社会福祉士の試験ではいかに過去問対策を行うかが合否の鍵になることを知っていますか?
この記事では「社会福祉士の過去問」について解説していきます。
結論、社会福祉士の試験では過去に出題された問題の類似問題が出題されることが多いので、過去問対策が重要です。
社会福祉士の試験勉強をするなかでわかりづらい「社会福祉士の過去問」を調査した結果をまとめたので、ぜひ見ていただければと思います。
その他にも「試験の概要」の説明や、「試験の形式」について説明していきたいと思いますので、ぜひこの記事を読んでいただければ幸いです。
また、社会福祉士の資格取得方法はこの記事でも紹介しています。
社会福祉士試験の概要
初めに社会福祉試験の概要として、次の内容をご紹介します。
- 試験日程
- 合格率
- 試験の形式
- 合格基準
早速一つずつ見ていきましょう。
社会福祉士の難易度についてはこの記事でも紹介しているので参考にしてください。
試験日程
社会福祉士国家試験は年1回2月上旬に実施されます。直近では第34回試験が令和4年3月15日に実施予定です。
合格率
社会福祉士国家試験の男女別、試験ごとの合格率を見てみましょう。
男女別の合格率
2021年度の社会医福祉士国家試験の男女別合格率は次の通りでした。
- 男性:合格人数3,387人(32.8%)
- 女性:合格人数6,946人(67.2%)
例年女性の方が合格率が高い傾向が見られるようです。
試験ごとの合格率
試験ごとの合格率を表にしてまとめました。
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
第30回平成29年度 | 43,937 | 13,288 | 30.2% |
第31回平成30年度 | 41,639 | 12,456 | 29.9% |
第32回令和元年度 | 39,629 | 11,612 | 29.3% |
第33回令和2年度 | 35,287 | 10,333 | 29.3% |
ここ数年では受験者数がわずかに減少傾向にありますが、合格率はほぼ30%台と変化がないようです。
試験の形式
出題数は全150問です。午前中に共通科目11科(全83問)、午後に専門科目7科(全67問)が出題されます。
気をつけたい点は、科目のうち1科目でも0点の科目があれば不合格となってしまうというところ。全科目の知識を満遍なく学ぶことが求められます。
合格基準
合格基準点は、「総得点の60%程度とし、問題の難易度によって補正される」とされています。
これは18科目群全てにつき最低1問を正解できれば達成できる割合です。
難易度による点数の補正があるため、150点のうち99点が合格点の年もあれば86点が合格点の年もありました。
毎年の合格点圏内に安全に入るためには、90点を最低ラインとして見ておくと良いでしょう。
社会福祉士の出題分野と過去問
社会福祉士国家試験で出題される分野は次の18科目です。
それぞれの科目の概要と過去問題をご紹介します。
人体の構造と機能及び疾病
身体機能、身体構造の概要や国際生活機能分類(ICF)など、身体に関する基本的な知識科目です。
認知症や生活習慣病など、近年よく耳にする疾病に関する出題もあります。
人体の構造と機能及び疾病の過去問の例
第33回(令和2年度)
問題1
人の成長と老化に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 生後 2 か月では,寝返りが打てる。
2 思春期には,第一次性徴が出現する。
3 青年期の終わりは,身体の成長が最も著しい時期である。
4 20 歳頃には,生殖器系の成長が最も著しくなる。
5 老年期には,収縮期血圧が上昇する。
心理学理論と心理的支援
心理学の基本的理解、実戦での心理的支援方法など幅広く出題されるのが特徴。
うつ症状、アルコール依存症などストレス症状に関する出題もあります。
人間の行動から読みとく問題もあるため、単語の暗記だけではなく意味をしっかりと理解することが必要です。
心理学理論と心理的支援の過去問の例
第33回(令和2年度)
問題8
マズロー(Maslow, A.)による人間の欲求階層又は動機づけに関する理論について,次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 階層の最下位の欲求は,人間関係を求める欲求である。
2 階層の最上位の欲求は,自尊や承認を求める欲求である。
3 階層の下から 3 番目の欲求は,多くのものを得たいという所有の欲求である。
