「介護職に就きたい」という人も多いことでしょう。
高齢化社会において社会的な意義は大きく、大変やりがいのある仕事といえます。
そのため学生時代から介護関連の資格を取得し就活に備える人もいるわけですが…現場での実務には辛いこともあり悩みを抱える人が多いのも事実。
そこでこの記事では、これから介護職に就こうと考えている人のために、介護の仕事のやりがいと悩みについてご紹介します。
また、「介護サービスの種類」について詳しく知りたい方は、こちらで解説を行っていますのでぜひ確認してみてくださいね。
介護の仕事とは
介護の仕事とは、主に高齢者を対象とし、介護保険施設や老人ホーム、通所介護事業所、自宅、病院などにおいて身の回りの世話や相談援助等のサービスを提供することをいいます。
勤務先や業務内容によっては夜勤や土日出勤があり、そのハードな業務と待遇の悪さから長い間従事者が少ないままでした。
しかしながら高齢化が進んだことと国が待遇改善に乗り出したことで状況が一変。まだまだ改善の余地はあるものの、安定した職業の一つであり就職を希望する人が増えてきました。
そんな介護の仕事には大きく分けて6つのサービスがあります。
- 自宅で行う介護サービス
- 施設に通ってもらって行う介護サービス
- 生活環境を整えるための介護サービス
- 施設で生活する人に行う介護サービス
- 介護予防のためのサービス
- 介護計画をつくるサービス
これらを分類すると、
- 身体介護
- 生活援助
- その他の支援
という3つに分かれ、それぞれ求められる能力が異なってきます。
身体介護
身体介護とは要介護者の身体に直接触れて身の回りの世話をすることをいいます。
<主な身体介護>
- 入浴介助:髪や体を洗う補助
- 排泄介助:トイレでの介助やオムツの交換
- 移動介助:車いすなどを使って移動を援助
- 食事介助:食事及び食事に付随することの補助
- 更衣介助:着換えの補助
要介護者の状態によっては力仕事になることもあり、一人に接する時間が長くなるのが特徴。
そのため体力はもちろんのこと、コミュニケーション能力も求められます。
生活援助
生活援助とは要介護者の体をに触れないで行う世話のことをいいます。
<主な生活援助>
- 洗濯
- 掃除
- 調理
勤務先や勤務形態にもよりますが、身体介護と兼ねることの方が多く、「生活援助しかやりたくない」という考えでは就職先の選択肢が狭まってしまうことでしょう。
その他の支援
支援業務には様々な種類があります。
<主な支援業務>
- リハビリ
- レクリエーション
- メンタルケア
- 介護プランの設計
- 介護用具の貸し出し・管理
上記のなかで一番難しいのはメンタルケアです。
要介護者との信頼関係構築が大前提であり、その上でしっかり話を聞いてあげることと正しく理解して適切なケアをしてあげることが必要。
要介護者の気持ちはその立場になって考えないとなかなか理解できませんから、まさに人間力が問われる仕事といえます。
なお、勤務先によって提供しているサービスとしていないサービスがあります。
介護の仕事のやりがい
ご紹介した通り、介護の仕事には辛いことや難しいことがたくさんあります。
それゆえ敬遠する人も多いのですが、仕事にやりがいを求める人にとっては大変有意義な職種です。
<主なやりがい>
- 感謝される
- 資格があれば1年目でも給料が高い
- 実務に応じてスキルアップする
感謝される
介護の仕事のやりがいといえば何と言っても「感謝される」ということでしょう。
介護の仕事は要介護者と正面から向き合わなければ成立しません。ある意味二人三脚ともいえお互いに愛着がわきます。なかには「孫と話しているようで楽しい」と言ってくれる要介護者も。
このように、要介護者は質の高い生活を提供してくれる介護士に対して感謝の気持ちを持っています。
また、要介護者の笑顔や元気な姿をみた家族からも、「いつもよくお世話してくれてありがとう」と感謝の言葉が。どの業界でも相手から感謝されることはありますが、最上級の感謝を得られる仕事はごくわずか。
