介護業界の場合雇用形態によって待遇が異なることを知っていますか?
この記事では「介護業界の雇用形態」について解説していきます。
結論、安定して勤務をしたい場合は正社員がいいですが、介護業界は人材不足もあるので職につけないことは少ないです。
介護業界での勤務を検討する際、わかりづらい「雇用形態ごとの違い」を調査した結果をまとめたので、ぜひ見ていただければと思います。
その他にも「パートと正社員の違い」の説明や、「雇用形態ごとのメリット・デメリット」について説明していきたいと思いますので、ぜひこの記事を読んで介護業界で勤務をいただければ幸いです。
介護業界の雇用形態
介護業界での働き方はおもに3パターン存在し、それぞれメリット・デメリットをもっています。
このとき、各雇用形態のメリット・デメリットは「その人の置かれた環境」によって違いがありますので、「この働き方は給料が低いから…」と1つの視点で考えるではなく、給料、仕事量、難易度、責任、生活など、みなさんの状況と照らし合わせて働き方を検討してみてください。
正社員
まずはよく聞く正社員としての働き方をご紹介します。
この雇用形態は、労働基準法に乗っ取った働きができるため基礎がしっかりとした雇用形態だと言えるでしょう。
他の雇用形態に比べて責任感のある内容となりますので、以下のメリット・デメリットを見て目指すべきか検討してみましょう。
介護業界の正社員のメリット
- 勤務時間(シフト)が会社の規定で決められているため、残業代が発生する
- 社会保険が整っており、健康保険や年金保険が充実している
- 毎年決められた日数の有給休暇が取得できる
- 経験と実力に応じてボーナスや昇給あり
介護業界の正社員のデメリット
- 人手不足の業界であるため、残業が発生しやすい
- 企業(職場)の状況によって給与の変動が起きやすい
- 人手不足のため、担当業務が多い
- 忙しいため、有給休暇が取得しづらい
派遣社員
派遣契約をして働く派遣社員も、介護業界で働くことが可能です。
この雇用形態には派遣期間が用意されているため、定期更新が必要など正社員とは違うポイントにメリット・デメリットが発生することを知っておきましょう。
介護業界の派遣社員のメリット
- 勤務時間を自由に選べる
- 勤務時間内(シフト)の労働内で動くため、残業が発生しない
- 有給休暇制度を受けられる
- 条件によっては社会保険が充実する
介護業界の派遣社員のデメリット
- 正社員に比べると給与が少ない
- 残業、ボーナスがないため、基本給のみで生活する必要がある
- 派遣期間終了時には更新が必要であり、手続きが発生する
- 昇給額が正社員に比べると少ない
パート・アルバイト
パートやアルバイトとして介護業界で働いていけば、単純作業などを担当しながら責任の少ない仕事を進めることができます。
ただし、その部分がメリット・デメリットのコントロールポイントになる場合もあるので、チェックしておきましょう。
介護業界のパート・アルバイトのメリット
- 勤務時間を好きに選べる
- 残業が発生しない
- 交通費が支給されやすい
- 必要な期間のみ働けるため、いろんな仕事を経験できる
介護業界のパート・アルバイトのデメリット
- 時給で働くこととなり、給与が少ない
- 有給休暇が取りづらい
- ボーナスや昇給がない
- 契約によっては社会保険を受けられない
厚生労働省発表の介護現場の現状
介護業界といえば、人手不足で有名な業界です。
しかし、少子高齢化が進む現代では、なくてはならない大切な業界であることから、求人等は多く出されています。
そこで、厚生労働省より公開されている「介護労働の現状」の資料を参考に、現在の介護労働の現状を整理したいと思います。
これから介護業界で働きたいという人がいらっしゃるのなら、まずは介護業界が今どのような状況なのかを把握したうえで、どういった雇用に就くべきか検討してみてください。
介護の離職率
介護業界の常勤労働者の離職率を見てみると、産業計全体の離職率が1割程度であることに対し、介護職員の場合は約2割と、通常の2倍の離職率となっています。
この理由としては、少子高齢化に伴う介護職の激務化が原因となっており、仕事内容のハードさや、介護対象者とのコミュニケーション、そのほか職場環境などに不満を持ち離職する人たちの割合が多いです。
ただし、その傾向も年々改善されつつあり、10年前の集計データと比べてみても離職率は減少傾向にありますので、今後さらに改善されていけば、産業計全体とほぼ同等の離職率に落ち着いていくと予想されます。
有効求人倍率
介護業界の有効求人倍率は、年々増加傾向にあります。
その理由は、少子高齢化が進む日本の人口推移がポイントにあり、世界で最も高齢化が進む日本では、介護職の人材が必要不可欠です。
平成25年以降の統計データの推移をみても、毎年増加傾向にあることから、これからも介護職の求人が増え続けると予想されます。
また、地域ごとの求人倍率を見てみると、人口の多い都市である東京都が最も求人数が多く、2位に愛知県、3位に奈良県と、関東・中部あたりの求人数が多いことが読み取ることが可能です。
他都道府県においても、産業計の全体平均を上回る形となりますので、今生活されている場所でも多くの介護職の求人を見つけることができるでしょう。
介護職を辞めた理由
介護業界の情報を見ていく中で一番気になるのが、「なぜ介護職を辞めてしまったのか」ではないでしょうか。
「介護労働の現状」の介護の仕事をやめた理由の資料を見ると、一番大きな部分に「職場の人間関係」が挙げられています。
コミュニケーションが必要となる職場ということ、職員数が多くグループが生まれやすい職場だということが挙げられ、人間関係のトラブルが起きやすい環境が原因です。
人間関係の問題は介護業界だけでなく、他業界でも問題視されるポイントとなりますので、今後の改善が必要不可欠だと言えます。
また、2番目に結婚・出産・妊娠・育児が挙げられ、介護業界の性別割合が男性3割、女性7割と、女性職員がかなり多いことから、結婚・出産・妊娠・育児の際に働けず辞めてしまう方が多いという状況です。
力仕事も必要となる仕事ですので、とくに妊娠中の方が働きづらい職場であるため、やめる理由の上位に挙がってくるものかと思われます。
介護職で正社員になるには?
