「ヘルパー2級の資格があったら給料ってどれくらいになるの?」
「ヘルパー2級の介護士て、どんな職場で働いているの?」
そこで今回はヘルパー2級を有している介護士の給料と働いている場所について、詳しく解説します。
いま介護で働きながら勉強しているという無資格者さんも、ぜひヘルパー2級について知見を広げましょう。
またヘルパー2級と介護職員初任者研修との違いも解説しているので、参考にしてみてください。
◆本記事の要約
- ヘルパー2級を有している人の給料平均
- 正社員やアルバイトで給料を比較したときの差
- ヘルパー2級を持っている人が働いている場所
- ヘルパー2級と介護職員初任者研修の違い
今回の記事では主にヘルパー2級の給料について解説しますが、仕事内容などの詳しいことはこちらで紹介しています。
あわせて参考にしてみてください。
ヘルパー2級の給料(月収や年収)はどれくらい?
まずは本記事の主題、ヘルパー2級の給料について解説します。
- 正社員の場合
- アルバイト・パートの場合
今回は上記2点について、詳しくみていきましょう。
正社員の場合
正社員として勤務しているヘルパー2級の給料は、およそ年収252~336万円といわれています。
これは月収に直すと18~24万円で、出勤が確保されている正社員のヘルパー2級であればそこまで低待遇ではないでしょう。
しかしこれは賞与込みの金額であり、手取りは16~18万円程度となります。
もちろん所得税や社会保険料などを別途支払う必要がないので、それは正社員のメリットですよね。
ただヘルパー2級を取得しても多いとはいえない給料なので、さらに上位資格を目指すのが良いでしょう。
夜勤がある介護事業所で働いたり、資格を取得して手当を受け取ったりするのがおすすめです。
アルバイト・パートの場合
アルバイトやパートとして勤務しているヘルパー2級の給料は、時給1,200~2,000円といわれています。
飲食やレジなどの一般的なアルバイトやパートと比較すれば平均以上ですが、介護業界では決して高くありません。
ここまでヘルパー2級の給料に差があるのは地域性ということもありますが、1番の原因は仕事内容です。
後述しますが、生活援助と身体介護の担当によって時給は大きく変化します。
生活援助と身体介護ってなに?
生活援助は「利用者の日常生活をサポートすること」で、掃除や調理、洗濯、買い物代行が該当します。
一方、身体介助は「利用者に直接触れる介護のこと」で入浴や食事、排泄のサポートをします。
ヘルパー2級の新卒がもらえる給料(月収や年収)はいくら?
ヘルパー2級の新卒がもらえる給料(月収や年収)は、平成28年度の「介護従事者処遇状況等調査」を参考にしました。
ヘルパー2級の新卒給料は、介護職員で約17万円の月収が平均です。
何度もお伝えしたとおり、ヘルパー2級の給料を上げるには、資格取得や夜勤などの手当を利用することが近道といえます。
また新卒社員であれば給料は低いのですが、そもそも介護職員には40代の女性が多くほとんどが有資格者です。
つまり初任時の年齢がヘルパー2級の給料に反映されることは少なく、実力次第の業界といえるでしょう。
ヘルパー2級の給料はどうやって決められている?
ではヘルパー2級の給料は、どのように決定されているのでしょうか?
- 生活援助と身体介護で給料が変わる
- 実労働時間のみの給料で計算されることがある
- 額面給料の8割ほどが手取りになる
今回は上記の3つについて、解説します。
生活援助と身体介護で給料が変わる
先述した「生活援助」と「身体介護」について、もう1度おさらいしておきましょう。
生活援助と身体介護ってなに?