介護の仕事はまさにそのなかの一つであり、「人の役に立ちたい」という気持ちが強い人には大変おすすめの業界です。
資格があれば1年目でも給料が高い
つい数年前まで介護の仕事は「給料が安い」と言われてきました。実際、平成27年の厚生労働省の調べでは介護福祉施設の介護士の給与(勤続1年未満の者を含む)は平均で184,580円(諸手当含まず)となっています。
しかしながら、年々待遇の改善が進んでいることは事実。
令和2年に厚生労働省が発表したところでは勤続1年目の介護職(資格所有者)の平均月給は270,740円(諸手当込み)となっており、今後もさらなる待遇改善が期待できます。
ちなみに、大卒の初任給は平均で226,000円。
残業などの手当がついても270,740円を超える可能性は低く、資格を持った状態で就職すれば高学歴の人と同等の給料を受け取ることができます。
コロナ禍で新卒・既卒ともに就職難となっていますが、学歴に左右されることなく1年目から高収入を得ることができるというのは大きな魅力といえるでしょう。
実務に応じてスキルアップする
介護職は実務経験を積むことで介護福祉士という国家資格を取得できます。
そこからさらにケアマネージャーなどへのキャリアアップが可能。もちろん、社内での昇格も資格と勤務年数に応じて期待できます。
ここで考えて頂きたいのは、介護職には一般的な企業にありがちな「成績」による評価がないこと。「営業成績1位だから支店長になった」「○○販売数が多いからエリアマネージャーに抜擢された」などといった成績ベースの人事評価は基本的にありません。
なのでいわゆる営業が苦手な人でも出世が見込めるのです。
日々の実務経験と勉強が将来の成功へと繋がるわけですから、そう考えるとやる気もおきてくるのではないでしょうか。
介護の仕事の悩み
やりがいに満ちた介護の仕事ですが、実は悩みの多い仕事でもあります。
無論、どんな職業でも悩みはあるわけですが、介護ならではという悩みも多く、就職する前に正しく理解しておくべきです。
重労働
介護の仕事では身体介護が欠かせません。そしてその身体介護の内容をイメージしてみると、かなりの重労働であることが分かります。
要介護者は体の自由がきかないことが多いため、体を起こす、移動する、食事する、排泄する、入浴するなど様々な動作で介助が必要。
要介護者の体重が50kgとしてその半分の重さを支えた場合、約25kgの物で筋トレしているのと同じことになります。
しかも筋トレとは違って無理な体制で作業を行うことが多いため、腰や背中、膝などに負担がかかるのです。中高年の女性介護士などはこの点で限界を感じることもあるでしょう。
こうした悩みを解決するには出世して身体介護を行わない職務につくのが一番。
体の無理がきくうちにケアマネジャーや生活相談員、サービス提供責任者、施設長などの管理職に昇格し、第一線から一歩下がった仕事で要介護者をサポートしていくと良いでしょう。
資格が取れないと給料が少ない
さきほど「勤続1年目の介護職の平均月給は270,740円」とご紹介しましたが、これは有資格者と無資格者を合わせた平均値。
無資格者だけの平均月給は261,600円(諸手当込み)となり、介護職全体の平均月給を大幅に下げていることが分かります。
また、難易度の低い資格しか持たずに勤続年数だけが増えていった場合は、給料はほとんどのびません。厚生労働省が発表した調査結果によると勤続5年以上で295,450円、勤続10年以上で334,140円です。
このことから、介護職で将来的に稼ぐためには資格取得が必須だと分かります。
日々の実務で疲れ果てているとは思いますが、それでもコツコツと勉強していかないと数年後には「年齢の割には給料が安い」「ほとんど昇給していない」という事態になってしまうのです。
夜勤が大変
勤務先によっては夜勤があることも想定されますが、これの辛いところは生活のリズムが乱れるということ。
人手不足のところになると夜勤明けからの日勤になることもあり、フラフラになりながら仕事をこなしている介護士もいます。
夜勤手当てが付くのでデメリットばかりではありませんが体力的に厳しいのは間違いありません。20代のうちは問題なくても40代、50代になってくると「しんどい」と感じることでしょう。
