初任者研修の講習にはどのようなものがあるかを知っていますか?
この記事では「初任者研修の講習内容」について解説していきます。
結論、初任者研修の講習内容は基本的なところが多く、しっかり勉強をしていれば躓くポイントはありません。
初任者研修を検討する際、わかりづらい「初任者研修の講習内容」を調査した結果をまとめたので、ぜひ見ていただければと思います。
その他にも「初任者研修」の説明や、「初任者研修の難しさ」について説明していきたいと思いますので、ぜひこの記事を読んで初任者研修を修了していただければ幸いです。
また、この記事では初任者研修の試験日について紹介しているので参考にしてください。
厚生労働省発表の初任者研修講習内容
初任者研修の内容は全130時間10項目です。
それぞれの科目と割り振られている時間数を表にしましたのでご確認ください。
科目 | 時間数 |
職務の理解 | 6時間 |
介護における尊厳の保持・自立支援 | 9時間 |
介護の基本 | 6時間 |
介護・福祉サービスの理解と医療との連携 | 9時間 |
介護におけるコミュニケーション技術 | 6時間 |
老化の理解 | 6時間 |
認知症の理解 | 6時間 |
障がいの理解 | 3時間 |
こころとからだのしくみと生活支援技術Ⅰ 基本知識の学習 | 12時間 |
こころとからだのしくみと生活支援技術Ⅱ 生活支援技術の学習 | 53時間 |
こころとからだのしくみと生活支援技術Ⅲ 生活支援技術演習 | 10時間 |
振り返り | 4時間 |
合計 | 130時間 |
ここからは、それぞれの科目で具体的にどんなことを学ぶのかを解説します。
職務の理解
職務の理解の項目の目的は、研修に先立ち介護職の環境や仕事について具体的なイメージを持てるようにするというものです。
研修課程全体を概観する内容となるため、以後の学習の理解度にも影響する大切な項目と言えるでしょう。
職務の理解で学ぶ項目と学習方法を表にしました。
学習方法については実施団体により多少異なる場合があるため、表の内容は1例として参考にしてください。
項目 | 内容 | 学習方法 |
多様なサービスの理解 | ・介護保険サービス(居宅、施設) ・介護保険外サービス | 視覚教材の鑑賞
施設見学等 |
介護職の仕事内容や働 く現場の理解 | ・居宅、施設の多様な働く現場におけるそれぞれの仕事内容
・居宅、施設の実際のサービス提供現場の具体的イメージ ・ケアプランの作成からサービスの提供、チームアプローチ・他職種、介護保険外サービスを含めた地域 の社会資源との連携 |
視覚教材の鑑賞、グループディスカッション
施設見学等 |
(参考:医療法人回生会シラバス)
介護における尊厳の保持・自立支援
この項目では、利用者の尊厳ある暮らしにおいて自立支援、介護予防のサービスを提供する基本的な視点を学びます。
サービス提供時にやってはいけないことを具体的に理解し、虐待防止についても理解を深めます。
ディスカッションの形式が多い科目となっており、知識を応用する力が求められるでしょう。
項目 | 内容 | 学習方法 |
人間と尊厳を支える介護 | 人権の尊厳と保持
介護分野におけるICF ・QOLの考え方 ・生活の質 ・ノーマライゼーションの理解と考え方 ・身体拘束の理解 ・虐待防止禁止 ・高齢者の擁護者支援 ・個人の権利を守る制度 ・個人を守る制度の概略等 |
グループワークやディスカッション |
自立に向けた介護 | 自立支援
・残存能力の活用 ・動機欲求 ・意欲を高める支援 ・個別性、個別ケア ・重度化防止、介護予防、介護予防 の考え方 ・専門職として求められる「自立」 ・「自 律」について、人権擁護の観点から講 義 ・人権とは何か ・人権への取り組み事例 ・尊厳の概念 |
具体的事例の紹介
グループワークやディスカッション |
(参考:医療法人回生会シラバス)
介護の基本
介護の基本の項目では、介護職の専門性と職業倫理について、また利用者の個別性を理解することを目標としています。
介護職とは何かを倫理的な観点から学び、リスクと対策を考える内容です。
この科目では実技も行われ、感染予防や介護者の腰痛予防など実際的な場面を体験することができます。
項目 | 内容 | 学習方法 |
介護職の役割、専門性と他 職種との連携 | ・介護環境の特徴の理解