生活援助は「利用者の日常生活をサポートすること」で、掃除や調理、洗濯、買い物代行が該当します。
一方、身体介助は「利用者に直接触れる介護のこと」で入浴や食事、排泄のサポートが該当します。
生活援助は介護士以外でもできる、気軽な手伝いという位置づけ。
そのため東京の平均的な時給としては、1,200~1,400円程度になります。
それと比べて、身体介護は専門的な知識が必要なので1,300~2,000円と少し高めの時給設定です。
しかしどちらも介護士の仕事なので、ヘルパー2級として給料を高めていくのであれば介助内容を確認するのがおすすめ。
生活援助なのか、身体介護なのかで時給が変わる仕組みは上記のようなものでした。
実労働時間のみの給料で計算されることがある
ヘルパー2級を取得していると、事業所へ登録だけ済ませておいて依頼されたときに出勤する働き方もあります。
これを登録ヘルパーと呼ぶのですが、この場合は実労働時間のみの給料で計算されてしまう可能性も。
登録ヘルパーは自宅待機をしていて、仕事の連絡を受けてから利用者の自宅へと向かいます。
たとえばその際の移動時間は給料外での稼働になるため、なかなか稼ぎにくいかもしれません。
このような給料システムであることを、しっかりと理解しておきましょう。
額面給料の8割ほどが手取りになる
ヘルパー2級に限らず、介護業界の給料システムは額面の8割程度が手元に残ります。
ただ支給金額によって給料から控除される、労働保険、社会保険料、所得税、住民税などが差し引かれているだけなので安心してください。
額面給料の8割程度が手元に残ると理解しておくことで、不安やトラブルを避けることができます。
ヘルパー2級と介護職員初任者研修は何が違う?
つづいて、ヘルパー2級と介護職員初任者研修の何が違うのか解説していきます。
- 実習の30時間が撤廃されている
- 一部の医療行為を行える
- 筆記試験が追加された
介護職員初任者研修の紹介時に、旧ヘルパー2級と解説されることが多いのですが上記3つの違いがあることを覚えておいてください。
実習の30時間が撤廃されている
ヘルパー2級を取得する際は、実務で学ぶということで30時間の実習がありました。
しかし介護職員初任者研修では、この30時間の実習は撤廃されています。
代わりにヘルパー2級では42時間の介護演習を行っていたところを、90時間に増加。
実質、介護演習か実習かといった違いが生まれています。
一部の医療行為を行える
ヘルパー2級では擦り傷ややけどの処置など、簡単なものは行えても医療行為は禁止でした。
しかし介護職員初任者研修では、一部の医療行為が可能になります。
それが「痰吸引」と「経管栄養」。
これは介護職員初任者研修のみでは行えませんが、別途研修を受けることで可能です。
介護士として、より深い知識と技術が取得できるのが介護職員初任者研修となります。
筆記試験が追加された
ヘルパー2級では全カリキュラムを修了することで、資格を取得できました。
しかし介護職員初任者研修では、最終テストとして筆記試験に合格する必要があります。
ただ真面目にスクーリングと自宅学習をしている人であれば、そこまで難易度の高いテストではありません。
理解度を深めるための対策として行っているようです。
ヘルパー2級の資格を持っている人の就職場所はどこ?
ではヘルパー2級を取得している介護士は、どこで働いているのでしょうか?
今回は以下の施設を参考に、どのような仕事内容なのか調査しました。
- 老人保健施設
- 特別養護老人ホーム
- デイサービス
- 在宅介護事業所
- 登録ヘルパー
- 病院や医院
詳しく解説します。
老人保健施設
老人保健施設とは、リハビリテーションに特化した介護施設。
基本的には宿泊施設で、在宅復帰を目指す利用者が医療サービスを受ける場所です。
ここではヘルパー2級を取得している介護士が「理学療法士の指示を受けてリハビリテーション業務を行う」可能性があります。
リハビリが目的のため3カ月以内で退所する利用者が多く、ヘルパー2級介護士は短期間で1人ひとりのメニューを把握するという大きな特徴も。
交替勤務で24時間体制なのは、ここから解説する特別養護老人ホームと変わりません。
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームとは、常に介護が必要な状態の利用者が入所する施設。
寝たきりや重度の認知症を患っているなど、一般人では介護が難しい状態の高齢者が多く利用しています。
