「デイサービスで働いた場合の給料って、どれくらいもらえる?」
「どうやって給料を上げたらいいの?」
そこで今回はデイサービスの給料相場について、詳しく解説します。
今デイサービスで働いているという方でも、給料を上げる対策について参考にしてください。
◆本記事の要約
- デイサービスの給料報酬システム
- デイサービスでもらえる給料相場
- デイサービスでもらえる給料のあげかた
- おすすめの資格
ここではデイサービスでもらえる給料相場について解説していますが、仕事内容などはこちらで紹介しています。
あわせてチェックしてみてください。
デイサービスでもらえる給料のシステムとは?
デイサービスでもらえる給料の相場解説前に、システムを紹介します。
まずデイサービスでもらえる給料は、一般企業と同じく以下です。
- 手取りは額面給料の8割ほど
- ボーナスは経験値によって変わる
念のため、詳しく解説していきます。
手取りは額面給料の8割ほど
給料に関する言葉として、よく「手取り」「額面」という言葉を聞きませんか?
ここでいう額面とは「額面給料」の略で、資格手当が含まれているものを指します。
一方「手取り給料」は、この「額面」から所得税や社会保険料などが天引きされたあとの金額です。
そのため実際に給料として手元に残るのは、額面の8割程度。
これを理解しておかないと金銭トラブルに発展したり、お金の使いすぎになったりするため注意が必要です。
ボーナスは経験値によって変わる
介護職でも、ボーナスはその人の経験値によって変わります。
勤続年数によって手当が支給されたり、より高度な資格を取得していることでボーナスが上がったりするのです。
ちなみに国家資格である介護福祉士であれば、50代で年間おおよそ155万円程度のボーナスがもらえます。
しかしまだ介護士年数が低い20代や新卒の場合、ボーナスは年間おおよそ65万円程度です。
こればかりは経験を積むしかないので、介護資格を取得しつつレベルアップするのが良いでしょう。
デイサービスの給料相場は?
デイサービスでもらえる給料のシステムを理解できたところで、ここからは給料相場について解説していきます。
- 正社員の場合(月収)
- パート・アルバイトの場合(時給)
今回は上記2つの働き方に分けて、詳しく紹介します。
正社員の場合(月収)
デイサービスでもらえる給料相場は、全国労働組合総連合の『2014年度版介護施設で働く労働者のアンケートとヘルパーアンケート報告集』を参考にしています。
正社員の場合、デイサービスでもらえる給料相場は「年収300万円」程度。
介護福祉士の資格を持っている場合は「年収351~415万円」です。
また都市部のデイサービスで、正社員として務めた場合の給料相場は「月収は22万円」前後。
一方、地方のデイサービスで正社員として勤めた場合の給料相場は「18万円」程度とデータが出ています。
都市部と地方での平均月収を比較すると「3万円ほどの差」があり、資格の有無でも大きな違いとなるでしょう。
パート・アルバイトの場合(時給)
パートやアルバイトでデイサービスに勤務した場合の給料相場も、正社員と同様の差が見られます。
都市部のデイサービスでは「時給1,105円」、地方の場合は「時給1,022円」です。
また介護福祉士の資格を持っている人がデイサービスでパートやアルバイトをすると、給料相場は「時給1,000~1,700円」に。
長期で働くほどこの差は顕著になっていき、やはりこちらも資格の有無によって大きく給料の相場が変化しています。
デイサービスの給料報酬を上げるための対策は?
ではデイサービスの給料を相場以上に上げたい場合は、どんな対策をすればいいのでしょうか?
