介護福祉士は介護資格で唯一の国家資格であり、介護職の方が多く目指している試験です。
介護福祉士試験の合格率は一般的に高めに設定されているといわれています。
この記事では、介護福祉士試験の合格率や合格方法について解説しています。
介護福祉士はしっかりと勉強対策すれば合格できる試験です。
また、資格取得に便利なサービスや転職などで介護福祉士の資格を活かす方法なども合わせて解説していきます。
介護福祉士の資格をとって介護の仕事に役立てましょう!
介護福祉士の合格率は高い?
介護福祉士は介護の資格で唯一の国家資格です。
国家資格で人気あるため、難関の資格ですがその合格率は決して低くありません。
介護福祉士の合格率や介護福祉士の試験内容について見ていきましょう。
介護福祉士は介護職唯一の国家資格
介護福祉士は数ある介護資格の中でも唯一の国家資格です。
国家資格は国が運営している試験のことで、高い証明力を持っている試験です。
国家資格とは
国家資格とは法律に基づいて国が運営している資格のことです。
国が運営しているということで社会的な信用性も高く、国家資格を持っていれば信頼できる介護ワーカーとして活躍可能。
国家資格の他に、「公的資格」と「民間資格」があります。
公的資格とは国家資格と民間資格の中間に位置づけられるものであり、地方自治体や公益団体などが運営しています。
一方で、民間資格は民間団体や企業が運営する資格です。
介護福祉士の合格率は60~70%
介護福祉士の合格率は65~70%です。
一般的な国家資格は合格率が10%前後という資格も珍しくないのですが、介護福祉士は国家資格の中では合格率が高めといえるでしょう。
直近5年の合格率は70%超え!
直近5年の合格率は5年中4年が70%を上回っており、受験者の多くが合格をつかみ取っています。
介護福祉士は誰でも受験資格があるわけでなく、一定の実務経験や研修が必要になるため、このような高い合格率になっているのでしょう。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
令和2年(2020年) | 84,483 | 59,975 | 71.0% |
令和元年(2019年) | 84,032 | 58,745 | 69.9% |
平成30年 | 94,610 | 69,736 | 73.7% |
平成29年 | 92,654 | 65,574 | 70.8% |
平成28年 | 76,323 | 55,031 | 72.1% |
介護福祉士の仕事内容
介護福祉士の資格を持っていると介護のプロフェッショナルとして様々な介護現場で活躍できます。
介護施設などで働く「施設介護員」や、サービス利用者の自宅を訪問する「訪問介護員」として働くなどの方法があります。
また、介護従事者としてスキルアップしてケアマネージャーなどの試験に挑戦するなどの進路も人気です。
関連する資格
介護資格には様々なものがありますが、段階的にステップアップしていくことをおすすめします。
特に、介護福祉士の試験を受けるには介護職員実務者研修としての研修が必要です。
また、介護福祉士の試験を合格した後は更にスキルアップするために、ケアマネージャーの試験に挑戦するという人も多いです。
介護職員実務者研修
介護職員実務者研修は、所定の研修を受けることで介護実務に役立てる資格です。
介護職員実務者研修は450時間のカリキュラムをこなす必要があり、修了試験に合格すれば「介護職員実務者研修」の資格者として介護現場で活用できるほか、介護福祉士の受験資格を1つクリアすることになります。
ケアマネージャー(介護支援専門員)
ケアマネージャー(介護支援専門員)はケアプランを作成し、介護サービスのマネジメントを行う仕事です。
介護福祉士など所定の国家資格として5年間以上の実務経験が必要であり、介護福祉士の上位資格として人気があります。
ケアマネージャーの試験内容や、ケアマネージャーの仕事については以下の記事も参照ください。
-
-
ケアマネジャー(介護支援専門員)とは?必要な国家資格など資格取得方法、仕事内容を調査!
「ケアマネジャーはどんな仕事をするの?」 「ケアマネジャーになる方法は?」 介護の仕事と聞くと「ケアマネジャー」を思い浮かべる人も多いのでは? ケアマネジャーは介護職の一つの到達点として、目指している ...
続きを見る
介護福祉士の試験は年に一回!合格基準は?
