「ケアマネージャーの受験資格って?」
「介護福祉士との違いは?」
という疑問をお持ちではありませんか?
この記事ではケアマネージャーの受験資格について詳しく解説していきます。
結論、ケアマネージャーの受験資格は定められている業務についてから5年以上かつ900日以上の勤務実績が必要。
ケアマネージャーの受験資格は特定の国家資格の保有が必要等、分かりづらい点も多いです。
この記事ではケアマネージャーの資格取得条件について詳しく解説していきます。
その他にも「介護福祉士との違い」や、「ケアマネージャーの仕事内容」「資格合格率」についても解説。
ぜひこの記事を読んでケアマネージャーの仕事についての知見を広げましょう。
また「介護福祉士の資格取得方法」について知りたい方は、こちらで解説を行っていますのでぜひ確認してみてくださいね。
ケアマネージャーとは?
ケアマネジャーは介護保険制度に基づいてケアマネジメントを行うための資格。
「ケアマネ」「介護支援専門員」と呼ばれることも多い資格です。
介護保険法におけるケアマネジャー(介護支援専門員)は、
「要介護者等からの相談に応じ、要介護者等がその心身の状況等に応じ適切なサービスを利用できるよう市区町村、サービス事業者等との連絡調整等を行う者であって、要介護者等が自立した日常生活を営むのに必要な援助に関する専門的知識、技術を有するものとして介護支援専門員証の交付を受けたもの(法第七条第五項関係)」
と定義されています。
ケアマネージャーの仕事内容は各職場によって変わってきます。
ここでは職場ごとの仕事内容を詳しく解説していきますのでぜひ参考にしてみてください。
居宅ケアマネージャー
居宅ケアマネは「居宅介護支援事業所」が職場です。
対象となる利用者は在宅で介護サービスを受けている人。
居宅ケアマネは利用者の自宅を訪問、身体状況確認等を行います。
その後利用者の生活状況に合わせて適切なサービス、ケアプランを作成します。
ケアプランって?
ケアプランとはサービスの種類や内容等を決める計画書のことです。
介護を必要とする全ての方が適切な介護サービスを受けられるように、利用者の心身状態、家庭環境を踏まえた上でケアマネージャーがが作成します。
また随時、身体状況の変化などに合わせてケアプランの見直を作成。
常に利用者に合ったサービスが受けられるように調整することもケアマネージャーの仕事のひとつです。
さらに利用者に関わる専門職それぞれが連携を取れるようにスケジュール管理や意見調整まで行います。
居宅ケアマネの仕事では、利用者の意向と現状を把握することが重要になります。
利用者によって利用する事業所も様々。
各事業所のスタッフと連携をとり、担当者会議を開催します。
そのため、利用者、関連機関との時間調整を行い各事業所のスタッフとのコミュニケーションが必要です。
施設ケアマネージャー
施設ケアマネジャーは主に介護老人福祉施設、介護老人保健施設等で勤務しているケアマネージャーのこと。
施設ケアマネージャーの仕事内容は入所者のケアプランの作成、更新です。
主に入所希望者の状況を把握して、施設生活を送る上での希望や課題をアセスメントし、ケアプラン案を作成。
その後施設の介護職員、看護職員、栄養士、生活相談員などと入所者やそのご家族が参加するサービス担当者会議を行います。
最後に入所者、そのご家族にケアプランを説明し、同意を得るまでがケアマネージャーの仕事です。
施設でサービスの提供が開始した後は、その後の入所者の生活状況を確認します。
随時必要に応じてケアプランの見直しなど作成。
また入所者の地域とのつながりを継続するための業務も。
入居者の在宅復帰の際に支援が継続されるように地域包括支援センター、居宅介護支援事業所などと連携を取れる体制の構築も行います。
はてな
アセスメントとは
アセスメントとは「評価・評定・査定」などの意味。
介護分野においては、利用者の心身状態や生活状態、利用者と家族の希望などの情報を聞き出し
「どのような介護サービス・ケアが必要なのか」
を判断するためにアセスメントを行っています。
ケアマネージャーの業務では使用されることの多い言葉ですのでぜひ覚えておきましょう。
介護予防ケアマネジメント
居宅ケアマネージャー、施設ケアマネージャーの他に地域包括支援センターで働くケアマネージャーもいます。
地域包括支援センターとは2005年の介護保険法改正に伴い創設された公的な機関。
市区町村や、市区町村から委託を受けた社会福祉法人や医療法人、民間企業などによって運営が行われています。