「介護業界で働くならやっぱり正社員になりたい」
そう決意された方がまず知るべき内容を、以下にご紹介したいと思います。
各ポイントを理解しておけば、今すぐ正社員になれるかどうかを判断できますので、ぜひチェックしておきましょう。
介護関係の資格を持っている
介護業界で正社員になるためには、介護関係の資格を取得していることを要件とする職場が多くあります。
資格がなければ準社員、契約職員やパート・アルバイトとして働く必要がありますので、まずは自分に資格があるかを考えてみましょう。
もし資格をお持ちでなければ、いろんな求人情報をチェックして必要な資格を理解したうえで資格取得に向けた勉強・行動を起こしてみるといいでしょう。
未経験でも正社員になれる
資格を持っていれば正社員になりやすいと言えますが、全くの未経験であっても正社員として働くことが可能です。
その方法は、まず準社員として入社し、経験を経て正社員になる方法です。
介護業界は経験のある人ほど重宝されますので、長期計画をたてて正社員を目指してみるといいかもしれません。
また、お仕事の道中、資格取得を目指していけば、はやめに正社員になれる条件を満たせますので、多方面から正社員を目指してみてはどうでしょうか。
介護職でも正社員になれない人の特徴
「介護職で働くなら、正社員になりたいな」
そうお考えの方も多いと思いますが、以下の条件を満足できないと、正社員として働けない可能性があります。
もし正社員を目指して介護職に就くお考えなら、条件を理解したうえで正社員を目指していきましょう。
夜勤勤務ができない
介護職は、介護対象者のサポートを行うのがおもな仕事であり、場合によっては夜時間の緊急対応も発生するため、夜勤勤務による万全のサポートが必要となります。
シフト制の職場であれば昼勤と夜勤を組み合わせながら働くこともできますが、職場の状況・環境によっては夜勤勤務がメインになってしまうことも多いです。
夜働くということは、昼に働く人たちと動ける時間がずれてくることにも繋がってきますので、自分の生活環境、たとえば友人関係や休日の事を考えながら夜勤勤務が可能か考えてみるといいかもしれません。
ただ、夜勤勤務は昼勤勤務に比べて給与が高くなることから、金銭面もしっかり検討候補に加えておくといいでしょう。
資格を取得していない
介護業界によっては資格がなければ正社員として働けない場所も多くあります。
たとえば、介護業界の事務職で管理を行うために必要な「介護事務」という資格であったり、介護業界のチームリーダーとして働くために必要な「介護福祉士」など、正社員として働くためには、ある一定の資格が必要です。
ただ、経験年数がなくとも受けられる研修会にて取得できる資格も多数用意されていますし、介護業界で働きだしてから受験資格を得られる資格もあることから、あなたが働きたい介護業界の求人を確認して、どんな資格が必要で、その資格を取るためには何ができるのかを把握しておくといいかもしれません。
経験が浅い
介護職は介護対象者とのコミュニケーションやサポートが重要となるお仕事ですので、「人の身体を扱う責任」というものが出てきます。
まったく介護職の経験がない方がいきなり、責任を背負う正社員になるのは難しく、事前にある程度の介護経験がなければ正社員になれない場合も多いです。
自分より体重のある方をサポートしたり、足腰の悪い人を支えたりと、経験しておかなければサポートできない可能性も多いため、注意しておきましょう。
介護系の専門学校や養成施設で経験・知識を学べば正社員として働けるきっかけにもなりますので、いろいろと学ぶことからはじめてみるのもいいかもしれません。
介護職の正社員とパートの違いは?
介護職の正社員とパート、この2つの働き方の違いを挙げだすとキリがありませんが、みなさんに一番知ってほしい違いがひとつあります。
それは、社会保険制度や給与などワークライフバランスの基礎が大きく違ってくるというものです。
働くという際には、お金を稼ぐということがイコールで付いてきます。
介護職は他の業界と比べて給与が低いことが有名で、正社員であればある程度安定した収入を得ることができますが、パートなど時間労働である場合は、残業をすることができず、決められた収入しか得られません。
また、長く働いたとしても昇給やボーナスを得られないなど、働く会社(職場)の利益による恩恵を受けられないという部分にも違いがあります。
正社員であれば、経験年数に応じた昇給があったり利益が生まれた際のボーナスも期待できますが、パートだと全く対象とされないなど、基礎的な部分に大きな差が生まれます。
もちろん、責任の量・大きさに違いがあることから、仕事内容などが大きく違っているため、雇用形態を選ぶ際には、あなたがどういった働き方をしたいか、どういった生活を送りたいかを考えて検討していくように気を付けておきましょう。
雇用形態の違いを理解することによって、自分に合っている・合っていないが見えてきますので、ぜひ前項でご紹介したメリット・デメリットに今一度目を通しておきましょう。
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上記の内容から、「〇〇の雇用形態なら自分にあってそう」と考えた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
それなら次は、介護業界のお仕事を探すアクションが必要となります。
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