「介護予防運動指導員とは?何している人?」
「介護予防運動指導員の資格や給料など、知っておいたほうが良い情報を教えて...!」
介護予防運動指導員と聞いて、あなたは詳しく説明できますか?
なかなか聞いたことのないような仕事で、分からない人が多いのではないでしょうか?
そこで今回は介護予防運動指導員について、仕事内容やもらえる給料から資格概要や向いている人など徹底的に解説します。
◆本記事の内容
- 介護予防運動指導員とは?
- 介護予防運動指導員の資格を取得するメリット4選
- 介護予防運動指導員に向いている人は?
- 介護予防運動指導員の資格概要
- 介護予防運動指導員が活躍できる職場は?
- 介護予防運動指導員として働いている人の口コミ・評判は?
ぜひ最後まで読んで、介護予防運動指導員の参考にしてみてください。
介護予防運動指導員とは?
介護予防運動指導員とは、高齢者が要介護とならないように予防する人。
詳しくは、以下のような仕事をします。
- 利用者1人ひとりにあった介護予防プランの作成
- 実際の指導
- 事前評価や事後評価
詳しく解説していきますので、参考にしてみてください。
介護予防運動指導員の仕事①利用者1人ひとりにあった介護予防プランの作成
介護予防運動指導員の仕事、1つ目は「利用者1人ひとりにあった介護予防プランの作成」。
現状の高齢者を見たとき、将来的にどのようなリスクが潜んでいるかを判断します。
歩けなくなりそうなら筋力トレーニングを中心としたプランを練るなど、利用者1人ひとりにあった計画の作成が大切です。
介護予防運動指導員の仕事②実際の指導
介護予防運動指導員の仕事、2つ目は「実際の指導」。
利用者の介護予防プランが完成したら、実際にその内容に沿って指導します。
たとえば、以下のような指導内容があります。
- 筋力トレーニングや歩行訓練
- 口腔訓練
- 栄養指導
1つずつ、どのような内容かを確認していきましょう。
筋力トレーニングや歩行訓練
介護予防運動指導員が行う実際の指導、1つ目は「筋力トレーニングや歩行訓練」。
先述したとおり、この先リスクの高い部位から鍛えていきます。
とはいえ本格的な筋力トレーニングではなく、行うのは散歩などの簡単な運動や体操です。
口腔訓練
介護予防運動指導員が行う実際の指導、2つ目は「口腔訓練」。
高齢者は入れ歯であることが多く、咀嚼が必要な食べ物を避ける傾向があります。
そこで徐々に固いものを食べさせたり、歯磨きなどのケアを指導したりします。
栄養指導
介護予防運動指導員が行う実際の指導、3つ目は「栄養指導」。
食事が偏っている場合、骨に影響を及ぼしやすいため栄養指導をします。
どのような栄養が足りていないのか説明するとともに、介護施設ではその人にあった食事が提供されるでしょう。
介護予防運動指導員の仕事③事前評価や事後評価
介護予防運動指導員の仕事、3つ目は「事前評価や事後評価」。
介護予防のための計画を無事に遂行できたか、利用者がどの部分につまづいていたかなどを事後評価します。
また事後評価のため(比較対象)、事前評価も忘れずに行うのが大切です。
介護予防運動指導員の給料は?
厚生労働省の発表によると、介護予防運動指導員の平均月収は25~30万円ほど。
アルバイトやパートでは、時給1,000~1,500円ほどの介護施設が多いようです。
- 給料の高い職場はどこ?
- 給料をあげるためには?
以上を、詳しく説明します。
給料の高い職場はどこ?
医療施設やリハビリサービスなど、何かに特化した介護施設に入社できると高めの給料設定となっていることが多いです。
また実務経験を積んだり、指導やコミュニケーションが得意だったりすると昇給する可能性も高くなります。
給料をあげるためには?