4 自己実現の欲求は,成長欲求(成長動機)といわれる。
5 各階層の欲求は,より上位の階層の欲求が充足すると生じる
社会理論と社会システム
現代までの社会論に関する歴史の発展、現代の社会構造についての知識が問われる科目です。
福祉の変化過程の知識を持つことで、現代に適切な福祉サービスを提供することを目的としています。
大きなテーマが出題範囲のため、覚えることが多い科目と言えます。
社会理論と社会システムの過去問の例
第33回(令和2年度)
問題15
「令和元年版少子化社会対策白書(」内閣府)に示された合計特殊出生率に関 する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。
1 日本の合計特殊出生率は,1975 年(昭和 50 年)以降 2.0 を下回っている。
2 日本の 1999 年(平成 11 年)の合計特殊出生率は 1.57 で,それまでの最低値であった。
3 日本の 2017 年(平成 29 年)の合計特殊出生率は,2005 年(平成 17 年)のそれよりも低い。
4 イタリアの 2017 年の合計特殊出生率は,フランスのそれよりも高い。 5 韓国の 2017 年の合計特殊出生率は,日本のそれよりも高い。
現代社会と福祉
時代と共に変化する福祉サービスにおいて、最新の制度に関する知識を問う科目です。
社会福祉の歴史から現代の社会福祉制度までが出題されます。
日本だけではなく諸外国の福祉制度も出題範囲です。
現代社会と福祉の過去問の例
第33回(令和2年度)
問題22
社会福祉法で規定された福祉サービスの基本的理念に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 個人の尊厳の保持を旨とし,その内容は,福祉サービスの利用者が心身ともに健 やかに育成され,又はその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができる ように支援するものとして,良質かつ適切なものでなければならない。
2 全ての国民が,障害の有無にかかわらず,等しく基本的人権を享有するかけがえ のない個人として尊重される。
3 国が生活に困窮するすべての国民に対し,その困窮の程度に応じ,必要な保護を 行い,その最低限度の生活を保障するとともに,その自立を助長する。
4 地域の実情に応じて,高齢者が,可能な限り,住み慣れた地域でその有する能力 に応じ自立した日常生活を営むことができるよう,医療,介護,介護予防,住まい 及び自立した日常生活の支援が包括的に確保される。
5 老齢,障害又は死亡によって国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連 帯によって防止し,もって健全な国民生活の維持及び向上に寄与する。
地域福祉の理論と方法
地域と共同し作り上げていく福祉サービスについての知識を問う科目です。
地域住民のニーズ把握やサービス調整を必要とする個別支援、住民を主体とした地域組織化活動を行う地域支援の2つの面の知識を求められます。
地域福祉の理論と方法の過去問の例
第33回(令和2年度)
問題32
事例を読んで,U障害者支援施設のA相談員(社会福祉士)が立てた,利用 者の地域移行に向けたプランに関する次の記述のうち,地域福祉の理念・原則に基 づき,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
〔事 例〕
重度の知的障害があるBさん(40 歳,女性)は,特別支援学校高等部を卒業後,
実家から遠く離れたU障害者支援施設に入所して生活を続けてきた。Bさんは言葉 でのコミュニケーションは困難であるが,地域で近隣の住民がボランティアとして 主催する音楽活動に時折参加した際には,明るい表情で音楽を聴く様子が見られた。 Bさんには兄弟姉妹がなく,両親は既に亡くなっている。
1 自己決定の尊重の観点から,Bさん自身から地域移行の希望が出てくるのを待つ プランを立てた。
2 社会的包摂の観点から,BさんがU障害者支援施設近くの共同生活援助(グルー プホーム)に移り,地域住民と共に音楽を楽しむ場に参加するプランを立てた。
3 自立生活支援の観点から,Bさんが一般就労をした後に地域移行を目指すプラン を立てた。
4 ノーマライゼーションの観点から,Bさんの実家近くの障害者支援施設へ入所す るプランを立てた。
5 住民主体の観点から,地域移行後のBさんの支援を全面的に住民ボランティアに委ねるプランを立てた。
