高齢者介護施設で働きたいと考えていませんか?
この記事では「高齢者介護で取得しておきたい資格」について解説します。
結論、高齢者介護をするなら、資格は取得しておいた方が良いです。
高齢者の介護は生活援助だけではなく、身体介護も必要になるため、実務としてのスキルを求められるでしょう。
他にも「高齢者介護施設の一覧」についても解説します。
ぜひ今回の記事を参考に、高齢者のサポートに役立てましょう。
また「介護サービスの種類」に関しては、こちらで解説していますのでぜひ確認してみてくださいね。
介護の資格を取得するなら、修了生数200万人以上のニチイをおすすめします。
全国に拠点があるため、アクセスも便利で、仕事をしながらでも通えるスクールです。
高齢者の介護施設は大きく2種類
高齢者の介護施設は、大きく下記の2つに分類されます。
- 民営施設
- 公営施設
それぞれの大きな違いは、運営元です。
運営元が違えば特徴も異なるので、以下で解説します。
民営施設
民営施設は、民間企業によって運営されている介護施設です。
多くは訪問介護事業や通所介護事業を行っている会社が運営していますが、近年では医療法人が運営している介護施設もあります。
主な民営施設は、有料老人ホームです。
居心地の良さを重視したり、おいしい食事内容にこだわったりなど、民間ならではの豊富なサービス内容で差別化を図っています。
民営施設は、公営施設と比べて入居しやすいというのもメリットのひとつです。
公営施設
公営施設は、国や地方自治体、社会福祉法人などが運営している介護施設です。
国が補助金を出しているため、入居費用や月額料金を抑えられるのが特徴。
施設によっては、低所得者に向けた補助も受けられます。
主な公営施設は、介護老人保健施設や特別養護老人ホームです。
医療ケアの体制が整っていて、リハビリのための手厚い支援を行っている施設もあります。
料金が安いので民営施設と比べて人気があり、エリアによってはすぐに入居できないというケースも多いです。
高齢者介護施設一覧
高齢者介護の資格を取得する前に、どのような介護施設があるか知っておきましょう。
高齢者介護施設は、大きく以下の11種にわけられます。
- ケアハウス
- 健康型有料老人ホーム
- 高齢者向け優良賃貸住宅
- シニア向け分譲マンション
- サービス付き高齢者向け住宅
- 介護老人保健施設
- 特別養護老人ホーム
- グループホーム
- 介護医療院
- 住宅型有料老人ホーム
- 介護付有料老人ホーム
目的や入居条件などが異なるので、各施設の特徴やサービス内容を紹介していきます。
ケアハウス
ケアハウスは、安価な費用で入居できる公営施設です。
自立して生活するのが難しい60歳以上の高齢者(夫婦はどちらか一方)を対象に、食事や介護のサービスを行っています。
主な特徴は次のとおりです。
- 栄養バランスを考慮した1日3回の食事提供
- 季節のイベントや運動行事などのアクティビティ
- 24時間スタッフがいるため、夜間を含めた緊急時にも対応可能
希望者が多いので、入居難易度が高いのがデメリットといえます。
できるだけ費用を抑えて介護施設に入居したいという要望に応えている施設です。
健康型有料老人ホーム
健康型有料老人ホームは、自立した60歳以上の高齢者を対象にした施設です。
本格的な介護を必要としていない健康な高齢者のための施設なので、活動支援が非常に充実しているのが特徴。
トレーニングルームやプール、カラオケなどの入居者が楽しめるような設備が備えられています。
施設数が少ないため入居難易度は高く、介護が必要になった場合は退去しなければなりません。
入居するケース多くの人は「今は健康だけど先々のことが不安なので生活支援を受けたい」「余生を楽しく過ごしたい」と考える人です。
高齢者向け優良賃貸住宅
高齢者向け優良賃貸住宅は、バリアフリーに対応した賃貸住宅を提供しているサービスです。
対象者は、60歳以上の高齢者のうち自立した人や軽度の要介護の人。
提供されるサービスは住宅によって異なり、提携事業者による見守りや生活支援が含まれている場合もあります。
住宅内には緊急通報装置が設置されているので、安心して過ごせるでしょう。
入居には初期費用(敷金)や月額費用が必要になりますが、家賃補助制度も用意されています。
家賃負担を減らして、暮らしやすい住宅で老後の生活を送りたい人に向いている施設です。
シニア向け分譲マンション
シニア向け分譲マンションは、民営事業者によって運営・販売されているバリアフリーの分譲住宅。
自立した人や軽度の要介護者が対象です。
住居内は高齢者が過ごしやすいように設計されており、施設スタッフによる次のような生活支援サービスを提供しています。
・見守り
・食事提供
・掃除や洗濯など身の回りの世話
・緊急時の対応
分譲形式なので、物件を相続・売却・賃貸することも可能です。
