介護サービスを上手く運営していくには適切な事務作業が必要です。
この記事では、介護事務がどんな仕事をしているか、どんな資格やスキルが必要かなどを解説していきます。
また、介護事務の転職方法などを合わせて解説していくので、介護事務で転職したい方などは参考にしてください。
介護事務はどんな仕事?
介護事務の仕事は多岐にわたり、一言に「介護事務」といっても様々な仕事があります。
具体的には、介護現場で行う事務作業(顧客対応、電話対応)をはじめ、介護サービスを進めるうえで必要な事務作業をこなします。
その他にも、レセプトの作成やケアマネジャーなど専門的な知識が必要になることもあり、決して簡単な仕事ではありません。
介護事務の仕事内容
- 介護現場の事務作業(顧客対応、電話対応など)
- レセプト(診療報酬明細書)の作成
- ケアマネジャーのサポート
介護現場の事務作業
介護現場で働くスタッフがスムーズに仕事を進められるよう、介護現場をサポートするのが介護事務の役目です。
介護サービスに必要な事務処理や顧客対応をはじめ、スタッフやお客様の橋渡しとなる存在となる重要な役目を持つのが介護事務の役割です。
顧客対応
診療所などを訪問する顧客に対応することが介護事務の務めです。
介護を必要とする方に適切な介護サービスを届けられるよう、安心した対応を心がけましょう。
お客様は不安なことも多いため、安心のできる接客サービスで安心した介護サービスを届けましょう。
電話対応
診療などにかかってくる電話の窓口となることで、顧客対応の受け口となります。
適切に連絡が届くように電話応対をすることが務めです。
お客様にとっては電話応対が第一印象となることも多いため、適切な電話マナーなどが求められます。
レセプト(診療報酬明細書)の作成
介護事務の仕事のうち、特に重要になるのがレセプト(診療報酬明細書)の作成です。
レセプトを作成することで、診療所にとっては適切な収入を確保できるため、介護事務において最も重要な業務の1つといえます。
レセプトとは
レセプトとは、保険診療について健康組合などに診療報酬を作成する業務のこと。
一般的に、診療の料金の1部は患者に直接請求しますが、残りの部分は保険者(健康保険組合など)に請求を行います。
診療報酬の料金を取りまとめて保険者への請求を行うのはレセプト業務です。
レセプトの請求は審査支払機関を通じて請求を行います。
「診療報酬請求書」と「診療報酬明細書」という書類を作成することで診療報酬の額を算定するという流れです。
レセプトはいつ作成する?
レセプトには月末を起算として翌日の10日前後が提出期限となっています。
そのため、レセプト作成を主とする介護事務は月末月初が忙しさのピークとなります。
レセプトの内容は介護事務の作業だけでなく、医師の確認も経るものとなるので、適切に確認しなければなりません。
事務処理スキルだけでなく、レセプトの内容を理解すること、医師と適切にコミュニケーションをとっていくことが必要です。
ケアマネジャーのサポート
介護事務の仕事ではケアマネジャーなどのサポートを行います。
ケアマネジャーは介護サービスの現場をマネジメントする仕事であり、適切に現場を取り仕切ることで顧客に介護サービスを届ける存在です。
適切な人員配置や予算管理など、介護サービスを届けることで滞りなく管理をすることがケアマネジャーの役割です。
介護事務においては、ケアマネジャーがスムーズに仕事を進められるよう、ひいては適切な介護サービスを届けられるようにサポートをする必要があります。
介護事務に必要なスキル
介護事務には事務処理に必要なビジネススキルだけでなく、医療に関する知識やコミュニケーションスキルが必要です。
仕事は1人で進められるものは限られており、分からないことや他人の協力が必要なことがあれば協力を仰ぐ必要があります。
様々な人と強調しあって仕事を進めることが介護事務の仕事に求められるでしょう。
パソコンスキル(OAスキル)
介護事務ではパソコンなどの機械を扱う仕事であるため、パソコンスキルやOAスキルなど機械にある程度強いことが求められます。
特に、レセプトの作成などではスピーディーな事務処理が必要になるため、パソコンスキルを持っていることは仕事を進めるうえで欠かせないものになるでしょう。
MOS
MOSはMicrosoft社が運営するOfficeに関する資格のこと。