ヘルパー2級の介護士は、特別養護老人ホームで以下のような業務をします。
- 食事介助
- 排泄介助
- 入浴介助
- 移動介助
- 体位変換
- シーツ交換
他にもありますが、基本的な仕事は上記のような身体介護です。
先述したとおり、24時間の交替勤務となっています。
デイサービス
デイサービスとは通所介護のことで、重度の症状を持つ利用者がいないのが特徴的。
保育所に似たような環境で、和気あいあいとしているため働きやすいです。
デイサービスでのヘルパー2級の業務内容は、以下。
- 食事介助
- 入浴介助
- 日常動作訓練
- レクリエーション
- 送迎
- 見送り
- 本日の様子をご家族に報告
他の介護施設と異なるのは、日常的に利用者のご家族と接する点です。
直接的な介護ではありませんが、毎日あるヘルパー2級の業務なので覚えておいてください。
在宅介護事業所
在宅介護事業所とは、訪問介護員が利用者の家に伺う介護方法。
ケアマネージャーが立てたプランを共有し、ヘルパー2級の介護士が直接サポートをします。
ヘルパー2級の介護士が、在宅で行う業務は以下の9つ。
- 食事介助
- 入浴介助
- 排泄介助
- シーツ交換
- 体位変換
- 掃除
- 調理
- 洗濯
- 買い物代行
俗にいう生活援助と身体介助をどちらも行い、その利用者に合わせた内容をサポートします。
登録ヘルパー
登録ヘルパーは、事業所からの仕事依頼を受け自宅から利用者の家へ向かう働き方。
毎日出勤することがないため、変動を好む人にはメリットです。
しかし出勤保証がないため、ヘルパー2級の資格を持っていても毎月の給料は不安定な面も。
主に副業などで登録している介護士が多く、仕事内容は在宅介護と変わりません。
病院や医院(院内の看護助手など)
病院や医院で働く場合は、看護助手として活動します。
身体介助の面が強く、比較的元気な患者とは一緒に散歩に行くことも。
介護の前線で働きたいという方にはぴったりの職場で、今まで紹介してきた業務内容を全てこなす必要があります。
忙しく、シフトもかなり頻繁に入ることになるため、主婦や副業の方は難しいでしょう。
ヘルパー2級の資格は給料UPや転職に有利?
ヘルパー2級の資格は、給料UPや転職に有利なのでしょうか?
今や廃止されてしまい、介護職員初任者研修となってしまったヘルパー2級の資格ですが以前に取得されたという方も多いでしょう。
そこでここからは、以下の2点について解説します。
- 介護業界は有資格者を重宝する
- 介護職員初任者研修の制定以前から業界にいる
なぜヘルパー2級の資格が給料UPや転職に有利なのか、その理由を詳しくみていきましょう。
介護業界は有資格者を重宝する
ヘルパー2級の資格が給料UPや転職に有利な理由、1つ目は「介護業界は有資格者を重宝する」から。
無資格、未経験者でも働ける介護業界では有資格者を重宝する傾向があります。
高齢者の増加とは反比例するように減少しているのが介護業界の実態なので、ヘルパー2級の資格を持っていることで給料UPにつながるのです。
また転職の際も、無資格者よりはヘルパー2級を持っている人を積極的に採用するのが基本。
そのため資格者は給料UPや転職に有利といえるでしょう。
介護職員初任者研修の制定以前から業界にいる
ヘルパー2級の資格が給料UPや転職に有利な理由、2つ目は「介護職員初任者研修の制定以前から業界にいる」から。
実は介護職員初任者研修に変更されたのは、つい最近のことでまだ歴が浅い資格です。
つまり廃止されたヘルパー2級を持っている介護士は、それだけ以前から業界にいたということ。
ヘルパー2級に加えて介護職員初任者研修を受けている人が好ましいですが、前者だけでもかなりの即戦力になります。
ヘルパー2級を取得していることはベテラン介護士を表すことにもつながるので、転職に有利といえるでしょう。
まとめ|ヘルパー2級の給料UPには資格が大切
今回はヘルパー2級を有している介護士の給料と働いている場所について、詳しく解説しました。
ヘルパー2級を取得しているだけで給料UPのチャンスや、手当をもらえる可能性があります。
未経験で無資格でも働けますが、最低限ヘルパー2級(現:介護職員初任者研修)を持っておくのがおすすめです。
本記事ではヘルパー2級について取り上げましたが、当サイトでは主に介護について取り上げています。
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