「介護サービスにはどんな種類ものもがあるの?」
「サービスごとに受けられる内容を知りたい!」
介護サービスをこれから利用する予定がある場合に、 上記のような悩みを抱えている方が多いかもしれません。
実際に介護サービスの種類は多く、なんと25種類ものサービスがあります。
一つづつサービスについて覚えるのは大変だと思いますが、もし自分の親や祖母が、介護が必要になった場合にあたふたしたくないですよね。
そこでこの記事では介護サービス25種類について、利用シーンごとに解説していきますのでぜひ参考にしてみてください。
- 自宅で生活しながら利用する介護保険サービス
- 自宅から移住して利用する介護保険サービス
- 介護保険外のサービス
主に上記の内容で解説していきます。
介護サービスは大きく分けて2つ
- 介護保険サービス
- 介護保険外サービス
介護サービスの種類は非常に多いです。
単に「介護」といっても、サービスの種類は25を超えます。しかし大きく分けると、上記の2種類しかありません。
介護保険サービス
「介護保険サービス」とは、介護保険が適用され利用料を一部負担することで利用できるサービスのこと。介護が必要な人が、1割〜3割の自己負担で介護サービスを利用することができる制度です。
(保険適用は原則として、要支援・要介護認定を受けている方に限られる)
介護保険外サービス
「介護保険外サービス」とは、介護保険が適用されずに利用料を全額負担して利用するサービスのこと。(原則、だれでも利用することが可能)
介護サービスを受ける人によって、サービス内容をオーダーメイドできるなどの自由度の高い介護を実現できることが特徴です。
介護保険サービスではまかなえないシニア層のニーズを満たすため、様々なサービスがあることを覚えておくといいでしょう。
介護保険サービス25種類をご紹介
介護保険サービスは要支援・要介護認定を受けた方が利用できるもので、たくさんの種類があります。こちらで25種類のものをご紹介するので、参考にしてみてください。
大きく分けると3種類のサービスに分けることができ、以下の通りです。
- 自宅で生活しながら利用できるサービス
- 地域密着型のサービス
- 自宅から移住して受ける介護サービス
在宅サービス
完全自宅のみで受けるものから、施設に通いながら受けるサービスがあり、介護を受ける本人や家族の状況に合わせて選ぶことができ、様々な組み合わせが可能です。
自宅でも利用できるサービス
サービスの種類 | 内容 | 要支援 | 要介護 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
訪問介護 (ホームヘルプサービス) |
ホームヘルパーが自宅を訪問。 入浴、食事、排泄などの身体介護をはじめ、調理や洗濯、掃除などの生活援助を受けることができる。 |
※ | ※ | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
訪問入浴介護 | 浴槽を積んだ入浴車で自宅を訪問し、自宅で入浴の介助を受けることができる。 | 1 | 2 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
訪問看護 | 看護師や保健師が自宅を訪問し、療養上の世話や診療の補助などを受けることができる。 | 1 | 2 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
訪問リハビリテーション | 理学療法士や作業療法士または言語聴覚士が自宅を訪問し、リハビリの指導を受けることができる。 | 1 | 2 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
居宅療養管理指導 | 医師や歯科医師・薬剤師などが家庭を訪問し、療養上の指導や管理を行う。 | 1 | 2 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
施設を利用するサービス
サービスの種類 | 内容 | 要支援 | 要介護 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
通所介護(デイサービス) | デイサービスセンターなどに通いながら、生活指導や日常生活訓練などを受けることができる。 | ※ | ※ | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
通所リハビリテーション (デイケア) |
老人保健施設や病院・診療所などに通い、理学療法士や作業療法士から入浴・機能訓練などを受けることができる。 | 1 | 2 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
短期入所生活介護 (福祉施設でのショートステイ) |
特別養護老人ホームなどに短期間入所し、介護や日常生活の世話を受けることができる。 | 1 | 2 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
短期入所療養介護 (医療施設でのショートステイ) |
老人保健施設などに短期間入所し、介護や必要な機能訓練を受けることができる。 | 1 | 2 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