福祉行財政と福祉計画
「行政」「財政」「計画」の3つの側面の知識が求められる科目です。
福祉サービスを提供するにあたり、税金から補助が受けられるもの、実費が必要になるものを判断することが必要となります。
社会福祉サービスの資源や財源など金銭的知識が問わることも多いです。
福祉行財政と福祉計画の過去問の例
第33回(令和2年度)
問題42
都道府県の役割に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。
1 生活困窮者自立支援法に基づき,生活困窮者自立相談支援事業を行う。
2 老人福祉法に基づき,養護老人ホームへの入所措置を行う。
3 「障害者総合支援法」に基づき,介護給付費の支給決定を行う。
4 子ども・子育て支援法に基づき,市町村子ども・子育て支援事業計画を定めるに
当たって参酌すべき標準を定める基本指針を策定する。
5 介護保険法に基づき,地域密着型サービス事業者の指定を行う。
(注) 「障害者総合支援法」とは,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援す るための法律」のことである。
社会保障
社会保障の枠組みである、「年金」「医療」「介護」「労災」「雇用」についての科目です。
上の5つの概要知識に加え事例問題も出題されるため、実用的な知識を身につけているかが問われます。
保険給付の取り扱いや金額が出題される場合も多いです。
社会保障の過去問の例
第33回(令和2年度)
問題49
日本の人口に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。
1 「人口推計(2019 年(令和元年)10 月 1 日現在)(」総務省)によると,2019 年の総人口は前年に比べ増加した。
2 「令和元年(2019)人口動態統計月報年計(概数)」(厚生労働省)によると,2019 年の合計特殊出生率は前年より上昇した。
3 「国立社会保障・人口問題研究所の推計」によると,2065 年の平均寿命は男女共に 90 年を超えるとされている。
4 「国立社会保障・人口問題研究所の推計」によると,老年(65 歳以上)人口は 2042年にピークを迎え,その後は減少に転じるとされている。
5 「国立社会保障・人口問題研究所の推計」によると,2065 年の老年(65 歳以上)人口割合は約 50 %になるとされている。
(注) 「国立社会保障・人口問題研究所の推計」とは,「日本の将来推計人口(平成 29 年推計)」の出生中位(死亡中位)の仮定の場合を指す。
障害者に対する支援と障害者自立支援制度
障害者総合支援法を基本とした出題で、障害全般の知識が問われる科目です。
身体・知的障害をお持ちの方及びご家族の福祉制度利用が関係します。
各障害者法の対象者、障がい者手帳については頻出問題となっており、基本知識を確実におさえれば回答の難易度は低い科目です。
障害者に対する支援と障害者自立支援制度の過去問の例
第33回(令和2年度)
問題56
厚生労働省の「平成 28 年生活のしづらさなどに関する調査(全国在宅障害 児・者等実態調査)」及び「社会福祉施設等調査(」2018 年(平成 30 年)に関する次の 記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。
1 65 歳未満の障害者手帳所持者で,「特に生活のしづらさは無かった」と答えた者 は半数を超えている。
2 就労移行支援サービス,就労継続支援(A型)サービス及び就労継続支援(B型) サービスのうち,利用実人員が最も多いのは就労継続支援(B型)サービスである。
3 65 歳以上の障害者手帳所持者の「障害の原因」は,「事故・けが」が最も多い。
4 障害児通所支援等事業所のうち,利用実人員が最も多いのは,児童発達支援サービスである。
5 65 歳以上の障害者手帳所持者の 3 分の 2 以上が,介護保険法に基づくサービスを利用している。
低所得者に対する支援と生活保護制度
生活保護法の概要を基本とした知識を問われる科目です。
生活保護制度など低所得者に関係するサービスの活用が出題されます。
行政制度の他、自立に向けた取り組みに対する理解も問われますが、出題範囲は限定的なため、点を取りやすい科目です。
低所得者に対する支援と生活保護制度の過去問の例
第33回(令和2年度)
問題63
「生活保護の被保護者調査(平成 30 年度確定値)(」厚生労働省)に示された, 2018 年度(平成 30 年度)における生活保護受給者の動向に関する次の記述のうち, 正しいものを 1 つ選びなさい。