・介護の専門性 |
グループディスカッション |
介護職の職業倫理 | ・法令遵守
・利用者の個人の尊厳と介入 日本介護福祉士会の職業倫理 ・介護の理念 ・介護職として社会的責任 ・プライバシーの保護・尊重 |
講師の体験談の紹介
自身の体験談を文章化 |
介護における安全の確保とリスクマネジメント | ・介護における安全の確保
・事故防止、安全対策 ・緊急時に必要な知識と対応方法 ・感染症対策 |
ディスカッション
実技を行う場合もあり |
介護職の安全 | ・介護職の健康管理
・介護職に起こりやすい健康障害 ・腰痛予防 ・感染症の予防 ・ストレスマネジメント ・ボディメカニクス |
実技 |
(参考:医療法人回生会シラバス)
介護・福祉サービスの理解と医療の連携
この科目では、介護保険制度や障がい者支援制度の目的、サービス利用の流れを学びます。
また医療行為の定義も理解し、介護士ができることとできないこと、医療との連携方法を理解することも目標です。
制度についての講義が主となるため、通信制の場合は自宅学習の割合が大きい科目です。
項目 | 内容 | 学習方法 |
介護保険制度 | ・介護保険制度創設の背景と目的
・動向 ・介護保険制度の仕組みと基礎的理解 ・ケアマネジメント ・予防給付 ・地域包括支援センターの役割 ・介護認定の手順 ・サービス事業者の指定 ・制度を支える財源 ・その他の制度の概要 ・医療保険制度の概要 ・年金保険制度の概要 |
講義
ディスカッションを行う場合もあり |
医療と連携とリハビリテーション | ・健康チェックに必要な身体観察の視点 と観察技術、全身観察、観察の方法、他職 種との連携や情報の提供の方法
・訪問看護 ・リハビリテーション医療の意義と役割 ・リハビリテーション医療の過程 ・訪問・通所・地域リハビリテーション |
講義 |
障がい者総合支援制度およびその他の制度 | ・制度創設の理念
・背景と目的 我が国の法律で定める障害のとらえ方 障害者(児)福祉の背景と動向 ・個人の権利を守る制度の概要 ・障害者雇用の就労状況 |
講義 |
(参考:医療法人回生会シラバス)
介護におけるコミュニケーション技術
この項目では、1人ひとりの違いに応じたコミュニケーションをとる技術を学びます。
学ぶ範囲は高齢者だけでなく、利用者の家族、または言語・視覚・聴覚障がい者とのコミュニケーションまで及ぶ内容です。
またコミュニケーションによって得た内容を職員同士が記録化し共有する方法も学べます。
ロールプレイングを行い学ぶ場合が多く、実践力が試される科目です。
項目 | 内容 | 学習方法 |
介護におけるコミュニケーション | ・コミュニケーションの意義と目的、役
・コミュニケーションの手段と技法 ・利用者 ・家族への対応の基礎知識 ・利用者・家族への対応の実際 ・利用者の状況・状態に応じた対応 |
ロールプレイング等 |
介護におけるチームのコミュニケーション | ・記録による情報の共有化 ・報告・連絡・相談
・コミュニケーションを促す環境 ・ケアカンファレンス ・サービス担当者会議 ・コミュニケーションを促す環境 ・会議の種類と会議に臨む姿勢 ・事例研究 ・事例報告 |
事例検討
ロールプレイング等 |
(参考:医療法人回生会シラバス)
老化の理解
老化の理解の項目は、老化に伴う心身の変化や疾病について生理的な知識を身につけることが目標です。
高齢者に多い疾患や症状、心理状態がなぜ起こるのかを説明できるように学びます。
老化について理解を深めることにより、対応における留意点を知ることができます。
項目 | 内容 | 学習方法 |
老化に伴うこころとからだの変化と日常 | ・老年期の発達と心身の変化の特徴
・人格と尊厳、老いの価値 ・性役割と老年期の性 ・心身の機能の変化と日常生活への影響 |
グループディスカッション等 |
高齢者と健康 | ・高齢者の疾病と生活上の留意点(外科系)
・高齢者に多い病気と生活上の留意点(循環器、うつ病等) |
グループディスカッション等 |
(参考:医療法人回生会シラバス)
認知症の理解
認知症の理解の項目では、認知症ケアの理念や介護する際の判断基準となる原則を学習するのがメインです。