地域包括支援センターに所属する職種は以下のものがあります。
・保健師(または地域ケアの経験がある看護師)
・社会福祉士
・主任介護支援専門員(主任ケアマネジャー)
上記3つの職種が所属し、「介護」「医療」「福祉」のそれぞれについて連携を取りながら地域住民の支援にあたり介護予防ケアマネジメント等を実施。
また地域包括支援センターが指定の居宅介護事業所に業務委託している場合も。
その場合、委託先の居宅介護事業所のケアマネージャーによって介護予防ケアマネジメントが実施されることもあります。
介護予防ケアマネジメントとは要支援認定となった方の介護予防ケアプランの作成です。
その高齢者のニーズに応じて、自立した生活を続けるために適切なサービスを受けるための援助を行います。
地域住民が要介護となるのを予防するため、介護予防教室なども実施し地域に貢献していますよ。
ケアマネージャーになるには
ケアマネジャーになるためには、勤務先、または住居地の都道府県で年に1回実施される「介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネージャー試験)」に合格するのが条件。
次に実務研修を受け最後に各都道府県への登録が必要です。
また試験を受けるには指定された業務で「5年以上かつ、日数が900日以上」の業務経験年数が必要です。
ここではケアマネージャーの受験資格、実務経験の計算方法について詳しく解説していきます。
これからケアマネージャーの資格取得をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。
ケアマネージャーの受験資格を得るためには、以下どちらかの条件をクリアしている必要があります。
ケアマネージャーの受験資格1 国家資格保持
ケアマネージャーの受験資格を取得するためには特定の国家資格を保持していることが条件の1つです。
必要な国家資格は以下のものがあります
・医師
・歯科医師
・薬剤師
・保健師
・助産師
・看護師
・准看護師
・理学療法士
・作業療法士
・社会福祉士
・介護福祉士
・視能訓練士
・義肢装具士
・歯科衛生士
・言語聴覚士
・あん摩マッサージ指圧師
・はり師
・きゅう師
・柔道整復師
・栄養士(管理栄養士含む)
・精神保健福祉士
上記の国家資格のいずれかを保有し、これらの国家資格に基づく業務の実務経験が通算5年以上、従事した日数が900日以上であれば受験資格を得ることが可能。
ケアマネージャーの受験資格2 介護施設などで相談援助業務などに従事している人
上記の国家資格を保有していない場合でも、一定の条件をクリアするとケアマネージャーの受験資格を取得することが可能。
条件は生活相談員、支援相談員、相談支援専門員、主任相談支援員として実務経験があること。
また上記の職種で受験資格に定められる相談援助業務に通算5年以上の従事期間、900日以上の従事日数があることです。
これらの条件は各都道府県において若干異なる場合があります。
受験資格の詳細は受験地の担当部署に確認し、きちんと把握しておきましょう。
実務経験の計算方法
ここではケアマネージャーの受験資格に必要な実務経験の計算方法をご紹介します。
実務経験としてカウントできるのは、試験前日まで。
そのため、ケアマネージャー試験の申し込みをする時点で実務経験の条件を満たしていない場合でも、試験の受験は可能です。
ただし、その場合は、申し込み時に「実務経験見込証明書」の提出が必要。
忘れないように事前に書類の申請を行いましょう。
2017年までの受験資格
ケアマネージャーの受験資格は2018年から制度が変更されています。
2017年までの受験資格は医療や介護に関する資格がなくても可能でした。
その場合、介護の実務経験を10年以上積んでいることが条件。
幅広い人がケアマネージャー試験への挑戦が可能でした。
現在は制度変更のため10年以上の経験があっても受験資格は得られません。
長く勉強を続けてきて、これから初めて試験にチャレンジする!という方は受験資格の変更事項に十分に注意しましょう。
ケアマネジャー(介護支援専門員)の試験内容
ケアマネジャーの試験は都道府県ごとに開催されます。
主にマークシート式で試験を行っていて、試験では5つの選択肢から複数の解答を選び答えます。
問題数は全60問、試験時間は120分。
問題の内訳は介護支援分野が25問。保健医療福祉サービス分野が35問となっています。
試験に合格するには、各分野において70%以上の正答率が必要。