その他、小さい子供がいる女性介護士もかなり大変なはず。
これらの点で不安がある人はサービス提供が日中だけの企業を選ぶようにしましょう。
休みが少ない
介護の現場は慢性的な人手不足。そのため「休みが少ない」と不満を訴える人が大勢います。
各社の募集要項をみれば「週休二日制」「有給休暇20日」などと書かれてはいますが、これはあくまでも制度上の話。実際には有給休暇の申請を断られたり、週二日の休みが取れなくて買取になったりします。
こうした状況は頻繫におこるので、就活する際は募集要項を読むだけでなく、現場の様子もしっかり把握することが大事。
後述しますが、就活・転職サイトのなかには現場の情報を伝えるサービスを提供するところもあるので、そういった情報をもとにしっかり休みが取れる企業を選ぶようにしましょう。
職場の人間関係がギクシャクしがち
介護の現場では10代から60代まで幅広い年齢層の人が働いており、職務の異なる複数の人が介護に関わっています。
その結果起こりがちなのが職場の人間関係の悪化です。
誰が悪いというわけではなく、それぞれが自分の考え方、立場、責務から行動した結果、利害関係が一致しないということが起こってしまうのです。
この状況を防ぐ一番の方法は、自分自身が職場の中和剤になること。
人間関係は一種の科学反応なので、たとえ人間関係の悪い職場であっても社員が一人増えることで雰囲気が変わることがあります。もちろん、このスキルは要介護者との関係性を築く上でも大事。
介護の仕事を長く続けるにはこうした人間力を身に着けることが肝心ですよ。
介護職希望者におすすめの就活サイト
「介護の仕事の悩み」でもご紹介した通り、介護士にはたくさんの悩みがあります。そしてそれらの悩みのいくつかは職場環境が関係しています。
つまり、悩みを減らすには環境の良い企業を探すことが重要。
できるだけ多くの求人に目を通し、より多くの情報でそれらの案件を精査していかなければなりません。そこで重要になってくるのが就活サイトです。
以下でおすすめの就活サイトを3つ紹介するので、これらを使ってより良い企業を見つけてくださいね。
きらケア:レバレジーズメディカルケア株式会
きらケアは事前に面接対策を実施し、実際の面接にも立ち会ってくれるのが特徴の転職サイトです。
さらに有休消化率などといった面接では聞きにくいことも事前情報として教えてくれます。そのため確度の高い転職活動が可能。
求人案件数はさほど多くはありませんが、この手厚いサポートを考えれば是非とも登録しておきたいところです。
介護レポ:株式会社repo
介護レポは応募企業の内部情報を知るのに有効な転職サイトです。
職場の雰囲気や人間関係、教育体制、資格取得支援制度など、介護士として気になる情報をきっちり教えてくれます。
「新しい職場の環境が気になる」という人は介護レポで細かい情報を精査してから応募すると良いでしょう。
*引用元:https://www.repo.co.jp/kaigolp/
マイナビ介護:株式会社マイナビ
マイナビ介護は求人案件数が非常に多い介護職専門の求人情報サイトです。
実に5万件以上もの求人案件が常時掲載されており、応募先に困ることはありません。
当然、各応募先を比較し、給料や勤務形態、勤務地などの面でより良いところを選ぶことが可能。サポートもしっかりしており、電話やメールを使ってキャリアアドバイザーにキャリアプランや給料のことを相談できます。
*引用元:https://kaigoshoku.mynavi.jp/
悩みを排除しつつやりがいを追及できる職場探しを
この記事では、介護の仕事におけるやりがいや悩みについてご紹介しました。
介護は非常にやりがいのある仕事ですが、悩みを持つ人が多いのも事実。あまりにも悩みが多いとストレスになり仕事を継続するのが困難になります。
そのため、悩みの種となりそうなことを排除しつつやりがいを追及するのがポイント。
ご紹介した3つの転職サイトを使えばそれが可能なので、介護業界で働くことをお考えの方はぜひ登録してみてください。