初めに認知症に関する医学的な知識を学び、その後具体的な対応やコミュニケーションの取り方についても考えます。
不適切ケアの例や介護ストレスの予防という内容も含まれており実践的です。
項目 | 内容 | 学習方法 |
認知症を取り巻く状況 | ・認知症ケアの理念
・認知症ケアの視点 ・パーソンセンタードケア |
講義 |
医学的側面から見た認知症 の基礎と健康管 理 | ・認知症の概念と原因疾患
病態 ・ 認知症の治療、認知症についての最近の話題 ・原因疾患別ケアのポイント ・ 健康管理 ・認知症と間違えられやすい症状 ・物忘れとの違い |
講義 |
認知症に伴うこころとからだの 変化と日常生活 | ・認知症の中核症状、行動
・心理症状 ・利用者への対応 ・不適切ケア ・ 生活環境での改善 |
グループディスカッション |
家族への支援 | ・認知症の受容過程での援助
・介護負担の軽減 |
グループディスカッション |
(参考:医療法人回生会シラバス)
障害の理解
障害の理解の項目では、障害の概念とICFについて、また社会支援についてを学びます。
主に障害についての知識を学ぶ科目となり、座学が多くを占める内容です。
内部障害、精神障害、アルコール依存症など多岐にわたる障害の種類を医学的に理解することができます。
項目 | 内容 | 学習方法 |
障害の基礎的理解 | ・障害者福祉の基本理念
・障害の概念と国際生活機能分類(ICF) |
講義 |
障がいの医学 的側面、生活障 がい、心理・行 動の特徴かかわり支援等の基礎 的知識 | ・内部障害・視覚障害・聴覚障害 ・精神障害・統合失調症・躁うつ病等 ・神経症性障害(神経症) ・アルコール依存症 ・知的障害・知的障害・ダウン症 ・肢体不自由(身体障害) ・高次脳機能障害 ・音声・言語障害・咀嚼機能障害 | 講義 |
家族の心理、 かかわり支援の 理解 | 介護する家族が遭遇するストレス
・障害の理解と受容支援 ・認知症の受容過程での援助 ・介護負担の軽減 |
グループディスカッション |
(参考:医療法人回生会シラバス)
こころとからだのしくみと生活支援
この科目は全75時間と、初任者研修の中で一番大きな比重を占める部分となります。
人体の構造や機能を学び、安全な介護サービスを提供することを目指すことが目標です。
前半は理論を学ぶ講義が主となり、後半は実践的な実技が多い内容となっています。
通信コースの場合も、この科目は通学の比重が大きくなる場合が多いです。
項目 | 内容 | 学習方法 |
介護の基本的な考え方 | ・理論に基づいた介護
・法的根拠に基づく介護 |
講義 |
介護に関するこころのしくみ | ・自己概念と生きがい
・老化や障害を受け入れる適応行動 と阻害要因 ・学習と記憶に関する基礎知識 ・感情と意欲に関する基礎知識 |
講義 |
介護に関するからだのしくみ | ・健康チェックとバイタルサイン
・骨・関節・筋肉に関する基礎知識 ・中枢神経系と体性神経に関する基礎 ・自律神経と内部器官に関する基礎知 ・ボディメカニクス |
バイタル測定実技 |
生活と家事 | ・生活と家事
・家事援助の基礎知識と生活支援 |
実技 |
快適な居住環 境整備と介護 | ・快適な居住環境に関する基礎知識
・介護保険による住宅改修 ・福祉用具に関する基礎知識 ・福祉用具に関するリスクマネジメント |
介護機器の演習 |
整容に関連した こころとからだのし くみと自立に向け た介護 | ・整容に関する基礎知識
・整容の支援技術 |
実技 |
移動・移乗に関 するこころとからだ のしくみと自立に 向けた介護 | ・移動・移乗に関する基礎知識
・移動・移乗のための用具と活用方法 ・負担の少ない移動・移乗と支援方法 ・移動と社会参加の留意点と支援 |
演習・実技 |
食事の関連した こころとからだのし くみと自立に向け た介護 | ・食事に関する基礎知識
・食事環境の整備と用具の活用方法 ・楽しい食事を阻害する要因と支援方法 ・食事と社会参加の留意点と支援 |
演習・実技 |
入浴、清潔保持 に関連したこころと からだのしくみと自 立に向けた介護 | ・入浴と清潔保持に関する基礎知識
・入浴と整容の用具の活用方法 ・楽しい入浴を阻害する要因と支援方法 |
演習・実技 |
排泄に関連した こころからだのしく みと自立に向けた 介護 | ・排泄に関する基礎知識
