介護事務の資格取得を検討していませんか?
この記事では「介護事務の資格取得難易度」について解説します。
結論、介護事務の資格取得難易度は低いです。
介護事務といっても、いくつかの資格がありますが、基本的にはどの資格でも合格しやすいでしょう。
主な介護事務資格の取得方法や取得難易度から、おすすめのスクールまで解説します。
ぜひこの記事を参考に、介護事務の資格を目指してみてください。
また「おすすめの介護事務資格」について知りたい方は、こちらで解説を行っていますのでぜひ確認してみてくださいね。
介護事務とは?
介護事務は、介護保険や介護に関しての事務業務を行います。
介護の仕事は、介助だけではありません。
施設運営を円滑に行えるよう、以下の仕事も重要です。
- 受付
- 職員のシフト管理
- 介護給付費明細書(レセプト)の作成
- ケアマネージャーのサポート業務
デスクワークがメインとなるため、実際に介助を伴う介護職で体力面に不安な方や、女性の方にとって、働きやすい職種と言えるでしょう。
幅広い知識やスキルを求められる事務職です。
レセプトとは
レセプトは、介護事務において最も重要な業務の一つです。
介護施設などの事業者は月に一度、前月に提供した介護サービスの報酬を市区町村に請求しなければなりません。
現在はパソコンで専用ソフトを用いてレセプト(介護給付費明細書)の入力が行われていますが、以前は手書き、手作業で行われていました。
作業は簡易化されてはいるものの、レセプトに関する専門知識が不要なわけではありません。
基本的なパソコンスキルも求められます。
介護報酬請求業務は毎月行わなれ、事業所の規模によっては、レセプトの量は膨大になるケースもあるでしょう。
介護報酬請求業務を行う期間は最も忙しくなり、いかに量が多くとも、正確な入力、作業への集中力が求められます。
レセプト業務を行うことで事業所へ介護報酬が支払われるため、介護事務において最も重要な業務です。
介護事務の資格はさまざま
介護事務の資格はさまざまあります。
介護事務自体の業務内容は事業所が何を求めるかによるものなので、そこまで大きく担当業務が変わるとは限りません。
介護事務に求められる基本的な技能や知識に大きな差はありませんが、資格によって異なってくるのは何に重きをおいているかです。
特色を理解し、自分の学習環境や目標に合わせて、資格の取得を目指しましょう。
介護事務の資格の取得難易度
介護事務に関する資格は、比較的挑戦しやすいものばかりです。
誰でも受験できる資格が多く、試験は年に複数回実施されていています。
合格率は低いもので50%以上で、70〜80%と合格率の高い試験が多いです。
合格率の高さの理由の一つに、ほとんどの試験が教材・資料の持ち込みが可能な点が挙げられます。
就職・転職に関して有利になる資格なので、挑戦しておいて損はありません。
介護事務資格別取得難易度
今回は4つの介護事務の資格について紹介していきます。
- ケアクラーク
- 介護事務管理士
- 介護事務士
- 介護報酬請求事務技能検定試験
試験の難易度、自身にとっての学習のしやすさなど、それぞれ比較してみましょう。
志望する職場の求める人材に適した資格を取得するのがベストですが、取り組みやすいものをスキルアップの入り口として、チャレンジするのもおすすめです。
業務内容や資格の概要、難易度と合格率も一緒に紹介していくので参考にしてください。
ケアクラーク
ケアクラークは介護資格の一つで、介護事務に必要な知識と技能のほか、以下の能力が求められます。
- コミュニケーション
- 高齢者・障害者の心理
- 社会福祉
- 介護技術
- 医療一般
主な仕事内容は以下の通りです。
- 介護報酬請求業務
- 日常的な事務処理
- 窓口業務
求められる知識や技能が幅広い分、採用側の需要も高いと言えるでしょう。
すでに介護職として勤務されているヘルパーさんなど、スキルアップとして学習に取り組むのにもおすすめです。
ケアクラークの資格取得難易度