1 被保護実人員(保護停止中を含む)は,1995 年度(平成 7 年度)の時点よりも増加 している。
2 保護率(人口百人当)は,16.6 %である。
3 保護開始の主な理由は,「傷病による」の割合が最も多い。
4 保護廃止の主な理由は,「働きによる収入の増加・取得・働き手の転入」の割合が
最も多い。
5 保護の種類別にみた扶助人員は,住宅扶助よりも教育扶助の方が多い。
保健医療サービス
医療サービスに関する知識を問われる科目です。
保険医療に関する出題は最新のデータが求められる内容もあるため、最新の知識が必須となります。
また、事例問題もあるため該当する場面に適用できる応用力も必要です。
保健医療サービスの過去問の例
第33回(令和2年度)
問題70
医療保険制度における保険者とその被保険者に関する次の記述のうち,正 しいものを 1 つ選びなさい。
1 健康保険の保険者には,全国健康保険協会が含まれる。
2 船員保険の保険者は,健康保険組合である。
3 日雇特例被保険者の保険の保険者は,国民健康保険組合である。
4 国民健康保険の被保険者には,国家公務員共済組合の組合員が含まれる。
5 後期高齢者医療制度の被保険者は,75 歳以上の者に限られる。
権利擁護と成年後見制度
「憲法」「民法」「行政法」の基本的な知識が求められる科目です。
実際の現場では、人権や財産、成年後見制度などに関する相談を受ける際にこの科目の知識が必要となります。
事例問題も出題されるので、実際の場面で用いる法律解釈の知識を身につけていなければなりません。
権利擁護と成年後見制度の過去問の例
第33回(令和2年度)
問題77
財産権の制限に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 財産権は,条例によって制限することができない。
2 法律による財産権の制限は,立法府の判断が合理的裁量の範囲を超えていれば,憲法に違反し無効となる。
3 所有権は,法律によって制限することができない。
4 私有財産を公共のために制限する場合には,所有権の相互の調整に必要な制約によるものであっても,損失を補償しなければならない。
5 法令上の補償規定に基づかない財産権への補償は,憲法に違反し無効となる。
社会調査の基礎
調査・統計に関する科目です。量的・質量調査の方法や分析方法などが頻繁に出題されます。
一見固く難しそうに感じる内容ですが、基本項目をしっかり習得すれば比較的得点の取りやすい科目です。
社会調査の基礎の過去問の例
第33回(令和2年度)
問題84
政府が行う社会調査の対象に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選 びなさい。
1 国勢調査は,日本に常住する外国人を対象としない。
2 労働力調査は,調査時に求職中の人も対象とする。
3 社会保障生計調査は,被保護世帯を対象としない。
4 国民生活基礎調査は,20 歳未満の国民を対象としない。
5 家計調査は,学生の単身世帯も対象とする。
相談援助の基盤と専門職
社会福祉士に関連する基本的な法律やソーシャルワークの定義、倫理などを問う科目です。
論理的ジレンマ、事例問題などの出題もあるため、単語の暗記だけではなく実用的な知識が求められます。
相談援助の基盤と専門職の過去問の例
第33回(令和2年度)
問題91
社会福祉士及び介護福祉士法に規定されている社会福祉士に関する次の記 述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。
1 社会福祉士は資格更新のため, 7 年ごとに所定の講習を受講しなければならない。
2 社会福祉士は相談業務を行う上で,クライエントの主治医の指示を受けなければならない。
3 社会福祉士の「信用失墜行為の禁止」は,2007 年(平成 19 年)の法律改正によって加えられた。
4 社会福祉士の「秘密保持義務」は,社会福祉士の業務を離れた後においては適用されない。
5 社会福祉士はその業務を行うに当たって,福祉サービス関係者等との連携を保たなければならない。
相談援助の理論と方法
援助の展開、援助関係、援助技術など、社会福祉士にとって最も重要な相談援助の分野の知識が問われる科目です。
出題数が21問と最も多いため、特に力を入れて準備したい科目と言えます。
馴染みやすい事例問題が多いのも特徴です。
相談援助の理論と方法の過去問の例
第33回(令和2年度)