特定施設入居者生活介護 | 介護付き有料老人ホームやケアハウス、サービス付き高齢者向け住宅などに入居している方が、施設が行う介護や日常生活上の世話などを受けることができる。 | 1 | 2 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
環境を改善するサービス
サービスの種類 | 内容 | 要支援 | 要介護 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
福祉用具貸与 | 車いすや特殊寝台、歩行器、リフトなどの福祉用具がレンタルできる。 | 1 | 2 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
特定福祉用具購入 | レンタルになじまない腰掛便座、特殊尿器、簡易浴槽などの入浴・排泄のための福祉用具の購入費用が年度ごとに10万円(うち自己負担1割※ を限度に支給される。 | 1 | 2 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
住宅改修 | 自宅の手すりの取付けや段差解消などの小規模な工事費用が、同一保険者・同一住宅で20万円(うち自己負担1割※)を限度に支給される。住宅改修は事前の申請が必要。 | 1 | 2 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
※65歳以上の方のうち、年金収入のみで280万円以上がある方の自己負担は2割となります。
ケアプランを作るサービス
サービスの種類 | 内容 | 要支援 | 要介護 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
居宅介護支援・介護予防支援 (ケアプランの作成) |
介護支援専門員(ケアマネジャー)が本人や家族の希望を尊重し、適切な介護サービスの利用計画(ケアプラン)を立てる。利用者の自己負担なし。 | 1 | 2 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
地域密着サービス
地域密着型サービスは、施設の指定~指導などを市町村が行うことで提供される介護サービスです。
- 自宅で利用
- 施設を利用
こちらも2つの方法で受けることができ、それぞれサービスが異なるので参考にしてみてください。
自宅で利用できるサービス
サービスの種類 | 内容 | 要支援 | 要介護 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
夜間対応型訪問介護 | 夜間にホームヘルパーが巡回、または通報により随時に訪問し、排泄などの日常生活上の世話や緊急時対応を受けることができる。 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
定期巡回・随時対応型 訪問介護看護 |
日中・夜間を通じて、1日複数回の定期訪問と随時の、介護・看護サービスを受けることができる。 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
施設を利用するサービス
サービスの種類 | 内容 | 要支援 | 要介護 | |||||
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認知症対応型 通所介護 |
デイサービスセンターなどで認知症に配慮した介護や機能訓練を受けることができる。 | 1 | 2 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
認知症対応型共同生活介護 (グループホーム) |
認知症の高齢者が、小規模で家庭的な環境の下で共同生活を送りながら、日常生活の介護や機能訓練など受けることができる。 | 1 | 2 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
小規模多機能型居宅介護 | 身近な地域にある小規模な施設で、通所サービスを中心に、事業所での宿泊や自宅への随時の訪問サービスなどを受けることができる。 | 1 | 2 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
複合型サービス (看護小規模多機能型居宅介護) |
小規模多機能型居宅介護と訪問看護の機能をもっており、状態に応じて通い、泊まり、訪問(介護・看護)でサービスを受けることができる。 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
地域密着型 特定施設入居者生活介護 |
定員29人以下の小規模な有料老人ホームやケアハウスなどが該当。原則として、事業所の所在する市町村の住民のみが入居可能。 | 1 | 2 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
地域密着型 介護老人福祉施設入居者生活介護 |
定員29人以下の小規模な特別養護老人ホーム。原則として、事業所の所在する市町村の住民のみが入居可能。 | 3 | 4 | 5 |
施設サービス
こちらは、自宅から移住して利用する介護保険サービスです。
施設サービスを利用できるのは、「要介護1〜5」に認定された方のみです。
(介護老人福祉施設は、平成27年4月以降から入所する場合は「要介護3~5」に認定された人のみ)