即効性のあるものから長期的な対策まで、以下の5つを紹介します。
- 資格を取得する
- 手当を増やす
- 経験を積む
- 給料報酬の交渉をする
- 別の事業所へ転職する
特に「経験を積む」という箇所では、特別処遇改善加算の話いんついても触れるので参考にしてみてください。
資格を取得する
なかなか難しいですが、自分の報酬アップを目指すことでデイサービスの給料相場をあげることにもなります。
そこで有効なのが、資格を取得すること。
他にもたくさんありますが、介護の代表的な資格は以下の5つがあります。
- 介護職員初任者研修
- 介護福祉士実務者研修
- サービス提供責任者
- 国家資格:介護福祉士
- 認定介護福祉士
これらに関しては、後ほど「デイサービスの給料報酬を上げる効果的な資格とは?」で紹介します。
たとえばこのなかで唯一の国家資格である、介護福祉士を持っている場合は月の給料に平均1~15,000円ほど上乗せされます。
つまり簡単に計算しても、年間で得られる介護福祉士の資格手当は12万円ほど。
これはかなり大きく、デイサービスの給料相場をあげるよりも効果的な方法といえるでしょう。
手当を増やす
こちらでは、簡単に受け取れる手当を紹介していきます。
- 夜勤手当
- 年末年始手当
- 役職手当
1つずつ解説します。
夜勤手当
まず夜勤手当ですが、これは宿泊可能なデイサービスで働いている場合のみ有効です。
夜勤は昼間と業務内容があまり変わらないうえ、利用者は寝ているため介護士の負担が軽いという特徴があります。
夜間勤務ができないという人も多いですが、もし時間や体力があるという方は挑戦するのもおすすめ。
5,000~8,000円程度の夜勤手当がもらえるため、デイサービスの給料を簡単に上げたいならこの方法を試してみてください。
年末年始手当
デイサービスのなかには年末年始も営業している場所もあり、そのようなところでは手当がつくことがあります。
本来は誰もが休みたい時期なので、年末年始の手当は少々高めです。
一般的に年末は30・31日、年始は1~4日までを表し、およそ1日あたり3,000~5,000円の手当がつきます。
もし30日~翌年4日まで出勤した場合、18,000~30,000円が給料にプラスされる計算に。
時期的なものなのでコントロールはできませんが、もし年末年始に勤務できるのであれば試してみてはいかがでしょうか。
役職手当
これは役職についている人がもらえる手当であり、それぞれ資格が必要です。
たとえばケアマネージャー資格を取得することで、マネジメントをする立場になります。
介護職ではマネジメント力のある人が重宝されるため、こういった役職手当がもらえるシステムとなっているのです。
ケアマネージャーになるには、介護福祉士の資格を取得したあと5年以上現場で働くと受験資格がもらえます。
ケアマネージャーの資格を受けるために期間が必要ですが、デイサービスでの給料アップや相場アップを目指して役職手当を目指してみるのもおすすめです。
経験を積む
介護士は肉体労働であるため、女性は特に結婚や出産で職場を離れてしまうことが多くあります。
もともと職業人口の少ない介護職であり、上記の状態をどうにか変えようと2019年10月に設けられたのが「特定処遇改善加算」です。
もちろん今までも多少の給料アップは見込めたものの、正直その事業所の采配である部分が多くありました。
しかしこの特定処遇改善加算では、勤続年数が10年以上の介護福祉士を対象に「給料を8万円向上させる」という約束がされます。
このおかげで介護から人が離れることが減少し、介護福祉士を目指す人が増加。
また全体的な傾向として、介護職員の平均月収も勤続年数が1年増すごとに「5,000~3万円増加」しています。
経験を積むことが給料アップにつながり、介護業界の相場向上へつながるということです。
給料報酬の交渉をする
これは即効性がある対策ですが、給料報酬の交渉をしてみましょう。
その職場に必要とされている分だけ、引き留めようとして給料が上がる可能性があります。
しかしこれには失敗例もあり、退職と給料アップの交渉を同時にしてしょくを失う人もあるそう。
普段からしっかり仕事をこなし、そのほかに利用者やスタッフを気にかけているような人でなければ難しいかもしれません。
給料交渉をする際は、今の年収と希望額を提示して「資格取得の目標」「将来設計」「どれだけ仕事で貢献できるか」などを話しましょう。
別の事業所へ転職する
デイサービスの給料報酬を上げるためには、別の事業所へ転職するというのも1つの手です。
それぞれの場所によって入社条件はかわるので、以下のような事業所へ転職しましょう。
- 資格支援があるデイサービス
- 手当が支給されるデイサービス
- 賞与が多いデイサービス
こちらも1つずつ、詳しく解説していきます。
資格支援があるデイサービス
デイサービスによっては、資格を取得する時間がないほどブラック勤務を要求される場合があります。
また資格に関する制度が一切なく、自力で受験するしかないところも。
どうせなら資格支援を行っているような、受験推奨のデイサービスへと転職をしましょう。
時給が50円高いデイサービスよりも、資格取得しやすい場所で合格して手当をもらったほうが効率よく給料アップができます。
手当が支給されるデイサービス
ここまで資格手当について解説しましたが、実は支給されないデイサービスもあります。
手当を支給するかしないかは義務ではないため、その事業所によるというのが実際の本音のところ。
資格をたくさんとっても、手当が支給されないのであれば給料アップは望めません。
かならず該当する資格手当がもらえるのか確認し、支給実績があるデイサービスへ転職しましょう。
賞与が多いデイサービス
賞与というのはボーナスのことで、もちろんデイサービスでも受け取れます。
しかし資格手当と同じく、賞与の支給も任意です。
より多くの賞与を受け取れる場所としては、運営会社が大きい施設が良いでしょう。
おおよその金額ですが、年間40万円以上の賞与があるデイサービスがおすすめです。
デイサービスの給料報酬を上げる効果的な資格とは?
