介護技術講習

【介護技術講習】介護福祉士の実技試験を免除する制度がある事知っていますか?

介護系の職業で最も給料が良くて、様々な場所で高待遇なものこそ「介護福祉士」。この介護福祉士の国家試験は難易度が高くなりますが、その国家資格における実技試験を一部免除できる仕組みをご存知でしょうか。

それこそが「介護技術講習」であり、本記事ではこの介護技術講習について詳細に解説します

その他にも、そもそも介護福祉士とはどのような職種なのか、という点についても合わせて解説していきますのでぜひ参考にしてみてください。

介護福祉士という職種の転職や国家試験の内容についてもっと知りたいという方はこちらの記事もおすすめです。

介護技術講習とは?

介護技術講習とは?

介護技術講習は、厚生労働大臣より認められた施設が実施している講習会。

講習会の目的は介護技術の向上や実技訓練を行うことで、この講習会を受講し修了することで介護福祉士の実技試験が免除されます

介護福祉士になるための方法についてはこちらの記事を参照してください。

介護福祉士とは介護医療のプロフェッショナル!介護福祉士になるには?

最終的には介護福祉士になりたい方や、ある程度介護の実技に関する知識をアピールしたいという方にはおすすめの講習です。

介護技術講習会の歴史・背景

介護技術講習会の歴史・背景

介護福祉士国家試験については、平成16年度に実施された第17回介護福祉国家試験までは筆記試験と実技試験双方の合格でのみ介護福祉士の資格を得られるという仕組みを採用していました。

しかし、厚生労働省は平成17年度の第18回介護福祉国家試験からこの仕組を改善して、介護技術講習会を導入。この講習会を終了することで実技試験を免除できるようにしました。

これにより、介護福祉国家試験を受験する際はあらかじめ、実技試験を受けるか介護技術講習を修了するかのいずれかを選択します。

介護技術講習を選択した場合には、養成施設が実施する32時間以上の講習を受講し、これを修了することではじめて実技試験が免除されるという流れになります。

介護技術講習会の受講概要

介護技術講習会の受講概要

将来は介護福祉士の資格を取りたいという方にとっては、介護技術講習の内容について詳細に知りたいと考えているのではないでしょうか。

そこでこの章では、介護技術講習会に関する受講の概要についていくつかカテゴリー分けして解説していきます。

この章で紹介するのは下記のカテゴリーです。

  • 介護技術講習会の受験資格
  • 介護技術講習会の講習内容
  • 介護技術講習会の実施予定表(令和2年度)
  • 介護技術講習会の申込方法

介護技術講習会の受講資格

介護技術講習を受講する資格は「介護福祉士国家試験を受ける予定で、実技試験免除で受験申請しようと考えている」ことです。実質あってないような受験資格ですが、要するに介護福祉士を志すことが受験資格となります。

介護技術講習の受講資格は上述のとおりですが、介護福祉士自体の受講資格としては「福祉関係施設等において介護等業務に3年以上従事した者及び介護等業務に3年以上従事した者と同等以上の能力を有すると認められる者」と定められているので注意が必要です。

介護技術講習会の講習内容

講習の内容は大きく分けて下記の通りに分けられています。

  • 介護過程の展開
  • コミュニケーション技術
  • 移動の介護
  • 排泄の介護
  • 衣服の着脱の介護
  • 食事の介護
  • 入浴の介護など
  • 総合評価

全8項目の合計32時間で講習を受けます。施設によって異なりますが、基本的には32時間を4日間(8時間×4日)に分けて講習を受けます。

それぞれの項目に対する内容と時間数は下記の通り。

項目 内容 時間
(1)介護過程の展開 [1]介護における目標等の講義 6
[2]事例に基づく介護過程に関する講義及び演習
(2)コミュニケーション技術 コミュニケーションの技法に関する講義及び演習 2.5
(3)移動の介護等 [1]社会生活維持拡大への技法に関する講義及び演習 6
[2]安楽と安寧の技法に関する講義及び演習
(4)排泄の介護 排泄の介護に関する講義及び演習 4
(5)衣服の着脱の介護 衣服の着脱の介護に関する講義及び演習 3
(6)食事の介護 食事の介護に関する講義及び演習 3
(7)入浴の介護等 [1]入浴の介護に関する講義及び演習 4
[2]身体の清潔の介護に関する講義及び演習
(8)総合評価 (1)~(7)までの講習内容の修得に係る評価 3.5

