介護保険制度はいつから始まったのか知りたいと悩んでいませんか?
この記事では「介護保険制度」について解説していきます。
結論、介護保険制度は2000年から創設され、介護を必要とする高齢者を支える制度として扱われています。
他にも「介護サービス利用開始の流れ」や「介護保険制度で受けられる介護サービス」についても解説します。
ぜひこの記事を参考に、介護保険制度について理解を深めましょう。
また「介護のおすすめの資格」について知りたい方は、こちらで解説を行なっていますので、ぜひ確認してみてください。
介護保険制度とは
介護保険制度とは、介護が必要な高齢者を対象に、社会全体で支えるしくみのことを指します。
介護を受けるために必要な費用を給付してくれるため、高齢者の負担を軽減させるメリットが挙げられます。
具体的な介護保険制度の目的として、以下2つが挙げられます。
- 介護離職ゼロを目指す
- みんなで支え合う介護
それぞれの項目について、特徴を踏まえて紹介していきますので、これから介護を受けようとしているご家族の方は、ぜひ参考にしてみてください。
介護離職ゼロを目指す
介護離職とは、仕事と介護の両立が難しくなってしまい、家族介護のために会社を辞めてしまうことを指します。
家族介護をする際には、40〜50代になってから介護を行うことが多い傾向にあるため、中堅社員が退職してしまう損出も会社側にもデメリットがあると言えるでしょう。
会社を辞めてしまう方についても、収入源が無くなってしまうため、経済的に厳しくなってしまうリスクもあります。
実際に、家族の介護を理由に退職する方は毎年10万人いると言われており、今後はさらに高齢化社会が進んでいき、大きな社会問題としても扱われています。
このように、介護保険制度によって、家族への支援や働く環境の改善を行うことによって、介護離職ゼロを目指しています。
みんなで支え合う介護
従来の介護の考え方としては、親や子供が親の介護を行うものとされていましたが、高齢化が進んでいき、家族や子供への負担が大きくなっているのも事実です。
介護保険制度は、介護を必要とする家族の負担を軽減することを目指しており、社会全体で介護を支えることを目標としています。
具体的には、40歳以上の方からも、介護保険料を負担することによって、介護が必要な方の負担を少しでも減らすことが可能です。
このように、介護保険制度は自分自身の老後の不安も解消することにも繋げることができます。
いつから介護保険制度は始まった?
介護保険制度は、2000年(平成12年)4月から、介護サービスを社会全体で支える目的として始まりました。
介護が必要になった場合でも、介護施設に移動するのではなくて、ストレスなく生活ができるように、自宅でも介護サービスを受けられるようにする目的があります。
また、介護が必要な方に対して、できる限り自立した日常生活を送ることができるように、自立支援サービスを受けることができる支援も行なっています。
地域によって多少異なりますが、介護保険制度を利用するためには、「要介護(要支援)認定」の申請が必要になるため、あらかじめ確認をしておきましょう。
介護保険を支払い始める年齢
介護保険を支払い始める年齢については、40歳に達したときから全ての方が加入することが義務付けられています。
しかし、以下の2つに分類されており、それぞれの支払い方が異なります。
- 第2号被保険者
- 第1号被保険者
それぞれの項目について解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
第2号被保険者
第2号被保険者とは、40〜65歳の方を指します。
40歳になる月から第2号被保険者として扱われることになり、介護保険料の徴収も開始されていきます。
会社員の方であれば、会社で加入している医療保険の保険料と一緒に徴収されますが、自営業の方は、国民健康保険料と一緒に徴収されるため、あらかじめ確認をしておきましょう。
また、誕生日が1日の場合には、誕生日の前日から第2号被保険者として扱われるため、誕生の前月から、介護保険を支払うことが必要になるため、あらかじめ注意が必要です。
第1号被保険者
第1号被保険者とは、65歳以上の高齢者を対象に介護保険料の徴収を行なっています。
介護保険料の支払い方法については、普通徴収と特別徴収の2種類があります。
普通徴収は、年金受給額が年額18万円未満の方を対象にしており、納付書による支払いもしくは口座振替によって介護保険料を支払います。
介護保険料はどれくらい納める?
