパー2級のみを取得している場合は「実務経験3年(540日)以上が必要」です。
介護事業所(同行援護・行動援護)にてサービス提供責任者になるための条件
介護事業所(同行援護・行動援護)の場合は、サービス提供責任者になるためにはそれぞれで条件が異なります。
同行援護の介護事業所の場合 | 同行援護従事者養成研修を修了 (国立障害者リハビリテーションセンター学院視覚障害学科の教科を履修した場合は、同等の要件として認められる) |
行動援護の介護事業所の場合 |
|
同行援護の介護事業所の場合
同行援護の介護事業所の場合、サービス提供責任者になるには「同行援護従事者養成研修を修了している」必要があります。これはすでに取得している資格に関わらず、必須要件です。
同行援護従事者養成研修とは?
ただし国立障害者リハビリテーションセンター学院視覚障害学科の教科を履修した場合は、同等の要件として認められます。
行動援護の介護事業所の場合
行動援護の介護事業所の場合、サービス提供責任者になるには以下の2点が必要です。
- 行動援護従事者養成研修を修了
- 知的障害者または精神障害者の直接支援経験が1年以上必要
行動援護も同行援護の介護事業所の場合と同じように、どのような介護資格を取得していても「行動援護従事者養成研修を修了」していることが必須条件となります。
行動援護従事者養成研修とは?
講義(10時間)と演習(14時間)で構成されており、介護資格や実務経験がなくても受講することができる資格です。
まとめ
今回は、サービス提供責任者の資格や仕事内容、1日の流れから魅力的な部分までしっかりと解説しました。
サービス提供責任者には資格が必要ないものの、必要な条件があります。
とはいえ、3年以上実務経験があれば簡単な資格取得でサービス提供責任者になれるので、すでに介護業界で働いている人もチャレンジしてみてください。
他にも介護に関する情報を随時更新しているので、ぜひ参考にしてみてください。