しかし、問題の難易度によっては合格ラインが調整されることも。
難易度の高い試験ですが最後まで諦めずに挑戦しましょう。
ケアマネジャーの資格難易度
ここではケアマネージャーの資格難易度についてご紹介します。
ケアマネジャーの合格率はわずか10~20%。
2016年度~2020年度の直近5年間の合格率は13.1%、21.5%、10.1%、19.5%、17.7%となっています。
上記を見ても難易度の高い試験といえますね。
資格合格を目指して、万全の対策をして試験に挑みましょう。
ケアマネージャー試験勉強の学習は独学でも不可能ではありません。
しかしモチベーションの維持が難しく挫折してしまう可能性も。
効率よく勉強し、合格を目指すなら、重要な箇所をしっかり教えてくれる通信講座の受講がおすすめ。
通信講座では合格のための対策がされた授業を受ける事ができます。
またわからない点もすぐ講師に聞くことが出来るので自分で疑問点を調べる時間を節約できます。
ケアマネージャーの通信講座費用の目安
ケアマネージャーの通信講座費用の目安は約3ヶ月の受講で3万円〜5万円程。
6ヶ月の通信講座だと約5万円以上のところが多いです。
【通信講座を選ぶ際のポイント】
・テキストが分かりやすい
・DVDを利用してわかりやすく解説
・質問可能かどうか
・スマホ対応しているか
以上を目安に予算と照らし合わせて自分に合った通信講座を探しましょう。
ケアマネジャー(ケアマネージャー)試験の試験日程
ここでは直近のケアマネージャー試験日程についてご紹介します。
今年は試験にチャレンジしない方もぜひ今後の参考にしてみてください。
2021年度のケアマネージャーの試験日程は10月10日の日曜日。
試験時間は午前10時~12時までの120分間。
合格発表日は2021年12月2日の木曜日です。
介護支援専門員実務研修受講試験(ケアマネージャー試験)は年に1回実施されています。
例年10月の中旬~下旬頃。
受験申込期間は6月上旬頃から1ヵ月程度です。
申込期間や受験手数料は都道府県によって異なりますので、受験する各都道府県の試験要項を確認しておきましょう。
試験に合格した人には、実務研修の案内が通知され、試験翌年に実務研修が実施。
研修修了後に介護支援専門員資格登録簿へ登録を行い、ケアマネになることが可能です。
介護福祉士との違い
ケアマネージャと介護福祉士の違いについてここでは解説していきます。
ケアマネージャーは介護福祉士の上位資格にあたるとされている資格。
2つの資格は資格の種類が異なります。
介護福祉士は、国が認定を行う国家資格。
ケアマネージャーは、都道府県が認定する資格です。
また介護福祉士とケアマネージャーでは、業務内容にも大きな違いがあります。
介護福祉士の業務内容、介護現場で利用者への生活介護、身体介護。
一方ケアマネージャーの仕事は、直接介護サービスを行うことは少ないといえます。
ケアマネージャーの主な仕事は介護保険の利用者に対して、ケアプランの作成です。
介護福祉士・ケアマネの給料面でも違い
介護福祉士とケアマネの給料の違いをここでは解説します。
結論、ケアマネージャーの方が一般的にお給料が高いです。
平成26年に厚生労働者が公表したデータによると、ケアマネージャーの平均給与は介護福祉士よりも約4万円高いとされています。
資格手当にも違いがありますので介護福祉士の取得後、ケアマネを目指すことはキャリアアップにも繋がりますよ。
上記でも説明しましたが介護福祉士の資格取得後5年間、900日以上の実務経験があればケアマネの試験を受けることが可能です。
まとめ ケアマネージャーの受験資格について
今回はケアマネージャーの受験資格や試験の難易度について解説しました。
介護を必要とする方が適切な介護保険サービスを受けられるようにするために、ケアマネの仕事は介護業界でかかせない仕事です。
ケアプランの作成やサービス事業者との調整を行う、介護保険に関するプロであるケアマネージャーの仕事。
資格取得条件は厳しく難易度の高い資格ですがケアマネージャーは一生使える資格です。
介護業界で働いている方、これから働きたい方はぜひケアマネージャーを目指してみましょう。
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また当サイトでは様々な介護の資格取得について詳しく解説をしています。
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