通常、実務者研修を取得するには10万円以上など、まとまったお金が必要です。
実務者研修の講習を受ける際に、費用免除する方法はどのようなものがあるでしょうか?
実務者講習を受ける際には政府などの公的な支援を利用するのがおすすめです。
この記事では、実務者研修の受講に役立つ費用免除の制度を紹介していきます。
また、安い介護スクールなどの情報を比較していきます。
国や政府などが支援する費用免除の制度を利用しながら、実務者研修の取得を目指しましょう!
実務者研修の受講料金を費用免除する方法
実務者研修(介護福祉士実務者研修)は各都道府県で実施している、介護従事者向けの研修資格です。
一般的に、実務者研修の受講料は10万円程度かかるのが一般的となっています。
通常、実務者研修以外の資格を有しているかどうかで受講費用が異なります。
(参考:三幸福祉カレッジで実務者研修を取得する場合の受講費用)
無資格 | 142,670円 |
保有資格:初任者研修 | 109,670円 |
保有資格:ホームヘルパー2級 | 109,670円 |
保有資格:ホームヘルパー1級 | 84,700円 |
保有資格:介護職員基礎研修 | 40,700円 |
国や政府・自治体などの公的支援を受けることで、これらの費用を一部軽減できます。
実務者研修の受講料金を費用免除する方法には以下の手段があります。
- 介護福祉士実務者研修受講資金貸付制度
- ハローワークでハロートレーニング(公共職業訓練)
- 教育訓練給付制度
- 自治体の制度
- スクールの割引制度
これらの方法を活用することで、実務者研修の費用免除を受けながら資格取得を実現できます。
実務者試験の資格があれば、介護士としてスキルアップできるため、制度を活用しながら資格取得を目指しましょう。
介護福祉士実務者研修受講資金貸付制度を活用する
介護福祉士実務者研修受講資金貸付制度は実務者研修に必要な費用を自治体が貸し付けてくれる制度です。
無利子で借りられるうえに、一定の条件を満たせれば返済の免除を受けられます。
返金額の免除要件を満たせば、実質費用負担なしで実務者研修を取得できる制度となっています。
「貸付制度」という制度名称ですが、一定の条件を満たせば返金義務が免除されるため、実質的には実務者研修の費用免除を受けながら資格取得ができる制度です。
貸付の条件
本制度を利用するためには、その地区に住んでいるなど一定の条件を満たす必要があります。
例えば、東京都で貸付制度を利用するためには以下が条件です。
- 東京都内に住んでいる、あるいは東京都の実務者研修施設に在学している
- 申込日前日時点で介護等の業務に3年以上従事している
- 他県等が実施している修学資金の借り受けをしていない
- 介護スクール卒業後に介護福祉士として登録して2年以上東京都の指定施設等で従事する意思がある
貸付金額上限は20万円となっており、20万円以内であれば無利子で貸付を受けられます。
1.次のいずれかを満たしている
(ア)東京都内に住所を有している(住民登録している)
(イ)東京都内の実務者研修施設に在学している
(ウ)東京都内の介護事業所等にて介護業務等に従事している
(エ)実務者研修施設の学生となった年度の前年度に東京都内に住所を有していて、実務者研修施設での修学のため東京都外に転居をした
2.申込日前日時点において、介護福祉士国家試験の受験資格として認められる介護等の業務に3 年以上従事した(申込日前日までに従業期間
1,095日以上かつ従事日数540日以上を満たしている)※介護福祉士国家試験とは異なり、本貸付は「実務経験見込み」で申し込むことはできません
3.他県等が実施する同種の修学資金を借り受けていない
4.卒業後、介護福祉士として登録し、継続して2 年以上東京都内の指定施設等で介護業務等に従事する意思を有する
返金額免除
一定の条件を満たすことで、貸付制度の返金の免除を受けられます。
東京都の場合、以下の条件を全て満たす必要があります。
- 実務者研修施設を卒業
- 介護福祉士の国家試験に合格し、資格登録をする
- 東京都内の指定施設等で介護業務等に2年間継続して従事する
実質負担額なしで実務者研修の取得ができるため、人気の制度となっています。
申し込み方法
貸付制度の申し込みはお住まいの都道府県の福祉協議会で手続きを行います。
以下のリンクから各都道府県の福祉協議会のリンクにアクセスできるので、お住まいの申し込みを進める手続きとなります。
都道府県・指定都市社会福祉協議会のホームページ(リンク集)|全国社会福祉協議会
また、介護スクールの紹介が必要であり、東京都の制度では実務者研修施設長の推薦が必要です。
公共職業訓練を活用して費用免除する
公共職業訓練(離職者訓練)を利用して実務者研修の費用免除を受ける方法があります。
公共職訓練とは、雇用保険を受給している求職者の方が対象の制度です。
就職に必要な職業スキルや知識を習得するための訓練を実質無料で提供しています。
公共職業訓練(ハロートレーニング)の制度を活用することで、無料で実務者研修を受講できます。
ただし、一部テキスト代などは実費負担です。
公共職業訓練(離職者訓練)
主に雇用保険を受給している求職者の方を対象に、就職に必要な職業スキルや知識を習得するための訓練を無料(テキスト代等は自己負担)を実施しています。
※在職者や高等学校卒業者の方などを対象とした高度な職業スキルや知識を習得するための訓練も実施しています(原則、有料)。
教育訓練給付制度を活用して費用免除する
教育訓練給付制度を活用すれば、実務者研修の費用が一部免除されます。
教育訓練給付制度とは、雇用の安定と就職の促進を図るものとして受講費用の一部が支給される制度です。
雇用保険に加入中の方、もしくは退職してから1年以内の方が利用できます。
教育訓練給付制度には以下の3種類があります。
- 専門実践教育訓練
- 特定一般教育訓練
- 一般教育訓練
このうち、実務者研修は専門実践教育訓練に該当します。
専門実践教育訓練とは、労働者の中長期的キャリア形成に資する教育訓練であり、介護福祉士といった専門スキルを身に着けられる制度です。
教育訓練給付制度とは
