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実務者研修は補助金の対象になる!補助金の種類について解説

介護関係の仕事に就いている方にとって、絶対に取得したい資格の1つは介護福祉士でしょう。国家資格でもある介護福祉士を受験するためには必要な資格があり、それが実務者研修です。

そんな実務者研修の受講には10万円前後の受講費がかかり、決して手軽とは言えません。

しかし、実務者研修には受講の際に利用できる補助金の制度が存在し、受講にかかった費用の一部のキャッシュバックや、条件を満たしていれば全額無料で受講することも可能です。

スキルアップのための講習とはいえ、できれば出費は少なくしたいもの。そこで今回は、実務者研修の受講に利用できる補助金について紹介していきます。

その他にも実務者研修についても解説していますので、介護職の方やこれから介護職に就こうと考えている方も参考にしてみてください。

実務者研修とは

実務者研修とは

実務者研修とは、幅広い利用者へ質の高い介護サービスを提供できるように、基本的な介護提供能力の取得を目的として実施されている研修です。

実務者研修は、かつて行われていた「介護職員基礎研修」と「ホームヘルパー1級」を一本化した資格として位置づけられており、その研修は介護福祉士養成校での到達目標と同じ水準となっています。

また、2017年より、国家資格である介護福祉士を受験するには、3年以上の実務経験と実務者研修の取得が必要になったため、介護関係の仕事でキャリアアップを目指すのであれば必須の資格です。

実務者研修の概要

  • 受講資格

受講するための資格はなく、職歴・学歴・年齢は問いません。

介護職員初任者研修を受講していなくても受講可能ですが、介護について基本的な知識や技術を有していることを前提とした研修となっているので、介護が未経験の方は、介護職員初任者研修から受講するほうが良いでしょう。

  • 受講費用

かかる費用は受講するスクールによって異なりますが、一般的には無資格からの受講で70,000〜150,000円程が相場です。

初任者研修を取得している場合、受講が免除される科目があるため、50,000〜100,000円程度となります。

後述しますが、自治体やハローワークが行っている補助金制度を利用することで、受講料が割引もしくは無料となる可能性があるので、受講前に確認しておきましょう。

  • 受講内容
受講科目 受講時間
人間の尊厳と自立 5
社会の理解Ⅰ 5
社会の理解Ⅱ 30
介護の基本Ⅰ 10
介護の基本Ⅱ 20
コミュニケーション技術 20
生活支援技術Ⅰ 20
生活支援技術Ⅱ 30
介護過程Ⅰ 20
介護過程Ⅱ 25
介護過程Ⅲ 45
発達と老化の理解Ⅰ 10
発達と老化の理解Ⅱ 20
認知症の理解Ⅰ 10
認知症の理解Ⅱ 20
障害の理解Ⅰ 10
障害の理解Ⅱ 20
こころとからだのしくみⅠ 20
こころとからだのしくみⅡ 60
医療的ケア 50
合計 450

修了評価試験はありませんが、スクールよっては実施していることもあります。

参照:厚生労働省

介護職員初任者研修とは

介護職員初任者研修とは、介護系資格の第一歩とも言える初心者向けの資格です。

かつてのホームヘルパー2級の後継資格に位置づけられており、初心者でもわかりやすい講義と、実際の実技演習によって、介護の基本的な知識・技術を身につけることができます。

初任者研修・実務者研修は共に受講資格はなく、誰でも受講できますが、介護が全くの未経験という方は、まず介護職員初任者研修から取得がおすすめです。

介護職員初任者研修の概要

  • 受講資格:なし
  • 受講費用:20,000〜100,000円(スクールによって異なる)
  • 受講内容
受講科目 受講時間
職務の理解 6
介護における尊厳の保持・自立支援 9
介護の基本 6
介護・福祉サービスの理解と医療の連携 9
介護におけるコミュニケーション技術 6
老化の理解 6
認知症の理解 6
障害の理解 3
こころとからだのしくみと生活支援 75
振り返り 4
合計 130

受講後に終了評価試験あり(1時間)