分譲価格に応じてさまざまな設備がありますが、基本的には富裕層向けといえます。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
サービス付き高齢者向け住宅とは、「サ高住」とも呼ばれる、見守りサービスや生活相談が受けられるバリアフリー設計の賃貸住宅です。
介護度が比較的軽く自立している高齢者が対象で、自宅とほぼ変わらない自由な暮らしを送れるのが特徴。
必要に応じて、食事の提供や掃除洗濯・身体介護などのサービスも受けられます。
住宅の供給量が多いので入居難易度は低めですが、一般的な賃貸住宅に比べて家賃は高い傾向です。
「身の回りのことはある程度できるけど、一人暮らしは心配」と考える高齢者の住み替え先として候補に挙げられます。
介護老人保健施設(老健)
介護老人保健施設(老健)は、要介護1以上で65歳以上の高齢者を対象とした施設です。
在宅復帰・在宅療養を目的とした、リハビリテーションや医療ケアを中心に行っています。
医師が常勤しているため、手厚い医療ケアを受けられるのが大きな魅力です。
入居費などの初期費用は無料で、月額料金のみがかかります。
月額料金のうち居住費・食費・介護サービス費は医療控除の対象となっており、所得に応じた減免措置も用意されているため、費用を抑えて利用できるのが特徴です。
長期入院が明けてから、自宅に戻るまでの期間に利用されるケースもあります。
特別養護老人ホーム(特養)
特別養護老人ホーム(特養)は、原則要介護3以上の高齢者を対象とした公営施設です。
初期費用は一切かからず、月額料金は数万円〜十数万円程度と安価に利用できるのが特徴。
サービス内容は法令によって定められているので、どの特別養護老人ホームに入った場合でも、以下のサービスが受けられます。
- 食事提供
- 週2回以上の入浴
- 掃除・洗濯
- 排泄の介助
- リハビリテーション
- 季節の行事やお出かけなどのレクリエーション
- 買い物の代行
入居期間は基本的に看取りまでとなっていますが、3カ月を超える入院が必要になった場合や、認知症によって周りの人に危害を加えるなどした場合には、退去を要請される可能性があります。
費用を安く抑えられるので人気の高い施設ですが、入居者が殺到しやすく入所待ちの期間は長引くケースが多いです。
グループホーム
グループホームは認知症の人のみを入居対象にした、5〜9人で共同生活をする小規模な介護施設です。
入居条件は下記のとおり設定されています。
- 65歳以上(65歳未満でも特定疾病をもった人は要相談)
- 要支援2、または要介護1以上の認定を受けている
- 医師に認知症と診断されている
- 集団生活をする上で支障のない人
- 施設と同じ市区町村に住民票がある
同じグループホーム内で暮らす入居者と、料理や洗濯といった家事全般の役割分担をしながら、自立した生活を目指します。
認知症に特化した施設のため、認知症に関する知識や経験を豊富にもっているスタッフがケアしてくれるのは、大きな魅力でしょう。
介護医療院
介護医療院は、要介護者向けの医療ケアと介護サービスが充実した介護施設です。
要介護1〜5の認定を受けた高齢者を対象とし、長期にわたる療養や看取りにも対応しているのが特徴。
医療ケアや介護サービスに加えて、日常生活の支援サービスも行われています。
個室のスペース配分やパーテーションには、プライバシーに配慮した規定が定められているので、快適な環境で生活を送れるようになっています。
入居者同士が交流できるレクリエーションも行われているので、認知機能の維持効果も期待できるでしょう。
ほかの老人ホームではカバーできないような、専門的な医療ケアを必要としている人に向いている施設です。
住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームは、施設スタッフによる生活支援や見守りサービスが受けられる介護施設です。
入居条件は施設によってさまざまですが、通常60歳以上の高齢者で、自立〜要介護5までの人を対象としています。
住宅型有料老人ホームで受けられる、主なサービス内容は次のとおりです。
- 食事提供
- 生活支援
- イベントやレクリエーション、体操などの活動支援
- 健康管理
- 緊急時の対応
- 見守り
- 生活相談
介護サービスには対応していないので、必要に応じてデイサービスや訪問介護などの外部サービスを利用します。
サービス内容や設備、入居費用は施設によって異なるため、入居者の生活スタイルや経済状況にあった施設選びが重要です。
介護付有料老人ホーム
介護付有料老人ホームは、24時間常駐するスタッフによる介護サービスが受けられる施設です。
入居条件は施設によって異なりますが、要支援1〜要介護5の高齢者を対象としています。
介護付有料老人ホームで受けられる、主なサービス内容は次のとおりです。
- 食事提供
- 生活支援
- レクリエーション、イベント
- 健康管理・医療行為・緊急対応