介護保険料は、年々上昇しており、どのくらいの介護保険料を納めるのかあらかじめ制度で決められています。
具体的にどのくらいの介護保険料を納めるのかについては、第2号被保険者と第1号被保険者によって、介護保険料の計算方法が異なり、納付額も異なります。
それぞれの介護保険料について、下記にて紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
第2号被保険者
第2号被保険者の介護保険料は、医療保険と一緒に納付を行います。
国民健康保険加入者の場合には、世帯の被保険者の人数や前年の所得によって決定されます。
しかし、市町村によっても多少異なるため、あらかじめ自分自身が住んでいる市町村に確認をしておくことで、納付する介護保険を把握することが可能です。
社会保険加入者については、賞与や給料によって介護保険料が決められます。
また、介護保険料だと介護保険料の半分を勤務先や雇用主が負担して、国民健康保険加入者は半分が国に負担してもらうことができるため、実質半分の支払いをすることが必要と言えるでしょう。
第1号被保険者
第1号被保険者は、家庭状況や所得による課税状況によって、介護保険料が決定されます。
基本的には、経済的余裕がある方については、多く介護保険料を納付することが求められます。
しかし、市町村によっても、介護サービスの充実度が異なるため、介護サービスが充実している市町村については、多くの介護保険料を納めることが必要と言えるでしょう。
市町村によって、介護保険料の地域差があることについても、大きな社会問題として扱われています。
このように、自分が住んでいる市町村にあらかじめ確認をしておくことで、介護保険料でトラブルになってしまうことを防ぐことが可能です。
サービスが受けられる対象者
介護保険制度の介護サービスが受けられる対象者については、基本的には第1号被保険者のみが対象となります。
要介護・要支援状態の方が受給対象となりますが、第2号被保険者についても、認知症や要介護認定を受けた方であれば、サービスを受けることが可能です。
また、下記のような特定疾患病の場合でも、介護保険制度のサービスが受けられる対象者となりあす。
- がん
- 関節リウマチ
- 骨粗鬆症
- 認知症
- パーキンソン病
- 早老症
- 脳血管疾患
- 多系統萎縮症
- 変形性関節症
- 糖尿病
上記以外の特定疾患病にも、サービス対象となる場合があるため、あらかじめ自分が住んでいる自治体に確認をしておきましょう。
介護保険サービス利用開始の流れ
介護保険サービス利用開始の流れをあらかじめ理解しておくことで、スムーズに介護保険サービスを利用することにも繋げることが可能です。
具体的な介護保険サービス利用開始の流れについては、以下のとおりです。
- 介護認定の申請
- 介護認定を受ける
- ケアプランの作成
それぞれの項目について特徴を踏まえて解説してきますので、これから介護保険制度の介護サービスを利用する予定がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
介護認定の申請
介護保険サービスを利用するためには、各自治体にある役所の介護保険窓口で介護認定の申請を行うことが必要です。
第2号被保険者は、医師の意見書と医療保険の健康保険が必要になるため、あらかじめ定められた方でないと介護認定を受けることができません。
第1号被保険者の場合には、役所の介護保険窓口で介護認定の申請と医師の意見症が必要になるため、あらかじめ準備をしておくことが必要です。
申請後については、実際に市役所の調査員が自宅や老人ホームを訪問して、対象者の心身の健康状態の確認を行います。
介護認定を受ける
介護認定の申請をすることによって、一次判定と二次判定に分けて介護認定を行います。
一次判定については、医師の意見書や調査結果で得たデータを入力を行い、あらかじめ決められている基準に沿って判定を行います。
次に、二次判定では、実際にどのくらいの介護が必要になるのかどうか最終的な判定の実施をします。
判定結果は、申請から約1ヶ月で市役所から通知書が送られてきます。
ケアプランの作成
介護認定を受けて、実際に介護サービスを受けるためには、ケアプランの作成が必要になります。
ケアプランとは、利用者がどのような介護サービスを受けるのか、目標設定や介護サービス内容などをまとめた計画書のことを指します。
ケアプランの作成を行うためには、ケアマネージャーや地域包括支援センターが利用者の症状に合わせてケアプランの作成を行います。
また、ケアプラン作成後については、介護サービス事業者の中から、利用者にもっとも適した事業所を選択していきます。
このように、介護保険制度で介護サービスを受けるためには、ある程度の手間がかかってしまいますが、これらの手順を踏むことが必要とされています。
介護保険制度で受けられる介護サービス
介護保険制度で受けられる介護サービスについては、以下のとおりです。
- 居宅サービス
- 地域密着型
- 介護予防サービス
- 施設サービス
利用者の健康状態や要介護・要支援などの条件によっても、受けられる介護サービスは多少異なるため、あらかじめ確認をしておきましょう。
下記にてそれぞれの介護サービスについて解説していきます。
居宅サービス
居宅サービスとは、要介護認定された方が利用できる介護サービスのことを指します。
看護師やホームヘルパーが対象者の自宅を訪問して、介護サービスを行います。
また、対象者自ら介護施設に通って、リハビリや入浴を行うことも可能なので、対象者の健康状態に合わせて利用することが可能です。
さらに、福祉用具のレンタルや販売についても、介護保険制度の対象になるため、あらかじめ確認をしておきましょう。
地域密着型サービス
地域密着型サービスは、要介護認定された方が利用することができ、自治体が提供している介護サービスを利用することが可能です。
その地域の自治体によって、受けることができる介護サービスが多少異なりますが、定期的な訪問介護や介護施設の利用などサービスを利用することができます。
しかし、地域によっては、介護サービスを実施していない場合もあるため、あらかじめ注意が必要と言えるでしょう。
介護予防サービス
介護予防サービスとは、要支援認定された方が利用することができるサービスのことを指します。
主な目的としては、高齢者を自立した生活を送ることができるように、自立支援サービスを行うことを目的としています。
具体的には、自宅へ訪問サービスを行なったり、自宅でも生活ができるように、階段に手すりをつけたり住宅改修工事などを行なったりすることも可能です。
また、ケアプランの内容によって、介護予防サービスで受けられる内容が多少異なるため、ケアプランを作成する際に、あらかじめ要望を伝えておくことも重要と言えるでしょう。
施設サービス
施設サービスとは、要介護認定された方が利用することができます。
介護サービスやリハビリを受けることができる施設を利用することが可能です。
具体的に施設サービスの対象になっている施設については、以下のとおりです。
- 特別養護老人ホーム
- 介護老人保健施設
- 介護療養型医療施設
- 介護医療院
このように、幅広い施設を利用することができ、要介護認定のレベルによって、医学管理下におけるリハビリや看護を受けることができます。
介護保険制度について理解を深めよう!
今回は、いつから介護保険制度がはじまったのか知りたい方に向けて、介護保険制度の基本的な内容について紹介しました。
介護保険制度は2000年4月に創設され、目的としては、以下のとおりです。
- 介護離職ゼロを目指す
- みんなで支え合う介護
また、介護保険制度に対して理解度を深めることによって、適切な介護サービスを受けることにも繋げることが可能です。
今回の記事を参考に、介護保険制度について理解を深めましょう!