介護技術講習会の実施予定

下記は令和3年度の実施予定表となります。なお、実施施設や定員などは毎年同じ情報とは限りませんので、あくまで時期などの参考として参照してください。

令和3年度における介護技術講習会の実施予定一覧を確認する場合はこちらをクリック

■千葉県

実施施設名/所在地 中央介護福祉専門学校
〒263-0023
千葉市稲毛区緑町1-5-17
連絡先 043-242-0201
(043-242-2562)
講習会実施日 (1)7/17・24・31、8/7
(2)8/30・31、9/1・2
(3)10/24・31、11/7・14
受講申込受付期間 4/1~6/25
4/1~8/10
4/1~8/10
受講定員 24
受講料 60000円

■神奈川県

実施施設名/所在地 湘南医療福祉専門学校
〒244-0805
横浜市戸塚区川上町84-1
連絡先 045-820-1329
講習会実施日 (1)6/24・25、7/8・9
(2)8/19・20・26・27
受講申込受付期間 4/1~6/18
4/1~8/6
受講定員 16
受講料 65000円
実施施設名/所在地 YMCA健康福祉専門学校
〒243-0018
厚木市中町4-16-19
連絡先 046-223-1441
講習会実施日 (1)8/17・20・24・27
(2)9/14・17・21・24
受講申込受付期間 4/1~7/30
受講定員 16
受講料 65000円

■静岡県

実施施設名/所在地 聖隷クリストファー大学
〒433-8558
浜松市北区三方原町3453
連絡先 053-439-1400
講習会実施日 (1)9/8・9・21・22
受講申込受付期間 4/1~5/31
受講定員 16
受講料 66000円

■愛知県

実施施設名/所在地 日本福祉大学中央福祉専門学校
〒460-0012
名古屋市中区千代田3-27-11
連絡先 052-339-0200
講習会実施日 (1)7/24・25、8/8・9
受講申込受付期間 5/10~5/31
受講定員 40
受講料 65000円
実施施設名/所在地 慈恵福祉保育専門学校
〒444-0931
岡崎市大和町字中切1-9
連絡先 0564-32-8811
講習会実施日 (1)8/17・18・24・25
(2)8/19・20・26・27
受講申込受付期間 4/1~7/23
4/1~7/23
受講定員 40
16
受講料 65000円

■大阪府

実施施設名/所在地 近畿社会福祉専門学校
〒534-0025
大阪市都島区片町1-5-13
連絡先 06-6136-1117
講習会実施日 (1)10/16・17、11/6・7
(2)6/12・13、7/3・4
(3)9/25・26・27・28
受講申込受付期間 4/1~8/20
4/1~5/20
4/1~8/20
受講定員 32
受講料 43000円

■兵庫県

実施施設名/所在地 姫路福祉保育専門学校
〒670-0972
姫路市手柄1-22
連絡先 079-281-0555
(079-281-8555)
講習会実施日 (1)9/5・12・19・26
受講申込受付期間 6/1~8/20
受講定員 24
受講料 59800円

■岡山県

実施施設名/所在地 岡山医療福祉専門学校
〒703-8275
岡山市中区門田屋敷3-5-18
連絡先 086-271-6001
(086-271-3770)
講習会実施日 (1)7/31、8/1・7・8
(2)11/6・7・20・21
(3)12/4・5・6・7
受講申込受付期間 4/1~6/1
受講定員 40
受講料 60000円

■徳島県

実施施設名/所在地 専門学校健祥会学園
〒779-3105
徳島市国府町東高輪字天満369-1
連絡先 088-642-9667
(088-642-9966)
講習会実施日 (1)6/8・9・10・11
(2)6/15・16・17・18
(3)7/6・7・8・9
(4)8/24・25・26・27
受講申込受付期間 4/1~4/12
受講定員 24
受講料 63000円

介護技術講習会の申し込み方法

介護技術講習会の申込みについては、受講申込書に所要事項を記載して、受講料と一緒に直接、または郵送で上に添付している実施施設に送付する必要があります。

注意点として、まず郵送の場合受講料の受理込み証明書を受講申込書の所定欄に貼付する必要があります。また、提出期限については講習会開催日の2週間前までとなりますが、このあたりも実施施設によって異なります。

まずは上の実施予定表を確認した上で適宜対応するようにしましょう。

介護技術講習が活かされる介護福祉士とは?