・排泄環境の整備と用具の活用方法 ・爽快な排泄を阻害する要因と支援方法 |
|
睡眠に関連した こころとからだのし くみと自立に向け た介護 | ・睡眠に関する基礎知識
・睡眠環境と用具の活用方法 ・快い睡眠を阻害する要因と支援方法 |
実技 |
死にゆく人に関 連したこころとから だのしくみと自立に 向けた介護 | ・終末期に関する基礎知識 ・苦痛の少ない死への支援と他職種との連 携
・臨終が近づいたときの兆候 |
ディスカッション |
介護過程の基礎 的理解 | ・介護過程の基礎的理解
・科学的思考と介護過程 ・介護過程の展開に必要な構成要素 |
個人ワーク・グループワーク
計画作成演習 |
総合生活支援技 術演習 | ・総合生活支援技術演習 ・力が発揮できない要因の分析 | 技術演習
ディスカッション |
(参考:医療法人回生会シラバス)
講義の振り返り
講義の振り返りは研修の全科目の再確認と、継続学習の必要性の認識が目標です。
この科目では、次に学ぶべきことの理解を促し、ステップアップできる点の気づきを与えます。
具体的にイメージしやすい事例の提示が多く、実際に介護施設の勤務に戻った時に活用できる内容です。
項目 | 内容 | 学習方法 |
振り返り | ・根拠に基づく介護についての要点
・利用者の状態像に応じた介護と介護課程、身体・心理・社会面を総合的に 理解するための知識の重要性、チー ムアプローチの重要性、チームアプ ローチの重要性等 |
総復習
総合演習の評価、総括 グループディスカッション |
就業への備えと研修終了後に おける実例 | 具体的にイメージできるよう な事業所等ににおける実例を紹介する | 事例紹介 |
(参考:医療法人回生会シラバス)
初任者研修の実技講習の内容とは?
初任者研修の13科目の中には講義の他に実技講習が含まれます。
ここでは、実技講習の重点なる次の4つの項目の内容を見ていきましょう。
- 体位変換
- 衣類の着脱
- 口腔ケア
- 排せつの介助
体位変換
体位変換は、自分で寝返りが打てない人が長時間同じ姿勢を取り続け褥瘡になってしまわないよう、寝返りをサポートする方法です。
実技講習では、介護者側に向いてもらう対面法と壁側に向いてもらう背面法を学びます。
また、横になっている状態からベッドの端に座る姿勢の変換、立ち上がらせ方なども実技内容です。
利用者と介護者双方の体に負担をかけずに体位変換を行うには、人間の体の作りに対する知識の応用が不可欠。
研修受講者同士で利用者役、介護者役を交換し実技を行うことで正しい介助方法を体で身につけることができます。
衣類の着脱
衣類の着脱は、前びらきの衣服、ズボンなど服の種類によって難易度が異なります。
また、介護利用者の体の状態によっても、寝たきりの方、上半身は起こせる方など必要な介助レベルに違いがあるものです。
実技講習ではあらゆる状況を想定しながら、受講者同士で介助の練習を行います。
口腔ケア
口腔ケアでは、歯磨きやうがいなどの介助を学ぶことが可能です。
実際にペアを組んで相手の歯磨きを介助することで、力加減や磨き方などを体感できます。
実技演習を通して、自分の歯を磨くのとは違う難しさや、介護される際の恥ずかしさに対する配慮を知ることができるはずです。
排せつの介助
排せつは誰もができる限り自力で行いたいと思うため、利用者の状況をよく理解し、気持ちにも配慮した介助が必要です。
この項目の実技講習では、ポータブルトイレに移る介助、ベッドでの排せつ、オムツ交換など異なる状況での介助を学びます。
実技の際に介護を受ける側になることで、配慮してほしいポイントに気付くきっかけにもなる大切な項目となっています。
初任者研修の講習内容はスクールによって違う?
初任者研修で学ぶべきカリキュラムは国によって定められています。
しかし細かい講習内容はスクールによって異なり、テキストも各スクールが発行したものを使用するのが一般的です。
また実技講習の内容もスクールによって違いがあり、座学と実技の時間の割合も異なります。
初任者研修の大きなポイントは、実践的な実例を学んだり、実技で技術を身につけ実際の現場で役立てることです。
そのため、実践力が身につけやすい講習を提供しているスクールを選択するとよいでしょう。
初任者研修を取得するメリットとは?