ケアクラークの技能認定試験は学科試験で25問(50分)、実技試験で2問(60分)出題されます。
それぞれ70%以上の得点が合格基準です。
学科試験の出題範囲が幅広いため、難易度の高い印象を受けるかもしれませんが、実務経験のない方でも合格できる範囲で、特別難易度が高いというわけではありません。
試験会場には資料の持ち込みが許可されているので、暗記が苦手な方も安心してのぞめるでしょう。
しかし、学科試験では1問にかけられる時間は2分なので、基本的な準備はしっかりしておくべきです。
ケアクラークの合格率
ケアクラークの技能認定試験は毎年約70%の合格率を維持しています。
勉強範囲は幅広いものの、試験会場では資料の持ち込みが許可されているため、比較的合格しやすい資格と言えるでしょう。
他の資格ではより頻度の多いものもありますが、試験は年度で5月、9月、1月と4ヶ月ごとに実施されています。
比較的学習スケジュールが立てやすい点も、合格率の高さにつながっているでしょう。
介護事務管理士
介護保険制度が施行された2000年から資格試験がスタートした介護事務管理士は、日本初の介護事務の資格です。
介護報酬請求業務の他、ケアマネジャーの業務サポートまで行います。
サービス利用者と接するコミュニケーションスキルや、ケアプラン内容の理解まで求められ、合否基準は他の資格より、やや厳しめです。
業務内容自体はケアクラークとさほど大きな違いはありません。
介護事務管理士の資格取得難易度
介護事務管理士の試験は介護報酬の請求がメインです。
学科試験では介護保険制度や介護用語についての知識、単位数の算定がマークシート形式で出題。
学科試験においては他の介護事務の資格試験同様70%以上の得点を求められます。
実技はレセプトの点検・作成問題の計3問で、各問題ごとに50%以上得点しつつ、3問合計で70%以上得点しなければなりません。
実技試験を時間内に、いかに正確にこなせるかがポイントになってきます。
介護事務管理士の合格率
介護事務管理士の合格率は50%前後です。
他の介護事務の資格に比べるとやや低い傾向にあります。
試験対策のポイントとしては、合否基準が細かく設定されている、レセプトの作成に慣れておくことです。
学科試験においても介護報酬の請求に関する知識が求められますが、介護報酬請求業務に重きを置かれている分、レセプトを的確に作成できる能力など、就活時は即戦力としてアピールしやすくなるでしょう。
介護事務士
介護事務士は全国医療福祉教育協会が認定する民間資格。
医療機関や介護施設において保険収入全般の管理をすることが担当業務です。
「ヒューマンアカデミー たまのな」の通信講座、「介護保険請求事務講座」を受講し、資格認定試験に合格することで取得できる資格になります。
即戦力となる人材教育を目指す介護事務士の講座では、保険制度や介護保険の基礎知識、レセプトの作成手順を学習できる他、介護保険請求事務ソフトの体験が可能です。
介護事務士の資格取得難易度
「介護保険請求事務講座」は標準学習期間として4ヶ月、さらにサポート期間が8ヶ月設けられています。
難易度というよりも、根気よく継続できるかどうかです。
学習を進めながら、問題演習でどのくらい身についたかを確認をし、5回に分けられた添削課題をこなしていきます。
さらに、実力判断テスト、修了認定試験に合格すれば資格取得です。
合格条件は実力診断テストで7割、修了認定試験で7.5割以上の正答率を得ること。
合格するまでテストは何回も受ける事ができます。
介護事務士の合格率
合格率に関する記載はありませんでした。
通信講座修了で資格取得が可能な点や、合格するまで認定試験を受けられる点から、取得しやすい資格であるためです。
採用側が、合格率を資格の評価として参考にするのではないかという不安があるかもしれませんが、大切なのは資格を取ることだけでなく、資格を取るために身につけた技能をどう活かすかです。
取得している資格に対して、必ず評価はされます。
介護報酬請求事務技能検定試験
日本医療事務協会主催の介護事務試験資格です。