介護予防運動指導員は、一般的な介護職員と比べて専門知識を有しているといえます。
つまり資格を取得することで、介護予防のプロとして認定されるので給料はあがるでしょう。
後述しますが、介護施設によっては資格手当などもあるようです。
介護予防運動指導員の資格を取得するメリット4選
ここからは、介護予防運動指導員の資格を取得するメリットについて4つ解説していきます。
- 介護のスキルアップになる
- 利用者の回復で嬉しさと同時に達成感が味わえる
- 資格手当を得られる
- 将来性がある
1つずつ、詳しく解説していきます。
介護のスキルアップになる
介護予防運動指導員の資格を取得するメリット、1つ目は「介護のスキルアップになる」。
実は介護予防運動指導員の有資格者を対象として、スキルアップの研修が多くの土地や機関で実施されています。
たとえば公益社団法人日本鍼灸師会では、有資格者を対象に「介護予防運動指導員スキルアップ研修会」を開催。
スキルアップの意欲がある人ほど、介護予防に関する知識が増えていくでしょう。
利用者の回復で嬉しさと同時に達成感が味わえる
介護予防運動指導員の資格を取得するメリット、2つ目は「利用者の回復で嬉しさと同時に達成感が味わえる」。
運動指導をしているため、今までできなかったことができるようになったときの達成感や嬉しさは大きいものとなります。
指導するのが好きだったり、人のために喜んだりできる人にとってこの資格は大切なものでしょう。
資格手当を得られる
介護予防運動指導員の資格を取得するメリット、3つ目は「資格手当を得られる」。
介護予防運動指導員は、予防介護のプロ。
資格が認められているため、介護施設によっては資格手当が用意されていることもあります。
将来性がある
介護予防運動指導員の資格を取得するメリット、4つ目は「将来性がある」。
超高齢化社会となっていく日本では介護職員だけでなく、より専門的な知識を持ったスタッフを必要とします。
もともと人材不足だった介護業界のなかでも、有資格者はさらに必要な存在です。
資格を取得することで医療施設などでの仕事がしやすくなり、より質が高く働き口を幅広くすることができるでしょう。
介護予防運動指導員に向いている人は?
つづいて、介護予防運動指導員に向いている人の特徴を3つ解説していきます。
- 利用者とともに達成感を味わうのが好き
- 指導やアドバイスが得意
- 運動指導のプランを考えるのが得意
介護予防運動指導員の特徴に当てはまるともいえるため、ぜひ確認していきましょう。
利用者とともに達成感を味わうのが好き
介護予防運動指導員に向いている人の特徴、1つ目は「利用者とともに達成感を味わうのが好き」。
そもそもの目的は介護予防ですが、できないことが指導により改善することも大いに有り得ます。
そんなとき利用者と一緒になって喜べたり、達成感を味わったりするのが好きという人に、介護予防運動指導員が向いているでしょう。
指導やアドバイスが得意
介護予防運動指導員に向いている人の特徴、2つ目は「指導やアドバイスが得意」。
高圧的な態度になったり、できないことにイライラしたりするような人は介護予防運動指導員には向きません。
長期的に利用者を見て、1人ひとりにどのように改善していくべきかアドバイスができる人が、介護予防運動指導員に向いているといえます。
運動指導のプランを考えるのが得意
介護予防運動指導員に向いている人の特徴、3つ目は「運動指導のプランを考えるのが得意」。
計画を練るという行動自体が得意な人、利用者のためにプラン作成するのが好きな人など理由はさまざまです。
誰かのためを思って行動できる人こそ、介護予防運動指導員に向いているといえるでしょう。
介護予防運動指導員の資格概要
ここからは、介護予防運動指導員の資格概要について解説していきます。
今回紹介するのは、以下の5つ。
- 介護予防運動指導員になるための受験資格
- 介護予防運動指導員のカリキュラム
- 介護予防運動指導員の修了試験
- 介護予防運動指導員の資格取得にかかる費用
- 介護予防運動指導員の資格には更新が必要
詳しく解説していきます。
介護予防運動指導員になるための受験資格