参照:厚生労働省

実務者研修を取得するメリット

実務者研修の受講には時間と費用がかかりますが、取得した際のメリットには以下のようなものがあります。

キャリアアップに直結するものなので、これから介護職を続けて行きたいと考えている方はぜひ取得しておきたい資格です。

介護福祉士の受験に必要

前述したように、介護福祉士の受験資格には、3年以上の介護実務経験と実務者研修の取得に必要です。

介護職で昇給するためには国家資格である介護福祉士の取得は必須とも言えるため、実務者研修の取得もまた必要不可欠となります。

資格手当で給料がアップ

実務者研修を取得していると、より高い知識と技術を持っているとみなされ、給料アップが見込めます

初任者研修のみではできなかった「たん吸引」や「経管栄養」といった業務も請け負うことができるようになるため、転職の際にも有利に働きます。

サービス提供責任者になれる

実務者研修を取得していると、「サービス提供責任者」になることができます。

サービス提供責任者とは、訪問介護事業者でシフト調整やケアプラン作成などを行う役職で、事業所ごとに配置基準が決められています。

指定された基準に満たない場合は介護報酬が減額されてしまうので、サービス提供責任者となれる実務者研修取得者は重要な存在です。

実務者研修の補助金制度|職業訓練

ハローワーク(公共職業安定所)では、離職者や求職者を対象に、就職に必要なスキルを取得するための職業訓練を実施しています。

受講の要件を満たし、ハローワークの選考試験に通ることができれば、無料で様々な職業訓練を受けることができ、実務者研修の講座もその対象です。

また、さらに受講者の収入などの要件を満たすことによって、給付金を受け取りながら職業訓練を受けることができる制度も用意されています。

求職者支援制度

求職者支援制度とは、月10万円の職業訓練受講給付金を受給しながら、再就職や転職のための職業訓練を無料で受けることができる制度で、雇用保険を受給できない・受給が終わった求職者が対象です。

給付金受給の要件を満たしていない場合でも、訓練受講の要件を満たせば、無料の求職者支援訓練のみの利用もできます(テキスト代などは自己負担)。

受給対象者の要件

  • 本人収入が月8万円以下 ・シフト制で働く方などは月12万円以下 (※)
  • 世帯全体の収入が月40万円以下(※)
  • 世帯全体の金融資産が300万円以下
  • 現在住んでいるところ以外に土地
  • 建物を所有していない
  • 訓練の8割以上に出席する(※)
  • 世帯の中で同時にこの給付金を受給して訓練を受けている者がいない
  • 過去3年以内に、偽りその他不正の行為により、特定の給付金の支給を受けていない

※ 令和5年3月末までの特例措置

訓練受講の要件

  • ハローワークに求職の申込みをしていること
  • 雇用保険被保険者や雇用保険受給資格者でないこと
  • 労働の意思と能力があること
  • 職業訓練などの支援を行う必要があると、ハローワークが認めたこと

離職者訓練(公共職業訓練)

離職者訓練とは、雇用保険を受給している求職者を対象とした職業訓練です。

以下の要件を満たすことで、無料の受講を受けることができます(テキスト代等は自己負担)。

訓練受講の要件

  • ハローワークに求職の申込みをしていること
  • 雇用保険の被保険者であること
  • 訓練開始日に就労していないこと
  • 労働の意思と能力があること
  • 職業訓練などの支援を行う必要があると、ハローワークが認めたこと

実務者研修の補助金制度|教育訓練給付金制度

教育訓練給付金制度とは、厚生労働大臣が指定した教育訓練を修了した際、受講にかかった費用の一部が教育訓練給付金としてキャッシュバックされる制度です。

雇用保険の制度なため、教育給付金制度を利用するには、現在雇用保険に加入しているか、1年以内に加入していたこと条件です。

給付される割合は教育訓練のレベルなどによって3段階に分けられています。

専門実践教育訓練給付金

専門実践教育訓練給付金は、労働者の中長期的なキャリア形成のための専門実践教育訓練が対象です。

教育訓練期間は最大で3年間となっています。

支給要件 在職者:受講開始日現在で雇用保険の支給要件期間が3年以上ある。はじめて支給を受ける場合は、2年以上。
離職者:上記に加えて、離職日の翌日から受講開始日までが1年以内で、前回の教育訓練給付金受給から今回の受講開始日前までに3年以上経過している。
支給額 教育訓練施設に支払った教育訓練経費の50%。1年間で40万円が上限。(最大で120万円)4千円を超えない場合は支給なし。
受講修了後、定められた資格などを追加で取得し、1年以内に被保険者として雇用された場合にはさらに20%追加で支給される(最大で168万円)。
備考 受講の1ヶ月前までに「訓練前キャリアコンサルティング」を受ける必要がある。

実務者研修はこの専門実践教育訓練にあたり、実務者研修の受講修了後、介護福祉士の国家資格に合格し、被保険者として雇用されることで、追加で20%の給付金が支給されます。

