介護施設で働く上で、キャリアアップを検討していませんか?
この記事では「介護施設の管理者」について解説していきます。
結論、長く介護施設で働くなら、管理者を目指した方が良いです。
介護施設管理者の仕事内容からなり方、年収までまとめたので、ぜひ参考にしてください。
その他にも「介護施設管理者に求められる能力」についても説明していくので、管理者を目指す方は必見です。
また「介護の資格や職種」について知りたい方は、こちらで解説を行っていますのでぜひ確認してみてくださいね。
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介護施設の管理者とは?
介護施設の管理者とは、その名の通り現場の管理・リーダーです。
役職の呼び方は施設によって異なり「施設長」「ホーム長」「所長」などがあります。
大まかな仕事内容は、施設全体のマネジメント業務です。
管理業務がメインにはなりますが、その施設のすべての業務に関わらなければいけないため、知識やスキル、経験も必要になります。
求められる部分は多いですが、管理者なので当然高い給与も期待できるでしょう。
介護の世界で長く働き続けるなら、管理者を目指してみるのも良いかもしれません。
主な勤務先
介護施設の管理者として勤務できる場は、幅広くあります。
管理者は、介護保険サービスを提供するすべての介護施設や事業所に必要な存在です。
主な勤務先として、以下のような職場があります。
- デイサービス
- 有料老人ホーム
- グループホーム
- サービス付き高齢者向け住宅
- 特別養護老人ホーム
- 介護老人保健施設
どんな職種においても管理者は必要となるので、介護施設においても例外ではありません。
介護施設管理者の主な業務は5つ
介護施設管理者の主な業務はマネジメント業務であることから、仕事内容は幅広いです。
勤務する施設や規模、方針によっても異なります。
主な業務としては、以下の5つを挙げられるでしょう。
- 利用者管理
- 職員管理
- 運営管理
- 終始管理
- 行政管理
施設利用者の管理はもちろん、運営や行政管理など、お金や事務作業も関わってくるのが管理者の仕事です。
以下でそれぞれの具体的な業務内容を解説するので、参考にしてください。
利用者管理
利用者管理は、施設利用者の状態や介護の方針を理解し、適切なサービスが提供されているか管理します。
利用者本人だけではなく、その家族と面談をし、現状や今後の状態を相談することも一つの仕事です。
具体例として、以下のような業務があります。
- 利用者の状態を把握
- 介護計画に沿った適切なサービスが提供できているか確認
- 利用者やその家族との面談
- 面談に合わせたサービスの向上
- 必要に応じて介護業務を兼任
利用者管理だけでも、相談からサービス提供、現場の仕事まで、多岐にわたります。
職員管理
職員管理は、スタッフの採用から育成、適切な配置などを行います。
規模の大きい施設の場合は、人事担当者がいますが、規模の小さい施設では、管理者が人事に関する業務も行わなければいけません。
具体例として、以下のような業務があります。
- スタッフの面接・採用・教育
- 労働時間・残業時間・有給休暇の把握
- 適切な人員配置
- スタッフの現状把握・トラブル防止
施設利用者だけではなく、スタッフにも目を配ることも管理者の重要な仕事です。
運営管理
運営管理は、名前の通り、施設を運営するための管理業務です。
施設の理念や運家方針に沿ったサービスを計画し、広報活動も行います。
また、コンプライアンスを守るため、介護保険法も理解しておかなければいけません。
介護保険法(かいごほけんほう、平成9年12月17日法律第123号)は、要介護者(同法7条3項)等について、介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定めることを目的とする法律である
具体例として、以下のような業務があります。
- 施設の運営方針・理念に沿ったサービスの提供・把握
- 守るべき法への理解・把握
- 広報活動・営業活動
施設を運営するための設備や帳票も、管理者の仕事に含まれます。
収支管理
施設を管理するためには、金銭に関わる業務も行わなければいけません。
施設利用者さんとの契約業務から、利用に必要な費用の計算や管理まで行います。
具体例として、以下のような業務です。
- 利用者との契約業務・保険請求業務・各種経費計算・管理
- 家賃・食費の計算
- 収入の管理・人件費の管理
介護施設とはいえ、施設を運営していく上でお金の計算は重要なことです。
管理者は「介護職が好き」「人を支える仕事をしたい」だけではなく、金銭管理能力も求められます。
行政管理
施設の運営に必要な書類の作成や提出も、管理者の仕事です。
管理者となると、このような事務作業も業務の一つになります。
具体例として、主な業務や提出書類は以下の通りです。
- 介護保険事業の届け出の期限を守り提出
- 介護保険事業者事故報告書・消防計画の作成・提出
これらの書類を作成し、提出するには、介護に関する知識がなければいけません。
介護施設の管理者は、書類作成のための膨大な知識を求められるといえます。
介護施設管理者になるための資格は施設によって異なる
介護施設管理者は、施設によって要件が異なります。
主に資格や要件が必要となるのは、以下の施設です。
施設 | 資格・要件 |
特別養護老人ホーム | 以下いずれかを取得
|
介護老人保健施設 |
|
グループホーム | 以下どちらも取得
|
小規模多機能型居宅介護事業所 | 以下どちらも取得
|
希望する勤務先の資格や要件を、事前にチェックしておきましょう。
資格要件なしの場合も
資格や要件なしでも、介護施設の管理者になることは可能です。