Microsoft Officeなどの事務ソフトに関して一定のスキルを習熟できます。
MOSを持っていれば、一定のビジネススキルを持っていることが証明できるため、転職活動に役立つでしょう。
コミュニケーションスキル
介護事務はたくさんの人とコミュニケーションをとらなければいけない仕事です。
顧客とのコミュニケーションだけでなく、ケアマネジャーや他のヘルパーなど様々な人と連携する必要があります。
相手とコミュニケーションをとり、不明点を適切に解説していくことで双方納得のいく仕事を進められるでしょう。
介護・ 医療知識
介護事務は介護や医療に関する情報を取り扱うため、適切な介護・医療知識が必要です。
特に、専門の用語が出てくるレセプトの作成業務などにおいては、介護や医療に関する専門的な知識が求められるでしょう。
レベルの高い介護人材になるために、介護や医療に関する知識を身に着けながら業務をこなしていきましょう。
介護事務に有利な資格
介護事務に有利になる資格は介護に関する資格のほかに、 MOSなどのビジネス資格が人気です。
介護事務になるのに必要な資格などはありませんが、資格を持っていれば介護事務の仕事に大いに役立ちますし、他の仕事に挑戦していくことも可能です。
介護事務に必要な資格はない?
介護事務に必要な資格というものはありません。
資格よりも実務経験が必要になる仕事で、「やりながら覚えていく」という姿勢が大事になるでしょう。
介護事務管理士
介護事務管理士:https://www.ginou.co.jp/qualifications/kaigo-jimu.html
介護事務管理士は介護事務に必要なスキルをチェックする資格。
受験資格は特になく、誰でも挑戦できる資格です。
レセプトの作成など専門的な知識が必要な介護事務の仕事ですが、介護事務管理士の資格をとることで業務内容を知ることができるでしょう。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は介護資格のなかで入門的なものに位置付けられる資格です。
ここで学ぶものは基本的なものですが、すべての介護現場に通ずる重要な分野です。
介護業界で働きたいという方はまず介護職員初任者研修の資格を目指すといいでしょう。
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介護職員初任者研修に必要な時間
介護職員初任者研修のカリキュラムを終えるには、130時間のカリキュラムを修了する必要があります。
この研修を修了したとき、一定の介護人材として認められるでしょう。
介護職員実務者研修
介護職員実務者研修は、実務経験の伴う介護実務を学ぶことのできる資格です。
基本的な介護知識だけでなく、実践的な介護スキルを実習を通じて身に着けることができます。
介護職員初任者研修に必要な時間
介護職員実務者研修のカリキュラムを終えるには450時間のカリキュラムをこなす必要があります。
仕事を進めながらこなしていくのは大変な量ですが、適切な研修をこなすことで介護人材としてレベルアップできるでしょう。
サービス提供責任者
介護職員実務者研修の資格を持っているとサービス提供責任者になることができます。
サービス提供責任者とは、介護現場においてサービスのマネジメントを行う仕事です。
専門的な知識が必要になりますが、キャリアアップの選択肢の1つとして人気です。
サービス提供責任者については、以下の記事も併せてご確認ください。
介護福祉士
介護福祉士は介護に関する国家資格の1つ。
介護現場で活躍するだけでなく、マネジメント職として介護サービスの管理を行います。
難関な国家資格として知られますが、介護福祉士の資格を持っていれば様々な分野の仕事に挑戦できます。
介護福祉士の受験資格
介護福祉士の受験資格を得るには以下のルートが挙げられます。
実務経験ルートで受験する場合、前述した「介護職員実務者研修」の資格が必要です。
- 実務経験ルート
- 養成施設ルート
- 福祉系高校ルート
- 経済連携協定(EPA)ルート
詳しい受験資格については、以下の記事を合わせてご確認ください。
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介護事務のやりがいは?