問題98
次の記述のうち,人と環境との関係に関するソーシャルワーク理論として, 最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 リッチモンド(Richmond, M.)は,「人」,「状況」,「人と状況の相互作用」の三重 の相互関連性を説いた。
2 ピンカス(Pincus, A.)とミナハン(Minahan, A.)は,生態学的視座に立ち,人 が環境の中で生活し,社会的にも機能していると説いた。
3 ホリス(Hollis, F.)は,パーソナリティの変容を目指し,人と環境との間を個別 に意識的に調整すると説いた。
4 バートレット(Bartlett, H.)は,人々が試みる対処と環境からの要求との交換や 均衡を,社会生活機能という概念で説いた。
5 ジャーメイン(Germain, C.)は,クライエントの環境は,アクション・システム など,複数のシステムから構成されると説いた。
福祉サービスの組織と経営
社会福祉法人やNPOなど福祉組織に関する知識に関する科目です。
福祉組織に関する制度、組織、運営、労働環境の整備などについて出題されます。
福祉サービスの組織と経営の過去問の例
第33回(令和2年度)
問題119
社会福祉法人に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 理事長は,無報酬でなければならない。
2 経営安定化を図るため,収益事業を行う義務がある。
3 設立認可を行う所轄庁は,その主たる事務所の所在地を管轄する厚生労働省の地方厚生局である。
4 規模にかかわらず,決算書類を公表する義務がある。
5 評議員会の設置は任意である。
高齢者に対する支援と介護保険制度
高齢者に関する介護保険制度などの知識に関する科目です。
介護保険制度の仕組みに対する理解が大きなポイントとなります。
また、高齢者の生活実態や老人福祉法を含む歴史に関する出題もあるので、過去から現代に至るまでの一連の流れを理解しておくことが必要です。
高齢者に対する支援と介護保険制度の過去問の例
第33回(令和2年度)
問題126
「令和元年版高齢社会白書」(内閣府)における高齢者の介護に関する次の記 述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。
1 65 歳以上の者の死因別の死亡率で最も高いのは,「老衰」となっている。
2 要介護者等からみた主な介護者の続柄で最も多いのは,「子の配偶者」となっている。
3 55 歳以上の男性では,介護を頼みたい人として最も多いのは,「子」となっている。
4 要介護者等において,介護が必要になった主な原因で最も多いのは,「認知症」となっている。
5 55 歳以上の男女では,介護が必要になった場合の費用をまかなう手段として最も多いのは,「貯蓄」となっている。
児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度
児童全般に関する科目で、虐待や児童の権利などについての出題もあります。
児童の定義から児童福祉法まで範囲が幅広く、関係法令も多いため比較的対策の難しい科目です。
また、時事問題の出題もあるため、最新の児童に関わるニュースを知っておくことも重要になります。
児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度の過去問の例
第33回(令和2年度)
問題136
「平成 28 年度全国ひとり親世帯等調査」(厚生労働省)又は「平成 28 年国民 生活基礎調査」(厚生労働省)に示された,2016 年(平成 28 年)時点におけるひとり 親世帯等の実態に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 母子世帯になった理由としては,生別よりも死別が多い。
2 母子世帯になった時の末子の年齢階級は,生別世帯の場合, 9 歳から 11 歳までが最も多い。
3 世帯類型別にみると,母子世帯の世帯数は,ここ 10 年で約 5 倍に増えている。
4 「子どもがいる現役世帯」のうち,大人が一人の世帯の相対的貧困率は,約 5 割となっている。
5 母子世帯の母の就業状況としては,正規の職員・従業員の割合は約 8 割である。
(注) 「子どもがいる現役世帯」とは,世帯主が 18 歳以上 65 歳未満で,子どもが 17 歳以下の世帯をいう。
就労支援サービス
主に障害者雇用や労働法に関する科目です。