介護福祉士の試験は年に一回、1月ごろに実施されます。
試験内容は筆記試験と実技試験に分かれ、合格点に達した人が介護福祉士として登録可能。
筆記試験に合格した人は実技試験に進める2段階の受験となっています。
実技試験は東京、大阪でのみ開催されます。
介護福祉士の試験内容
介護福祉士の試験内容は公式HPなどで公開されています。
その他、受験要綱なども毎年公式HPで公開されているので、忘れずに受験手続を行いましょう。
筆記試験の内容
筆記試験の試験内容は以下の通りです。
介護実務に関する知識の他、社会福祉全体の観点から仕事をするうえでの倫理観についても出題されます。
出題は選択式となっており、複数の回答から1つ以上の正答を選ぶ内容です。
およそ60%以上の正答率をクリアすれば合格できるといわれていますが、基本的な内容を押さえておけば合格できる内容といえます。
[領域:人間と社会] | 人間の尊厳と自立 |
[領域:人間と社会] | 人間関係とコミュニケーション |
[領域:人間と社会] | 社会の理解 |
[領域:介護] | 介護の基本 |
[領域:介護] | コミュニケーション技術 |
[領域:介護] | 生活支援技術 |
実技試験の内容
実技試験においては、介護に関する実技を試験で確認します。
受験ルートによっては実技試験を免除されるため、ご自身の受験ルートで実技試験の対策をしておく必要があるか、あらかじめ確認しておきましょう。
[領域:こころとからだのしくみ] | 発達と老化の理解 |
[領域:こころとからだのしくみ] | 認知症の理解 |
[領域:こころとからだのしくみ] | 障害の理解 |
[領域:こころとからだのしくみ] | こころとからだのしくみ |
[領域:医療的ケア] | 医療的ケア |
[総合問題] | 総合問題 |
介護福祉士の試験日程
令和3年度の試験は令和4年1月30日に行われます。
ただし、受験申込は前年の8月など早めに締め切られます。
「受験するつもりだったのに、受験の申し込みを忘れていた…」ということがないように、しっかりと手続きを進めましょう。
介護福祉士の受験資格
http://www.sssc.or.jp/kaigo/shikaku/route.html
介護福祉士の受験資格は少し複雑で、様々な受験資格ルートがあります。
それぞれ、ご自身に合ったルートを選択して受験資格を得ましょう。
- 養成施設ルート
- 実務経験ルート
- 福祉系高校ルート
- 経済協定(EPA)ルート
養成施設ルート
養成施設ルートでは、高校を卒業後に介護福祉士養成施設に一定の期間以上通学することで受験資格を得られます。
実務経験ルート
実務経験ルートでは、介護に関する実務経験を3年以上経たうえで、介護職員実務者研修などの研修を受講することで受験資格を得られます。
福祉系高校ルート
福祉系高校ルートでは福祉系高校を卒業することで受験資格を得られます。
平成21年度以降の入学者では実技試験を免除されます。
経済協定(EPA)ルート
経済協定(EPA)ルートではアジア(ベトナム)など諸外国の介護従事者のためのルートです。
介護実務に3年以上従事したうえで、試験を合格すれば日本人と同じように介護職に従事できます。
介護福祉士の試験対策
介護福祉士は試験対策をしっかり行えば合格できる試験内容です。
試験に合格するには、過去問などを解いて攻略することがおすすめ。
市販のテキストで勉強するほか、資格スクールなどを活用して情報を集めることで、介護福祉士の試験を突破できるでしょう。
過去問で対策
介護福祉士試験では過去に行われた試験の問題、いわゆる過去問が公開されています。
基本的な事項の勉強が完了したら、過去問を解いてみて自分の実力を試してみるのもいいでしょう。
過去問はどこで確認できる?