つまり、「要支援1~2」の比較的簡単な介護支援のみを必要とする方は利用することができないのです。
サービスの種類 | 内容 | 要支援 | 要介護 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
介護老人福祉施設 (特別養護老人ホーム) |
常に介護が必要で自宅では介護が困難な方が対象。日常生活上の世話、機能訓練を受けることができる。 | 3 | 4 | 5 | ||||
介護老人保健施設 | 病状が安定した方が看護や医学的管理のもと、介護や機能訓練を受けて自宅復帰を目指す目的で利用。 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
介護療養型医療施設 | 病状が安定しており、慢性疾患などにより長期療養を必要とする方が、医療や介護、日常生活上の世話を受けることができる。 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
主な「介護保険外サービス」5選
サービスの種類 | 内容 |
---|---|
家事代行サービス | 料理や洗濯、掃除、買物、犬の世話、話し相手など、日常の幅広いニーズに対応してサービスを行う。 |
洗濯代行サービス | 洗濯物を回収したり、洗濯して乾かしたりしてくれるサービス。忙しい中でも生活の質を守ることが可能。 |
配食サービス | 食材や食事を配達してる。中には、冷凍で数日分をまとめての配達してくれるところもあるのが特徴。 |
訪問理美容サービス | 外出困難な方や介護者が同行できない場合、理髪店や美容院から訪問して施術をしてくれる。 |
移送・送迎サービス | リフト付き介護タクシーを利用して、通院や転院、買い物、観光など外出ができる。寝台車両や看護師、ヘルパーの同乗などの対応があることも特徴的。 |
民間企業が行っているサービスには、 費用を全額負担する必要がある「介護保険外サービス」があります。ここでは上記5つについてご紹介しますね。
「介護保険外サービス」は、状況によってうまく活用することにより、介護の負担を軽減できます。「要介護」認定されていない方でも利用できるため、うまく活用してみましょう。
介護保険サービスは利用限度があることに注意
先ほどの「介護保険外サービス」は、要介護認定されていない方でも利用できるメリットがあります。
しかし費用の全額負担等のデメリットがあり、使い所は気をつけなければいけません。しかし「介護保険サービス」は1割〜3割の自己負担で介護サービスを利用することができます。
とはいえ冒頭でも記述しましたが、対象者は原則として要支援・要介護認定を受けている方に限られます。
また介護保険サービスは、利用回数を消化するイメージで、利用限度があることに気をつけましょう。
介護保険サービスの利用限度単位
要介護度 | 改定後(令和元年10月から) |
---|---|
要支援1 | 5,032単位 |
要支援2 | 10,531単位 |
要介護1 | 16,765単位 |
要介護2 | 19,705単位 |
要介護3 | 27,048単位 |
要介護4 | 30,938単位 |
要介護5 | 36,217単位 |
※1単位:10円から10.7円(サービスの種類ごとに異なる)
令和元年10月から単位数が改定され、令和元年9月までと比較して多少増えています。
限度単位を超えて利用した分は保険が適用されず、全額自己負担となってしまいます。つまり介護者に定められている限度単位の中でサービスを利用する必要があることに留意しましょう。
例えば訪問介護に必要な単位が1回当たり500単位必要だとしたら、月に10回利用するのであれば5000単位が消化されるイメージです。
福祉用具貸出や住宅改修など、サービスによっては単位を消費しないものもあります。なので、どのサービスにはどのくらいの単位が必要なのか、しっかりと把握しておく必要があります。
介護保険制度について
介護に関するサービスはたくさんありますが、「介護保険サービス」を利用するのであれば、介護保険に関する知識は多少持っておくと良いでしょう。
介護保険は、40歳になると国民の全員が加入する保険制度です。介護が必要な高齢者を社会全体で支える仕組みと考えられています。
また介護サービスが使えるようになるのは、原則的に介護や支援が必要と認定された65歳以上の方々。
介護保険制度の概要についてはこちらをご参考ください。
介護保険制度は3年ごとに改正されているので、都度確認をしておくと良いでしょう。
介護保険サービスは組み合わせて利用しよう
介護保険サービスは利用限度がありますが、どれか1つのサービスでしか消化できないと言うわけではありません。介護度が重くなるにつれて、当然必要となるサービスの幅も増えることでしょう。
そこで介護状態に合わせて、適切なサービスを組み合わせて利用することが求められます。
- 「要支援1」で適しているサービスはどの組み合わせか
- 「要支援2」では?
- 「要介護5」では?
このように、介護度に合わせて適切なサービスを利用して、介護される側も安心して利用できる状態にすることが大切ですね。
まとめポイント
・介護サービスには「介護保険サービス」「介護保険外サービス」がある
・「自宅で利用できるサービス」「施設を利用するサービス」「完全に移住して利用するサービス」
この記事のまとめは上記の通りです。
介護に関するサービスはたくさんありますが、この記事でご紹介した内容をもとに、適切なサービスをご利用していただけたらと思います。