介護事務は人から感謝される仕事であり、非常にやりがいのあるものといえます。
その他にも、専門知識を駆使しながら仕事を進めることで転職に役立てることができます。
介護事務のやりがい
- 専門知識を身に着けられる
- 人から感謝される
- 成長できる仕事
専門知識を身に着けられる
介護事務では介護や医療に関する専門的な知識を取り扱うため、実務をこなすごとに介護や医療に関する専門知識を身につけることができます。
介護事務の仕事で知識を身につけていき、さらにレベルの高い仕事へとキャリアアップしていくことも考えられるでしょう。
人から感謝される
介護事務の仕事はお客様と直接接する仕事であるため、人から感謝されることの多い仕事です。
人から感謝されるというのは、困った人の助けになれたという実感を得やすいこと。
介護事務の仕事は他人からの感謝を直に感じることができるため、「誰かの役に立ちたい」という仕事をしたい人に向いているといえるでしょう。
成長できる仕事
介護事務は成長の実感できる仕事です。
介護に関する知識や情報を取り扱うため、介護や医療の専門知識を身につけることができます。
また、介護事務になるのに特に資格は必要とされないため、未経験から介護業界にチャレンジしたい人に向いています。
キャリアアップしやすい介護事務は成長の実感を得られやすい仕事といえるでしょう。
介護事務に転職するには?
介護事務に転職するには転職サービスの利用がおすすめ!
特に、介護業界に特化した転職サービスを活用することで転職活動を効率的に進められるでしょう。
また、前述したように介護に関する資格を持っていると介護業界の転職で非常に有利になります。
おすすめの資格サービス
- シカトル
おすすめの転職サービス
- きらケア
- マイナビ介護
資格を取得する
介護資格を取得することで介護の転職に役立ちます。
資格を持っている方が、そうでない人よりも社内で評価される可能性が高いです。
また、転職活動においても資格を持っていれば色々な仕事に挑戦できます。
資格の取得はキャリアアップのための切符ともいえるでしょう。
シカトル
「シカトル」は介護資格専門の資格支援サービス。
介護事務に必要な資格をとるために必要な情報を集めることができます。
資格をとるのに必要なスクールを探すのは、色々な情報を比べながら進めていきたいものです。
シカトルではそれぞれのスクールの情報を比較できるため、効率的に資格スクールを探すことができるでしょう。
介護専門の転職サービスを利用する
転職活動は1人で進められるものでなく、転職サービスなどを活用して求人などを探す必要があります。
数多い転職サービスの中でも介護専門の転職サービスを利用することで、自分のしたい仕事やキャリアアップに繋がる仕事ができるでしょう。
おすすめの転職サービスをいくつか見ていきましょう。
きらケア
「きらケア」は介護専門の転職サービス。
専門のアドバイザーが親身になって転職に関する悩みを解決してくれるでしょう。
「未経験OK」「無資格OK」など様々な条件に対応してくれるのも安心ポイントです。
マイナビ介護
「マイナビ介護」は人材業界大手のマイナビが運営する介護専門の転職サービス。
大手ならではの豊富な求人数と充実した転職サービスが魅力です。
転職に関する条件交渉などを行ってくれるので、転職活動において困ったことを解決してくれるでしょう。
介護事務の仕事で介護現場を支えよう!
介護事務の仕事内容や介護事務の転職事情などをみていきました。
介護事務は介護サービスを届けるうえで欠かせない存在です。
スタッフとお客様を繋ぐ架け橋になるだけにとどまらず、レセプトの作成など専門的な知識も必要となり、非常にやりがいのある仕事です。
介護事務の転職には介護専門の転職サービスの利用をおすすめ。
きっとご希望に叶うような良い求人が見つかるでしょう。
介護事務の仕事をこなすことで、介護サービスの向上に役立ててください!