合格すると、介護事務の資格所有者に認定されます。
介護事業所において、介護報酬請求事務を行うために必要とされる知識やスキルが審査される技能検定試験です。
すでに介護業界で働かれている方にとっても、一つのステップアップになります。
介護保険制度に関する知識を身に着けることで、自身や家族が介護サービスを利用する際にも役立つでしょう。
介護報酬請求事務技能検定試験の資格取得難易度
介護報酬請求事務技能検定試験は、満たしておかねばならない受験資格があります。
まず日本医療事務協会が認定している介護事務講座の修了。
社会人の方が個人で受ける場合は必須条件です。
高校や専門学校、大学に通っている方は、学校が受験申請をすると受験できます。
介護事務講座の修了が条件にあるので、難易度はそれほど高くはないです。
合格基準は問題の総得点の70%程度を基準としています。
試験の難易度によって基準点に補正が入るため、目標点数は余裕を持って設定しておくのがおすすめです。
介護報酬請求事務技能検定試験の合格率
介護報酬請求事務技能検定試験に関しては、過去3年間の合格率を見てみましょう。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2020年度 | 1,000人 | 842人 | 84.2% |
2019年度 | 1,109人 | 867人 | 78.2% |
2018年度 | 1,117人 | 884人 | 79.1% |
さらにさかのぼっても、おおむね70%から80%と合格率の高い試験です。
理由の一つとして、試験日が偶数月の第3日曜日と、年に6回試験が実施される点でしょう。
あらかじめ日程が把握しやすい点や、試験回数が多い点から、無理のない学習スケジュールを立てられます。
また、試験には教材や資料の持ち込みが可能ため、無理に暗記して詰め込む必要もありません。
介護事務の資格取得におすすめのスクール
介護事務の資格取得に向けて、スクールで学んでみてはいかがでしょうか。
独学でも決して取得できない資格ではありませんが、効率的な学習は難しいです。
おすすめのスクールは以下の2つ。
以下でそれぞれのスクールの特徴や費用を紹介するので、スクールを検討されている方は、参考にしてください。
ニチイ|合格率74.7%
ニチイでは、ケアクラークの資格取得を目指せます。
ニチイの修了生のケアクラーク合格率は、74.7%と高い数字です。
また、ニチイの講座は通信のみなので、現在働いている方でも学びやすいのが特徴。
自宅学習でも、添削講師がサポートしてくれるので、安心して進められるでしょう。
- 受講方法……通信
- 受講期間……約4ヵ月
- 受講料……40,333円
- 分割払い……有
三幸福祉カレッジ|合格率81.2%
三幸福祉カレッジでは、介護事務講座を開催しています。
三幸福祉カレッジ修了生の合格率は、81.2%。
通学も通信も選べ、短期間で学べるので、すぐにでも介護事務の資格を取得したい方におすすめです。
割引制度も充実しているので、できるだけ費用を抑えて資格取得をしたい方は、三幸福祉カレッジで学んでみてはいかがでしょうか。
受講料 | 受講期間 | |
介護事務通学講座 | 49.500円 | 6時間×3日 |
介護事務通信コース | 47,300円 | 1ヵ月 |
介護職員初任者研修+介護事務通学セットコース | 127,380円 | - |
介護職員初任者研修+介護事務通信セットコース | 125,620円 | - |
介護事務は取得難易度の低い資格
介護事務は、さまざまな介護職のなかでも、比較的取得しやすい資格です。
介護事務にもいくつかの資格がありますが、基本的に合格率は低くありません。
介助スタッフとして現場で働く形ではなく、裏方として事務作業を行うのも、介護施設の重要な仕事です。
- 介護の仕事はしたいけど体力がない
- 年齢とともに介助がつらくなってきた
- 新しい介護の資格を取得したい
上記のような方は、介護事務の資格を目指してみてはいかがでしょうか。