特定一般教育訓練給付金

特定一般教育訓練給付金は、労働者の速やかな再就職、早期のキャリア形成を助ける教育訓練が対象です。

教育訓練期間は最大で1年間となっています。

支給要件 在職者:受講開始日現在で雇用保険の支給要件期間が3年以上ある。はじめて支給を受ける場合は、1年以上。
離職者:上記に加えて、離職日の翌日から受講開始日までが1年以内で、前回の教育訓練給付金受給から今回の受講開始日前までに3年以上経過している。
支給額 教育訓練施設に支払った教育訓練経費の40%(最大で20万円)。4千円を超えない場合は支給なし。
備考 受講の1ヶ月前までに「訓練前キャリアコンサルティング」を受ける必要がある。

一般教育訓練給付金

一般教育訓練給付金は、その他の雇用の安定・就職の促進を助ける教育訓練が対象です。

教育訓練期間は最大で1年間となっています。

支給要件 在職者:受講開始日現在で雇用保険の支給要件期間が3年以上ある。はじめて支給を受ける場合は、1年以上。
離職者:上記に加えて、離職日の翌日から受講開始日までが1年以内で、前回の教育訓練給付金受給から今回の受講開始日前までに3年以上経過している。
支給額 教育訓練施設に支払った教育訓練経費の20%(最大で10万円)。4千円を超えない場合は支給なし。

実務者研修の補助金制度|各自治体

国が行っている補助金の他にも、各自治体ごとにも補助金制度を実施しています。

制度利用の条件や内容は自治体ごとに異なる点もあるため、詳しくは利用を考えている地域にお問い合わせください。

介護福祉士実務者研修受講資金貸付

介護福祉士実務者研修受講資金貸付とは、社会福祉協議会が行っている貸付制度です。

実務者研修の受講にかかる費用を無利子で貸付しており、受講後に定められた条件を満たすことで貸付金の返済が全額免除されます。

一例として神奈川県では以下のような制度となっています。

貸付要件 1.実務者研修施設に在学中であること
2.介護福祉士の資格取得後、県内で介護等の業務に従事する意思がある
3.貸付申請年度に実務者研修を修了し、当該年度の介護福祉士国家試験を受験する方
4.65歳までに実務者研修を修了見込みの方
貸付額 200,000円以内
返済免除条件 介護福祉士資格取得後、神奈川県内で介護等の業務に2年間継続して従事。

参照:かながわ福祉人材センター

ほとんどの都道府県で実施されている制度ですが、地域ごとに条件などが異なるため、詳しくはお住まいの地域で調べてみてください。

介護人材資格取得支援事業

介護人材資格取得支援事業とは、介護職で働くスタッフが介護関連の資格を取得する際、その費用の一部、もしくは全額を各自治体が補助する制度です。

この事業も各自治体によって対象の資格や条件などが異なり、実務者研修だけでなく、介護職員初任者研修や介護福祉士の資格取得の支援も行っている場合もあります。

例として、島根県大田市の支援事業情報は以下の様になっています。

対象試験・研修 (1)介護福祉士試験及び介護支援専門員実務研修受講試験
(2)介護職員初任者研修及び介護職員実務者研修
(3)介護支援専門員試験合格対策講座
対象者 ・大田市内に所在する介護サービス事業所に勤務している方
・市税等の滞納をしていない方
補助金の額 (1)受験料の8/10の額(100円未満切り捨て)
(2)受講料の1/2の額(100円未満切り捨て)上限 5万円
(3)1回のみ受講 上限 3,000円
2回受講   上限 5,000円(100円未満切り捨て)

参照:島根県大和田市公式ホームページ

実務者研修の補助金制度|その他

実務者研修の受講ができるスクールでは、各々独自の割引制度を行っているところも。

例えば、ニチイでは、期間限定で受講料が30%割引になるキャンペーンや、受講後にニチイに入社することで受講料が全額返金される「受講料キャッシュバック制度」などを実施しています。

スクールのキャンペーンでは、ハローワークや自治体の補助金を受けるよりも条件が少なく、支援制度の対象者でない方でも割引を受けることができます。

各スクールの独自制度なため、詳しくはお近くのスクールにお問い合わせ下さい。

まとめ

今回は実務者研修の受講に利用できる補助金の制度について解説していきました。

本来であれば十数万円かかるところを、最大無料での受講ができ、利用するのとしないのでは大きな差です。

実務者研修を受講する際は、この記事を参考にできるだけ費用を抑えてお得にスキルアップを目指しましょう。

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