ここからはデイサービスの給料相場をあげることにつながる資格を、4つ紹介します。
- 介護職員初任者研修
- 介護福祉士実務者研修
- 国家資格:介護福祉士
- 認定介護福祉士
先述していた「サービス提供責任者」は介護福祉実務者研修の部分で解説するので、参考にしてみてください。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、以前ヘルパー2級と呼ばれていたものにいくつかプラスしたもの。
介護業界では入門といわれており、受ける人がとても多いです。
15日間のスクーリングと自宅学習で取得できる資格なので、デイサービスの給料アップには最適だといえるでしょう。
介護福祉士実務者研修
介護福祉士実務者研修は、介護職員初任者研修の1つ上の資格です。
介護職員初任者研修を受けたうえで、さらに深く知識を学びたい人におすすめ。
介護福祉士実務者研修を修了すると、サービス提供責任者にもなれるため役職手当を受け取れるかもしれません。
国家資格:介護福祉士
こちらは唯一の国家資格であり、プロの介護士が持っている資格です。
国家資格なので通学が必要ですが、取得できれば介護の仕事幅が広がるでしょう。
資格手当も発生するので、効率よく稼げそうです。
認定介護福祉士
認定介護福祉士とは、国家資格である介護福祉士の上位資格。
2015年12月から認証・認定を始めた資格なので、まだ歴史の浅いものです。
しかし認定介護福祉士は、介護職員を対象とする現任研修の受講歴が100時間以上あることが必須なのでエキスパートともいえます。
日が浅いため待遇面認定されていないこともありますが、信頼性は抜群です。
デイサービス求人を給料の相場だけで見極めるのは危険
さいごにデイサービスの給料相場だけを見て、求人を探すのは危険という点を紹介します。
理由は、以下の2つ。
- 任される仕事によっては給料が下がる
- デイサービスから違う介護職へ転職するのが難しい
詳しく解説します。
任される仕事によっては給料が下がる
デイサービスでは、仕事内容が多岐に渡ります。
実際に利用者と触れる人もいれば、小さい事業所では事務作業をしている人も。
任される仕事によっては、デイサービスのなかでも給料が下がることがあるのです。
給料アップの目指して転職したものの、特定の仕事しかこなせない場合は金額が下がるかもしれません。
任される仕事によっては給料が下がると理解して、転職しましょう。
デイサービスから違う介護職へ転職するのが難しい
デイサービスから同職種への転職なら、比較的容易です。
しかしデイサービスから特別養護老人ホームなど、いきなり夜勤があるような職場であると転職が難しいといわれています。
体力的にも業務内容的にも、身体的介護が負担になってくるでしょう。
こういったことを理解し、業務の負担が大きくなってまで給料アップを望んでいるのか検討してみてください。
まとめ|デイサービスは給料相場で決めてはいけない
今回はデイサービスの給料相場や報酬を上げる方法について、詳しく解説しました。
デイサービスの給料相場はけっして高くありませんが、身体的負担を減らしながら介護職を続けられるのがメリットですよね。
デイサービスの給料相場などを比較し、ぜひ自分の納得のいく働き方を見つけてみてください。
当サイトでは他にも介護に関する記事をアップしているので、チェックしてみては?