教育訓練給付制度とは、働く方々の主体的な能力開発やキャリア形成を支援し、雇用の安定と就職の促進を図ることを目的として、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、受講費用の一部が支給されるものです。
申し込みに必要な書類と手続き
教育訓練給付制度を利用するには、ハローワークで所定の手続きを行う必要があります。
ハローワークで行う手続きに必要な書類は以下の通りです。
- 教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票(ハローワークで発行)
- ジョブ・カード(キャリアコンサルタントの面談で発行)
- 本人住所確認書類
- 写真2枚
- 銀行口座の情報がわかるもの
詳細な手続きについては、ハローワークで案内がありますので、案内に従いましょう。
専門実践教育訓練の対象スクール
すべての介護スクールが専門実践教育訓練の対象となっているわけでなく、一部のスクールが対象となっています。
専門実践教育訓練の対象かどうか確認するには、以下のリンクから実務者研修を講座を検索できます。
実務者研修のスクール選びについて、以下の記事で詳細について比較をしていますので、合わせてご確認ください。
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自治体の制度を活用して費用免除する
一部の自治体によっては、自治体の制度を活用して費用免除を受けられます。
例えば、東京都世田谷区では区内事業所等に介護職員等として就労していることなどを条件に、実務者研修の費用を負担する制度があります。
世田谷区では、以下の条件をすべて満たす場合に実務者研修の受講料が助成されるものです。
- 実務者研修の修了後、6ヵ月以内に区内事業所等に就労している
- 6ヵ月以上継続して就労中である
- 国や東京都などから同種の助成金等を受けていない
自治体の助成金は、国や都道府県などの助成金と重複して受けることはできません。
介護人材の確保及び育成・定着を支援するため、介護福祉士実務者研修の受講料を助成します。
以下のすべての要件を満たす方が対象です。
(1) 介護福祉士実務者研修を修了後、6ヶ月以内に【別表】で定める区内事業所等に介護職員等として就労していること。
※ 研修修了時、既に就労されている方(働きながら研修を受講した方)も対象です
※ 申請者の住所地は問いません(区外にお住いの方でも、区内事業所に就労していれば対象です)
※ 労働者派遣法により就労している方は対象になりません
(2) 研修修了後、(1)で就労した(している)区内事業所等で6ヶ月以上継続して就労中であること。さらに、登録ヘルパーの方は、従事時間が180時間を超えていること。
(3) 国や東京都、他の地方公共団体、公益団体等から同種の助成金等を受けていないこと。
世田谷区以外に同様の助成事業を実施している自治体として、以下の例があります。
お住まいの自治体が助成事業をしているかどうかは、各自治体に問い合わせください。
練馬区|介護職員実務者研修受講料助成(障害福祉サービス事業所)
中野区|2021年度介護職員実務者研修の受講費用助成事業の実施
スクールの割引制度を活用して費用免除する
介護資格スクールによっては、一定の条件を満たすことで受講費用が一部または全部免除される場合があります。
介護スクールには職業紹介所と連携しているところがあるため、資格スクールと職業紹介を併用することで実務者研修の取得費用が免除されるという仕組みです。
また、専門実践教育訓練の対象スクールを活用することによって、取得にかかった費用の一部がキャッシュバックされることがあります。
かいご畑のキャリアアップ応援制度
かいご畑の「キャリアアップ応援制度」では働きながら0円で介護資格が取れます。
介護実務者研修の場合、通常135,000円の受講費用が一定の条件を満たすことで0円となる制度です。
かいご畑は教室の運営と仕事紹介を同時に行っているため、かいご畑が紹介している仕事に就くことで受講費用を負担してくれるという仕組みです。
利用の流れとしては、仕事が決まってから実務者研修を受講することになります。
無資格・未経験OKの求人から仕事を見つけられるため、働きながら勉強をしたいという人におすすめの制度です。
三幸福祉カレッジ
三幸福祉カレッジでは実務者研修の教室運営と介護の仕事を紹介しています。
専門実践教育訓練の対象スクールとして指定されているため、費用免除を受けながら実務者研修の資格を取得できます。
資格取得だけでなく、仕事の紹介も行っているため、卒業後の就職・転職フォローも安心です。
シカトル
シカトルは無料で介護スクールの資料請求ができるサービスです。
受講料などの条件面のほか、お近くの介護スクールといった条件で自分に合った資格スクールを検索できます。
実務者研修は人気の資格であり、開講しているスクールは多数あるため、シカトルで資料請求をしてから介護スクールを選ぶことがおすすめです。
シカトルのサービス内容や使い方については、以下の記事も合わせてご確認ください。
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制度を活用しながら実務者研修を取得しよう!
実務者研修の資格について、費用免除を受けながら資格取得できる方法について紹介していきました。
実務者研修の費用免除を受けるには、以下の方法があります。
- 介護福祉士実務者研修受講資金貸付制度
- ハローワークでハロートレーニング(公共職業訓練)
- 教育訓練給付制度
- 自治体の制度
- スクールの割引制度
費用免除の制度には自治体の状況によって変わることがあるため、最新の状況については各都道府県や自治体に問い合わせください。
また、各スクールでは職業紹介と連携して実務者研修の費用を負担してくれる場合があります。
実務者研修は、通常10万円以上かかるため経済状況によっては受講が困難となる人もいるでしょう。
貸付制度やハローワークの職業訓練制度など、国や政府の支援制度を活用して費用免除しながら実務者研修の取得を目指してください。