- 介護サービス
- リハビリテーション
負担する費用は要介護度によって定額制で決められているので、介護サービスを多く利用しても、要介護度に変更がなければ追加費用はかかりません。
介護が必要で、自宅での生活が難しい人に向いている施設です。
高齢者介護施設への勤務で取得しておきたい資格
高齢者介護施設に勤務するには、必ずしも資格がなければいけないわけではありません。
しかし、高齢者の介護は、身体介護を必要とする施設が多いため、以下の資格は取得した方が良いでしょう。
- 介護職員初任者研修
- 実務者研修
- 認知症介護基礎研修
- サービス介助士
- ガイドヘルパー
- 高齢者コミュニケーター
介護業界では資格は重要な役割を果たすものであり、取得している資格に応じて仕事の範囲や待遇が大きく変わってきます。
資格によって習得できる技術が異なるので、以下で特徴を解説します。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)は、介護の基礎知識やスキルを証明するための入門資格です。
取得するには、初任者研修講座を開講しているスクールで計130時間のカリキュラムを受講した上で、修了試験(筆記)に合格する必要があります。
土日開講コースでは修了までに3〜4カ月かかりますが、短期集中コースであれば最短1カ月での修了が可能。
未経験・無資格の人でも資格取得を目指せるので、これから介護を学びたいという人に、まずおすすめしたい資格です。
実務者研修
実務者研修は初任者研修の上位資格であり、基本的な介護提供能力の習得を目的としています。
介護福祉士国家試験の受験資格には「実務者研修の受講・修了」が義務付けられているため、介護福祉士へのキャリアアップを目指すなら必須の資格です。
取得するには、計450時間のカリキュラムを受講する必要があります。
受験資格はとくにないので、無資格でも実務者研修から受講できますが、初任者研修を修了していないと受講できないスクールもあるので注意しましょう。
認知症介護基礎研修
認知症介護基礎研修は、認知症への理解を深めてケアに必要な基礎的な知識・技術を習得するための研修です。
講義180分・演習180分の計6時間のカリキュラムとなっており、1日で受講できます。
2021年4月の介護報酬改定に伴い、以下の介護職員に認知症介護基礎研修が義務化されました。
- 認知症ケアに関わる介護従事者
- 医療・福祉関連の資格を取得していない介護従事者
修了試験はないので、1度受講すれば受講証明書が発行されます。
Web上で視聴して学習できる「eラーニング」を導入している自治体もあるので、気軽な受講が可能です。
義務化の対象者は、早めに受講しておきましょう。
サービス介助士
サービス介助士は、高齢者や障害のある人などのサポートを必要としている人に対して、正しい介助・サポート方法を学ぶための民間資格です。
「ケアフィッター」とも呼ばれています。
取得するには、自宅学習と課題提出・実技教習を経た上で検定試験への合格が必要です。
合格率は8割以上なので、比較的難易度の低い試験といえるでしょう。
航空会社・鉄道会社・商業施設など幅広い業種でサービス介助士の資格が導入され、活用されています。
ガイドヘルパー
ガイドヘルパー(移動介護従事者)は、一人での外出が難しい人に対して、適切なサポートを行うために必要なスキルを学べる資格です。
サポートする対象者の障害によって、取得する資格が以下の3つに分かれています。
- 全身性障害者ガイドヘルパー
- 視覚障害者ガイドヘルパー
- 知的・精神障害ガイドヘルパー
都道府県または市区町村が指定した研修を受講し、修了すると資格を取得できます。
修了試験はないので、試験が苦手な人も不安に感じる必要はありません。
「制限のある人たちの力になりたい」「社会に貢献したい」という人におすすめできる資格です。
高齢者コミュニケーター
高齢者コミュニケーターは、高齢者との話し方や聞き方などのカウンセリング技術を習得できる資格です。
学習カリキュラムを受講するだけでも取得できますが、講座修了後の認定試験合格を取得条件としているスクールもあります。
受講資格はなく、3カ月程度の通信講座で取得できるので、比較的難易度は低いです。
保有しているだけで、高齢者とのコミュニケーションスキルに関して一定の証明になるので、介護従事者を目指す人にとって使える資格といえるでしょう。
高齢者介護のために資格を取得しよう
高齢者介護を行うなら、資格取得を検討してください。
資格を取得している方が、より高齢者の役に立てます。
気軽に取得できる介護職員初任者研修のような資格から取得するのも良いでしょう。
ぜひ今回の記事を参考に、多くの高齢者のサポートを行ってください。
介護の資格を取得するなら、修了生数200万人以上のニチイをおすすめします。
全国に拠点があるため、アクセスも便利で、仕事をしながらでも通えるスクールです。