介護福祉士の過去問は公式HPから確認できます。
なお、介護福祉士の過去問については以下のページで公開されています。
http://www.sssc.or.jp/kaigo/past_exam/index.html
人間の尊厳と自立 |
人間関係とコミュニケーション |
社会の理解 |
介護の基本 |
コミュニケーション技術 |
生活支援技術 |
介護過程 |
発達と老化の理解 |
認知症の理解 |
障害の理解 |
こころとからだのしくみ |
医療的ケア |
総合問題 |
市販テキストで対策
過去問などの情報は市販のテキストでカバーできます。
書店や通販などでテキストや問題集を揃えることで資格取得に必要な知識が身に付きます。
以下は、2022年試験対策で市販されているテキストや過去問、問題集などです。
介護福祉士の受験を突破するための情報が網羅されるため、受験される方は参考にしてみてください。
出版社 | 商品名 |
介護福祉士国家試験受験対策研究会 | 介護福祉士国家試験過去問解説集2022 |
いとう総研資格取得支援センター | 見て覚える!介護福祉士国試ナビ2022 |
介護福祉士国家試験受験対策研究会 | 介護福祉士国家試験模擬問題集2022 |
TAC介護福祉士受験対策研究会 | みんなが欲しかった! 介護福祉士の教科書 2022年 |
医療情報科学研究所 | クエスチョン・バンク 介護福祉士国家試験問題解説 |
資格スクールで対策
資格をとるなら資格スクールで対策!
資格スクールでは介護福祉士に必要な知識を身に着け、実習を得られます。
スクールでは分かりづらい箇所の解説など資格取得に向けて充実のサポートを受けながら学習を進められます。
自分に合った資格スクールを選んで資格取得に繋げましょう。
シカトル
「シカトル」は資格スクールを比較できる介護専門の資格サービスです。
介護資格を取得できる資格スクールはたくさんありますが、シカトルでは様々なスクールから情報を集めてスクールを比較できます。
介護福祉士はもちろん、介護に役立つ資格も取得できるので自分に合った資格スクール選びの役に立ててください。
三幸福祉カレッジ
「三幸福祉カレッジ」は介護の資格に特化した介護資格スクールです。
介護福祉士はもちろん、介護職員実務者研修やケアマネージャーなど様々な人気の介護資格を学習できます。
介護の資格学習のほか、転職支援を行っているため未経験の方も安心して学習を進められるでしょう。
介護福祉士の転職事情
介護福祉士の資格を持っていれば、優秀な介護人材として認められます。
転職活動をすることで理想の職場に転職できるので、積極的に転職活動を検討してみてください。
転職エージェントを活用する
転職エージェントの活用がおすすめ。
転職エージェントとは、介護人材を募集する企業と、介護人材の仲介に立って転職をサポートする存在です。
特に、初めての転職活動だと何から手を付けていいか、面接をどう突破すればいいか悩んでしまうかもしれません。
書類添削や面接対策などを行ってくれるほか、労働面での条件交渉をしてくれる場合もあります。
利用は無料なので、少しでも転職活動を考えている人は積極的に転職エージェントに登録してみましょう。
きらケア
「きらケア」は介護専門の転職サービス。
「未経験OK」や「無資格OK」など、未経験者の方も転職しやすい環境で求人を見つけられます。
「週休2日」「残業少なめ」などこだわりの条件から求人を探せるので、自分に合った理想的な働き方を実現できるでしょう。
介護福祉士などレベルの高い資格を持っている人は、好条件の求人を見つけやすくなります。
年収を上げるべく、転職活動で自分のスキルを試してみましょう。
マイナビ介護
「マイナビ介護」はマイナビグループの介護専門転職サービス。
人材業界大手のマイナビならではの充実したノウハウを活かした転職支援サービスを受けられます。
例えば、履歴書の添削や面接対策など、転職活動に必要な対策をとることで選考の通過率を上げられます。
資格をとって介護の仕事をしよう!
介護福祉士の合格率について見ていきました。
介護福祉士は難関の試験ですが、しっかりと試験対策をすれば合格できる試験です。
介護福祉士の試験は介護資格で唯一の国家資格であり、社会的にも証明力の高い仕事です。
転職活動など介護職のキャリア形成にも大いに役立つものであり、資格を活用してキャリアの選択肢を広げることに繋がるでしょう。
資格をとるなら介護資格のサービス利用がおすすめ!
資格スクールを活用しながら試験対策を進めていき、資格取得に役立ててください!