介護技術講習が活かされる介護福祉士とは?

介護福祉士とは、介護が必要な方に対して日常生活をスムーズに行えるように介護を行う職業です。

介護自体ももちろんの事、介護福祉士という資格をもっていることで介護だけでなく教育や管理業務も行うことが多いです。

介護職員は一般的に「ヘルパー」と呼ばれますが、介護福祉士は「ケアワーカー」と呼ばれ、介護保険の対象者に向けた補助など様々な業務を行います。

介護福祉士の資格について

介護福祉士の資格について

介護福祉士は国家資格なだけあって、受験資格がそれなりに厳しくなっています。

▼介護福祉士の受験資格を確認したい方はこちらをクリック
  • 介護福祉士養成施設(2年以上)を卒業、または卒業見込みの方
  • 介護福祉士養成施設(1年以上)を卒業、または卒業見込みの方
  • 3年以上(従業期間3年以上、従事日数540日以上)介護などの業務に従事した方で、実務者研修を修了した方
  • 3年以上(従業期間3年以上、従業日数540日以上)介護などの業務に従事した方で、介護職員基礎研修と喀痰吸引等研修(第1号研修または第2号研修)を修了した方
  • 福祉系高校に入学して科目を履修して卒業した方
  • 特例高校に入学して、卒業した翌日後に9ヶ月以上(従業期間9ヶ月以上、従事日数135日以上)介護などの業務に従事した方
  • 福祉系高校に入学して、必要な科目を履修して卒業した方
  • 経済連携協定(EPA)であって、3年以上(従業期間3年以上、従事日数540日以上)介護などの業務に従事した方

受験手数料は一律18,380円で、筆記試験と実技試験が用意されています。

後述しますが介護福祉士の資格を保有していることで、待遇面で大きな違いが出てきます。

介護福祉士国家試験の内容

介護福祉士国家試験の内容

介護福祉士の国家試験は筆記・実技に分かれて双方で合格する必要があります。

本記事で紹介しているように、実技試験については介護技術講習を修了することで実技試験については免除することができますが、筆記試験の合格はいずれにせよ必須。

筆記試験の問題は下記のとおりです。

  • 人間の尊厳と自立
  • 人間関係とコミュニケーション
  • 社会の理解
  • 介護の基本
  • コミュニケーション技術
  • 生活支援技術
  • 介護過程
  • 発達と老化の理解
  • 認知症の理解
  • 障害の理解
  • こころとからだのしくみ
  • 医療的ケア
  • 総合問題

それぞれの試験科目に関する詳細情報は下記のページに記載されているので、気になる方は確認してみてください。

http://www.sssc.or.jp/kaigo/past_exam/index.html

介護福祉士のメリット・デメリット

介護福祉士のメリット・デメリット

介護福祉士の概要について説明してきましたが、具体的に介護福祉士のメリットとデメリットについて把握しておくことでさらに理解が深まります。

この章では、介護福祉士のメリット・デメリットについて説明していきます。

介護福祉士のメリット

介護福祉士のメリットは端的に言うと「介護福祉士という資格を持っている」という事です。つまり、介護福祉士という資格を持っていることから収入面の待遇、信頼を得ることができます。

さらに、介護福祉士という資格を取得しているだけで資格手当や基本給の伸びしろが変わるので、介護職として働いていきたいと考えている人はぜひ取得しておきたい資格と言えます。

しかし、収入が上がるという事はそれだけ信頼と責任も増えます。

介護の専門職を証明できる資格なので、管理職に就くことも多くなり、現場を引っ張る存在になることから、付きまという責任が自ずと増えてくる職種とも言えるでしょう。

介護福祉士のデメリット

上述したように、介護業界でこれから働いていくと決めた方にとっては介護福祉士という資格・職種にデメリットはありません。

まとめ

まとめ

本記事では介護技術講習について詳細に解説しました。

介護技術講習を受けることにより、介護福祉士の試験における実技試験を免除することができるので、より合格率があがるといえます。

しかしその反面、介護技術講習を修了するには受講態度などただ講習を受けるだけでは修了できないような評価項目も用意されているので、ちゃんとした覚悟で講習に臨みましょう。

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