就労支援サービスの科目は更生保護制度と合わせて1科目群とされるため、どちらかの科目で正解できれば合格基準を満たせます。
就労支援サービスの過去問の例
第33回(令和2年度)
問題143
労働と福祉に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 フレキシキュリティとは,職業生活と家庭生活の両立を図る政策理念のことである。
2 ワークフェアとは,就労と福祉を完全に切り離す政策理念のことである。
3 OFF-JTとは,職務現場で実践指導を通して行われる職業関連の研修のことである。
4 アンペイドワークとは,賃金や報酬が支払われない労働や活動のことであり,家族による無償の家事,育児,介護が含まれる。
5 ワーク・ライフ・バランスとは,定年退職後も安定した就労機会を実現する政策理念のことである。
更生保護制度
保護観察に関する科目です。
合格基準点は上の就労支援サービスと1つの科目群として計算されますが、両科目とも4問しかないため全問不正解とならないよう注意が必要になります。
更生保護制度の過去問の例
第33回(令和2年度)
問題147
保護観察官及び保護司に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選 びなさい。
1 保護観察官は,都道府県庁及び保護観察所に配置される。
2 保護観察官は,犯罪の予防に関する事務には従事できない。
3 保護司の身分は,常勤の国家公務員である。
4 保護司が相互に情報交換するには,保護観察官の許可が必要である。
5 被害者を担当する保護司は,その任に当たる間,加害者の保護観察は行わない。
社会福祉士の過去問対策ができるアプリ3選
社会福祉士国家試験を受けるなら、過去問対策は必須です。
過去問を繰り返し解くことにより、傾向を理解し効率的な学習がしやすくなります。
ここでは、過去問対策に有効なおすすめアプリ3つをご紹介
- 【中央法規】社会福祉士 合格アプリ2022
- 社会福祉士 過去問 (解説と模試つき)
- 社会福祉士暗記カード+過去問徹底対策
1つずつおすすめポイントを解説します。
【中央法規】社会福祉士 合格アプリ2022
【中央法規】社会福祉士 合格アプリ2022は、社会福祉士国家試験の過去5年分(第29回~第33回)を収録したアプリです。
ランダム出題、クリップした問題だけの出題など、学習ニーズに合わせながら数多くの問題を解いていくことで実力を身につけられます。
MYページで学習時間や成績を確認できるのも便利なツールです。
社会福祉士 過去問 (解説と模試つき)
社会福祉士 過去問 (解説と模試つき) は、過去問検索やマイリスト機能、ランダム10問テストなど復習に活用したい機能を搭載したアプリです。
タイマー機能を使えば実際の試験を模し時間の感覚を掴むことができます。
シンプルで使いやすい設計もおすすめです。
社会福祉士暗記カード+過去問徹底対策
社会福祉士暗記カード+過去問徹底対策は、暗記カードと過去問で試験対策ができるアプリです。
開催別、分野別、苦手な問題など独自の問題セットを作れるのがポイント。
平成24年度(第25回)〜令和元年度(第32回)の8年分と広範囲に遡った過去問を解けるのも特徴です。
過去問だけで社会福祉士に合格は可能?
結論から言うと、過去問だけでも合格できます。
社会福祉士に合格するためには過去問をベースとし、さらにプラスアルファの学習をすることが必要です。
試験に出題される統計データや制度は日々改正されています。そのため、過去の出題だけでなく最新の情報にも通じている必要があるのです。
また、暗記だけでなく実用的な理解を身につけるためには各科目同士の関連性を知ることも重要です。
社会福祉士の試験に合格するためのポイント
社会福祉士試験の大きな特徴は、扱う範囲が広く満遍ない知識が求められるという点です。
そのため苦手科目をいかに克服するかが大きなポイントとなります。
科目により学習進度のムラが生じてしまわないよう、試験日から逆算し学習計画をしっかり立てるなら合格率を高めることができるでしょう。
過去問を使って社会福祉士に合格しよう
社会福祉士の試験は幅広い分野の知識が求められるという点が特徴です。
しかしその一方で、過去問題と類似した問題が出題されることも多く、対策が行いやすい試験とも言えます。
過去問題を繰り返し解くことで、自身の苦手傾向の理解を深め対策を行えます。また過去問に加え最新のデータの知識も取り入れ、活用する応用力を身につけることも目指しましょう。