主に、有料老人ホームやデイサービス、訪問介護事業所などは、要件がありません。
しかし、いきなり管理者になれるわけではないので、ひとつの事業所で長く経験をしたり、ある程度の介護資格を保有している方が有利になります。
原則医師とされる介護老人保健施設以外の場合は、長年実務を経験しながら管理者を目指すのが、王道のパターンと言えるでしょう。
介護施設管理者の年収
介護施設の管理者とまでなれば、当然年収は上がります。
一般スタッフと比べて、知識も経験も必要になり、業務の量も多いため、大幅な給与アップに期待できるでしょう。
平成30年度、介護労働実態調査「事業所における介護労働実態調査結果報告書」によると、介護施設の管理者の平均月給は359,357円となっています。
単純計算すると、年収約400万円です。
ただ、介護施設には賞与もあるので、賞与も加えると、大体年収は500万円ほどになります。
運営別月給例
介護施設管理者の運営別の月給例を見てみましょう。
民間企業運営なのか、医療法人運営なのかによって、月給は大きく異なります。
- 民間企業……平均月給304,149円
- 社会福祉協議会……平均月給317,256円
- 社会福祉法人……平均月給424,850円
- 医療法人……平均月給561,163円
やはり医療法人運営になると、月給は高いです。
介護サービス別月給例
介護サービスによっても月給は異なります。
介護サービスによる平均月給は、以下の通りです。
- 訪問介護……平均月給297,273円
- 通所介護……平均月給305,623円
- 地域密着型通所介護……平均月給270,530円
- 介護老人福祉施設……平均月給468,856円
- 認知症対応型共同生活介護……平均月給288,088円
- 居宅介護支援……平均月給264,725円
- 介護老人保健施設……平均月給1,056,615円
介護老人保健施設は、都道府県知事の承認を受けた医師が管理者となるため、月給100万円以上と高額です。
管理者なので、基本的に給料は高い傾向にありますが、やはりサービスによっての差は大きく生じます。
求人例
介護施設の管理職を探すと、いくつかの求人もヒットします。
実際にどのような求人が掲載されているのか、医療介護求人サイト「ジョブメドレー」で調査しました。
ヒットした件数は全国で2,309件。
一例として、以下のような求人があります。
募集職種:管理職
仕事内容:管理職候補として、スタッフの育成、マネジメント、パワーリハビリテーション実施などを行っていただきます
給与:【正職員】 月給 250,000円 〜 314,290円
給与の備考:年俸制350万~440万
年俸を14分割し、1/14ずつ毎月支給します。
賞与(特別一次金)は、年2回(12月、6月)に各1/14を支給
その他にも、管理者としての月給は大体30万円~とされている求人が多くありました。
介護施設管理者に求められる能力
介護施設の管理者の業務は多岐にわたるため、多くのスキルや知識が求められます。
また、現場だけの仕事ではないため、金銭管理やマネジメント能力も必要です。
以下の能力を兼ね備えていなければ、管理者を目指すのは難しいでしょう。
- マメジメント能力
- リーダーシップ
- 金銭管理能力
主に3つの能力を求められますが、その他にも広い視野で職場を観察する能力や、介護に関する知識も必要です。
主な3つの能力に関して、実際にどのような内容が必要なのか、どのような知識や技術が必要なのか、解説します。
マネジメント能力
管理者の仕事は、マネジメント業務がメインと言っても過言ではありません。
スタッフや施設利用者、施設運営に関わるお金のマネジメントなど、それぞれを行えなければ、管理者には向いていないでしょう。
一般的に管理職へ就任する前に、マネジメントに関する研修を受けられますが、それだけで最初から完璧なマネジメントをするのは難しいです。
管理者を目指すなら、普段から経営や人材管理など、マネジメントの勉強をしておくと良いでしょう。
リーダーシップ
管理者は、施設のリーダーです。
リーダーであるからには、スタッフに尊敬され、お手本になるようなリーダーシップ力が試されます。
リーダーシップ力がなければ、スタッフから管理者に対しての不満が生じてしまうでしょう。
そのためには、リーダーとしてのスキルや知識、現場の状況の把握、利用者やスタッフの意見や相談を聞くなど気を配った言動が大事です。
現場に出る機会が少なくなったとしても、常に指導できる立場になれるよう、努力を怠らないようにしましょう。
金銭管理能力
介護施設の管理者は、金銭管理能力も高くなければいけません。
管理者は経営に関わるので、ただ「仕事ができる」だけでは務まらないのです。
とくに民間の介護施設の場合、経営を安定させるために、利益を上げることが大事になります。
収支管理や人件費の見直しなど、バランスを考えて計画を立てていかなければいけません。
金銭管理能力が低いと、結果的に事業所の存続ができなくなってしまうこともあります。
介護の知識やスキルをあげることも重要ですが、管理者を目指すのであれば、お金に関する知識も身につけておきましょう。
介護業界で長く働くなら介護施設の管理者を目指そう
介護施設の管理者になれば、介護業界で安定して長く働けます。
一般の介護スタッフでは、給与もそこまで高くはなく、現場仕事がメインになってしまうため、年齢によっては体力的な限界を感じることもあるでしょう。
管理職は、求められる知識やスキル・能力は多いものの、基本的な業務はマネジメントになり、年収も高いです。
今後介護職でキャリアアップを考えていたり、長く働き続けたいと考えているのであれば、ぜひ管理者を目指してみてください。
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