介護予防運動指導員の概要、1つ目は「受験資格」について。
介護予防運動指導員になるには養成講座の受講と修了試験の合格が必須ですが、この養成講座にも受講資格があります。
- 介護職員初任者研修修了者で実務経験2年以上
- 介護福祉士実務者研修修了者
- 介護支援専門員
- 健康運動指導士
- 社会福祉士
- 介護職員基礎研修課程修了者
- 医療、福祉、介護系の国家資格保有者
→国家資格の養成校を卒業見込み、かつ資格取得見込みの場合でもOK
これらの資格を取得している人のみが、介護予防運動指導員の養成講座を受講できます。
介護予防運動指導員のカリキュラム
介護予防運動指導員の概要、2つ目は「カリキュラム」について。
31.5時間のカリキュラムでは、高齢者の筋力トレーニングや介護予防・健康の維持につながる知識を幅広く学ぶことができます。
認知症やうつ、閉じこもりなど、精神面でのケアについても学べる内容です。
カリキュラムの内容は、以下。
- 介護予防概論(講義0.75時間):老学、介護予防の概要
- 介護予防評価学(講義1.5時間・実習1.5時間):介護予防の評価法の習得
- 介護予防統計学(講義1.5時間):データの種類の区別と検定方法
- 行動科学(講義1.5時間):行動科学の概要と健康行動の定着を促す手法について
- リスクマネジメント(講義1.5時間):リスクマネジメントの概要と対処法
- 高齢者筋力向上トレーニング(講義1.5時間・実習10.5時間):筋力向上トレーニング、包括的トレーニングプログラムの習得
- 転倒予防(講義1.5時間・プログラム実習1.5時間):転倒予防プログラムの習得
- 失禁予防(講義1.5時間・プログラム実習1.5時間):尿失禁予防プログラムの習得
- 高齢者の栄養改善活動(講義1.5時間):栄養改善プログラムの習得
- 口腔機能向上(講義1.5時間):口腔機能向上プログラムの習得
- 認知症予防(講義1.5時間):認知症予防プログラムの習得
- うつ・閉じこもり(講義0.75時間):高齢者のうつと社会的孤立、閉じこもりについて
介護予防運動指導員の修了試験
介護予防運動指導員の概要、3つ目は「修了試験」について。
修了試験はおおよそ1時間で終わり、回答方式はマークシート方式で45問です。
受講したカリキュラムの振り返りとなっているため、資格の難易度は低いといえるでしょう。
介護予防運動指導員の修了試験が不合格の場合、初回の受験日より1年以内であれば再受験ができます。
介護予防運動指導員の資格取得にかかる費用
介護予防運動指導員の概要、4つ目は「資格取得にかかる費用」。
資格取得までにかかる平均的な費用はおよそ9万円で、これは合計31.5時間の研修をどのくらいの期間で行うかによります。
たとえば5日間で全て学べる講座のほうが、介護予防運動指導員の資格取得にかかる費用を抑えめにできます。
そのため、自分にあった研修先を選ぶと良いでしょう。
介護予防運動指導員の資格には更新が必要
介護予防運動指導員の概要、5つ目は「資格の更新が必要」ということ。
介護予防運動指導員の試験合格後は、3年ごとの更新と更新するための料金がかかります。
手続きを怠ると介護予防運動指導員の資格が剥奪されてしまうので注意が必要です。
介護予防運動指導員が活躍できる職場は?
介護予防運動指導員が活躍できる職場は、以下の6つ。
- 通所介護事業所
- リハビリセンター
- 地域包括支援センター
- スポーツクラブ
- カルチャーセンター
- 介護予防教室
介護施設や病院の運営するリハビリセンターから地域ごとに民間で行っている場所まで数多くの職場にて、介護予防運動指導員が重宝されています。
まとめ
今回は介護予防運動指導員について、仕事内容やもらえる給料から資格概要や向いている人など徹底的に解説しました。
養成講座の受講資格がある、介護予防運動指導員。
介護予防に関する専門的な知識が必要なため、資格取得には決められたカリキュラムを全部暗記する勢いで勉強しましょう。
当サイトでは他にも介護に関する職業の紹介や、言葉の意味について解説しています。
気になった記事があれば、ぜひ読んで参考にしてみてください。