初任者研修を取得するためには、一定の費用と時間がかかります。
しかし取得することにはメリットがあるため、費用や時間をかける価値はあるのです。
メリットと言える点は次の3つです。
- キャリアアップを目指せる
- オンラインで学べる部分がある
- 介護の基礎を学べる
1つずつ詳しく解説します。
キャリアアップを目指せる
初任者研修は介護系資格の第一歩とも言える資格です。
初任者研修の取得により、次なるキャリアアップを目指すことができます。
介護職の多くの人が目指すのが、国家資格である介護福祉士です。
実務経験を積んで国家試験の受験資格を得る場合には、実務者研修の修了も必要になります。
通常実務者研修は全450時間と長期間の受講を要する研修ですが、初任者研修を修了している人は実務者研修の時間の一部、130時間を減免することが可能です。
介護の基礎の実力を身につけ、実務経験も積みながら効率的にキャリアアップしていくなら初任者研修の取得はおすすめ。
オンラインで学べる部分がある
初任者研修の一部はオンラインで学べる、という点もメリットの1つです。
コロナ禍の状況もあり、オンライン講習に力を入れるスクールもますます多くなっています。
初任者研修は実技講習の修了も必要なため、全てをオンラインで受けることはできませんが、座学の部分はオンライン講義が可能です。
自宅で学習できる環境があるのは、まとまった時間が取りにくい社会人にとって嬉しいポイントでしょう。
介護の基礎を学べる
初任者研修を受けることは、資格としての意味だけでなく、自身が介護の基礎を身につけられるという点もメリットです。
介護資格がなくても、介護職に就くことはできますが、介護を行う際に基本の知識があるのとないのではサービスの質に違いがでます。
例えば、人間の体や心について医学的な知識があれば、負担をかけない介助方法や気持ちに配慮したコミュニケーションが容易になるでしょう。
初任者研修の難しさは?
初任者研修は決して難しいものではありません。
修了試験も復習のためのものなので、研修に参加した人はほぼ100%資格を取得できると言っても良いでしょう。
脱落する要因があるとすれば、130時間の講習に当てる時間を取れないという人もいるかもしれません。
しかし、各スクールによって様々な時間割のコースが設けられているため、自分のライフスタイルにあったコースを選択すれば、研修修了は難しくないはずです。
初任者研修講習のおすすめスクール
初任者研修講習を開催しているスクールは数多くあるため、どのスクールを選んだらいいか迷ってしまうかもしれません。
ここでは、次のおすすめのスクール3つをご紹介します。
- ニチイ
- 三幸福祉カレッジ
- ベネッセスタイルケア
それぞれの特徴を見ていきましょう。
ニチイ
ニチイは、教室が全国に300箇所以上あり、通学しやすいのが特徴です。
ニチイの初任者研修は、最短1ヶ月半で修了することができ、欠席した授業の振替や受講期間の延長など、最後まで修了するためのサポートも豊富。
ニチイが営業する介護事業所は全国に1800箇所展開しており、研修終了後は近所の介護施設への転職サポートも可能です。
資格取得のための割引やキャッシュバック制度も利用できるので、転職を目指す人にもおすすめ。
三幸福祉カレッジ
三幸福祉カレッジはコースの種類が豊富なのが特徴です。
コースは全6コースで、短期集中の1ヶ月コース、週1回3〜4ヶ月の期間で取得するコースなど、個人のライフスタイルに合わせた時間割を選択できます。
学習スタイルも、講義と個人ワーク、グループワークなど豊富で濃縮された内容です。
時間的に研修を修了できるか心配、という人におすすめのスクール。
ベネッセスタイルケア
ベネッセスタイルケアは、介護関連施設の経営も行っており、キャリアアップサポートも充実しているのが特徴のスクール。
初任者研修は、全15回のスクーリングと自宅学習で、40日間ほどの期間で修了できます。
初回受講日より8ヶ月までサポート期間となっており、修了試験に合格できなかった場合も安心です。
また、介護施設への見学や実習も可能で、後々のキャリアアップを見据えた学習が行えます。
ベネッセの介護施設へ就職すれば全額キャッシュバックの制度があるのも嬉しいポイントです。
初任者研修を取得しよう
この記事のポイントをまとめると、次の通りです。
- 初任者研修の全科目は13科目、時間は130時間
- 講義と実技の両方がある
- 難易度は低め
- 講習内容はスクールによって異なる
初任者研修は介護の基礎的な知識と技術を身につけることを目的としています。
内容自体は難しいものではなく、講義と実技全てに参加すれば十分取得できるレベルです。
あなたのライフスタイルにあったスクールを選べば、全科目を無理なく修了できるでしょう。
今回の記事を参考に初任者研修を取得し、介護職のキャリアアップの第一歩を踏み出してみてください。